男子高校生が戦車道で何かをしてみる話   作:シデンカイ

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今日は朝から台風で雨がバシャバシャ降ってて避難勧告も出るぐらいの勢いだけど今日が休みで本当に良かったよぉぉぉぉぉ!しかも風も凄いし!皆さんも気を付けてくださいね


第11話

「やったぁ!」

「勝ったぁ!」

「1年生は元気に喜んでるわね」

「そうだな」

「由衣は嬉しくないの?」

 

「嬉しいって言う喜ぶ感情よりも勝って当たり前って言う感じになって来たかな」

 

「どういう事?」

 

「そうだな・・・例えばバスケでAさんが100%入るシュートを撃ったとするだろう?」

 

「それで?」

 

「そのAさんの事を良く知らない人達から見たらアイツのシュートは凄いって言ってても監督とかコーチとかマネージャーとかチームメイトから見たら見慣れた光景だから気にならなくなるんだよ」

 

「そういう事ね」

 

「100%で入るシュートだぞ?毎日毎日それを見続けたら?もしくは見せられたらどうなると思う?」

 

「それは見なくても入るってわかってるから見なくなるんじゃないかしら?」

 

「そういう事だ。つまり見なくても入るってわかってるから見ないし見飽きたから見る必要も無いんだ。そしてAさんと同じチームの人達はアイツなら出来て当たり前とかアイツに任せれば問題は無いって思うようになる。それでも見ようとする者がいるんならその人はAさんよりも弱い事になるし弱いなら相手から学べば良いし誰かから教えて貰ったりすれば良いんだよ」

 

 

「なるほどね」

「まあ俺の場合は後者だな」

「勝って当たり前って話?」

「そうだ」

「由衣から見る勝利って何なの?」

「新陳代謝と変わらないな」

「他の人が聞いてたら間違いなくケンカ売ってる?って言われるわね」

 

 

「それじゃあ俺達も指定の位置まで戻るとしよう」

「そうね」

 

 

俺達2人が指定の位置まで行くと審判と聖グロの人達がいた。

 

 

「それではお互いに礼!」

 

「「ありがとうございました」」

 

 

整列が終わった後に挨拶をしてその後にチームの皆と合流しようとした。

 

「少しよろしいかしら?」

「聖グロか」

「今回の試合は私達の負けでしたが次は負けません」

「それで?」

「いつか貴方に勝つとこの場所で誓います」

「悪いがその誓いは意味は無いぞ」

「どうしてかしら?」

 

「俺は他の誰かに戦車道で挑まれたとしてもこれからも俺は勝ち続けるし負けるつもりも無い・・・そしてそれらに勝つ俺は全て正しい!絶対は俺で正しいのは俺だ。そういうのは俺に勝ってから言うんだな」

 

 

「行きますわよ」

「ええ」

「ケイも行くぞ」

「わかったわ」

「白竜」

「何だ?」

「来年は私達が勝たせてもらうわ」

「去年や今年のように来年も全国大会の公式戦で対戦する事があれば良いがな」

 

 

 

 

俺達が聖グロから離れた後に全員のいる所まで歩くと俺とケイ以外は揃っていた。

 

 

 

「今日の試合なんだが皆は本当に良く頑張ったな!特に1年生はサンダースに入学して今回が初めての公式戦だったが力強い感じがした。3年生は今年が最後だから特に勝ちたいって気持ちが伝わってきました。俺達2年生は来年に向けての課題が見つかったと思います。今回の試合は勝てたけど次の試合も油断しないよう勝ちに行くぞ」

 

「「「イエスマム」」」

「よし!それじゃあ少し休憩したら着替えて解散するように」

 

 

 

 

俺が2年生になってからの全国大会の1回戦は勝利で終わった。3年生は今年で最後だから勢いが結構あるけど1年生は少し危ない感じも見えたりした。俺を抜いた2年生は俺が指示を出せばいつでも動けるように準備している為に緊急の時は援護して貰ったり出来るようになった。

 

 

 

 

「由衣」

「ケイか」

「次の試合の事もあるから今日は早めに帰りましょう」

「そうするか」

「じゃあ一緒に帰って考えなきゃね」

「次の試合って何処だったか?」

「次はアンツィオよ」

「あれ?その学校って確か・・・」

 

