続き書けたで候。
では、どうぞ(╯°□°)╯︵ ┻━┻
ギャンブルルームでの勝負が終わった後、芽亜里が罰ゲームを受けるため、係員に連れられていった。
その背を、夢子はどこか名残惜しげに見送っていた。
「……少し、残念ですわ。あの方、もっと熱くなれるかと思いましたのに」
「……それでも、最後は見事だったよ」
遊戯は、静かにそう呟いた。
誰もいない地下の空間。観客も立ち去り、ただ二人きりの沈黙が訪れる。
「遊戯さん……あなた、やっぱり普通じゃありませんね?」
夢子がゆっくりと歩み寄る。
朱の唇が微かに笑みを刻むが、その瞳は真剣そのもの。
「“視えないはずのもの”を読む……ただの偶然では済まされません。ねぇ、
遊戯は少しだけ視線を伏せる。
胸元のパズルに、手が自然と触れる。
「……わからないんだ。
「え……?」
「でも、僕の中にはもう一人の僕がいる。もう一人の僕は……とても強くて、冷静で、勝負に一切の迷いがない」
その声には迷いが混じっていた。
かつて、城之内や杏子と共に歩んだ日々の中でも、彼はこの“謎”に向き合い続けてきた。
夢子の笑みが、柔らかく、少しだけ優しいものに変わる。
「ふふっ……わたしも、同じなんですよ?」
「……え?」
「賭けの最中、心が燃えるような快感に包まれる。理性も、常識も、全部押し流されて……気づいたら笑ってるんです。勝ちでも負けでも関係なく。――わたしも、自分が何者か、よくわかっていないのかもしれません」
静寂の中で、二人の“異端”が向き合う。
やがて夢子は手を伸ばし、遊戯の手のひらをそっと取った。
「ねぇ、遊戯さん。“もっと深い賭け”を、してみたいと思いません?」
「……!」
「勝つとか、負けるとか。そんな浅い話ではなくて。“心”を、魂を賭けるような――そんな勝負を」
彼女の瞳に宿るのは、狂気でも快楽でもない。
むしろ、真っ直ぐな探求心。
遊戯は息を呑む。
「……僕は、誰かのために戦いたい。自分を証明するためにじゃなくて。……でも、君となら、それも悪くないのかもしれないね」
ふたりの間に、言葉では語り尽くせない共鳴が走った。
それは、ギャンブルを通してしか触れられない“本質”だった。
「ではまた、近いうちに……素敵な“賭け”をいたしましょう」
夢子は微笑み、地下の部屋を後にする。
残された遊戯の瞳には、彼女と同じように淡く光る決意が宿っていた。
――これはまだ、ほんの序章。
魂と魂が交わる、真のゲームの幕が、いま静かに上がろうとしていた。
◆◆◆
闇に沈む王宮のような場所。
重厚な柱に囲まれた玉座の前、無数の松明が闇を揺らめかせている。
誰かが、彼に呼びかける。
『……我が名は……』
黄金のパズルが、音もなく光を放った。
そこには、誰もいないはずの“記憶”があった。
『我は……誰だ?』
ピシ、と鏡が割れるような音。
空間がひび割れ、黒い闇に引きずり込まれる――。
「っ……!」
ベッドの上、遊戯は荒く息を吐いて目を覚ました。
額には冷たい汗。
握り締めた手には、パズルの欠片が触れていた。
窓の外では夜が明けかけ、薄青い光が差し込んでいる。
──また、あの夢を見た。
玉座、神官たち、そして……誰かが僕を呼ぼうとする、寸前でいつも目が覚める。
『……相棒、起きていたのか?』
声が、心の奥から届いた。
誰よりも近くにいる、もう一人の“僕”。
「うん。あの夢、まただったよね……」
名もなき
だけど、その名前を彼自身はまだ思い出せていない。
『思い出せない……だが、確かに“俺”はあの夢の中にいた。記憶の欠片が、呼んでいるようだった』
「……君は誰かに呼ばれていた。名前を……でも、その声が聞こえた瞬間に、夢が途切れた」
もう一人の遊戯は静かに答えた。
『名前。それが分かれば……俺が“何者”か、掴める気がする』
寝返りを打って、枕元の千年パズルに手を伸ばす。
金の光が、微かに揺れた。
「昨日のギャンブル……ジャンケンカードの時、君が出てきた瞬間、空気がピリッと変わったんだ」
『……あの少女、夢子。常軌を逸していたな。命を賭けるギャンブルを、心から愉しんでいる……』
その言葉に、僕は小さく笑った。
「少しだけ、君に似てると思った」
『……否定はしない。ただし、俺とは“賭ける理由”が違う。彼女は“狂気”を盾にしている。まるで、己自身を賭けることでしか生を実感できないかのように……』
……その時、僕達はきっと、またゲームの中で対峙する。
「夢子さんとは、また勝負することになるね」
『ああ。その時は、俺の出番だな』
千年パズルが静かに脈動する。
夜の闇は、まだ深い。
でも──何かが、目覚め始めている気がした。
二人のやり取りが難しい。
では、また\(^o^)/