寝オチしたらサウザーになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
「ふんっ」
俺が投げた槍を躱しバットが間合いを詰めてくるが、甘い笑止。
「その程度でリンちゃんを任せられるかっ」
懐に潜り込んできたバットの腹に俺の蹴りが決まりバットがぶっ飛ぶ。それでも持ち前の身軽さから地面を転がるも直ぐさま起き上がる。
「だから、そのリンちゃんて誰だよ?」
「貴様、俺からリンちゃんをかっ攫っておいて知らないとはよく言った」
俺のフライングキックがバットに決まる。
「理不尽っ」
あれから一ヶ月、南斗帝国の仕事をこなしつつ俺はバットを後継者候補として徹底的にしごいている。
バットは何の修行もしなかったのに、ケンシロウと互角だったファルコを倒した名も無き修羅より強い名がある修羅を黒王号の馬上から一撃で倒した才能の塊。このまま修行を続ければきっと南斗鳳凰拳も極めるだろう。あっちなみに南斗鳳凰拳は俺の代から一子相伝辞めました。
だが俺のこのしごきには耐えられまい。きっとバットは逃げ出す。そうすればバットにリンちゃんを取られることは無くみんなハッピーになれる。
なのに逃げ出さない。
少年期のバットってこんなに根性あったっけ? もっとこうリア充らしく軽く要領よく生きていたような。
「貴様、なぜ逃げ出さない。そんなに俺からリンちゃんを奪いたいか?」
出来れば殺したくなかったが、こうなれば仕方が無いのか、うん仕方が無い。
「師匠が何言ってるか全く分からないけど、俺は早く出世して稼ぎたいんだよ」
「貴様っそんなにリンちゃんと二人になりたいと言うのか」
「だ~か~ら、知らねえって。
孤児だった俺を拾って育ててくれた人に恩返しをしたいんだよ。だから師匠がどんなしごきをしたって逃げ出さないぜ。
俺は南斗鳳凰拳の伝承者になってみせる」
「ぐっ」
そうだった。バットは古くさい漫画の主人公の如く悪ぶっているだけのいい子なんだよな~。
「それに俺師匠のこと尊敬してるんだ。こんな時代に帝国を作ったなんてすげえよな。そんな男が俺を見出してくれて俺すげえ嬉しかった。早く南斗聖拳身に付けて俺が師匠の敵をみんな倒してやるぜ」
バットが照れ隠しに鼻を擦りながら言う。
くうううう、いい子過ぎる。
これは負けを認めて父としてリンちゃんを託すべきなのか。だがあと10年くらいはリンちゃんと親子したい。年頃になったリンちゃんにお父さんの下着と一緒に洗濯しないでって言われてみたい。そして三年後くらいにはお父さんあの時はあんな事言って御免なさいって言われてみたい。
つまり10年はしごいてやる。
ぐふっふっっふ。
俺とバットが修行場で汗を流していると、そこに伝令が飛び込んできた。
「サウザー様緊急事態です。急ぎ会議室まで来て下さい」
「どうしたそんなに慌てて。また盗賊団か、そんなのレイにでも任せればいいだろう」
「違います。軍です。軍団が我が南斗帝国に攻め込んできました」
「なんだと!?」
ラオウを下した今、軍を編成できる敵なんて元斗か修羅か。
ついに第二部の敵が動き出したというのか。ジャンプのお約束パワーインフレで初期に出てきた敵キャラでは太刀打ちできない強キャラ達。
南斗存亡の時がついに来たか。