4月 4週目
今日もコンビニで買った300円のサンドイッチとおむすびを食べて腹を満たす。昼間はあまり食べない代わりに朝と夜はガッツリ食べるようにしている。運動する機会が減ったので体重だったり体型だったり気にしないとすぐに太ってしまうからだ。
そんな俺の後ろの彼女は何種類かのコンビニで買ったであろうプリンやケーキといった、いわゆるコンビニスイーツを机に並べてパクパク食べている。
「ん〜!!美味しい〜!」
幸せそうにチョコレートケーキを頬張るひまり、この女にはダイエットや体重を気にする、という言葉は無いのか?
「あんま食ってると太るぞ」
「大丈夫だよ!その分運動すれば問題ない問題ない!」
「運動音痴が何言ってんだ、後で太って泣いて後悔しても知らねえからな」
付き合い初めてからわかったがひまりはかなり大食いで、しかも甘い物には特に目がない。彼氏としてはこの先ブクブクと太っていかないか心配なところだ。
「はい赤城、あーん」
ひまりはケーキを切り取り、俺の口元に近づける。別に食べたいなんて言ってないけどな、まあ俺だって甘いのが嫌いなわけではないので食べる。味は普通に美味しい。
「どう?ここのコンビニのケーキ美味しいんだよ〜」
「うん、美味い」
「でしょー!」
笑顔でパクッと頬張る姿はなんとも可愛らしい。一度付き合うとその人への見る目が変わると聞いたことがあるが、割とその通りなのかもしれない。
「お二人さん〜、お昼からアツアツですなぁ〜」
チョココロネ片手にモカは相変わらずのねっとりとした口調、この子もこの子でいつもパン食べてるな。
「モカ〜!みんなと一緒じゃないの?」
「2人の邪魔でもしようと思って〜」
「えぇー!」
いじわるそうにニヤニヤと笑うモカ、ひまりは顔を真っ赤にして恥ずかしがりながらモカの胸をぽかぽか叩いている。かなり楽しんでいるようだ。
「赤城も何か言ってやってよー!」
こっちに振ってきやがった、ちょっと面白そうだし俺も弄ってみるか。
「ほどほどにしとけよー、まあこれでもひまりは嬉しがってるけどな」
「ひまーそんな趣味があったんだねー」
「ちーーがーーうーー!!!」
バタバタと否定する、確かにこれは面白い遊びだな。なんと言っても可愛いところが見れる、何よりの幸せだ。ただやり過ぎると本気で怒りそうだし注意せねば。
「それはそうとしてー、蘭が最近ひまが来ないって怒ってるよー?彼氏にベッタリなのもわかるけど、たまには私たちともご飯食べようよー」
確かに付き合う少し前くらいからずっと俺とお昼は一緒で幼馴染達の所へは行ってない気がする。というより誰にも言ってないはずなのにもうバレてるのか。
「だってぇ〜!......離れたくないし...((ボソッ)」
「ん〜?だって〜?」
「な、何も無いー!わかった行くからー!」
「おー、じゃあ彼氏さんちょっと愛しのひまを借りて行きますね〜」
「いってらー」
モカに引きずられるようにひまりは幼馴染達の元へ行ってしまった。1人になって少し寂しいが随分と久しぶりな感覚を楽しむとしよう。
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「あっ......!んんっ!あん......!」
2人だけの世界、こうやって肌を重ねるのはもう何回目になるだろう。一心不乱にただ愛する人だけを求めて体を動かす。
いつもの元気な彼女とは違う甘くとろけるような顔、それでいてもっと求めるかのように喘いでる。
やがて快感は絶頂を迎えた。
2回ほどやった後に休憩がてらひまりと横になる。明日は休みなので遅くまで起きていても多少問題ないので彼女と夜更かしの予定だ。
「ねえ赤城、来週は昼休み一緒にお弁当食べれないかも」
「ん?何で?」
「蘭に『彼氏にうつつを抜かすのもいいけど私たちとの時間ももう少し大切にしてよ』って怒られちゃって、ごめんね」
「今日青葉さんが言ってたやつか......わかった、友達は大事にな」
俺とのことも大事だがそのせいでひまりが友達と険悪な関係になるのは少しいただけない。まあ少しの間だけだし我慢するとしよう。
「赤城......」
甘えた猫のような声で、まだもの足りないのか期待するような眼差しをぶつけてくる。まったく、仕方ない奴だ。軽くキスを交わして再び彼女と肌を重ね合った。
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5月
昼休み、今日もコンビニで買ったおむすびとサンドイッチ。
ただ後ろの席に彼女はいない、みんなで食べると別のクラスに行っている。なので久しぶりのぼっち飯だ。
いつも同じものを食べているはずなのに今日はやけに素朴な味に感じる。なんだかあっという間に食べ終わってしまった、気分転換に購買でパンでも買おうかな......。
「はい、これ」
後ろから白い雪のような肌をした腕が俺の前まで伸びてきた。声色も女の子にしては少し低い声、見ると少し大人っぽさを纏った髪に赤いメッシュの入った女の子、ひまりの幼馴染の美竹蘭だ。その手にはシュークリームが握られている。
「サンキュー、みんなは?」
「まだ食べてる...ひまりから渡してきてって、自分で渡せばいいのに......」
なるほど、気の利いた彼女である。シュークリームを受け取って一口頬張る、中はチョコレートクリームで控えめな甘さがとても美味しい。
「悪いな、わざわざ持ってきてもらって、ほいこれ」
俺は一口サイズに取り、蘭の口元にシュークリームを近づける。だが蘭はぷいっとそっぽを向いてしまった。
「いらない、私はそれ持ってきただけだから。それと...赤城くん」
蘭はこっちを向いたかと思うと突然、乱暴にひまりの机を両手で叩いた。ダンッ!!という音が教室に響いて周りのクラスメイトが何事かというような目でこちらに注目した。
「ひまりのこと、私は絶対に認めない!」
そう言い残して去って行った。どうやら、面倒なことになりそうだ......。