異なる世界で妹として楽しんでいます   作:日々草

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視点なしで書いてみました。拙い文章ですが、読んでもらえるとありがたいです。


外へ

 

................................

 

 

洞窟の中、スライムを頭に乗せた少女が歩いていた。

 

 

「どこに向かっているんだ?」

 

「もうすぐです。」

 

リムルの声に、リンネはそう答えた。始めは不安定だったが、今はバランスがとれ、普通に会話ができるようになった。そうしているうちに、クリスタルのような透明な石が見え始め、次第にその数が増えてきた。

 

「うおっ!?」

 

「記憶者さん、ヴェルドラに知られたくないということでしょうか?」

 

『その可能性が高いと思われます。』

 

「それなら、ヴェルドラに分からないようにとかできる?できるなら、お願いします。」

 

『可能性です。.........ここから、個体名ヴェルドラに情報が渡らないようにしました。』

 

 

リムルがその光景に驚いている間、リンネは、怪訝そうな顔をして、記憶者と話していた。

 

「...ヴェルドラにはここからの出来事を見えてもないし、聞こえてもない。だから、何も分からないよ。......出てきて!ヴェルエール!」

 

リンネがそう叫ぶと同時に、辺りが光り始めた。リムルもリンネもその光の強さに目を瞑り、光が修まるのに気づくと、目を開けた。すると、そこには、水色の銀色のような色をした美しい竜、ヴェルエールがいた。

 

「ええーーーーーーー!?またドラゴン!?」

 

「兄様、失礼ですよ!」

 

思わず叫んでしまったリムルに、リンネが注意した。一様、前世が男だったので、兄様と呼ぶことになったらしい。

 

「あ、すみません!.....えーと.........」

 

「この竜さんは、ヴェルエールといって、ヴェルドラの姉様なんですよ!」

 

「ヴェルドラの!?」

 

リムルは、リンネに注意され、失礼なことをしてしまったことに気づき、慌てて謝った。リンネは、リムルにヴェルエールを紹介し、リムルは、ヴェルドラの姉だということに驚いた。

 

(...ヴェルドラの姉?......ヴェルドラと違って、滅茶苦茶キレイなドラゴン......いや、竜と言った方がいいかもな...。人間で言うと...美人さんだろうな...。)

 

「...あなた達兄妹、おかしなことを言うのね...。それ、リンネと同じことを言っているわよ。」

 

リムルがそう思っていると、ヴェルエールは、ため息を吐くかのように言った。

 

「あー.....そうなんですか.........。って、俺、声に出して言ってましたか!?」

 

「説明するの忘れていましたね。ヴェルエールの目は、全てを見透かすことができるの。だから、ヴェルエールには、私達が思っていることは全部分かってしまうの。」

 

リムルは、思っていたことを言われ驚き、リンネは、その様子を見て、言っていなかったことに気づき、ヴェルエールについて説明した。

 

「...それはすごいですね......。ん?そういえば、俺とリンネの名前をつけたのは、姉だってヴェルドラが言ってたけど、それって............」

 

「...ヴェルエールよね?」

 

リムルが返事をしながら、ヴェルドラの言っていたことを思い出し聞き、リンネもリムルに言われて思い出し、聞いた。

 

「.........ああ。そうだ......。ヴェルドラが考えた名前がいまいちだったから、わたくしが名前を考えた。」

 

「いや、気に入りましたよ。ありがとうございます。それで、何か用ですか?」

 

「実はな......................」

 

ヴェルエールは、ため息を吐くような、少し恥ずかしそうな感じで言い、リムルは、頭?を下げながらお礼を言い、用件を聞いた。ヴェルエールは、事情などを説明した。

 

