ブレーメンの屠殺場   作:NiOさん

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ブレーメンの屠殺場へようこそ!

 時刻は21時を過ぎた所。

 場所は真夜中の中学校の体育館。

 

 

♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪

 

『全校生徒のみなさん。

 夜の9時です。

 校舎の中に残っている人たちは、

 携帯電話のメールを確認後、

 急いで体育館へ集まって下さい。

 繰り返します……』

 

♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪

 

 

 

 突然鳴り響いた校内放送に、懐中電灯を手にした少女が「あひぇえ!?」と悲鳴を上げます。

 

 自分が体育館に忍び込んでいることがばれている?

 いや、それ以前に、こんな時間に近所迷惑な校内放送?

 

 少女は猫の様に目をくるくるさせながら一生懸命考えていますが、結論は出なかったようです。

 

「……あっ! 携帯、携帯……」 

 

 そういえば放送ではそんなことを言っていた気がします。

 

 『新着 1件』

 

 ……こんな時間にメールを打ってくるような知り合いを、彼女は知りません。

 少女は、震える手つきで画面をダブルクリックしました。

 

 

 

小鳥遊(たかなし) (あずま)様 猫屋敷(ねこやしき) 西(あき)様 小犬丸(こいぬまる) (なみ)様、驢馬塚(ろばづか) (そむく)様。

 

 ブレーメンの屠殺場へ(・・・・・・・・・・)ようこそ(・・・・)!!』

 

 

 

「……なにこれ……屠殺場……?」

 

 

 少女は呆然としながら、画面をスライドさせていきます。

 

『此処は隔絶された空間、”ブレーメンの屠殺場”です。

 

 《ルール説明》

 携帯の時計機能の横にある第XX日目。

 これが7の倍数の時に、ミッションが出されます。

 ミッションは第49日目まであります』

 

 少女は一度メールを閉じて、時計機能を確認しました。

 PM 9時3分と書かれている横に、『第0日目』と記載されています。

 先程までそんな物はもちろん、ありませんでした。

 

「なにがなんだか、わけがわかんない……」

 

 少女は携帯を顔から遠ざけます。

 自分の携帯電話が自分のものではないかのような違和感を感じたのでしょうか。

 

「49日目まで……ってことは、ミッションは7つあるってことなのかな。

 って、なんか私、素でミッションとか言っちゃっているけど……」

 

 少女は独り言ちるとメールの続きを読みます。

 

『クリアの条件は以下の通りです。

 条件:ミッションを正解し続け、『ブレーメンの屠殺場』から抜け出す(すべ)を見つけること。

 

 それでは皆様全員の御帰還を心よりお祈り申し上げます』

 

 ……メールはそこで終わっていました。

 とりあえず、マナーモードをオフにして、ポケットにしまいます。

 

 少女はあたりをぐるぐる歩き回りながら、考えました。

 

 隔絶された空間? ミッションをこなす? 抜け出す術?

 まるでゲームの世界の話です。

 

 内容は理解しても全然気持ちが追い付いていません。

 

「……あっ、そう言えば、私だけじゃなかったはず……」

 

 少女は思い出します。

 校内放送は『校舎の中に残っている人たち(・・)は』と言っていました。

 メールでも、自分以外の名前が記載されています。

 

 仲間がいることで、少しだけ心強くなった少女は、他の面々を待つことにしました。

 放送があって15分ほどが経過したのち。

 

 ……体育館の入り口に、人影が現れたのでした。

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