寝オチしたらサウザーになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
「はい、リンちゃん飴食べる」
運転を部下に任せ後部座席にリンちゃんと並んで座っている俺は正直間が持たない。
子供の相手なんて何すりゃいいんだよ。
前世で独身だった俺にはさっぱり分からない。それでも前世ならゲームでも与えておけば良かったんだろうが、この世紀末にそんなものはない。
しかたないので部下が気を利かして持ってきた飴を上げてみた。
「ん」
リンちゃんは一応受け取ってくれて横で舐めた。
その瞬間りんちゃんの顔が綻ぶ。
かっくぁわいいいいぞーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
まずい思わず叫んでしまうところだった。
ただでさえ耐性が無いというのにこの笑顔はまずい、キュンと来てしまった。
これが天帝の力なのか、父性に目覚めてしまいそう。
まずい、俺の目的はあくまで南斗聖拳の帝国を築き天下を取ること。
でっでもリンちゃんに南斗聖拳を教えて拳士にすれば問題ないのでは?
でっでも可愛いリンちゃんに厳しい南斗の修行なんてさせられないし。
駄目だ。俺迷走している。
「あとどのくらいで着く?」
俺は思考の迷路から抜け出す為部下に偉そうに問う。
「ユダ様が指定したポイントまでもう少しです」
リンちゃんの邑を陥落させた後ユダからトキの居場所を探し当てたとの連絡があり、早速俺は向かうことにしたのだ。
ユダからの報告では邑は健在でトキは元気に病人の治療をしているとのこと。なんとかアミバやラオウより先んずることが出来たようだ。
トキはラオウに匹敵する拳士でありケンシロウに柔の技を教えた者でもある。そして何よりサウザーの体の秘密を知る男、野放しには出来ない。
なんとしても手中に収めなければならない。
ほどなくして荒野に集まる武装集団が見えてきた。トキの邑に行く前に合流することになっているユダの軍団だろう。少数精鋭の南斗聖拳の使い手のみの此方と違って、あちらは配下にモヒカン族がいる。まあ天下を取る為には南斗聖拳の使い手だけでは数が足りないので、略奪や強姦など絶対厳禁で厳重管理の上で許可している。
戦いは数だよが通用しない北斗の世界だが、まあ顔が怖いので恐喝するには役に立つ。今回はこれに我が精鋭を加えた軍団でトキを攻略する。
「サウザーこの先にトキがいる奇蹟の邑がある」
合流しジープを止めるとユダが近寄ってきて指差す先には瓦礫を積み上げた外壁が見える。
「そうか、では作戦通りまずは邑を包囲しろ」
「分かった。しかし意外だったぞ」
「何がだ?」
「平和派と馴れ合うからてっきり腑抜けたと思ったがこんな作戦を立案するとは見直したぞ」
トキは正面からぶつかれば負ける確率が高い上に倒すことが目的では無いので策を使うことにした。
「くっく、こういう汚いこと無くして乱世は掴めまい。お前にはこういう汚れ仕事をドンドンして貰うぞ」
「分かったが、見返りはあるんだろうな」
「なんだ処刑された方がいいのか」
「ぐっ」
「冗談だ。だが北斗の風下に着くよりは南斗が天下を取った六聖拳の方がいい思いが出来るぞ」
「分かった」
「行くぞ、全軍前進」
こうしてトキ攻略作戦が開始されたのであった。