(なぜか)人里の守り神になりました   作:sukei

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…………なにがおきた?

昨日投稿したと思ったら唐突に続きが降ってきて仕事が珍しく早く終わったのも相まって夢中で書いてたら今日の昼には一話分の形ができていた。

………………………………なにが起きた?(現実逃避

ということで本っっっ当に珍しく前回の投稿の翌日にあげてます。こんなことはもう二度とないでしょう。



紅の後の邂逅

紅霧異変から一週間。異変解決の宴会も終わり、紅魔館という勢力が加わったものの、幻想郷はいつもの日常に戻りつつあった。

 

 

 

そんな中で。

 

 

 

紅魔館のメイド長――十六夜咲夜は朝から人里を訪れていた。理由は勿論紅霧異変で被害の出なかった人里の調査――もとい、人里の被害を抑えたと思われる鍵山雛の調査である。宴会の際に魔理沙は情報を持っていなかったのだが、霊夢は『厄神、鍵山雛』が関わっているのではないかと証言。主であるレミリアに伝えたところ、早速調査に赴くことになった次第である。

 

そうして、手始めに人里で聞き込みをしてみたのだ。『異変の時なぜ霧に覆われなかったのか?』『誰かに守ってもらっていたのか?』それとなく聞いてまわった。

 

 

――結果、

 

事情を知っている人々は誰もが口を揃えて言ったのだ。

 

『雛様に守ってもらったのだ』と。

 

そして調査の対象を鍵山雛に変えた途端、ほとんどの人から情報を得ることができるようになった。聞く人聞く人だれもかれもが鍵山雛の話題になった瞬間から興奮気味に語ってくれた。

 

曰く――

 

 

――人里の守り神

 

 

――俺たちの女神

 

 

――みんなの天使

 

 

――緑の髪に赤のリボン

 

 

――遊んでくれるおねーちゃん

 

 

――彼女に会えた人間は幸福になる

 

 

――むしろどうやっても会えない人間は不幸の塊である

 

 

――ドジっ子なところがかわいい

 

 

などなど……。

 

 

 

「………ひょっとして人選を間違えたかしら」

 

完璧で瀟洒なメイドであると自他共に認める十六夜咲夜が唸ってしまうぐらいには、人々の話に具体的に語られたものは少なかった。あるいは、これら証言の一つ一つ全てが真理の可能性もあるが。

 

――そもそも守り神と言う割には情報の扱いがガバガバじゃなかろうか。口止めされているのかと思えばそんな態度でもないし。

 

そんなことを考えながらも咲夜は『鍵山雛』の情報を午前中にはだいたい聞き終えていた。むしろ情報を聞き出す度に一々自慢話が入るので、これでも時間がかかっているといえる。

 

そうして咲夜は午後には鍵山雛の寝床があるという妖怪の山の麓を散策していた(寝床の正確な場所を知っている者はいなかった)。山の麓で人一人を見つけようとすればただでさえ時間がかかるというのに、それが妖怪の山ともなればどれだけ時間がかかることか。

 

まあ、それでも――

 

「やっと見つけました。貴女が『人里の守り神』鍵山雛様ですね?」

 

「ん?」

 

咲夜は目的の人物を探し始めてから1日と経たず、雛を見つけ出したのだった。

 

件の少女は木陰に座っていたが、咲夜の声に応じて立って振り返り……………………

 

 

 

 

「ひぁっ!?」

 

バタン…………と足元の石に躓き盛大にコケた。

 

 

 

――なるほど、ドジっ子という話は本当らしい。

 

 

――――――――――

 

 

紅霧異変から一週間がたった。

 

――私にとっては人里から解放されてから一週間たったともいえるが。 

 

紅魔館にはまだ訪れていない。異変のゴタゴタもあるだろうし、幻想郷に馴染むための期間も必要だろう。なのであと1、2週間たってから訪ねてみるつもりだ。

 

