「俺より強いムシはいくらでもいる……ですか」
五人の中で1番の切れ者、ユキヒコが呟く。
スペキオシスが言い残した言葉の意味を考えてると、草木の動く音がした。
「はあ、はあ……」
一同は構え、赤い目の虫を操るものかと警戒する。
が、そこに現れたのは彼等がよく見ている少年に似た少年だった。
「か、カナト!?」
ティナは驚いてその少年によく似た少年の名を叫ぶが……その少年はその名前は違うと答える。
そして……
「ボクはポポ、この森に住む妖精だよ。君達は……」
「誰かに呼ばれてここに飛ばされたんだ。そうだな……ちょうどキミみたいな声だったよ」
そう言われたポポはハッとしたように何かを考える。
「まさか……」
「どうしました?何か心当たりが?」
尋ねたユキヒコにポポは頷く。
そして話し始めたのだ。
自分とムシキングが赤い目の虫に襲われた事、ムシキングが敗れて一人で誰かに助けを求めた事を
「詰まり、アンタの祈りがアタシたちに届いたって事ね」
「赤い目のムシについて、何か知っている事はありませんか?」
ユキヒコが優しく尋ねると、ポポは口を開く。
「あのムシたちは……アダーが外国のムシを改造したんだ。それで、凶暴になってアダーの手駒に……」
その言葉に一同は驚愕した。
ムシを改造する者がいる事、日本で外国の甲虫が暴れている事に。
「許せねえ……そんなムシ、オレ達が全員ケチョンケチョンにしてやるぜ!」
ジョーが勢いよく宣言する。
するとそんな声を聞いたのか、大きな足音が聞こえてくる。
息をひそめた6人が茂みの先に見たもの、それは無骨な小兵。
メンガタカブトだった。
「アイツは……!」
「メンガタカブト!地面に住む方が多くておとなしい性格の様だね……体力が多いんじゃないかな」
クリオがメンガタカブトについて説明する、だが歯切れが悪い。
なぜなら彼等のムシバトルにおいてメンガタカブトは参戦していないからであった。
「関係ねえ!最初は必殺技で来るんだろ?」
ガンガンスマッシュをしようとし体を浮かせたメンガタカブトの隙をゴホンヅノカブトは見逃さない。
すかさず相手を掴んでグルグルと回り、ジョーは声高々に宣言する。
「トルネードスロー!」
ゴホンヅノカブトに投げられたメンガタカブトは何もできずに宙を舞う。
地面に激突するまでにそう時間はかからなかった。
「さて、終わりにしようぜ!スーパーダンガン!」
指令を受けたゴホンヅノは溜めた後に急上昇、回転して加速していきながらメンガタカブトという対象へと向かって行く。
何とか起き上がってフラフラなメンガタカブトにその突進を当てるのは難しい事ではなかった。
頭に大きな衝撃を受けて昏倒するメンガタカブト。
地面に直撃して意識を失いそうになるも最後に言葉を残す。
「中々やるな……だが、アイツには勝てないぞ……絶対に……」
そうして体力尽きて倒れたメンガタカブト……だが気絶する際に言い残した絶対に勝てないとまでに称されたアイツという存在に全員は固唾を吞むのだった……