「......なるほど、ヴェルエールは、もうすぐ消滅する。この世界のことが気になるから離れたくないが、体が保つかどうか分からない。それに、転生したばかりのリンネのことも気がかり。話を聞くかぎりリンネは、まだ若く子どもだと思う。この弱肉強食の世界で生きていけるか分からないから、リンネに力を使ってほしい...と。......まあ、リンネのスキルを聞いたけど、どれもサポートに向いているスキルだったから、他のスキルを持つのは賛成だけど、まだ生きているのにそれを早めるのは反対だ。隔離した状態で、同調者を使って同調すれば、リンネはヴェルエールのスキルが使えるし、俺もリンネもヴェルエールを助けられる方法を見つけられるかもしれない。」

 

「そうです。ヴェルエールが死んじゃうのは反対です。ヴェルエールのことを助けたいです。」

 

リムルは話を聞き、大賢者に可能性などを検討してもらいながらそう言い、リンネは、リムルの意見に頷きながら言った。

 

「.........はあ。....リムルもリンネも、そんなんじゃ、この世界で生きていくのは難しいわよ。なんか心配よ。」

 

ヴェルエールは、ため息を吐きながらそう言い、頭を手で抑えた。

 

「この世界は、俺達の世界とは違うらしいけど、俺達ができる範囲でなんとかしようと思っている。リンネのことが心配なら、俺が責任をもつから、とりあえず安心してほしい。」

 

「.....あなたのことも心配なのよ。」

 

「えっ⁉︎俺も?」

 

リムルは、ヴェルエールを説得しようとそう言ったが、ヴェルエールは、リムルの話を聞いて、ため息を吐きながら言った。リムルは、その話に驚いた。

 

「この世界でそんな甘さだといつか何か起きてもしょうがないわよ。」

 

「それはそれです!」

 

ヴェルエールの話に、リンネが割って入った。

 

「私達のことを心配してくれるのは嬉しいけど、ヴェルエールの方が大事です!.....あと、確かに子どもですけど、二人して言われるといじけてしまいます......。」

 

リンネは、少し頰を膨らませながらそう言った。

 

「悪かったよ。でも、俺達、ヴェルエールと話したり色々なことしたいからさ。まだ生きてくれよ。」

 

「私も同じ気持ちです。」

 

リムルが苦笑いしながらリンネに謝った後、ヴェルエールを見つめてそう言い、リンネも頷きながらヴェルエールを見つめた。

 

「..........ここまで似ている兄妹とはね...。もういいわ。しかし、条件がある。わたくしのことは誰にも言わない!わたくしが言っても良いというまで絶対だ!ヴェルドラにも決して話すな!わたくしのことを知っている者がいても、決してわたくしのことを聞くのもだめだ!」

 

ヴェルエールは、リムルとリンネを見つめながら、ため息を吐き、そう言った。

 

「何で、ヴェルドラにも言っちゃだめなのか?」

 

「ヴェルエールのことを聞くのも、なんでだめなの?」

 

ヴェルエールの話に、リムルとリンネは疑問の声を上げた。

 

「できるかぎり、わたくしのことを隠しておきたいのよ。ヴェルドラに話して、どこかで話が漏れたらまずいわ。あなた達に話したのは、必要なことだから話したのよ。あまりこの話を言わないこと!それに、わたくしのことを言ったら、色々と巻き込まれるわよ。」

 

「でも、聞くのは..............」

 

「わたくしのことは、歴史や文献にも載ってないの。だから、わたくしのことを聞いたら、怪しまれるわよ。」

 

ヴェルエールは、ため息を吐くようにそう言い、リンネの疑問にも間髪入れずに答えた。

 

「..........分かった。それじゃあ、リンネに、俺のスキルを記憶して.....」

 

「もう使えるのでしょう、リンネ。ヴェルドラの時。わたくしとリムルを会わせたくて、黙っていたのでしょう。」

 

「バレていましたか。.......ヴェルエールに会わせたくて、つい...........」

 

リムルは、考えながら渋々頷き、リンネの方を向いたら、ヴェルエールは、呆れたような目線をリンネに送った。そのリンネは、バレたって顔をしながらそう言った。

 

(.....記憶者さん。)

 

『お答えします。捕食者のスキルを記憶したところ、同調者とリンクし、同調者のスキルに、一体が追加されました。一体は、対象と一体化し、その対象を吸収することができます。隔離に関しては、魂のような精神的な存在となりますが、よろしいですか?』

 

(....ちょ、ちょっと待って!)