それにしても今日は天気がいい。夏のこの時期にしてはそこまで暑くなく、適度にそよ風も吹いていて絶好の昼寝日和だ。思い付いたそばから木陰に入り、木に体を預けてウトウトし始めたその直後。後ろから声をかけられた。

 

「やっと見つけました。貴女が『人里の守り神』鍵山雛様ですね?」

 

「ん?」

 

そこには紅魔館のメイド長――十六夜咲夜その人が紛れもなく佇んでいた。もちろん原作キャラと会えたのは嬉しい。嬉しい……んだけど……………………

 

 

 

 

 

 

「ひぁっ!?」

 

――唐突に咲夜さんから声かけられてびっくりしてコケた。しにたい。

 

 

 

 

 

 

私は現在紅魔館の応接室でレミリアに歓迎を受けている。あの後咲夜に連れられて紅魔館にお邪魔し、紅魔館の細かな内装を眺めているうちにあれよあれよと準備が進められ、いつの間にかレミリアと一緒にお茶会をしてた。傍らには咲夜と美鈴がついている。レミリアと話し、咲夜が紅茶をいれ、話題で分からない箇所は美鈴が補足して説明してくれる。すごく、楽しいです。

 

――ちなみに咲夜には紅魔館に来るまでで敬語なしの呼び捨てでいいと言われた。こっちも同じでいいと言ったらお嬢様のお客様ですのでと断られた。なんとか説得しようとしたらもっと親しくなったら同じにすると言われた。なんか負けた気分。

 

さて、紅魔館まで来たはいいものの、ぶっちゃけ私ってなんでここにいるんだろ?私の予定では紅魔館(此処)を訪れるのは少なくとも一週間後だったはずだ。そのはずだったのだが、咲夜がいきなり現れて紅魔館に来ることになり、レミリアと紅茶を飲みながら世間話をしている。……………………なんで?

 

んーーー考えられるのは私に対して探りをいれてるとか?でも敵対行動どころかこうして会話をするのも今日が始めてだし………………

 

 

 

あ、そっか。人里は霧の影響をほとんど受けなかったからかな?そんで元凶である私を警戒してるとか?

 

…………ん?ヤベーよ。その気はなかったのに思いっきり敵対行動してたじゃん!あれ?これヤバくない?下手な答え方したら私消されるんじゃ?

 

 

 

 

――……………………うん。正直に話してしまいましょう。(思考放棄

 

 

案の定、話題の一つとしてなぜ霧を消すことができたのか聞かれたので、なんでか私の周りだけ霧が出なかったことを正直に伝えた。私の能力と一緒に。そしたら能力の無意識的な発動で周りから害になりそうなものが厄として消えたんじゃないかと言われた。

 

――確かに厄を集めるだから霧が厄に変質して集まってきても不思議じゃないんだけど、その厄はいったい何処に行ったんですかねー?

 

ついでになぜ人里を守っていたかを聞かれたが、私異変のときは人里で軟禁状態でさー、みたいなこと言ったらレミリアがギョッとしてこっちを凝視してた。

 

その後もゆったりとしたお茶会が続いたけど、レミリアは咲夜の様子を時々心配そうに見ていたりした。

 

――ひょっとして私が厄神だから?厄が移ってないかとかそういうこと?ご、ごめんね?でもたぶん大丈夫だよ?厄は依然としてどっかいったままだし。人里の人も特に不幸になったとかは聞かないし。

 

それからパチュリーを紹介してくれるってことで皆で図書館に行くことになったんだけど――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒナ…………うん!これからよろしく!おねーちゃん!!」

 

 

 

 

 

――………………………………。神様、これは一体どういうことですか???

 




『雛の家』
人里で守り神と呼ばれている厄神様の家。人里に限らず大勢の人妖に慕われているわりに、妖怪の山の麓という情報はあれど、明確にその家の在処を知る者は少ない。噂では隙間妖怪が関わっているとかいないとか。




わかるとは思いますが最後に出てきたのは妹ちゃんです。
続きがいつになるか分かりませんが、狂気による鬱展開だけはないと断言しておきます。

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