寝オチしたらサウザーになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
元斗軍だけならともかく修羅軍までこの帝都に迫っている。
もはや手段を選んでいられる状況じゃない。
出来れば普通の少女として育てて、彼氏を紹介されて思わず彼氏を真っ二つにしてお父さんやだーとか笑い合う普通の家庭を築きたかった。
夢幻か。
負けてしまえば可愛いリンちゃんなんか絶対○奴隷にされてしまう。そんなこと絶対に許せない。
すまぬリンちゃん、不甲斐ないサウザーを許してくれ。
この帝王勝利のために情を捨てるときが来たか。
「カーネル」
「はっここに」
俺の背後にすっと幽霊の如くカーネルが表れた。
「元軍の特殊部隊にいた腕を見込んで頼みがある」
考えてみれば、北斗の拳の中で唯一崩壊前から定職に就いていた、ある意味北斗一のまともな人なのかもしれない。
世界が崩壊したショックでちょっと頭のネジが吹き飛んだのも、真面目に働いていた人からすれば十分あり得る、寧ろ真面目な人ほど成りやすいだろう。そう考えるとモヒカン族も世界崩壊のショックで精神崩壊してああなっちゃった普通のサラリーマンだったんだろうな。
「はっこのカーネル、南斗帝国のため命を懸けましょう」
「うむ。頼もしいぞ」
カーネルは元国の為に命を懸けて戦う真面目な戦士。ブタに仕えて絶望して闇落ちしたが、根が真面目な人だから南斗帝国で真面目に働いて国土復興を実感して立ち直ったようで再び愛国の戦士になった。
今では俺の切り札の中の切り札、南斗帝国特殊部隊を率いている。全員南斗の中で気配を殺すのに長けた流派で構成されている。
「カイオウの暗殺でしょうか? それともファルコですか?」
真面目に戻ったカーネルは真面目に暗殺対象を聞いてくる。
まあ特殊部隊なんて要人暗殺とか要所破壊とかが主要任務だから間違っていない。
「違う。救出だ」
「救出ミッション。一筋縄ではいかない任務だな」
「断るか?」
「いや、このカーネルそれでこそ燃える。でっ誰を?」
「天帝ルイ。我が娘リンちゃんの双子の姉だ」
「なっなんとリン様にそんな秘密が。まさか帝王はそれを見越して」
「それ以上は言うな」
出来ればリンちゃんは俺の娘として過ごして欲しかった。だがルイを出す以上リンちゃんのことも話さないわけにはいかない。
「ルイ奪還が叶えばルイとリン双子の天帝を南斗が保護することに成り、元斗軍は我が南斗軍の風下に立つしかなくなる」
天帝の守護の為の拳法なのに、その天帝の保護を南斗に奪われたらその存在意義を失う。もはや天帝の下の南斗の命令を聞くことで辛うじて存在意義を保てることになる。つまり第二部におけるジャコウポジションになる。
「なるほど、そして元斗を修羅共にぶつけるのだな。上手くいけば両方潰れて禍根はなくなる。流石サウザー悪知恵が働く」
「えっいえやその、まあそうだ」
流石軍人えげつない。そこまでは考えてなかった。退いてくれたらいいな~くらいしか。
「シュウ達には時間は稼がせるが、あまり保たないと思え」
正直ケンシロウクラスのファルコ相手にシュウ達ではまともに戦えないだろう。だがやりようはある。原作ではゲリラのリーダー、食料を焼いたり、足を奪ったりの嫌がらせならお得意のもの。心配なのはシンが暴発を上手く抑えられるかくらいか。
「南斗帝国の存亡はお前に懸かっているぞ」
「このカーネル、大役に心震えている。
しかし作戦成功までの間、修羅共はどうする?」
「修羅相手に交渉はない。力で対抗するしかあるまい」
「では帝王自ら出陣して時間稼ぎか?」
「そうだ。南斗百八派、残り全てを引き連れ出陣する」
現状カイオウに対抗できる拳士は一人しかいない。
原作と違いケンシロウは無想転生すら身に付けていないし、ラオウは治療中。
カイオウに対抗できる拳士、それはトキしかいない。
しかしトキには致命的な弱点がある。
それは持久力が無いこと。3羅将を相手に戦い抜くことは出来ないだろう。
ならばハンとヒョウは俺が倒しカイオウへの花道は切り開いてやる必要がある。
っと思っていたがそうかカーネルのいう通り元斗をぶつける策もあるのか。
いや、そうそう上手くいくわけがない。上手くいって策通り、下手をすれば元斗軍を抑えきれず帝都にすら迫られるだろう。その時にはシュウに託したもう一つの秘策「リンちゃんを天帝として立てて元斗に退くように命令させる」を実行するしかなくなる。こんなことすれば天帝として利用するために可愛がったんだとリンちゃんに誤解されて愛を失うだろうが、○奴隷にされるよりはいい。これで元斗軍が退くか分からないが混乱はするだろう。
つまり元斗に関しては時間さえあればどうにでもなる。
やはり本命は修羅か。
「帝都が無防備になるな」
「余力を残して勝てる相手では無い。南斗軍全力で行く。それに療養中とはいえそこいらの相手なら十分に強い男が残っている」
「動いてくれますか?」
「借りを嫌う男だ」
「そうだったな。カーネル納得した。直ぐにでも出発する」
「うむ」
カーネルの気配は消えた。
さて俺も死地に向かうか。