男子高校生が戦車道で何かをしてみる話   作:シデンカイ

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自分は元気でも出歩く事で体力が無いお年寄りの人とかにコロナを移したりしてしまう事あるので仕事とか買い物以外では出来れば外に出ないようにしましょう


第15話

「全国大会お疲れ様でした」

 

「「「お疲れ様でした」」」

 

「皆のおかげで今年も優勝が出来て安心しました。本当は昨日の夜に優勝パーティーをしようと思ってたけど皆も疲れていたと思ったので今日のお昼に変えました。また来週から練習が始まるけど今日は飲んで食べて騒いでの楽しくやろう!ちなみに明日と明後日は休みとする!それじゃあ乾杯!」

 

「「「乾杯」」」

 

 

 

 

俺の挨拶が終わると一斉に料理がある所に行ったけど周りを見ながら歩いているとケイが歩いて俺の隣に来た。

 

 

「楽しんでる?由衣」

 

「もちろんだ」

 

「由衣の分も持ってきたわ」

 

「ありがとう」

 

「今年も優勝が出来てホッとしたわね」

 

「俺が隊長になった後に色々とやってみたけど結構大変なんだなって言うのが良くわかったよ」

 

「けど後は特に無いわよね?」

 

「そうだな・・・・・後は来年に向けての新体制の準備があるぐらいだがそれを何とか形にしてやりたい所だがな」

 

「何か考えてるの?」

 

「今の3年生が抜けて新入生が戦車道を選んで入ってきた時に俺達がまず最初やらなければならないのは全国大会まではずっと練習を続ける事なんだ。」

 

「確かに練習は大事よね」

 

「来年どうなるか本当わからないが次の隊長はケイ・・・お前に頼みたい」

 

「由衣が続ければ良いんじゃないの?」

 

「それが出来ればそうしてやるんだがな」

 

「何か問題が?」

 

「また転校するかも知れないんだ」

 

「えっ!」

 

「だから今の内に言っとくんだ。今年の全国大会も終わってゆっくり出来るようになったからな」

 

「転校って・・・何処に行くの?」

 

「まだ確定じゃないからわからないけど何かわかったら伝えるよ」

 

「わかったわ」

 

「ケイ」

 

「何?」

 

「色々とありがとうな」

 

「沖原隊長」

 

「なんだ?」

 

「沖原隊長に面会したいと言っている人が来ているのですが?」

 

「そんな話・・・ケイは聞いてたか?」

 

「私は知らないわね」

 

「相手の名前は?」

 

「それが会えばわかると言ってまして・・・けど私では判断が出来なかったので隊長に伝えたのですが・・・」

 

「なら俺がいる隊長室に通せ」

 

「わかりました」

 

「ケイは俺と一緒に隊長室に来い」

 

「良いの?」

 

「念には念の為だ」

 

「わかったわ」

 

「隊長どうかしたんですか?」

 

「ナオミか」

 

「何やら話してる姿を見掛けたので来たのですが」

 

「ちょうど良い!実は、さっきの話なんだが名前を名乗らない客が来てるらしくてな?」

 

「名前を?」

 

「何か怪しいと思わないか?」

 

「思います」

 

「ケイだけで良いかと思ったがナオミもいれば大丈夫だろうな」

 

「そうね」

 

「でも一緒にと言っても何処に行くんですか?」

 

「俺が普段いる隊長室だ。ナオミも一緒に来い」

 

「イエスマム」

 

「そこの君・・・・・ちょっと良いか?」

 

「何ですか?隊長」

 

「俺達3人は今から隊長室に行くから他の皆にもそう伝えといてくれ」

 

「イエスマム」

 

「それじゃあ2人とも行くぞ」

 

「わかったわ」

 

「イエスマム」

 

 

 

俺達3人は隊長室に向かって歩き始める事にしたけど俺は相手が気になっていた。

 

 

