ブレーメンの屠殺場   作:NiOさん

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第 0日目 図書館:ニッケルさん
第0問 なぞなぞノート


 季節は7月の中旬。

 時刻は21時前。

 場所は真夜中の中学校の図書館。

 

 少年が1冊のノートを眺めています。

 それはこの中学校図書館の名物、なぞなぞノートでした。

 なぞなぞノート……誰かがなぞなぞを書き、それをみんなで解きあって感想を書いていくというものです。

 

 ばらばら、と静かな図書館にページをめくる音が響いて。

 ……そして止みます。

 

 彼の視線には一問のなぞなぞが書いてありました。 

 

『絵本が大好きなニッケルさんは、車に跳ねられて死にました。  

 死んだニッケルさんは、今も自分が一番好きだった『ニッケルさんの絵本』を探してこの世をさまよっています。

 

 このお話を読んだ貴方の夢の中に1週間以内にニッケルさんは現れます。

 一緒に『ニッケルさんの絵本』を探すように頼まれますが、絶対に断ってはいけません。

 

 『ニッケルさんの絵本』のある場所は決まっているので覚えておいてください。 

 

 

 まず目の前に3つの鳥居を見つけることができるので、その真ん中を通って下さい。

 

 次に左右に分岐する道がいくつかあるので、最初を右へ、次を左へ向かってください。

 

 更に進むと5人の兄弟が邪魔をしてきますので、真ん中の子に話しかけてください。

 

 話しかけると、彼は金目のものを要求してきますのでポケットの中にあるコインを渡してください。

 

 彼はビルに案内してくれるので、そのビルの13階まで上りましょう。

 

 ビルの中には部屋がたくさんありますが、43と数字の書かれた部屋へ入って下さい。

 

 部屋の中に入ると、その奥にニッケルさんの小部屋がありますので、ドアからではなく窓から入って下さい。

 

 そこに、『ニッケルさんの絵本』があります。

 

 道を間違えなければ貴方は夢から覚めることができますが、もし間違えたら、一生夢の中をさまよい続けることになります。

 

 なので、決して道を間違えないでください。

 

 

 ……さて、今までの話の中に、明らかにおかしいところが1か所あります。

 それはどこでしょうか?』

 

「……」

 

 問題を一通り読んだ少年は、ノートの解答欄や感想欄を見ました。

 

『なにこのいやがらせ問題。削除を希望します。1週間寝れない』

 

『明らかにおかしいところ? 出題者の頭だろ』

 

『っていうか、答え書いて行けよー』

 

『待てよ、一生夢の中をさまよい続けるってことは、それが本当かどうか分かる人間がいないということで……』

 

 ……阿鼻叫喚でした。

 皆思い思いに解答を記載していましたが、それらしい答えは出ていないようです。

 

 少年は鶏の様に首を傾げて、少し躊躇したあと。

 

「……ん? なんで皆さん、答えが解らないんでしょうか……?」

 

 ノートに答えを書きました。

 

 次の瞬間、学校中に轟音が響き渡りました。

 

 ……物語が、動き出したのです。

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