寝オチしたらサウザーになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
「では行ってくるぞ」
背後に万の大軍を従えるシュウが俺に言う。
流石原作ではレジスタンスのリーダーをしていただけ合って上に立つ素質はある。兵を率いれば立派な将に見える。とても数日前まで頬がげっそりしていて文官にしか見えなかった男と同じには見えない。
「もう一度確認するがレイの救出が目的だからな」
「分かっている」
「ファルコを見付けたら絶対に手を出すなよ。直ぐに俺に知らせるんだ」
「分かった分かったから」
呆れ気味にシュウが返答する。
「行ってくるぞ」
マントを翻しシュウが軍を率いて出発した。
「いいか~無事に帰ってくるまでが遠征だからな~」
大将シュウ、副将にシンとアミバ、偵察部隊に牙一族、南斗帝国軍2/3の兵力を付けたが、まだ心配だ。
やはりこっそり後を付けるべきなのだろうか? 手を振って見送りながら考える。
そうだ、それがいい。
「何をするつもりだスットコドッコイ」
この俺に気取られることなく背後に回っていたマミヤに頭をハリセンで叩かれた。
「痛いじゃ無いか。ただ俺は心配で・・・」
「はあ~なんかサウザーってオカンみたいね」
「なんだと」
「兎に角監視役をシュウさんに任された以上勝手はさせないわよ」
「しかしだな」
「少しは部下を信じなさい。サウザー」
そう言われると黙ってしまうしかないが、原作を知っている身ではシュウではファルコに勝てないと分かってしまう。
まあシンなら兎も角シュウなら無茶はしないか。
「うらーーーーーーーーーーーーーー」
「ごふっ」
コサックダンスキックがバットを吹っ飛ばす。
シュウとかもいなくなり会議もなく特にすることのない俺は気を紛らすついでに弟子を鍛えることにした。
「どうしたどうした。そんなことでは伝承者には成れないぞ」
俺は休むことなくコサックダンスをしながら言う。
「くそっ、馬鹿にしやがって絶対一発入れてやる」
うんうん、弟子も燃えているようで重畳。
「がんばれ~バット君。サウザーに一発入れたらリンちゃんと一緒にご褒美上げるよ」
「マミヤさんお手製のサンドイッチよ」
稽古を見学しているマミヤからバットに黄色い声援が上がり、リンちゃんがバスケットを掲げる。
「おっしゃーーやるぜ俺は」
バットのやる気に火が灯る。
おのれ、この未来のイケメンめ。イケメン死すべし、絶対にリンちゃんからのご褒美はやらん。
俺のコサックダンスのビートもアップした。
そんな燃える師弟の時間に割って入る者がいた。
「サウザー様、緊急です」
「どうした?」
またこのパターンか、シュウ達が元斗軍と交戦するにはまだ時間もあるだろうし何だ?
「修羅寇です」
「修羅寇だと!?」
「恐れていたことが発生しました。
修羅が海を渡り攻めてきました」
「馬鹿な、何かの間違いじゃないのか」
「無数の船が海を渡って海岸線に到達、海辺近くの邑邑は修羅に襲撃を受けています」
あり得ないと思っていた修羅寇が始まったというのか?
海岸線は南斗帝国の領土ではない独自勢力圏。守る理由は無いが、彼等が敗れれば次に狙われるのはここだろう。
なぜ分かるかだと、ジャンプ王道展開からいえばここだろ、間違いない。
なぜあの引き籠もりが動いた?
何が引き籠もりを動かした?
・・・
考えられる原因としてはラオウか。ラオウは療養中で戦えるような状況じゃない(※ラオウ様は丈夫だけど怪我の治りは遅い虚弱体質)
今のうちに倒してしまえと動いたか。
誰かがラオウが動けぬとちくったのか?
ユダか、あの野郎原作以上に智将らしいことしてくれるじゃないか。
「どうするの? サウザー」
「マミヤ頼みがある」
「何」
「至急、トキを帝都に招集してくれ。
このお頼み券を使う」
俺はトキを配下にしたときに作ったお頼み券を取り出す。全部で三枚、トキはこの券を使った命令には絶対に逆らわないことになっている。
問題は三人の羅将。原作で羅将に対抗できる者は、ラオウ、トキ、五体満足ファルコ、ケンシロウ、俺くらいだろ。
このうちケンシロウは覚醒してなくラオウは療養中、ファルコは敵。
俺とトキで三羅将を倒すしかない。
「弱き男は死ぬべし」
修羅の一人が邑人を縊り殺す。
雑魚のようだが修羅は修羅、そこらの一般人が敵う者じゃない。
「水と食料を確保しろ」
修羅達が家捜しして水と食料を奪っていく。
「ついでに美しい女を奪っていけ、修羅の花嫁とする」
「子供は未来の修羅だ。捕らえておけ」
男は殺され女と子供は捕らえられていく。
「カイオウ様はこの国の全てを蹂躙しろと命じた。
今こそ修羅の力を解放するとき」
元々誰も警戒してなかったので修羅の軍は楽々と上陸を果たし、直ぐさま海岸線近くの邑邑の蹂躙を始めた。
食料を持ってきているが海の向こうで補給は続かない。自然と現地で女と食料を調達するのが軍を進軍させる基本戦略となる。
次々と邑邑は略奪されていく。
修羅の軍、数千。一騎当千の修羅なら数万の兵に匹敵する軍がイナゴの如く進軍していく。
そしてまたこの一つ平和な邑が修羅の一軍に襲われた。
「きゃーー助けて~」
「大人しく水と食料を出せ」
「げはははは、女女がいるぞ。大人しくしていれば可愛がってやるぜ」
「俺が可愛がってやろう」
「げほつ」
女を攫おうとした修羅は割って入った拳に吹っ飛ばされた。
「誰だお前は」
大したダメージを受けた様子のない吹っ飛ばされた修羅が起き上がって睨み付ける。
「俺の名前を言って見ろ」
死神を背後に纏ったジャギが現れたのであった。
世紀末救世主伝説が始まる。