(何で名前を名乗らなかった?会えばわかると言う事はそれなりに有名な人なんだろうか?それならば名前を言うはずだよな)

 

「由衣?着いたわよ」

 

「ああ!悪い!考え事をしていた」

 

「中に入りましょう」

 

「そうだな」

 

 

 

ノックしてから隊長室の中に3人で入ると女性の人が1人ソファーに座っていた。俺達は向かい合うように真ん中に俺でケイは俺の右隣にナオミは俺の左隣に座った。

 

 

「「「こんにちは」」」

 

「こんにちは」

 

「お待たせして申し訳ありません」

 

「いいえ、私の方が勝手に来た者ですから」

 

「初めまして、俺はサンダース大学付属高校の戦車道で隊長している沖原由衣です。よろしくお願いします。」

 

「よろしくお願いします」

 

「此方は副隊長のケイでもう1人はナオミと言います」

 

「「よろしくお願いします」」

 

「それでは私の方も名乗らないとなりませんね。私は島田千代と言います。」

 

「その名前は聞いた事あります。確か大学選抜チームの・・・・・」

 

「島田流の家元が何故サンダースに来たのですか?」

 

「私はサンダースに来たのは沖原由衣さんに話があって来ました」

 

「俺に?」

 

「単刀直入に言わせてもらいます。貴方を大学選抜チームにスカウトしに来ました。」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

「男子だけれど公式戦9連覇で無敗の記録を持ち続けて未だに負ける事が無く勝ち続けているその姿は私達の大学選抜まで聞いています」

 

 

「・・・・・」

 

「沖原君は確か今は高校2年生ですが来年は進路の事で悩むだろうと思って話をしに来たんです」

 

「確かに進路については考えている最中ですね」

 

「私としてはぜひ大学選抜に来て貰いたいと思っています。」

 

「・・・・・その話については親と一緒に相談してからでも良いでしょうか?」

 

「構いませんよ?突然の話ですからね」

 

「申し訳ありません」

 

「とりあえず此方が私の連絡先なので決まったら連絡してください」

 

「わかりました」

 

「他には聞きたい事あるかしら?」

 

「あります。1つ目はどうして俺を大学選抜にスカウトしに来たのか?理由ですね」

 

「その理由については最初にも言いましたが公式戦での記録と他には西住流の家元がいる西住流に沖原君を渡したく無いって言うのが理由ですね」

 

「西住流家元・・・・・ああ!アイツか」

 

「会った事あるのかしら?」

 

「あります!決勝戦で黒森峰のメンバーが戦車から落ちてフラッグ車から出てきた子が落ちた子を助けに行ったのにお前のせいで負けたみたいな事を言っていた人でなしです」

 

「・・・・・」

 

「勝つ事が出来れば優勝する事が出来れば味方が死んでも構わないのが西住流だとわかりましたからね!俺は西住流には絶対に行きませんよ」

 

「そうですか」

 

「それに西住流の家元は俺が挨拶しても向こうは挨拶しませんでしたからね。どういう教育を受けてきたのか親の顔が見てみたいもんですね」

 

「そうでしたか」

 

「けど島田流は俺が挨拶した後に挨拶してくれましたから西住流と違って人としてちゃんとしてるんだなって言うのが良くわかりました。コレは戦車道の実力も西住流より島田流の方が実力が上かな?」

 

「島田流は西住流に負けているとは思っていませんから」

 

「今日はサンダースに来てくれてありがとうございました。」

 

「いえいえ、返事が決まりましたら連絡してください」

 

「わかりました。」

 

「それでは今日はこの辺りで帰りますね」

 

「わかりました。お客様が帰るからケイとナオミで見送りを頼む」

 

「わかったわ」

 

「わかりました」

 

「俺は隊長室にいるから見送ったら隊長室に来るようにな」

 

「わかったわ」

 

「わかりました」

 

「それでは帰る時は気をつけて帰ってください」

 

