寝オチしたらサウザーになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
「喰らえ、南斗双鷹拳双羽落爪破」
禿げたオッサン兄弟による空中での見事な連携により生み出される必殺の手刀がファルコの頭上より襲い掛かる。
ここは修羅と戦う戦場とは逆側に当たる南斗帝国東部。シュウ率いる南斗帝国軍とファルコ率いる天帝軍が激突していた。
この時代では大規模に当たるの万の戦士達の激突だが、兵卒の質では南斗軍が上回っていたが、天帝軍をひきる将の圧倒的強さによって南斗軍は劣勢になっていた。
劣勢を覆すべく、南斗の伝道者達がファルコに挑み散っていった。
今もまたハーン兄弟決死の攻撃だがファルコはあっさりと見切り最小のステップで躱そうと意識が上を向いた逆、足下から伸び上がるような蹴りが襲い掛かる。
「ぬっ!?」
上下同時攻撃。
流石のファルコも躱せないタイミング。
「ふんっ」
切り裂かれると思った瞬間ファルコから黄金のオーラが濁流の如く吹き出し、襲い掛かる牙を弾き返した。
「流石元斗皇拳ファルコ、あのタイミングで防ぐか」
オーラに吹き飛ばされるも素早く体勢を立て直したシュウが言う。
「シュウ、お前ほどの男が不意打ちか」
「南斗聖拳は陽の拳、戦場の拳、戦場では勝つことこそ第一と知れ。
暗殺拳の北斗や守護の拳の元斗とは違う」
「確かにここは戦場、尋常な一騎討ちではなかったな」
ファルコが何処か小馬鹿にしたように言う。
「ハーン兄弟、立てるか?」
「ああ、大丈夫だ。ちょっと吹っ飛ばされて驚いただけだ」
ハーン兄弟も致命傷は負ってないようで泥だらけになりながらも起き上がってくる。
「シュウ様、我等も加勢します」
戦場で生き残っている108派の使い手が10人ほど駆けつけてきた。
誰も六聖拳には及ばないが、108派を極めた南斗の拳士達。
「南斗聖拳の使い手10数名が集まれば、ファルコといえど恐るるに足らず。
皆、ここで命を捨ててくれ」
「「「はっ」」」
死んでくれと言うシュウの命令に集まった者達は躊躇いなく諾とする。
「南斗総掛かり」
集まった南斗の拳士達がじりじりとファルコに詰め寄っていき、シュウがその影に消えていく。
これぞ南斗奥義108派総掛かり。雑魚を嗾け、目眩まし陽動盾と捨て駒として活用し本命が致命の一撃を入れる必殺の陣。多数の南斗だからこそ出来る戦法である。
「仁星と聞いていたが随分と非情だな」
ファルコは噂と違い部下を捨て駒にするシュウに違和感を覚える。
「ふっ、俺は帝星に子供達の明日を見た。ならば喜んで汚名も被り礎となろう」
「その覚悟、羨ましくもある。俺も自分の信念の為に戦いたかった。
来いっ」
未練を振り払うように言うファルコに先程までのシュウ達を嘲る気持ちはない。天帝軍の将として自分にはない南斗の拳士達の覚悟を真っ向から受け止めるつもりである。
じりじり、南斗の拳士達の間合いが縮まっていき緊張が極限まで高まった。
「両軍そこまで」
南斗と元斗が入り乱れる戦場に天啓の如き声が響いた。
何事かと誰もが振り向くその先にはサウザーが。
「ええええい、控え控えおろう。
ここにおわす御方をどなたと心得る。
ここにおわす御方こそ天帝リン様成るぞ」
ハイテンションのサウザーが水戸の印籠の如く神輿に担がれ一際高く祭り上げられたリンを示すのであった。
「はっはははーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
南斗の拳士達は意味も分からず立ち尽くし、天帝軍はその場にははーーと平伏するのであった。