 

リンネが自身のスキルに尋ねてみると、記憶者は、淡々と説明し、そう聞くと、リンネは、慌てて止めた。

 

「なんかスキルが少し変わって、魂のような精神的な存在になるみたいなんだけど、いいかな?」

 

「別に構わないわ。」

 

リンネが戸惑いながら聞くと、ヴェルエールは、普通に答えた。

 

「...それじゃあ.......」(記憶者さん、お願いします。)

 

『かしこまりました。』

 

リンネがヴェルエールに触れ、スキルに頼むと、記憶者はそう答え、

次の瞬間、ヴェルエールに触れている手から光が出て、その光がヴェルエールを包んだ。ヴェルエールを包み込み、光はどんどん小さくなっていった。そして、リンネの手の平くらいの大きさになると、リンネの手から吸収された。

 

『エキストラスキル『結晶操作』を獲得しました。』

 

「...行きましょうか?」

 

「ああ。....ん?待て!あれ......」

 

「....えっ...........⁉︎」

 

リンネは、その様子を見て、記憶者の声を聞いた後、リムルの方を向いてそう言い、リムルは頷き、リンネの頭に乗った時、何かを見つけた。リンネも、リムルの見た方を凝視すると、何か光っているのを見つけた。リンネは、光っている方に近づくと、そこには、水晶のような透明で美しいステッキのような杖が地面に刺さっていた。リンネがおそるおそる近づき、杖に触れると、その杖は小さくなり、リンネが持てるサイズになった。リムルとリンネは、スキルを使って鑑定したみたら、僅かに残っていた魔素がヴェルエールのものだということに気づいた。

 

「....リンネのために、わざわざ造ったようだな......。」

 

「..........ありがとうございますね。大切にします....。」

 

リムルは、杖を見ながらそう呟き、リンネは、自分の体内にいるヴェルエールに向けて、お礼を言った。

 

 

..................................

 

 

リムルとリンネは、洞窟の中のあちこちを彷徨い歩き、目に付いた草や鉱石を、リムルは体内に溜め、リンネはそれを見て、鑑定しながら記憶していた。リムルとの魂の回廊のおかげで、リンネもリムルと同じスキルを獲得し、リムルもリンネも色々なことを試してみた。色々なスキルを獲得し、糸を使ってターザンのようなことをしたり、コウモリの超音波を利用し、リムルが喋れるようになったり、リンネのスキルの歌詠者の力を上げたり、範囲を広げられたりと、なんだかんだ楽しんでいた。そして、彷徨い続けること数十日、ついに........

 

(多分これが出口だよな.....?)

 

(....そうだと思います。でも、どうします?壊せるかどうか分からないですし、壊したくないですし...........)

 

リムルとリンネは、出口らしき扉の前に立ち、扉の開け方を考えていた。すると、突然扉が開き始め、リムルとリンネは、様子を見るため、近くにあった岩影に隠れた。

 

「はあ......やっと開きやしたぜ。錆びついてしまって、鍵穴もボロボロでやす。」

 

「仕方ないさ。300年誰も入ったことがないんだろ?」

 

「いきなり襲われたりしないですよね........。まあ、いざという時はエスケープを使いますけど........」

 

扉が開き、三人の人間が洞窟の中に入ってきた。

 

(初めて見る人間.....何しにきたか知らないけど、冒険者かな....?)

 

(そうかもしれませんね。それより、どうして言葉が分かるのでしょうか?)

