ブレーメンの屠殺場   作:NiOさん

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中学校の7不思議

 時刻は23時20分過ぎ。

 場所は中学校の家庭科室。

 

「『ウチの中学校の7不思議』……ですか?」

 

 自信満々の猫の少女に対して、?マークを飛ばす他の3匹。

 

「わっかんないかなー? わっかんないよねー?」

 

 猫の少女が黒板にチョークで文字を書いていきます。

 

 

 ① 幽霊階段と無限教室

 ② 真夜中の音楽会

 ③ 人食いモナリザ

 ④ 異次元の人体模型

 ⑤ 図書館のニッケルさん

 ⑥ 生首バスケット

 ⑦ 3年3組横、女子トイレの花子さん

 

 

「これが、『ウチの中学校の7不思議』……。

 あ、ちなみに入学3日目で7つ全部把握したけど、別に不幸にはならなかったよ」 

 

 

 3匹は猫の少女が書く文字を何となく眺めて……そして、気づきました。

 

 

「「「……! ああ!!」」」」

 

 

 猫の少女はニヤリと笑うと④と⑥に丸を付けました。

 

「そう、『制限時間内に起こる異常』ってのは、どうやら『7不思議』に関連しているみたい。

 だから、次の音楽室は、多分これ」

 

 猫の少女は②にシュッと丸を付ける。

 

「真夜中の……音楽会……?」

 

「『音楽室では、夜の12時ちょうどに音楽会が開催される。

  指揮棒が勝手に動いて、ピアノが勝手に鳴り響いて、

  肖像画の音楽家たちが歌いだす』……だったかな」

 

「そ、それで、その音を、き、聞いたらどうなるの?」

 

「え? 別にどうにもならないよ。

 『勝手に音楽が鳴って怖いね』ってだけ。

 話もそれで終わりだしね」

 

「ふむ。

 いえ、これは凄い情報ですよ。

 何が来るのか分かっていれば対処法ももしかしたらあるかもしれませんし」 

 

「お、オウ……やるじゃンか」

 

「フン……」

 

 かなり有意義な情報を共有したにもかかわらず、4匹の間になんだかギスギスした空気が流れています。

 

「ほ、他の7不思議についても、お、教えてよ」

 

「あー……気が向いたらね。」

 

「……おい、クソ猫ォ……」 !?

 

「……まあ、良いでしょう、ありがとうございました、猫屋敷さん。

 それじゃあ、そろそろ音楽室に向かいましょうか、それと」

 

 鶏の少年が怒りを隠すように話します。

 

「これからは、なぞなぞの答えが解ったら皆に相談するようにしてくださいね」

 

 優しげな鶏の少年の意外な怒りに、3匹は一瞬、息をのみました。

 

 

 ……そう、ここは、『ブレーメンの屠殺場』。

 

 一つの間違いで、人が死ぬ。

 

 そんな限界状況の中で、なんとか4匹の仲を取りまとめていた鶏の少年ですらも。

 気持ちの面で、ギリギリの状態だったのでしょう。

 

 確実に、確実に。

 命のかかった重圧と疲労で。

 4匹の精神が、肉体が、ひび割れる音がしてきていたのでした。

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