 

 

アンツィオと言えば去年だけど俺達サンダースの所で屋台を出していた1人を思い出した。実際に食べてみると美味しかったから良かったけどね。

 

 

 

「私達サンダースの所で何回か屋台を出してた事もあったわよね?去年のアンツィオの戦車道は1人だけしかいなかったから試合には出られなくて無理だったのに」

 

「今年のアンツィオどうなってる?」

「ナオミに調べて貰ったら去年より人数と戦車も増えて勢いがあるみたい」

「ふーん」

「興味ないの?」

「敵なら倒すだけの話しだからな」

「それもそうね」

 

「勝利の2文字で試合を終わらせ敗北の2文字を決して出さず冷静で的確な行動で相手を倒せなければ意味は無いんだよ」

「そうね」

 

「もしかしたらアンツィオ戦は楽しいかも知れないな」

「そうなるかしら?」

「けど負けるつもりは無いけどな」

 

 

 

聖グロ戦が終わってから数日後・・・今日はアンツィオと試合をする日になったので俺はケイ以外の全員を集合するように伝えた後に全員がいる場所まで歩いているけどちなみにケイは副隊長だから俺と一緒に隣を歩いている。しばらく歩いて全員が集合している場所に着くと俺は全員に話し掛ける事にした。

 

 

 

 

 

「全員揃っているな?それではコレより今日のアンツィ オ戦についての会議をするけど長引かせるつもりは無いから良く聞いておけ」

 

「「「イエスマム」」」

 

 

「今日のアンツィオ戦なんだが前もって調べて貰ったがアンツィオ戦の戦車は5両で今日の試合に出てくるが相手の戦車はとにかく速いから標準を合わせて狙って撃つまでに時間が掛かると思うしもしかしたら何両か倒されてしまうかも知れないけど今回の試合もフラッグ戦で相手のフラッグ車を倒してしまえば試合は終わるけど試合が完全に終わるまでは絶対に油断するな!」

 

 

「「「イエスマム」」」

 

 

「それでは戦車に乗って準備しとくように!ケイは俺と一緒に行くぞ」

「わかったわ」

 

 

 

 

俺とケイが歩いて行くと審判の他には誰もいなかったけど遅れた訳じゃないからまだ良かった。

 

 

 

「あれ?まだ俺達だけか?」

「そうみたいね」

「試合開始まで後10分あるからまだ大丈夫よ」

「10分か・・・まあ長く待つ訳でも無いし遅れても無いからまだ良いか」

「そうね」

 

 

 

俺とケイが着いた数分後にアンツィオの人達が来たのでコレで全員が揃った事になった。

 

 

 

「間に合ったぁぁ」

「後5分ありますよ!ドゥーチェ」

「間に合って良かったっすね!」

 

 

「久しぶりだな!元気だったか?」

 

 

「もちろん元気だ!」

「ドゥーチェ!この人は誰っすか?」

「名前は沖原由衣って言って去年だけど色々とお世話になったんだ」

「あれ?俺はお前に名前を言ったっけ?」

「去年サンダースが優勝した時に調べた」

「なるほど・・・お前が去年だけど作ってくれた料理は物足りなかったけど美味しかった。また何か作ってくれないか?」

「もちろん良いぞ!」

「今度は量を多めに頼むな」

「わかった!」

 

「それでは只今よりサンダース大学付属高校とアンツィオ高校の試合を始めます。お互いに礼!」

 

 

「「よろしくお願いします」」

 

「それでは各自で指定の位置に移動を開始してください」

 

 

 

俺達は審判の指示に従って言われた場所に行って戦車に乗り込んだ。

 

 

 

「今日の試合なんだけど由衣は何に乗るの?」

「今日はパンターG型で行くぜ」

「毎回公式戦で由衣が何の戦車に乗るのか気になるのよね」

「今日はコイツに乗って試合をする事にしたよ」

「お互いに頑張りましょう」

「そうだな」

 

 

試合開始の合図を確認した俺は全員に指示を出した。

 

 

 

「俺とケイ以外の戦車は全員で周りの偵察を始めろ!何かあったら俺に報告しろ」

 

「「「イエスマム 」」」

 

「ケイは俺と待機だ」

「わかったわ」

 

