少年たちは導かれ
セミの鳴き声もけたたましい八月某日。
マジンフォーム騒動も終わって平和に暮らしている五人の少年少女がオオツノ神社に集まっていた。
「全く……ジョー、キミはボクたちを集めてどうしたんだ?」
落ち着いた口調でジョーに尋ねるのは秋山クリオ。
小学五年生、クワガタと勉強が大好きな本の虫である。
「へっへーん、よくぞ聞いてくれたな秋山クリオ!今日この神社でムシを取れば……何か凄い事がある!と夢を見たんだ!」
自信満々に宣言するのは五十嵐ジョー。
カブトムシ派でラーメン屋の息子で、元気いっぱいの小学四年生だ。
「ハア……期待して損したよ。ボクは帰るからな」
そう呆れた様にため息をついて踵を返すクリオ。
すると、全員の頭の中に声が響いた。
『みんな、ボク達を助けて!』
子供の声だった、自分達よりもずっと幼くてどこかで聞いた様な声がした。
すると子供達は意識を失ったのだった……
暫くして目を覚ました全員、周りを見回すと草木に囲まれていた。
しかし
「な、何でこんなに草木が大きいんだ……!?」
開口一番クリオが驚きの声を上げる。
木どころか、草が自分達の身の丈よりも大きかったからだ。
「これ、アタシ達が小さくなってるんじゃない!?」
メンバーの紅一点、可愛らしい見た目だがワガママで綺麗なものが好きな加賀美ティナがそう告げる。
よく観察してみれば、自分達よりも虫が大きいのだ。
その上に自分達が見てきた昆虫達と大差ない、よって彼等は草木が大きい星に飛ばされたのではないと確信した。
「だ、だが……何で小さく?そしてここに……」
五人の中でも体の大きいゴウスケは不安そうに言葉を漏らす。
誰が、何のためにここに呼び寄せたのか分からない。
だが、メンバー全員に心当たりはあった。
「あの少年の声……私達を助けて欲しかったのではないでしょうか?」
緑髪で頭の切れる少年ユキヒコが全員思っていた事を告げる。
「そう言えば……昔、オオツノ市には小さな森の妖精が暮らしていたと聞いた事があったな……」
そのクリオの発言に一同納得する。
そうか、それだ!その妖精が助けを求めて自分達を呼んだんだ!皆は言う物の、何から助ければいいのか……そう思っていると一匹のクワガタがこちらへとやってくる。
スペキオシスシカクワガタだ。
しかし、ブラック甲虫の様に目が赤く……興奮した様に襲いかかってきたのだ!
「よ、よし……行くぜ!ゴホンヅノ!」
虫カードを天に掲げ、ゴホンヅノカブトを召喚したジョー。
技はダンガン、ランニングカッター、トルネードスローとMAXカスタマイズ、これでスペキオシスシカクワガタに挑んだ。
「先手必勝!ゴホンヅノ、超必殺技だ!」
そう叫んだジョー、飛びながら錐揉み回転してまっすぐにスペキオシスに向かって行くゴホンヅノ。
一撃だった、一撃で勝負はつきスペキオシスは地面に倒れ伏した。
「やったぜ!」
そう声高々に喜ぶジョー。
しかし、スペキオシスは倒れたままに捨て台詞を吐いた。
「これで勝ったと思うな……俺よりも強い奴は幾らでもいるぞ……」
そう言って気を失ってしまった。
そう、これで終わりではなく……ここから彼等の戦いが始まるのだ