「どうもありがとう、それでは失礼しますね」

 

「はい!ありがとうございました」

 

 

島田流の家元が帰る為にケイとナオミの2人を見送りに出した後に俺は隊長室の椅子に座って言われた事を考えた。

 

 

(まさかスカウトの話が来るとは思わなかった。けど俺は親の仕事の関係でまた転校したりするかも知れないからな・・・どうしたらいいもんか)

 

 

「由衣」

 

「隊長」

 

「ケイとナオミか」

 

「さっきの話を考えてたの?」

 

「まあな」

 

「何か食べ物と飲み物を持ってきましょうか?」

 

「あー・・・・・じゃあよろしく頼む!」

 

「わかりました。1度失礼します」

 

「悪いな」

 

 

ナオミが隊長室から出ていくと俺とケイと2人きりになったので話す事にした。

 

 

「どうするの?スカウトの話」

 

「さっきも言ったが親と相談してから決めるよ」

 

「でも転校するかも知れないのよね?」

 

「そうだ。だから親に聞いてみるのさ」

 

「失礼します」

 

「ナオミか」

 

「食べ物と飲み物を持ってきました」

 

「ありがとう」

 

「いいえ・・・それと何ですが隊長に聞きたい事あるのですが良いでしょうか?」

 

「答えるかは別だが聞くだけは聞いてやる」

 

「さっきのスカウトの話は受けるのですか?」

 

「お前もケイと一緒かよ」

 

「副隊長も聞いていましたか」

 

「まあな・・・ケイにも言ったがその辺りは親と相談してから決めるよ」

 

「そうですか」

 

「けどまだ決定した訳じゃないから他のヤツらには絶対に言うなよ」

 

「何故ですか?」

 

「優勝したと言っても余計な混乱を与えるのは良くないし嘘の情報を教えるのはもっとダメだからな、教えるんなら確実に決まったのを教えた方が周りのヤツらも安心するってもんだ」

 

「確かにそうね」

 

「それに優勝するまでは気を抜けない状態だったからな、今ぐらいは笑って楽しませといてやってくれ」

 

「わかりました」

 

「・・・・・ごちそうさま!」

 

「いつの間に!」

 

「腹が減ってたんだ。後お客様が来てたからあまり食えてなかったからな」

 

「私は乾杯の後だけど由衣と会う前に食べたわよ」

 

「なるほど」

 

「まだまだ優勝パーティーは始まったばかりだ。そろそろ俺達も戻るぞ」

 

 

 

それからは皆と合流してから夜まで騒ぎまくっていたけど、もう遅い時間になったので解散させてその後は各自で家に帰った。家に着いた俺はお風呂に入った後に時計を見ると夜の11時になっていたのでそろそろ寝ようとしたら親から連絡があった。

 

 

「こんな時間になんだよ」

 

「実は話さなければいけない事が出来たのよ」

 

「・・・・・転校か?」

 

「やっぱりわかっちゃうか」

 

「いつからだ?」

 

「来年の4月よ」

 

「そっか」

 

「引っ越す準備だけはしといてね」

 

「それはわかったけど俺は何処の学校に転校するんだ?」

 

「大洗女子学園よ」

 

「そこって確か・・・」

 

「お母さんが昔だけど通っていた高校よ」

 

「女子校じゃねぇか!」

 

「それについては大丈夫よ」

 

「何でだよ」

 

「来年の4月から共学になるみたいだから転校する時には共学としての学校になるから安心よ」

 

「けどその場合は男子の人数って少ないんじゃないのか?」

 

「共学になった後の男子の人数については、わからないけど入学は出来るようになってるし入学式は4月だから4月の入学式で男子が入ってくれば少なくとも由衣1人だけには、ならないわ」

 

「うーん」

 

「とりあえず転校の話については決まったから引っ越す準備には気をつけてね」

 

「わかったよ」

 

「他は何か聞く事あるかしら?」

 