 

指示を出してから10分が過ぎた時だった。

 

 

「沖原隊長!相手の戦車を見つけました。」

「よし!どの辺りだ」

「森の中に3両います」

「森に3両か・・・嫌な予感がするな」

「どうするの?由衣」

 

「とりあえず相手にバレないよう慎重に移動しろ!そして撃てる距離まで近づけたら躊躇わずに撃て!」

 

「「「イエスマム」」」

 

「沖原隊長!射程距離に来ました。相手は動いてません」

「動いてない?」

「まるで動く必要が無いようなそんな感じに見えます」

「もしかして・・・お前らの目の前に3両いるんだったな!」

「います」

「一斉に3両を撃て」

「一斉にですか?」

「もし俺の予想通りなら・・・撃てぇぇぇぇ!」

「てぇぇぇぇぇい!」

 

 

 

俺達の味方戦車がアンツィオの戦車に撃った時にそれは起きた。

 

 

「沖原隊長!相手の戦車と見せ掛けたダミーです!」

「やはりそうか!」

「沖原隊長!相手の戦車にやられました!」

「こちらもやられました!」

 

「やってくれる!だが2両やられた所で俺達の残り戦車は後8両ある!フラッグ車を見つけたら報告しろ」

 

「「「イエスマム」」」

 

「まさかアンツィオが先に私達の戦車を倒すなんて・・・」

「流石に勢いだけで勝って来ただけはある」

「どうするの?」

「どうもならない・・・こっちが勝つだけだ」

「私達は勝てるわよね?」

「もちろんだ!ここからが本番・・・それだけの事だ」

「沖原隊長!こちらもやられました!」

「こちらもやられました!」

 

「侮ったつもりも油断もしたつもりも無かったがアンツィオも結構やるな!」

「けどこのままじゃ!」

 

 

「後6両か・・・まあ待ってろ!全員に告げる!思ってた以上に相手の行動が早く何両かやられてしまったがコレ以上は相手に勢い付かせる訳にはいかない!よって今からヒット&アウェイを使う!俺の指示に従いながら相手の戦車を蹴散らすぞ!百戦百勝を目指す為には全員の力と協力が必要だ!この試合に勝ちたいって人は俺と一緒に来い!勝利を掴む為に!この試合も勝つぞ!」

 

 

「「「イエスマム!」」」

 

 

「由衣!相手の戦車を発見したわ!」

「撃て!」

「当たった!けど白旗が上がってない!」

「相手の戦車が軽いから衝撃を和らげてんだよ」

「相手の攻撃が来たわ!」

「避けた後に撃て」

「さっと避けて・・・撃て!」

 

「よし!白旗が上がったのを確認した!良くやった!ケイ!他の戦車も見つけ次第に撃て!撃たれたら避けた後に撃て!・・・だが!俺の後ろにいるのがバレバレだ」

 

「この距離で!」

「気づかれた!」

「当たらねぇな!」

「撃てぇ」

「どこを見てんだ?もっと良く見ろよ」

「隙あり!」

「どこら辺が?」

「しまった!」

「こうやって撃つんだよ!」

「ああ!」

 

「セモベンテ行動不能!」

 

「よくも!やったなぁぁ」

「遅い!遅すぎる!」

「きゃあ!」

 

「カルロ・ヴェローチェ行動不能!」

 

「3両撃破!次そこだな!」

「この距離で当てられる訳が・・・」

「だらぁぁぁぁぁ!」

「気付かれてた!しかもやられちゃった」

 

「セモベンテ行動不能!」

 

「コレで4両・・・・・後は相手フラッグ車だ!」

「由衣!フラッグ車を見つけたわ!」

「流石だ!」

「沖原!」

 

「お前と初めて会ったのは去年で今年の全国大会に出られて嬉しかったかも知れないがここまでだ!」

 

「っ!?」

「また来年の全国大会で待ってるから・・・・・じゃあな」

 

 

 

そして俺の戦車が撃った事で相手のフラッグ車から白旗が上がったのを確認した。

 

 

 

「アンツィオのフラッグ車!行動不能!勝者!サンダース大学付属高校の勝利!」




台風だから仕方ないけど家に1日いたのは久しぶりかも知れないな

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