実はインフルかかってテンション微妙な作者。多分それも影響してるかと…
ある人物は言った。『人類だけが可能性という名の神をもつ』――と。
これは、神の悪戯によって起きえたかもしれない、決して起きてはいけなかった可能性が現実になった世界の歴史である・・・・・・。
宇宙世紀0079、1月3日。
スペースコロニー・サイド3は『ジオン公国』を名乗り、地球連邦政府に対して宣戦を布告。
後に、《一週間戦争》と呼ばれる戦いの始まりである。
開戦よりわずか40時間で3つのサイドは壊滅し、28億もの命が失われたが、この凄惨な殺戮劇の被害者たちでさえ、ジオンの真の目的達成と比べれば雀の涙と割り切るべきものでしかなかった。
ジオン軍は空前絶後の計画を実行に移したのである。スペースコロニーを強大な弾頭に見立てて地上に落下させようというのだ。
落下するコロニーを阻止するため、連邦軍は総力を結集して必死に抵抗し――そして、失敗する。
コロニーは目標通り、南米にある連邦軍本部ジャブローへと落下し、地球連邦軍は本部機能を完全に損失させられることとなった。
中枢部を失って各所に分断された連邦軍に、ジオン軍は猛禽の群れの如く襲い掛かり、占領地域を急速に拡大していく。
各基地に駐留していた連邦軍部隊も必死に抵抗したが、最新兵器MS《ザク》を要するジオン軍の威力の前では為す術がなく、次々と殲滅されていくことしかできなかった。
ルウム戦役でジオンに敗れて虜囚の身になりながらも脱走し、地球へと帰還した名将レビル将軍による『ジオンに兵なし演説』により一時は勢いを取り戻したかに見えた連邦軍残存部隊だったが、新兵器を開発する力が残っておらず旧式兵器しか持たない彼らの抵抗は敗戦を遅らせる効果しか持たせられることは遂になかったのだ。
斯くして宇宙世紀0080、1月1日。
遂に最後まで抵抗していた地球連邦軍残存部隊が立てこもる拠点《ベルファスト》は陥落。
こうして、後に《一年戦争》と総称される凄惨な殺戮撃《ジオン独立戦争》は、ジオン軍の勝利という形で幕を閉じ、人類はようやく平和を取り戻すことには成功したのである。
戦いに勝利したジオン公国軍は、サイド3の独立自治のみならず、連邦政府に対して人類統一政体としての地位の放棄と、大幅な軍備縮小まで認めさせた。
更に国名を《ジオン大公国(たいこうこく)》と改名。
地球連邦に代わる新たな地球圏の覇者として君臨することを宣言したジオンの指導者ギレン・ザビを中心とする独裁政権を誕生させ、優良人種のみによる地球圏の管理運営計画を実行に移すための第一歩を飾ることになっていく。
――だが、自らを『優れた存在である』と自負する一部のアースノイドたちにとって、この屈辱的な敗北と恭順を受け入れられるはずもない。
ギレン・ザビとジオン軍を憎む地球連邦軍の兵士たちは、戦後も地球各地に潜伏して抵抗運動を続けていく。
ジオン大公国は、これらの連邦軍残党に対して、自治権を承認した地球連邦政府自身の手で対処するよう要求した。
その意思と力なしと判断される時には、再度の開戦も辞さぬという但し書きまでつけて。
事実上の最後通牒であった。
苦悩した末に地球連邦政府は、これらの地球の独立と解放のためギレンと戦う同胞たちを自らの手で討伐することを決定させた。
何よりも、戦火に傷ついた自国の国力回復が急務であり、時を待って完全なる独裁者からの解放と地球連邦の復活のため今は力を蓄えるべきと判断したのが、その理由だった。
しかし、地球連邦政府の高官たちの間には、ギレンの支配を受け入れて、その下での栄達を望む者も少なくはないことを、レビル将軍をはじめとする軍高官たちは察しており、苦々しい思いを抱かされていたことは言うまでもない。
地球連邦の敗北とジオン公国の勝利という形で幕を閉じてしまった一年戦争は、地球連邦政府とジオン公国との対立を、『地球に住む者』と『ジオンの独裁者ギレン・ザビに従う者』との対立へと、その意味を微妙に変化させていくことになっていた。
――それから3年。
独裁者による支配という歪んでしまった世界を正すため。
世界と歴史を元のあるべき姿へと戻すために、人類統一政体《ジオン大公国》への抵抗を続ける地球連邦残党軍による戦いの物語は、この年から始まることになる。
「ボクたちは、3年待ったんだ・・・・・・っ」
これは―――散っていった者たちを冒涜する、あり得てはいけない世界の戦いを記した歴史である。
*前に経験あるため念のため書いとくだけの後書きですが、今作は「ジオン軍勝利作品」ですけど「ジオンを美化する作品」では全くありません。
敵キャラを美化する行為自体が、バカらしくて嫌いな作者だからです。
作者は悪役が好きです。悪役は悪のままでいい。
「本当は悪役の方が正しかったのではないか?」とかの正義はいりません。
私や悪役が求めるのは、美化でも正しさでもなく、『勝利』のみ……。
そういうタイプの作者が妄想した最悪過ぎるガンダム未来の物語~。