「無いな」

 

「また何かあったら連絡するわね」

 

「わかったよ」

 

 

親からの連絡が終わったので今日は寝る事にした。それからと言うものの今の3年生が卒業した後の事を想定して考えた新体制での練習を開始した。なかなか上手く出来なかったりもしたけど課題も残るような感じになった。そして1日1日が過ぎていって気付いたら3年生の卒業式の日になって卒業式が終わった次の日に俺達は会議室に移動して俺の事を話す事にした。

 

 

「今日は皆にとても大切な話があるので良く聞いて欲しい!それは・・・・・来週になったら俺は転校する事に決まった。」

 

「そうなんですか!」

 

「・・・・・嘘ですよね?」

 

「嘘だと言ってよ!隊長!」

 

「全員静かにしろ!」

 

 

俺は手を叩いて言うと周りの人達が静かになったので続きを言う事にした。

 

 

「親の仕事の都合でどうしても俺は転校しなきゃならなくなったから今こうして全員に話している。そして・・・次の隊長についても俺は決めているから今から次の隊長の名前を発表する!俺の次の隊長は・・・・・お前だ!ケイ」

 

「私?」

 

「「「えっ!」」」

 

「何だ?今の俺の判断に不満か?」

 

「そんな事ないわ!けど私で良いのかな?って思って」

 

「理由について何だがナオミは隊長と言うほどの人間じゃないし他の人達も練習で見ているがまだまだ不安で俺が安心出来ないからだ。だからこそ!俺はケイを指名した。ケイならば少なくとも俺を抜いた今いる1・2年生の中では頼りになるし安心も出来るから次の隊長に指名した」

 

「そういう事ですか」

 

「俺がケイを次の隊長に指名したけどケイが次の隊長に反対だってヤツは今この場で手を上げろ!」

 

 

 

俺は次の隊長にケイを選んで周りを見ると手を上げてる人は1人もいなかった。

 

 

「じゃあ次の隊長はケイで構わないってヤツは手を上げろ」

 

 

コレを聞いたら結構な人が手を上げたので少し安心した俺だった。

 

 

 

 

「それじゃあ次の隊長はケイで決まりにするがケイは俺の話が終わったら俺と一緒に隊長室に来い」

 

 

「わかったわ」

 

「俺が隊長になって1年ちょっとかな?だった気がするけど皆と一緒に優勝が出来て本当に良かった。俺はサンダースからいなくなるけどコレで最後って訳じゃないが戦車道を続けていればまた会えるし俺も戦車道は続ける予定だから心配しなくても良いけど俺からは注意する事があるから良く聞けよ」

 

「何でしょうか?」

 

「また前みたいに継続が盗みに来るかも知れないから戦車の近くに整備士の他に最低5人いるようにしろ」

 

 

「わかりました」

 

「それじゃあコレにて解散だ。ケイは俺と一緒に来い」

 

「わかったわ」

 

 

 

 

 

他の人達を解散させて俺はケイと一緒に隊長室に向かって歩いていると隊長室に着いたので中に入った。

 

 

「さてと!俺はお前に渡さなきゃならない物がある」

 

「渡す物?」

 

「コレだよ」

 

 

そう言って俺がケイに渡したのは隊長から渡された鍵とノートと後は俺のパンツァージャケットだった。

 

 

 

「コレって・・・・・由衣が着ているパンツァージャケットよね?それと鍵とノート?」

 

「パンツァージャケットは俺の予備だ。ノートは次の隊長になった人に渡すように受け継がれている物と鍵は隊長室の鍵だ」

 

「私が着ても良いの?」

 

「お前だったら問題ないと俺が思ったから渡したんだよ」

 

「けど由衣の他には誰も着てないわよね?」

 

「そりゃあ俺専用のジャケットだからな」

 

「どうして私に?」

 