 

『『解(お答えします)。意志が込められている音波は、「魔力感知」の応用で理解できる言葉へと変換されます。逆に思念を乗せて発声すれば、会話も可能です。』』

 

リムルとリンネは、その三人の様子を見ながら互いにコンタクトを取った。リンネが疑問に思ったことに、大賢者と記憶者が同時に答えた。

 

(...でもね.....。)

 

(俺、今スライムだし、(見た目は人間の)リンネがいても、話しかけて、いきなり攻撃される可能性があるし困るしな....)

 

「じゃあ、あっしの隠密アーツを発動させやすよ。」

 

((ん?))

 

リムルとリンネは、黙って三人の様子を見ていると、一人の男性がそう言い、三人の姿が消えた。

 

(隠密って言ってたっけあのスキル.....覗き見し放題だ。けしからん奴だ!後で、友達になる必要がありそうだな!)

 

(....記憶しちゃいましたけど、そんなことに使わないでください!)

 

(えっ!マジ!.)

 

(だけど、使いません!)

 

それを見たリムルの言葉に、リンネは引きながらそう言い、リムルが興奮したように声を出し、リンネは、それを見て、すぐに横に振った。

 

(......どうやら、行ったみたいです。)

 

(....んじゃ、行くか!)

 

リンネが三人が離れたのを見計らってそう言うと、リムルは、リンネが断ったことに何か言おうとしたが、ここを出るのが先だと思い、リンネの頭の上に乗った。リムルとリンネは、開きっぱなしの扉を潜り、外へと足を踏み入れた。

 

「どうしやした?」

 

「なんか魔物と人のような気配を感じたんだけど...気のせいかな?」

 

三人は、リムルとリンネが外に出たことに気づかず、洞窟の奥ヘ入っていった。

 

 

 

......................................

 

 

 

(俺達は洞窟を出た。お天道様の下を歩くのは、何日ぶりだろう?....あれから、ヴェルドラとヴェルエールの反応は何もない。消えてしまったかのようだがそうではないことを、俺達は知っている。)

 

(兄様、何言っていますの。私達も外に出たとはいえ、色々やらないと。)

 

(...そうだな。約束したからな。次に会った時に、笑って話せる面白おかしいエピソードをたくさん用意しておいてやろう。)

 

(そうですね。)

 

リムルがそんなことを思っていると、リンネが少し笑ってそう言い、リムルは頷きながら提案し、リンネは、リムルの提案に賛成した。

(わあー久しぶりのシャバだ!空気がうまい!味覚ないけど。)

 

(そうですね。それより、兄様.............)

 

リムルが嬉しそうに言い、リンネがその様子を見ながら何か言おうとしたが、リムルとリンネの前にゴブリン達が現れた。

 

(なあヴェルドラ、面白おかしいエピソード、早速一つ用意できそうだよ。......貧相な体つき、ボロボロの武器........。)

 

「強き者達よ、この先に何か用事がおありですか?」

 

リムルは、ゴブリン達を見ながらそう思っていると、ゴブリンの一人が話しかけてきた。

 

(強き者達......って俺達?.....えーと、思念を乗せて発声すればいいんだな。よし!)

 

「えーっと!はじめましてー!俺はスライムのー!リムルというー!」

 

リムルはそう考え、話しかけてみると、ゴブリン達が倒れ、リンネも耳を押さえてしゃがんだ。

 

(うわっ⁉︎思念が強すぎたかな.........?)

 

リムルは、心の中で少し反省した。

 

「あなた様の力は十分に分かりました!どうか声を静めてください!」

 

「で、俺に何か用?」

 

「強力な魔物の気配がしたので、警戒に来た次第です。」

 

ゴブリン達は頭を下げ、土下座に近い感じでそう言い、リムルは、今度は小声で聞き、ゴブリンの一人が敬語で答えた。

 

「そんなもの、俺には感じられないけど?」

 

「ご冗談を!そのようなお姿をされていても、我々は騙されませんぞ!それにあなた様も、平然とされたご様子、只者ではありません!」

 

リムルが疑問符を浮かべていると、ゴブリンは、リムルとリンネのことを見ながらそう言った。

 

(やっぱり俺達のことか.........。)

 

(もう!兄様がオーラを出しっぱなしだから.....)

