拙い文章ですが、よろしくお願いします。オリ主目線です。
2025年2月24日に修正しました。スキルなどを少し変更しています。
●
暖かいものに包まれ、私の体は揺れている。真っ暗だが、とても居心地の良い場所だ。
『Lead the way
Take me home 』
上から美しい歌声が聞こえてきた。さらに包み込んでいき、私はその暖かさに呑まれ、目を閉じていく。
『思い出は明日の道しるべ』
その時、真っ暗な空間から光が溢れてきた。私は眩しさのあまり手を伸ばすと、包み込んでいたものが取り払われ、浮遊感に襲われた。
『ほら ほら 帰ろうか
With you 僕らの街へ』
目の前が真っ白になりながらも歌声だけが耳に残り、光が収まると、木の板が目に映った。二段ベットの上の子が勢いよく起き上がり、板が軋むのを認識し、私は腕を伸ばした。ここ最近毎朝見るそれに少し違和感があったが、私はすぐに気にしなくなった。
◯
............あの朝は何気ない一日になるはずだった。私はそうだと思っていた。
「きゃーーーーーー!?」
周りから悲鳴が聞こえてくる。私の今の状況はどうなっているのでしょうか?......そうね。後輩とたまたま出会って、一緒に話しながら歩いていたら通り魔に気づいたの。それも後輩に刃物を向けて.........。
「先輩。私は....」
もう近くまで迫っていたし、通り魔を見て、パニックになっていたから思わず後輩の前に出た。先輩ぶっているのかもしれないけど、同じ合唱部の後輩だったし、助けたかった。その瞬間、激しい痛みを感じた。
予想通りであり、何故か悲鳴を上げたくなかったし、犯人を逃がしたくないと思って、私はその場に踏み止まり、犯人の腕を掴んだ。犯人は逃げようとしているが、腕を掴まれ、逃げられず、私の手を振り外した。刺されて弱っていたこともあり、すぐに外れたが、時間稼ぎにはなったらしく、そのあとすぐに警察に捕まった。私はそれを見て、前に倒れた。かなりの音がした。
「先輩!先輩!!」
私が助けたいと思った後輩は無事だった。涙が凄いけど、無傷である。
大丈夫。痛いけどね.........。もう少し踏み止まって、耐えられたらよかったんだけど.........病は気からと言うし、痛みがないと思ったら無くなって、平気になりたいな。この異常事態にもしかしたら慣れたのかな...なんて....。
『確認しました。痛覚無効を獲得......成功しました。加えて、痛覚無効に合わせ、熱変動耐性を獲得......成功しました』
なんか声が聞こえた気がしたけど、気のせいね......。まあ。助けることができてよかった。自己満足かもしれないけど......私は満足している。本当は直接伝えたいけど、口が動かない。今私の言いたいことを伝えて、後輩と会話できればいいのにな...少し意志疎通ができるくらい......そしたら、落ち着かせられるよね......。
『確認しました。ユニークスキル『
幻聴が聞こえる.....。もしかして、死ぬのかな......?
数分前まで後輩と話しながら帰った時のことを考えて、英単語を覚えようと思っていたのにな......。高校生になってから英単語の数が多すぎて、全部記憶できているのかどうかはずっと不安だったよ....。....自分のことで精一杯だし、自分の記憶力の問題だったからあまり周りを頼らなかったけど、あれは助言してもらった方が良かったかな。....でも教え方がね.....。
『確認しました。ユニークスキル『
......やっぱり幻聴が聞こえる。......死ぬのが近いのかな。もうすぐ合唱部の大会だったから参加できないのは悔いが残るな。昔から歌うのが大好きだった.....。歌っていると、心の中が真っ白になった。どんなに辛いことがあっても乗り越えられたし、合唱部に入って、他の人と一緒にパートごとに歌う時間が楽しくて........だから大会に出たかったな。
私は口を少し開け、とても小さな声だったが、歌った。何ていう歌を歌ったのかは覚えていない...。無意識だった。けど、満足感があり、笑顔を浮かべられた。
『確認しました。ユニークスキル『
私はその声を聞いた瞬間、力が抜け、意識が遠ざかっていった。歌うのではなく、後輩に何か伝えた方が良かったかな。可愛い後輩だと思っているし、元気に過ごしてほしい。トラウマになってしまったかもしれないけど、長い人生をこれから送るのだから頑張ってね。守れて良かったよ。私は...後世があるのなら楽しんで過ごしたいかな.....。そう呑気に思いながら............意識が途切れた。機械的な声の幻聴も聞こえなくなった。
『きみが信じた私を
私が信じてあげなくちゃ
物語が今始まった
名前を宿して』
聞き覚えのある歌声が聞こえてきた。暖かくて、優しい声に私は手を伸ばした。自分が何処にいるのかどんな状態なのかも分からないけど、離れないようにと思って、この歌声を追いかけていた。
『確認しました。エクストラスキル『生成』を獲得....成功しましたエクストラスキル『生成』をユニークスキル『
頭の中にモヤがずっとかかっていたが、この機械のような声ははっきり分かり、私の意識は再び途切れた。
◯
うん?ここは?なんか水滴が落ちてきた気がする。......って、私、ここまで一体何が..........あ、確か。私。刺されたから......水滴が落ちてきたから、完全に病院ではないね。............ということは、あの世?まずは周りの様子を見ないと......。瞼が重いけど、何とか目を開かないと.........。
「う~ん」
...目が開いた。これで、これで見える。おまけに声も出た。...前より声が高くなっている気がする。........えーと......洞窟...かな?.....岩とかあるし....さっき水滴が落ちてきたし.....周辺の様子を見たいな...起き上がらないと......起き上がれるかどうか分からないけど、まずは試さないと..........
