ありふれた錬成士は最期のマスターと共に 作:見た目は子供、素顔は厨二
今日試験だったのに頑張った私を褒めて!!
なおオリキャラもモブまがいながら登場です。
それでは一章始まるよ!
プロローグ 奈落の底の英霊
ーー???
鉄と鉄のぶつかり合う音が緑光石の下、響き渡る。
場所はオルクス大迷宮が遥か奈落の底。そこで繰り広げられるは人とは思えぬ一対一の闘争。砂塵が渦巻く中、二つの面影は残像すらも残して己が武器をぶつけあった。
方や燃えるような赤い槍を携えた緑髪の男。名をヒュルミド・ゼルジーナ。遥か昔、オルクス大迷宮から地上へと現れた災害『大蛇』ヨルムンガンドをエヒト神から授かった槍のみで打ち払ってみせた遥か昔の孤独の英雄。その雄姿は『
そんな伝説たるヒュルミドが放つ一撃一撃は非常に重い。放つ槍が波動を生み出し、音すらも置き去りにする。荒々しく、されど流麗さを感じる身のこなし。相手が並であるならば押されるのは自明の理。
ならばその攻撃を難なく受け流し、追撃をしてみせる目の前の男は何者だ? かの英雄を吹き飛ばしてみせるこの男は何者だ?
予想外の己の損傷。ヒュルミドはその予想外の事態に混乱しながらも目の前に悠々と立つ男を睨みつけた。
その男はひたすらに黒色だ。身に纏う紳士服は黒で統一されており、手に持つ獲物もまた黒。そして結われている髪もまた黒い。見ているだけでは体の細い、爽やかで紳士的な青年。しかしその実、彼からは並外れた圧力が渦巻いていた。それはヒュルミドすらも息を呑むほどの圧力。
ヒュルミドは黒の男の並外れた実力に思わず喚きにも近い声を上げた。
「貴様ぁっ!? 我らがエヒト様の寵愛を受けない身でありながらその実力…何者だっ!!? 『聖杯』から情報は与えられいる! だというのに…貴様のような男、存在しない!!」
すると黒の男は右手の中指を瞳と瞳の間でクイッと空振った。何とも言えない顔になると深く溜息をついて呟いた。というか煽った。
「…戦いの合間にお喋りとは、随分と余裕だね?」
「ーーっ!! ほざけぇえ! 俺が真の実力を出したと思うな!!」
そうとだけ告げると男は槍を水平に構える。それと同時に槍の刃先が灼熱を帯び始める。まだ真の火力では無いにも関わらず部屋は既に熱の余波が伝わっていた。
「これこそ我がエヒト神の寵愛が証拠! エヒト神が司りし真なる炎! それを象形せし槍が一撃、異端者如きには受け切れまい!!」
「…神の寵愛を受けた人間は御託を並べないと満足できないのかい? 糞食らえな神にも同情の念が湧くよ」
「エヒト神への冒涜を行う罪深き貴様など…この槍にて断罪してくれよう!!」
そしてヒュルミドは一条の光となる。まさしく光へと果てる逸話とさえなった一撃。それはまさしく迷宮を翔けし、エヒト神の炎!
男はその『宝具』の名を高らかに叫んだ!
「なおも輝き、神敵を討ち滅ぼさん!! 『
灼熱へと遂げた槍が今、黒の男に放たれる。
だが黒の男の出で立ちは自然体。気だるそうに右手に持っていた獲物を差し出す。そしてその『宝具』の名を淡々と告げた。
「『■■ ■■ “■■”』」
「…はあ、やれやれ。これで五人目、『ランサー』討伐完了だね。あとは…『アサシン』か」
黒の男は体についた砂埃をはたき落とすと身を翻した。彼が背いた先にはある男の焼却死体が放置されてあるのだが、後々光となって消えることだろう。
それに男の興味は別の方向に向かっていた。
「それにしても…『かるであ』と言ったかな? 神の敵となる者達…か」
それを呟いた口の端は僅かに上がっており、高揚する気持ちが抑えられていない、または思い焦がれていたものが訪れたかのような様子だった。物思いにふけることしばらく、彼は歩き始めた。
また中指を眉間のあたりで空振りさせると一拍、彼は呟く。
「果たして、もう一人の方はどうかな?」
まるでその英霊は何かを観察するように瞳を細め、やがて光の粒となり姿を絡ませたのであった。
ーー第一部 一章 暗黒魔獣迷宮 真オルクス
副題 〜奈落の怪物〜
攻略難易度D+
勘のいい皆様ならばその正体、分かるでしょうね。
一応知らない人もいるかもなのでコメントの際もある程度ボカしてくださいね。
それにしても…何者だ?
なお明日には立香の姿が見れますよ、…多分。