「お前は、いつも俺の隣にいてくれて俺が指示を出したり何かを頼んだりした時に応えてくれたりしたからさ、だから俺としては、お前を信頼しているし信用もしてるんだ。これからはそれを着て練習とか試合をするようにな」

 

「ありがとう」

「後は・・・隊長になったお前には案内しなきゃならない所があるから着いてきてくれ」

 

「何処かに行くの?」

 

「行くけどこの隊長室からは出ないぜ」

 

「どういう事?」

 

「こういう事だ」

 

 

 

 

俺は去年の隊長みたいに同じ事をやると隠し階段が出てきた。

 

 

「それじゃあ俺の後ろから来いよ」

 

「わかったわ」

 

 

 

隊長と同じようにケイを案内しながら説明をする事にした。

 

 

 

「隊長室からこんな場所に来るなんてね」

 

「それについては俺も驚かされた。俺の部屋は1番右にある扉でケイの部屋は俺の部屋から2つ左の部屋だ」

 

「由衣の隣の部屋って誰なの?」

 

「そこは隊長の部屋だ」

 

「そうなの?」

 

「だから正確に言えばケイは隊長の1つ左の部屋になるんだ。今後はここで過ごしても良いし今いる場所で過ごしても良いしどちらでも良いから」

 

「由衣はどうしてるの?」

 

「俺か?俺は半々だ。コッチにいたり家に帰ったりしているな」

 

「じゃあ私もこの場所を使うわ」

 

「そうするのは構わないがここに来る時は隊長になったお前以外に人がいない時に来いよ」

 

「どうして?」

 

「この場所は隊長になった人だけしか来てはいけないルールなんだってさ」

 

「それなら仕方ないわね」

 

「今は俺が隊長だから別に良いが俺がいなくなったらケイが隊長だから周りのヤツらを引っ張っていくようにしろよ」

 

「やっぱり無理なの?」

 

「何が?」

 

「来年も由衣が隊長として・・・」

 

「それは絶対に無理だ」

 

「そっか」

 

「ごめん」

 

「謝らないでよ」

 

「俺も出来れば来年も隊長として皆と一緒に戦車道したかったが流石にコレばかりは無理だ」

 

「けどまた会えるよね?」

 

「会える回数は少なくなるがお前らが戦車道を続けていればまた会えるさ」

 

「荷物とかはどうするの?」

 

「引っ越す場所に持って行くか実家に送るかのどっちかだな」

 

「隊長室から行ったあの場所の荷物も?」

 

「一部の物は残しておいて後は持って行くよ」

 

「何で一部なの?」

 

「それは秘密だ」

 

「後は大丈夫そう?」

 

「念の為に何回か来てまた確認する為に来るけどな」

 

「そうなの?」

 

「念には念を入れとかなきゃならないからな」

 

「それもそうね」

 

「お前に渡すこの鍵とノートは無くさないように気を付けるようにな」

 

「わかったわ」

 

「それじゃあまた会おうな」

 

 

 

 

いつも俺の隣にいてくれたケイにそう言った俺はケイを抱き締めた。

 

 

 

「そうね。また会いましょう」

 

 

 

ケイも同じように抱き締めてくれたけどまた会えると信じる事にした。それから1年後・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが大洗女子学園か」

 

「あの・・・」

 

「はい?」

 

「すいませんが関係者以外は立ち入り禁止ですけど?」

 

「俺は今日からこの学校に転校してきた沖原由衣です。学年は3年です。」

 

「そういえば昨日の放課後に今日の朝だけど転校しに来た人が来るって話ありましたね。」

 

「確か転校生が2人来るんだよね」

 

「そうそう!1人目は今ここにいる先輩でもう1人は私達と同じ2年生だよ」

 

「あれ?転校生って俺の他にもいるの?」

 

「はい!実は1人いるんです」

 

「なら俺もその転校生に会ってみたいもんだな」

 

「同じ学校ならいずれ会えると思いますよ」

 