「それーっと」
......あ、立てた。...けど、あれ?小さくなっている?
.........確認した方がいいよね。......まず、手が小さい。...次、足も小さい。.....次に、周りを見る。......やっぱり洞窟だと思う。...そして、目線が低くなっている......私、縮んだのかな?.........?あれって......宝石?...それとも....クリスタル?......なんか透明な石だけど、でも身体全体を映すにはちょうどいいかも............。
「えっ!?............」
私の口から驚きの声が漏れた。そこには立てるのがやっとというくらいの女の子が映っていた。私は信じられず、透明な石に手を伸ばした。すると、女の子も私と同じように手を伸ばし、肩に届くか届かないか分からない長さであり、水のように薄い色の髪が揺れた。私の視界の端に同じような髪もある。瞬きすると、目の前の女の子も金色の瞳を動かす。間違いなく、映っている女の子は自分自身だという証拠だった。
......周りが大きすぎて、目線が低くくなっていたのは薄々気づいていたけど.........髪の色が水色に変わり、瞳の色が金色に変わったことは驚いた。前世では髪も瞳も黒色だったからね......日本人だからほぼ当たり前だけど.........ん?
「いや。どんなことがあっても黒髪黒目からこんなに変化するわけがないよね」
...それと、日本人のような見た目をしていないから....ここは日本じゃないよね。....何処ですか。ここは?............って聞いても......誰も答えてくれないよね......。どこか知らないけど、洞窟の外に出よう。中で何もしないよりも外に出て、現在の位置や状況を知った方がいいよね。.........でも...どこに向かって進めば............!?風の音?...風が吹いたということは......出口はあっちなのかな......?.....とりあえず進もうかな。
私は風が吹いた方向に向かって歩いた。歩けば歩くほど自分の身体を映した石と同じ石があった。この石は何だろうと思いながらもそこに映る自分自身をどうしても見てしまう。.........知らないところにいたり見た目が変わったりしていて、こっちの方で頭の中がごちゃごちゃになりそうで考えるのは止めようと思っていたけど.........今さらだけど、なんで服も変わっているのかな?........私が死ぬ前に制服を着ていたのだが、私が着ているのはワンピースのような丈の青色のロングシャツとジーパンのようなズボン、そして、青色と白色のスニーカーとなっている。......この服はいったい何だろう?
『お答えします。.....この服はスキルによって作られたものです。これらはどれも一定の魔物の攻撃を防げる効果があります』
「あー」
私の疑問にいきなり答え出した声に心臓が飛び出しそうになるが、声を出し、落ち着かせようとする。
色々聞きたいことがある。だけど......えっと...服に関しての説明と服を用意してくださったのはありがたいのですが......あなたは...誰ですか?
『お答えします。ユニークスキル『指導者』の効果で生まれた者です。スキルの定着が全て終わり、発動し始めました』
......指導者って死ぬ前に聞いた言葉だよね。......この声ってその時の声に似ているような............。
『お答えします。最後に聞いた声は世界の声という声です。似ているのは世界の声を元に造られたからです』
......えーっと...つまり、あの時の声とは違うということでよろしいですか?.........あと...『指導者』って何なのでしょうか?頭の中がパニックになりそうで分かりやすく、お願いします。
『お答えします。『指導者』とは一度でも見たり触れたりしたものを一言一句漏らさず、間違えずに記憶・解析でき、記憶したスキルや力を使うことができるスキルです。また、スキル発動時のサポートも行います』
......便利なスキルだね。......私が持っていていいのかな?.........他にも『同調者』とか『詠歌者』とか無効とかいうのもあったけど、それってどんな力なんでですか?
......指導者さんは色々知っているなら教えてください。ここはどこなんですか?私の身に一体何が起こったのですか?
『Lead the way
Take me home
思い出は明日の道しるべ
ほら ほら 帰ろうか
With you 僕らの街へ』
頭に歌声が響き、私は歌声の聴こえる方へと走り出した。指導者さんに質問していた途中であるが、それよりもこの歌声も追いかけたいと思った。
歌詞を多用しています。
使用しているのはTRUEの『僕の中の君へ』と田所あずさの『リトルソルジャー』です。