寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第38話 帝王の苦悩

「揃ったか」

 見渡せば会議室にはシュウ、シン、アミバ、マミヤ、リハク、グフ、牙大王と南斗帝国の主だったメンバーが揃っていた。

「時間が無い会議を始める。議題は今南斗帝国を攻めてきている軍団についてだ。

 どうなっている?」

「はっでは報告します」

 グフが立ち上がり報告を始める。今や立派な武官、元盗賊とは思えない出世ぶり。

「南斗帝国の国境を侵犯した軍はその後も進撃を進め、既に邑が三つほど陥落しました」

「三つもか!? 国境には南斗百八派から選んだそれなりの者が警備していたはずだぞ」

「それが命かながら逃げた者によると南斗聖拳が全く通用せず敗れたそうです」

 首都と国境に精鋭を置くのは国を守る基本。南斗六聖拳は基本帝都にいて、国境で時間を稼いでいる内に駆けつける南斗帝国防衛ドクトリンが早くも崩壊した。

「敵の正体は分かっているのか?」

 腐っても南斗が通用しない敵なんて元斗か修羅くらい、大穴で泰山流くらいだ。

「キキッ、俺達牙一族から報告する」

 いつの間にか牙大王の肩に乗っていた小男が報告を始める。もうすっかり忍者だな。

「牙一族偵察隊が確認した。敵の軍団は元斗の旗を掲げていたそうだ」

「元斗だと!?」

「天帝の番犬が動いたというのか」

 会議室に衝撃が走る。

 ちっ動いたか。もしかしたら動かないかもと藪を突かないようにしていたが裏目に出たか。

 いや、リンちゃんを引き取った時点でこれは運命かも知れないな。

 ならば俺が動くしかあるまい。

 北斗拳屈指の無能な善良キャラ ファルコ。生かしておけば必ず誰かに利用され天下は乱れる。可哀想だが始末する。だが元斗には体の秘密も無意味且つビームを飛ばしてくるので迂闊に空に飛ぶわけにも行かない南斗の天敵。ラオウと戦った以上の苦戦が予想される。

 今思えばケンシロウをもっと手懐けておくべきであったな。

「分かった。直ぐに軍を編成しろ俺が行く」

「待てサウザーお前は動くな」

 シュウが俺を制止した。

「なぜだ。南斗帝国に戦いを挑んだ愚か者は速やかに排除するのみ」

「それで一度窮地に陥ったのをもう忘れたのか。総大将が無闇に動くものじゃ無い。もう少し事態を見極めろ」

「戦力の逐次投入は愚か者のすることだ」

 ジャンプ特有インフレバトルに辛うじて付いていけるのはこのサウザーのみ。他の者では相手にならないだろう。

「また挟み撃ちに遭いたいのか」

「食い破ればいい」

「ならばお前のいない隙に帝都が襲われたらどうする?」

「急いで戻ってくる」

「間に合うか」

 シュウの言いたいことも分かる。俺が迂闊に出陣して別の軍団が迂回して帝都を落とす可能性はある。これが軍対軍の戦い、守るべき者がある者の弱点。

「これが陽動で無い可能性は無いんだぞ。少なくても敵の本体がどこにいるか見極めるまではお前はここにいろ」

「それでは辺境の邑々は見捨てるのか?

 仁星のお前らしくない策だな」

 そう本来なら帝星の俺が非情なことをして仁星のシュウが反対するのが普通だ。

「お前こそ我等南斗六聖拳を見くびるな。

 極めれば北斗神拳に匹敵すると言われた表裏一体の拳。まずは俺が行こう」

 仁星が動くというのか!!!

「まて、お前がいなくなったら帝都の書類業務はどうするんだ?」

「お前がやれ。俺も拳士、書類業務で終わるつもりは無い」

「だが」

 いやシュウでは元斗に対抗できないのは明白。行かせてはならない。

「俺が行く」

「シン」

「ロートル共は大人しくここで待っていろ。俺が行って片付けてこよう」

「いや、しかし、でも。失恋して自棄になってない」

「そこに触れるなっ。

 俺とて南斗の将腕が鳴る」

 シンか、でも原作を見るに序盤で出たが為に一番弱そうなボスキャラなんだよな。後期ケンシロウに匹敵する元斗に勝てるわけがない。

 それがジャンプのインフレなんだよ。

 せめてシンに何か執着する者があればこれまたジャンプ特有覚醒イベントが起こる可能性もあるんだが。

 誰が行っても無駄死にだ。

「やはりこの帝王が行く。お前達はここで帝都を守っていろ」

「サウザーッ」

「マミヤか」

 マミヤが俺を叱りつけてくる。

「あんたが心配性なのは分かるけど、少しは帝王らしく部下を信頼しなさい」

「しかしだな」

 この女はジャンプのインフレを知らないだ。

「私とカレンも一緒に行くわ」

「はあ? お前達が行ったところで・・・」

「大丈夫。私は貴方達みたいに下らないプライドは無い。勝てないと分かったら、首に縄を付けてでも逃げてくるわ」

 確かにマミヤならそれができるだろう。

 シンにしろアミバにしろレイにしろ、若いもんは引くことを知らない。

「ん? そういえばレイは?」

「レイならパトロールに出ていたからな。だが伝令は走らせた。もう戻ってくるだろ」

 シュウが言う。

 そうか、ならレイも付けるか。それなら少しは安心できる。三人いれば逃げるくらいなら出来るだろう。確かにマミヤの言う通りあまり部下を信頼しないのも良くないしな。若いもんに経験を積ませるのも年長者の役目。

 そんな俺を裏切るように会議室に伝令が入ってくる。

「報告です。レイ様が国境に侵入してきた軍に対して迎撃に向かいました」

「くっそ、あの自由人がーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」

 原作において南斗六聖拳の将にして一人の部下を持たなかった自由人レイ。

 少しは将の自覚も持てよーーーーーーーーーーーーー。

 

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