『カッコかわいい妖夢が書きたいなぁ』
とか思ってたら続きができた。
やっぱり目標やモチベは大切ですね。
そして異変が一区切りしたので人里でまた雛への勘違いを加速させたいです(使命感
「…………なんだよ、アレ」
目の前の桜から不穏な弾幕が放たれる現象に、弾幕を避けながらも魔理沙は困惑していた。
事が起こったのは異変の黒幕である西行寺幽々子に霊夢と共に弾幕ごっこを挑み、魔理沙自身は一撃もらってしまったが、あと一歩で勝利というところまできた時だった。戦いの舞台となっている白玉楼の庭に植えてある一際大きな桜――妖怪桜であり西行妖というらしい――が、突如として光を纏ったのだ。そして、桜自身が点滅するかのように発光した直後、弾幕の第一射が放たれたのだった。
「幽々子様!!」
「ッ!妖夢!!」
敵味方関係なく無差別に放たれる弾幕を回避しながら魔理沙が一人呟いた直後、弾幕の第一波が終わると同時に名前を呼ぶ声が聞こえてきた。目の前の桜を警戒しながら声の方向に視線をやると、雛を倒した少女が幽々子に駆けよっているところだった。少女の後ろには追ってきている雛と咲夜の姿もある。
「……ッ!!これはいったい!?」
西行妖の異変を感じとった妖夢がすぐさま幽々子の前で構える。ほぼ同じタイミングで雛と咲夜が到着した。
「これは……どういうこと?」
「さあな、わからんぜ」
「こっちが聞きたいぐらいよ」
時間を止めたのだろう、一瞬で隣に現れて事情を聞いてくる咲夜に魔理沙と霊夢は揃って答えた。
――その直後、
桜から弾幕の第二波が放たれた。
――
魅せることを前提とした弾幕ごっこ用の弾幕とは違う、どす黒い色をした、不吉な感じがする弾幕。理性ではなくそのもっと奥、本能とでもいうべきものがあの弾幕に当たってはいけないと頭の中で警鐘を鳴らしている。その場にいる全員が回避に集中する。
そんな中、魔理沙が気づけたのは偶然だった。
「ッ!雛っ!!!」
無差別に周囲にばらまかれるだけだった先程と違い、今度は周囲に放たれる弾幕の内、半分ほどが雛めがけて飛んでいった。そしてそれを、雛は特に避ける素振りもせず見つめている。
そして…………
弾幕は
「な、なんだ?雛は平気なのか?」
そう呟いた魔理沙は自分に向かって放たれる弾が少なくなっていることに気づく。少し離れて全体を見回してみると、辺りに放たれていた弾幕が徐々に雛に向けて収束していくのが見えた。同時に、雛はあの桜に向かって一歩一歩近づいて行っている。
まるで、あの桜が雛を脅威だと思っているかのような。もしくはあの弾幕を、雛が強引に引き寄せているかのような。そうして妖怪桜から放たれる弾幕が雛の方へ行き、雛に触れた瞬間に消えている。
あれではまるで――
「雛が……吸収しているの?」
魔理沙がうっすらと考えたことを咲夜が呟く。
一体どんな原理なのかと魔理沙が考えを巡らせるより先に――
――雛が、西行妖に触れた。
そこからの変化は絶大だった。
――放たれていた弾幕が止まり、
「これは…………春、か?」
――西行妖から桜の花びらの形をした『春』が放出されていく。
そして春の放出が止まる頃には、西行妖から感じられた禍々しさが意識しないと分からないぐらいには薄れていた。
「………………ふぅ」
桜から手を放した雛はため息をひとつつき振り返る。
「霊夢、魔理沙、咲夜。……帰りましょうか」
一仕事終えたかのような、若干の疲れと達成感が入り交じった笑みだった。
――――――――――
咲夜と共に白玉楼に突入した私の視界に入ってきたのは……
――無傷で泰然と構える霊夢。
――一回被弾したみたいだがまだまだ平気そうな魔理沙。
――何発かもらって傷ついている幽々子。
――幽々子の前であるモノを警戒する妖夢。
……そして――
(あれが、西行妖…………)
――妖しい光を放っているかのような迫力のある、巨大な桜だった。
妖怪化しているとはいえ、さすがは多くの人が魅せられてきた桜だ。その外観は、見事の一言に尽きた。
そんな、ある種の裏ボスでもあるこの桜を初めて生で見た私は――
………………触れてみたいな。
――そう、思ったのだった。
今にも満開となって暴走しそうな妖怪桜を前に何を考えているのかと言われるかもしれないが、考えてもみてほしい。
転生する前。原作のゲームを始めとして、漫画やイラスト、小説で表現されていた愛すべきキャラクターたち。私にとって現実となった、魅力的なヒトやモノ。それらに触れてみたい、触れあいたいと思うのは自然な感情だった。
そんな考えの下、一歩踏み出した私を拒絶するかのように西行妖は弾幕を放ってきた。
――だが、
(この弾幕…………厄で構成されている?)