「それもそうだよね。所で職員室は何処かな?先生に挨拶しに行きたいんだけど」

 

「それでしたら生徒会室に行ったらどうでしょうか?」

 

「何で生徒会室なんだ」

 

「この学校では生徒会長が先生より権限が強いんですよ」

 

「なにそれ意味わかんない!」

 

「私達が生徒会室まで案内しますので生徒会の人達から話を聞いてみたらどうでしょうか?」

 

「そうしてみようかな?それじゃあ案内を頼んで良いかな?」

 

「任せてください」

 

 

 

俺は話を聞く限りではこの子達は1年生か2年生なんだろうなっていうのがわかった。色々と考えてる内に生徒会室に着いた。

 

 

「ここが生徒会室です」

 

「案内してくれてありがとうね」

 

「どういたしまして」

 

 

案内をしてくれた子達がいなくなったので俺はノックをして中から返事があったので失礼しますと言った後に生徒会室の中に入った。

 

 

「君が転校生だね」

 

「おはよう」

 

「おはようございます」

 

「「おはよう」」

 

「俺の名前は沖原由衣で学年は3年だけどよろしくな」

 

「私は生徒会で副会長の3年で小山柚子です」

 

「私は生徒会で広報の3年で河嶋桃だ」

 

「私は生徒会で生徒会長をしている3年で角谷杏だよ」

 

「じゃあ挨拶もした所で単刀直入に言わせて貰うぜ」

 

「何の話だ?」

 

「この学校・・・廃校になるんだよな」

 

「「「っ!?」」」

 

「何処からその話を聞いたって顔をしてるな」

 

「もちろんだよ」

 

「その話は私達3人しか知らない話なのに」

 

「貴様が何故その話を知っているんだ!」

 

「それは俺が・・・」

 

「早く言え!」

 

「おい片メガネ!俺は今この2人と話をしてるんだ。邪魔すんじゃねぇよ」

 

「ひっ!」

 

「あー・・・・・何処まで話したっけ?」

 

「この学校が廃校辺りかな?」

 

「へぇ・・・けどいつから知ってたの?」

 

「去年からだな」

 

「そうなの?」

 

「どうやって知ったんだ!」

 

 

 

片メガネが、うるさかったので俺はズボンの右ポケットから拳銃を出して片メガネに向かって当たらないようにわざと外しながら撃った。

 

 

「「「えっ!」」」

 

「さっきからキャンキャンうるせぇな!次にまた俺が誰かと話してる時に邪魔したら次は頭か心臓どちらかに撃つからな?それでも構わないって言うんであれば騒いでも良いぞ?それが嫌だと思ったならば黙っていろ!選択肢は2つに1つだ。好きな方を選びな」

 

「・・・・・」

 

「さて片メガネが黙ったから言うが今から俺がお前らに質問するから答えろ」

 

「もし嫌だと言ったら?」

 

「さっきみたいに撃つまでだ。」

 

「わかったよ」

 

「1つ目は、お前らに廃校の話をしてきた人物は文部科学省学園艦教育局長の辻廉太ってヤツじゃないか?」

 

「そうだよ」

 

「2つ目は、どんな約束した?」

 

「口約束です」

 

「3つ目は口約束した時に書類だかメモ帳とかそう言った約束をしましたって言う証拠あるか?」

 

「無いね」

 

「馬鹿だろ?口約束なら向こうからしてみたら廃校にしたいんだから口約束を守る必要なんか無いし守ってやる義理も無いんだ。ちゃんと言いました!証拠もあります!って言うんであれば話は変わっただろうがな」

 

「そんな!」

 

「お前らは、その後なんて言ったんだ?」

 

「戦車道で優勝しますとか、まさか優勝校を廃校に何かしないよね?でしたね」

 

「そしたら相手は何て言ってた?」

 

「何も言わなかったね」

 

「甘い!甘すぎる!そういう時ちゃんと証拠となる物を用意しておけ!証拠も無いから仮に戦車道で優勝しても約束を無かった事にしてくるぞ」

 

