響く大きな足音、それはすぐ近くまで来ていた。
地響きが止まったかと思えば、目の前の岩をそれは持ち上げ、地面に叩き付けて破壊する。
大きな岩を破壊した、彼の仲間達から「一番強い」と言わしめた甲虫のアクティオンゾウカブトが姿を表す。
少年たちの腹に響くような唸り声を上げて襲い掛かるアクティオンに、ジョーは焦らず動きを見る。
「ゴホンヅノ、ローリングスマッシュ!」
左右からの打撃のコンボから間も無く、回転してアクティオンを吹き飛ばす攻撃を与える。
しかし見透かされていたのがわかったアクティオンはより冷静に……こちらの攻撃を先読みし、ローリングスマッシュの為に走って来たゴホンヅノを弾き飛ばす。
「ヤバい!アレは……!」
クリオが叫ぶ。
しかし時既に遅し、アクティオンはゴホンヅノに向けて走り出し……ゴホンヅノを踏み台に空中高く飛んで押しつぶす。
前に進み様子を見ると虫の息、立ち上がる事がやっとであった。
アクティオンはトドメを刺すべくこちらに走り出す……しかし、ゴホンヅノはまだ勝負を諦めていなかった。
アクティオンがたどり着く寸前に起き上がり、翅を広げて勇壮な雄叫びをあげると同時に体が光り出す。
「ゴホンヅノ……!」
ピンチでもなお、闘気の果てない相棒を見てジョーは勝利を確信する。
そして彼は叫んだ、究極の必殺技を、勝利の一手を。
「ブリューナク!」
勢いよく飛び上がれば、ゴホンヅノは一気に詰め寄りアクティオンを投げ飛ばして地面に落ちたアクティオンをきりもみ回転しながらキャッチ。
そして空中を縦横無尽に飛び回った後に、天高く飛び上がった後に下へと向けて一気に投げ飛ばす、かつての必殺技であるダンガンを応用した技は……敵の大将であるアクティオンゾウカブトを見事に打ち破って見せたのだった。
完全に倒れ伏したアクティオンは、気を失う前にこう言った。
「この俺を倒すとは大した奴だ……アダー様、御許しください……」
目の赤い色は消えて、アクティオンはその後何も口を聞くことはなかった……
「……」
難しそうな顔をして呟くクリオ、それを見たポポは何となく彼に尋ねてみることにした。
「どうしたの?クリオ」
「ん?ああ……ポポか。ボク達の街にもいたんだ、赤い目をした甲虫が……。そのムシを使っていたのは、アダーなんて名前じゃなかったけど……それでも、何か関係性を感じずにはいられないんだよね……」
平和の訪れた森、しかし彼等はアクティオンゾウカブトの言った『アダー』なる者に備えて心を引き締めたのであった