なぜか厄を纏うことがなくなったとはいえ腐っても私は厄神。それの構成要素が厄であれば、見分けることぐらいはわけないのだ。
…………言ってて悲しくなってきた。
ともかく、
私の推測を肯定するかのように、西行妖から放たれる弾幕は徐々に私へと集まってくる。そして、私に触れる直前で消えていく。
なぜ西行妖の弾幕が厄で構成されているのかはよく分からないが、弾幕が私にとって脅威には成り得ないことは分かった。
――今ならいけるのでは?
一歩一歩、西行妖に近づいていく。
――タッチ
私は西行妖に触れた。その巨大な桜の幹に触れていることに感動し、暫しの間呆然としていた。気が付くと、いつの間にか西行妖が放つ弾幕も止まっていた。
「………………ふぅ」
効かないと知ってはいても弾幕の中を突き進んだからか、気疲れなのだろうが妙な倦怠感がある。ともあれ、この見事な桜に触れることが出来て私は満足だった。幽々子が少し傷ついている辺り黒幕との決着も付いているようだし、もう帰っても大丈夫だろう。
「霊夢、魔理沙、咲夜。……帰りましょうか」
――というか、帰してくださいお願いします。
――――――――――
一仕事終えたと言わんばかりの雛と現状を見て異変が解決したと判断した咲夜は挨拶もそこそこに先に帰っていった。
一方で、私と魔理沙はその場に残っていた。私は博麗の巫女として異変の黒幕と決着を付けなければならないし、魔理沙も完全に決着を付けたいみたいだった。あの妖怪桜の邪魔が入って止まっていたが、最終戦の決着はまだ付いていないのだ。私は弾幕ごっこを再開しようと黒幕である幽々子に話しかけようとして――
「あらあら、仕方ないわね……。妖夢?」
「……あ、はい。なんでしょう」
「宴会にしましょ」
「……………………はい?」
「「……………………え?」」
――おもいっきり出鼻を挫かれた。
……………………宴会?
「だぁって~、春はあの子に奪い返されちゃったし?異変続けても意味ないし?そもそも異変続けられないし?」
「……はあ」
「だから異変はもうおしまい!異変が終わったら宴会するでしょ?」
「まあ、幽々子様がそれでかまわないのでしたら……」
「「……………………」」
あの子を…………雛を、
…………ただ、
――寒い中
――おいしいところは雛に持っていかれ……
――挙げ句はラスボス戦が不完全燃焼で終わり?
そんなの、そんなの…………
「「……………………納得できるかぁ!!!」」
複雑な感情を爆発させた私と魔理沙は揃って幽々子に再戦させろと詰め寄るのだった。
――――――――――
冬が長引いた異変の解決から数日後。主とその従者が異変解決の宴会のために外出し、無人となった白玉楼に侵入する人影があった。
「……西行妖の本質とも言える部分が大幅に弱体化してるわね。大方、西行妖が纏っていた不吉なものを厄として吸いとったと言ったところかしら。そして、西行妖の弱体化に伴って、取り込んでいた春が一気に放出された訳ね」
彼女は桜については一通り調べ終えたらしく、立ち上がり空間に裂け目を作った。周りに人がいないこともあり、彼女は独りごちる。
「全く、起きて早々に幽々子がこの桜の封印を解こうとしてると聞いたときは大分取り乱してしまったけど、大事に至らなくてよかったわ」
空間の裂け目に入っていく彼女の頭の中には、彼女の友人である少女が浮かんでいた。その頬には微かに笑みが浮かんでいる。
「また、貴女に助けられてしまったわね…………
………………雛」
自機組視点「雛が弾幕を、吸い取ってる!?」
雛視点「なんか厄が近寄ってきては消えるんだけど」(吸収している自覚なし)
自機組視点「雛が春を、放出させてる!?」
雛視点「いいなぁ、この桜」(放出されている春には気付かず)
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返信あれば嬉しいです!
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びっくりするのでしなくていいです。