寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第52話 スーパーサウザー

 ふっふ壮観だ。

 今の俺の前には万の元斗軍が全員片膝を突いて首部を垂れている。

 流石俺のリンちゃん、やはり将来は天を掴むアイドルになれる素質があるな。もはやリンちゃんが世紀末アイドルとして天を掴むのは明白、自明、必然。

 今こそ悟ったリンちゃんの覇道を阻む者を排除することこそ我が天命。

 

「りっリン?」

「確かにリン様と」

「ルイ様じゃ無いのか」

 一端は跪いた元斗軍だが名前がリンということに今更ながら気付きだした。

「もしかして、そっくりさん?」

「偽物?」

「騙された?」

 疑惑が波のように跪いている元斗軍に伝播していく。

「愚か供め。

 この御方は間違いなく天の血を引く御方。

 なあ、そうだよなファルコ」

 俺はただ一人立ち尽くしていたファルコに問い掛ける。

 この中で唯一リンちゃんの出生を知っている男であり、我が天使リンちゃんを殺そうとし追放した極悪人。

 リンちゃん許しても俺が許さぬ、優しいリンちゃん代わって天誅を下してやるわ。

「そっそうだ」

 ファルコは血を滲ますように言う。

「なんだ、反抗的だな。

 もしかして元斗皇拳の使い手ともあろう者が、ジャコウには従えても天帝の血を引くリン様には従えないというか」

「・・・そんなことは無い」

「ならば頭が高いっ。

 貴様が犯した罪の重さを噛み締めろっ」

「ぐっ」

 ファルコにゆっくりと膝を曲げ両手を地面に付け頭を地面に付ける。

 ド・ゲ・ザ。

 土下座。

 倍返しで流行の土下座を披露した。

 元斗の頂点に立つ男がこれだけの人々の前で土下座をするのは屈辱だろうが、まだまだこれからよ。

「ふんっ貴様のような男には土下座が似合うな」

「なっなんだと」

 俺がファルコを罵るとファルコを慕う兵士の一人が声が上げた。

「黙れっ。

 この男は生まれたばかりの天帝であるリン様を殺害しようとした。だが根性が無いばかりに実行できず、人知れずリン様を追放した。

 ここまではまだ同情の余地はある」

 まあおかげで俺はリンちゃんに出会えたので感謝してもいいのかもしれない。

 だが許さん。

 倍返しだ。

「だがそうまでして守ろうとしたルイ様をこともあろうにジャコウ如きに誘拐され、奪還するどころかジャコウの手下になって天下に騒乱をもたらし、今再びリン様に弓を引いた罪、万死に値する。

 反論はあるか」

 俺はファルコの後頭部を踏み付け罪を高らかに宣告する。

「なっない。全てはこのファルコの不徳の致すところ。

 どんな罰でも文句は無いが、だがルイ様、ルイ様はどうなったのだ?」

 地面に頭を付けたままファルコが必死に問い掛けてくる。

 教える気はなかったが、少しだけ同情した。

「ふんっ無能な貴様に代わって我が有能な配下が保護したわ。何処に匿っているかはお前には言えないがな」

 此奴にうっかり教えるとジャコウ一派に奪い返される可能性があるからな。

 いい人で強いかも知れないが、それだけの疫病神、それがファルコ。

「そうか。ならが思い残すことは無い」

「潔いな。

 本来ならこのまま頭を踏み砕いて死刑にするところだがリン様は慈悲をくれるそうだ」

 俺はここで神輿に乗るリンちゃんの方を向く。

 さあ、リンちゃん打ち合わせしたように此奴に修羅軍に特攻するように言ってくれ。今の此奴には両足があるので一応ラオウ並み、きっとヒョウぐらいなら倒してカイオウに手傷を負わせてくれる。

 その後で悠々と俺が始末してくれるわ。

 悪い悪いぞ、だがこれぞサウザー。

 さあ、一言言ってくれれば全てが上手くいくというのになぜかリンちゃんは悲しそうな顔をする。

「どうしたのですかリン様。

 さあ、裁きを」

「えええいっ教育に悪いわっ」

 スコーンと後頭部をハリセンでぶっ叩かれた。

「誰だっ痛いじゃ無いか」

「痛いじゃないかじゃない。教育に悪い」

 そこにはハリセンを持って仁王立ちをするマミヤがいた。

「ええい俺とリンちゃんに口出し無用」

 すっコーンと頭を叩かれた。

「口出しするわ。

 あなたは本当にもう、いい人なんだか悪い人なんだか。

 さあ、リンちゃんこの馬鹿は私が黙らせるから、自分の思うがままに言いなさい」

「ファルコ」

 リンちゃん意を決した顔で言う。

「はっ」

「幼い私を助けてくれてありがとう。

 でもこれからは姉さんと一緒に生活します。あなたも国に帰って静かに生きて下さい」

「そっそれは、今こそこのファルコが天帝の為に戦うとき、どうか一言修羅を滅しろと命じて下さい」

 顔を上げ魂の叫びを上げるファルコ。

 まあ俺の私情もあるかも知れないが、実際問題それこそが元斗皇拳の使い手ファルコの贖罪の道であるんだがな。

「いいのです。もう楽になって下さい」

「しかしそれでは誰が天帝を守るのですか?」

「天帝の私を守ってくれる人はいなくていいのです。

 でもリンとしての私なら守ってくれる人がいます」

「そっそれは」

 ここでリンちゃんと目が合った。

「ねっ私をみんなを守ってくれるよね。

 サウザーパパ」

 パパ。

 ファザー。

 お父さん。

 何だこの魂のそこから湧き上げる力は?

 リンちゃんのたった一言パパで力が漲ってくる。

「 ぐぐっっぐぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。

 はっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 俺の体の奥底からオーラが爆発して溢れ出しスーパーサイヤ人状態、いやこれぞ南斗の究極形態。

 愛を与えられ

 愛を棄て

 愛が蘇って覚醒した。

 スーパーサウザー。

「うはっはっはっはあ、修羅供なぞ俺が一掃してくれるわ」

 大地に俺の高笑いが響くのであった。

 

 

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