 

リムルが考え込んでいると、リンネが頭を抱えてそう呟いた。

 

(ん?オーラ...?なんだそれ。そんなの出した覚えはないぞ?)

 

(.......大賢者さんに頼んで見せた方が早いですよ。.....伝えるのをもっと早くした方が良かった....。)

 

リムルがリンネの言葉に疑問符を浮かべ、リンネは、ため息を吐くように言い、下を向いて呟いた。

 

(...?大賢者、魔力感知の視点を切り替え。自分を客観的に見せてくれ。)

 

『視点を切り替えます。』

 

リムルはその様子を見て、不思議に思いながら大賢者に頼んだ。大賢者が視点を切り替え、リムルは、自身の姿を見ると、自身から紫のような色の禍々しく感じるオーラが出ていた。

 

(うわっ!オーラを出したままだったのか!大通りを社会の窓全開で歩いていたみたいだ!これはアカン!だからゴブリン達は怯えていたのか!リンネもそれに気づいて..........って、何でリンネは分かったんだ?)

 

(どうやらヴェルエールを吸収したことで、オーラが見えるようになったようです。)

 

(...なるほど.......。)

 

リムルは、それを見て汗をかき、顔を赤らめて考え、リンネが分かったことに疑問に思うと、リンネは、そう答えた。

 

「ふーん!」

 

(あ、引っ込められた。...まあ、リンネも引っ込めているようだし、引っ込められるか。............そういえば、リンネは、いつからオーラを引っ込めていたのか?)

 

(ヴェルエールに言われて....兄様と出会う前かな?洞窟の中にいた時は、オーラのことを話さなくてもいいかなって思っていたけど、洞窟を出る前に言った方が良かったですね。)

 

リムルが試しにイメージしてみると、オーラが引っ込み、リンネに尋ねてみた。リンネは、その時のことを思い出しながらそう伝えた。

 

「我々を試されていたのですね。そのオーラに脅える者も多かったので助かります。」

 

「そ、そうだな!脅えずに話しかけてくるとは見どころがあるぞ!」

 

(何の見どころですか!)

 

(俺も知らねえよ。というか、洞窟にいた人間達、よく気づかなかったな。あいつら、大丈夫か?)

 

(...そういえば、そうですね....。)

 

ゴブリンは、いいように解釈して言い、リムルは慌てながら言い、リンネは、念話でその言葉にツッコミを入れた。リムルは、言った本人だが、リンネと同じことを思い、それと同時に、洞窟の中の人間達のことを思い出した。リンネも、リムルの話でそのことを思い出した。

 

「強き者達よ。あなた達を見込んでお願いがあるのですが.......」

 

リムルとリンネが念話で会話していると、ゴブリンに頼まれ、リムルとリンネは、ゴブリン達の村に案内された。

 

(それにしても粗末な村だ。ヴェルドラの鼻息で吹き飛びそう。)

 

(兄様、失礼ですよ。)

 

リムルの心の中の言葉に、リンネが注意した。家のようなところで、リムルとリンネが座って待っていると、さっきのゴブリンと年寄りのゴブリンが入ってきた。

 

「ようこそお客人。私は、この村の村長をさせていただいております。」

 

「どうも。よろしくお願いします。」

 

「はい、どうもよろしく。で、自分達にお願いとは何ですか?」

 

村長のゴブリンが挨拶をし、リムルとリンネも挨拶をして、本題を聞いた。

 

「実は、最近魔物の動きが活発になっているのはご存知でしょうか?我らの神がひと月前にお姿をお隠しになられたのです。そのため、近隣の魔物がこの地にちょっかいをかけ始めまして.........」