「ならどうすれば良いと思う?」

 

「まずは戦車道で全国大会を優勝する。そこを目指しな」

 

「優勝すれば何とかなるの?」

 

「なるじゃなくてするんだよ」

 

「そっか」

 

「沖原君は戦車道してたの?」

 

「もちろん」

 

「どのくらい勝ったの?」

 

「勝ち続けていて去年の全国大会で9連覇を達成して無敗だ」

 

「無敗って事は・・・」

 

「1回も他のヤツには負けてないって事だ」

 

「なら頼みがあるんだけどさぁ」

 

「俺に戦車道に参加して欲しいって言うんだろ?」

 

「良くわかったねぇ」

 

「条件付きで良ければいいよ」

 

「条件ね」

 

「1つ目は戦車道に使う戦車と人数を集めて来いって事だ。最低でも30人ぐらい欲しいな」

 

「結構多いね」

 

「2つ目は指揮権を俺に寄越せって話だ」

 

「どういう事?」

 

「戦車道の素人のお前らが、あれこれ言っても纏まらないから経験者の俺が、あーだこーだ言うから俺に言われた事をやれって事だ。例えば練習で有名人のいるAチームと俺がいるBチームが別れて試合をしたとする。お前ら3人は俺がいるBチームの人達だとしたらBチームの隊長の俺がお前らに命令するからそれを実行しろって話」

 

「良いよ」

 

「3つ目は、この学校に西住みほって子いるだろ?その子を無理矢理誘ったり脅したりして戦車道をやらせようとするな」

 

「どうして?」

 

「どうしてもだ」

 

「4つ目は俺の戦車を渡せって言われても渡さない事」

 

「それは仕方ないね」

 

「5つ目は西住みほが戦車道に参加して隊長になった場合には西住みほと俺の指示には絶対に従うようにしろ」

 

「わかった。ならその条件を全て受け入れるよ」

 

「じゃあ証拠としてこの書類に名前を書いてくれ」

 

「・・・・・はい」

 

「・・・・・確認した。じゃあ俺がお前と西住みほの2人でお前らを優勝に導いてやるよ」

 

「西住ちゃんは戦車道やると思う?」

 

「やるさ」

 

「即答だね」

 

「ちなみに沖原君と西住さんってどっちが強いの?」

 

「それは試合しないとわからないな」

 

「けど優勝させてくれるんだよね?」

 

「優勝させてやるけど、まずは使う戦車と人数を集めて来い・・・話はそれからだ」

 

「じゃあ集めなきゃね」

 

「練習試合したければ俺に言えば練習試合の相手を見つけて練習試合をさせてやる」

 

「ありがとう」

 

「じゃあさっさと行動を開始しろ」

 

「わかりました」

 

「もう俺は話したい事は終わったからクラスに戻らせてもらう」

 

「クラスわかるの?」

 

「もう把握したから大丈夫だ。じゃあな」

 

 

 

 

俺は生徒会室から出て行った後に戦車道でこれからの準備をする為に考えながら教室に向かった。

 

 

 

 

「いやぁぁぁ怖かったね」

 

「まさか撃たれるとは思いませんでした」

 

「会長ぉぉぉぉぉ」

 

「けど沖原君も西住ちゃんも加われば少なくとも試合で勝てる確率は上がると思うな」

 

「その為にも戦車と人数を集めなければなりません」

 

「私達は負けられませんからね」

 

「今は沖原君いないから言うけど沖原君には悪いんだけど此方には形振り構っていられるほど余裕は無いんだよね」

 

「良いのですか?さっきの感じから見てそんな事をしたら本当に!」

 

「そうですよ!会長」

 

「それでも良いよ」

 

「わかりました」

 

「私達には優勝するしか道は無いからね」




帰って来たら手洗いと、うがいをしっかりやりましょう。

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