寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第57話 ハブ

「全てを思い出した。

 あなたは・・・」

「hyouooooooooooooooooooooooooooooお」

 正気に戻り礼を言おうとしたヒョウであるが目の前のジャギからは溢れるほどの暗黒闘気が出ている。素の実力ならハンに劣るが暗黒闘気に到っているので北斗琉拳をハンより極めていると言える。

 こう思うとハンって戦闘狂なだけで邪悪では無かったんだな。

 兎に角新たなる羅将の誕生である。

「あっあなたは道化を演じてその身を犠牲にして俺を救ってくれたというのか」

 ヒョウは感涙の涙を流してるが、ジャギにそんな気はないと思うぞ。

 彼奴は素でケンシロウを憎んでいるし、まして自己犠牲の精神なんて無いだろ。寧ろ暗黒面に目覚めてケンシロウに勝てると喜んでいるかもな。

「俺は俺は、また己の無力さで罪を犯してしまったというのか」

 今度はヒョウは打ちのめされたように慟哭を始めた。

 忙しい男というか暑苦しいな。

 まあよい、ここは慈父星に目覚めた帝王の出番だな。

「ああ何言ってんだお前?」

 ヒョウの嘆きにジャギは暗黒闘気を身に付ける前と変わらぬ口調で呆れたように答え、俺の踏み出そうとした足が止まる。

「何泣いてんだ、兄として情けないぞ」

「正気を保っている!?」

 ヒョウはジャギを信じられないといった目で見ている。

「そうか北斗琉拳の極意は暗黒闘気に負けない強い精神力にあったのか。

 あなたこそ北斗琉拳の真の伝道者に相応しい」

「真の伝道者」

 伝道者という言葉にジャギが反応した。

「はい、あなたこそ暗黒を知り光を見失わない強き男、まさしく輝く珠「琉」」

「そうかそうか」

 初めて純粋に自分を尊敬する眼差しジャギは嬉しいのか暗黒闘気が揺らめいている。

「いいだろう、北斗琉拳真の伝道者として俺がお前達を導いてやろう。

 行くぞ」

「どこへ?」

「暗黒を彷徨う迷い子カイオウを救うぞ」

「はい、付いていきます」

 ジャギは従者のようになったヒョウを連れて荒野に消えていく。

 

 あれはれ?

 慈父星に目覚めた帝王の活躍は?

 

 完全にネタに化した帝王とは別にかなり前に仕込んだフラグが動き出す。

「あの~誰でしょうか」

「顔色が悪いな、寝てないのか?」

「はいそうなんです。ケンシロウとかいう陰険太眉毛野郎が昼夜と問わず襲ってくるので眠れなくて」

 凶悪だった修羅の顔はげっそりと頬が瘦け目の下の隈が濃い。これというのもケンシロウが飽きずに嫌がらせを続けている為最初こそぶっ殺したらーと威勢が良かった修羅達も徐々に疲労が重なり今やブラック企業に勤めるサラリーマンより疲れている。

「そうか、案内はいい。お前はゆっくり眠るがいい。不眠症に効く秘孔を打ってやろう」

「ありがとうございます。先生」

 迎撃に出た修羅であるが目の前の男トキの優しさに涙すら流している。

 こうしてなんも妨害も受けずにトキはカイオウと対峙するのであった。

「トキか」

「あなたがカイオウ、正直あなたが兄という記憶が全くないが。 

 聖帝との盟約により私がお前を討つ」

 カイオウ対トキ、運命の兄弟の対決が始まろうとしていた。

 

 

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