 

(神って、ヴェルドラのことか?時期的には合っているな...。)

 

(魔物避けになっていたのですね...。)

 

村長がそう話し始め、村長の言葉に、リムルとリンネは、そう念話で話し合った。

 

「...それで、お願いと言いますのは........」

 

村長の話によると、東の地から狼の魔物、牙狼族が押し寄せて戦いになり、ゴブリンの戦士が多数討ち死にしたのだという。本来牙狼族一匹に対して、ゴブリン10匹でかかっても勝てるかどうかの戦力差があるのだそうだ。その中に、名持ちの守護者のような戦士がいたのだという。その戦士も討ち死にし、村は危機に瀕しているということだった。

 

「牙狼族は全部で100匹程度.........」

 

「こっちの戦力は?」

 

「戦えるのはメスも合わせて60匹くらい。」

 

(絶望的な戦力差だな...。なんだか無理ゲーっぽいな.....。)

 

村長に戦力を聞くと、村長は、難しい顔をして答え、リムルもそれを聞いて、難しい顔?をしていた。リンネもだ。

 

「その名持ちのゴブリンは、勝てないと分かっていて戦ったのか?」

 

「いいえ。牙狼族の情報は、その戦士が命懸けで入手したものなのです。戦士は、私の息子でこれの兄でした....。」

 

「くっ.....!」

 

リムルの質問に、村長は答えながら泣きそうになっていた。隣のゴブリンも、自身の拳を強く握った。

 

「村長、一つ確認したい。」

 

「は、はい。」

 

「俺がこの村を助けるなら、その見返りはなんだ?お前達は、俺に何を差し出せる?」

 

リムルの言葉に、村長達は考え、リンネは、驚愕の表情をした。

 

(ちょ!ちょっと!兄様!?.......)

 

(本当は見返りなんて求めていない。ただちょっと体裁を整えるだけだ。)

 

リンネが驚きながらも尋ねようとした時、リムルが先にリンネの聞きたいことを答えた。

 

「わ、我々の忠誠を捧げます!我らに守護をお与えください!さすれば、我らは、リムル様とリンネ様に忠誠を誓いましょう!」

 

村長達は、土下座をして頼み込んだ。

 

(懐かしいな.......。)

 

(......ここまでしてもらうと............)

 

リムルは、それを見て前世のことを思い出し、リンネは、リムルをじーっと見ていた。

 

(何のかんの言って、俺は頼み事に弱かった。)

 

(.........それは、私も同じです...。)

 

リムルの話に、リンネも頷き、リムルもリンネもどうするか決めた。すると、突然狼の遠吠えが聞こえた。

 

「が、牙狼族だー!」

 

「ヤバいよヤバいよ!」

 

「おしまいだー!」

 

「俺達、食われちゃうんだー!」

 

「逃げようよ!」

 

「ど、どこへ!?」

 

それを聞き、ゴブリン達が騒ぎ始めた。

 

「お前達、落ち着きなさい。」

 

村長がそう言っているが、村長も慌てている様子だ。

 

「ビビる必要はない。これから倒す相手だ。」

 

リムルがそう言って、家のようなところが出た。続いてリンネも出てきた。

 

「で、では.....!」

 

「お前達のその願い、暴風竜ヴェルドラに代わりこのリムル=テンペストと」

 

「リンネ=テンペストが聞き届けよう!」

 

村長の声に、リムルとリンネはそう言った。

 

「ありがとうございます。我々は、リムル様とリンネ様の忠実なる下僕でございます。」

 

「任せておけ。」

 

「任せてください。」

 

リムルとリンネの言葉に、ゴブリン達は、全員頭を下げて、土下座のような状態で言い、リムルとリンネは、胸を張って答えた。

こうして、リムルとリンネは、ゴブリン達の主、守護者となったのだった。

 

 

 

 





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