寝オチしたらサウザーになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
上陸した修羅第一羅将軍は行く先々で蝗の如く邑邑から食料と女を徴発しつつ南斗帝国北部山岳部に迫ってきた。
対する南斗帝国軍は数の差を補うために大軍が展開しにくい谷間に布陣して迎え撃つ。
「今こそ南斗百八派の力を見せるとき。
なんとしてもここで修羅共を食い止め帝国に侵入させるな」
今まで出番の無かった南斗の拳士達が必死に修羅達と激闘を繰り広げる。
腐っても南斗なのか雑魚修羅相手なら地の利を生かし修羅の侵攻を防いでいた。
そして一部の拳士は修羅すら凌駕していた。
「南斗紅雀拳」
「南斗双鷹拳」
「南斗飛燕拳」
切り裂く切り裂く南斗の拳が修羅を切り裂いていく。
このまま修羅の陣形すら切り裂くのではと思われた時、絶叫が戦場を切り裂く。
「うぎゃああああああああああああああああああ」
「ああ、南斗風車斬のバロンが」
バロンは得意の大斧を振り回したままに吐血しその場にアメーバの如く崩れた。
「ふんっあまり調子に乗られて修羅がこの程度思われても困るのでな」
郡将カイゼルはその手に握った肋骨を握り潰した。
「久しぶりの戦争だ。この群将カイゼルも堪能させて貰うぞ」
余裕の態度で強者のオーラを放つカイゼルに南斗の進撃も止まってしまった。
「はいやーーー」
「はいはい」
足が止まった南斗の戦士達の間から南斗双斬拳ベジ、キジが十字投を投げ合いつつ飛び出してきた。
迫り来る投剣を避けたときにはカイゼルはベジとキジに挟まれ南斗双斬拳の必殺の間合いに捕らえられた。
「こうなれば我等の勝ちよ」
「我等の投擲からはどんな達人も逃げ延びることはできんのだ~っ」
南斗双斬拳はどうみても対多数では使えない対個人用の拳。修羅との戦いで後ろに控えていたがカイゼルが一人前に出てきたことで、ここぞ出番とばかりに最高のタイミングで飛び出したのだ。
「ふっ道化か」
「これを見ても笑えるかな」
今まで二本だった十字投剣が手品如く四本に増えた。
「いい芸だ」
「はいやーー」
「はいはい」
じりじりとベジ、キジの間が縮まっていく。
「流石だぜ」
「やつらはああやって間合いをつめ獲物を切り刻むんだ!」
カイゼルは二人の間に留まり投剣を避け続けている。
そしてついに二人は間合いに踏み込んだ瞬間投剣を掴みカイゼルに左右同時に斬りかかる。
「遅い」
カイゼルは両手を同時に旋回させ、あっさりとベジとキジの肋骨を掴み取っていた。
「投剣使いが接近戦を挑んでなんとする」
強い。ベジとキジを全く寄せ付けず倒すカイゼルに南斗の戦士達は知らず後退りしていた。
だが逃走は無い。逃げれば帝都までもはや軍は無く、帝都が修羅に蹂躙される。帝都に家族を残している南斗の戦士達に後退は無い。
これぞ守るものが無い修羅には無い強さ。
実力があれば全員が南斗究極奥義断己相殺拳を放っていただろう。
「なら次は俺達が」
「やめとけって」
前に進もうとしたハーン兄弟の肩を掴む者がいた。
「そんな思い詰めた顔をすんなって。
男なら笑って挑もうぜ」
「気まぐれなお前が戦うというのか?」
「まあちょいとな。帝都には惚れた女がいるんでね」
男は笑いながらカイゼルの前に立つ。
「名を聞こうか?」
強者のオーラを嗅ぎ取ったカイゼルが名を問う。
「あんたもカタッ苦しいな~。そんなんじゃ女にもてないぜ」
「貴様も道化か?」
「違うぜ、俺は雲。
雲のジュウザ参る」