異なる世界で妹として楽しんでいます   作:日々草

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始めは三人称ですが、途中からリンネ視点に変わります。




ゴブリンの村での戦い

 

(うーん......牙狼族と戦うのは、あまり期待できそうにないな。貧弱そうだし、ボロボロ.....。)

 

(......プレッシャーですね....。)

 

リムルは直球にそう思い、リンネは、その言葉に苦笑いしながら念話でそう言った。

 

「みんな、状況は分かっているか?」

 

「はい!生きるか死ぬかの戦いになると、覚悟はできております!」

 

リムルがそう尋ねると、ゴブリン達は、敬礼のような感じでそう言った。

 

「気負うことはない。気楽にな。"最善を尽くす"そのことだけを考えろ。」

 

「生きるか死ぬかの戦いじゃありません。必ず全員生きるための戦いです。」

 

リムルとリンネの言葉に、ゴブリン達は、歓声を上げた。

 

(カッコいいこと言っちゃった....。)

 

(なんか恥ずかしいです.....。)

 

リムルとリンネは、それを見て、照れたような表情をした。その後、村長に連れられ、リムルとリンネは、さっき自分達がいた家とは違う家に入った。そこには、怪我をして、包帯を巻かれているゴブリン達が横になっていた。

 

「できるだけの手当てをしましたが........。」

 

(思った以上に深いですね.....。)

 

(ああ。爪や牙で引き裂かれたみたいだな...。まあ、やってみるか.....)

 

(ですね。)

怪我しているゴブリン達を見て、リムルとリンネはそう思い、リムルは、ゴブリンの一人を捕食し、リンネは、両手を口に近づけ、息を吹きかけ、その風をゴブリンの一人に向けてかかるようにした。

 

「リ、リムル様、リンネ様、何を!?」

 

「ぺっ!」

 

「ふう.....終わり。」

 

村長が驚いていると、リムルがさっき捕食したゴブリンを吐き出し、リンネは、吹くのを止めると、笑みを浮かべた。

 

「「あれ?俺........」」

 

リムルが吐き出したゴブリンとリンネが吹いた風を浴びていたゴブリンが同時に声を上げ、立ち上がった。

 

「き、傷が.....!」

 

「治っている!」

 

二人のゴブリンは、自身の体を見て、怪我が治っていることに驚いた。

 

(わお!やってみるもんだな!)

 

(ですね!)

 

(捕食し、体内に溜めてある回復薬をぶっかけただけで、こんなに効果があるとはすげえ効能だな回復薬!)

 

(私も同じ効果のあるものを記憶して、それを水晶に付与して、それを細かくして、それを吹いた風に乗せて、当たるようにしたら、回復しました!)

 

リムルとリンネは互いに試したことが成功し、喜びあった。

 

「はい次!はい次!」

 

「次、行きます!」

 

リムルとリンネは余裕もあり、怪我をしていたゴブリン全員を治し始めた。

 

「さ、さすがはリムル様....!リンネ様......!ははー!」

 

その様子を見ていたゴブリン達全員は、ははーと言いながら平服した。

 

(終わりました!)

 

(よし!怪我人は、これで全員だな。では........)

 

リムルとリンネは、ゴブリン達の治療を終えると、平服しているゴブリン達の方を向いた。

 

「柵を作る!村の防備を固めるぞ!」

 

「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」

 

リムルの声に、ゴブリン達は、大声で返事をした。

 

 

 

...................................

 

 

「いい夜だ.....。」

 

その夜、ゴブリン達の村から離れた場所で、狼の集団、牙狼族達がいた。牙狼族の長は、岩の上からゴブリン達の村を見た後、空の月を見て、そう言った。

 

「この森からヴェルドラの加護は失われた。恐れるものはもうない。今夜、あのゴブリンの村を滅ぼし、このジュラの森への足がかりを作ろうぞ!」

 

「ワオーーーン!」

 

「我らは、この森の支配者となるのだ!」

 

「ワオーーーン!」

 

牙狼族の長の話に、他の牙狼族は、遠吠えを上げた。

 

「我らの爪は、いかなる魔物を引き裂き、牙はいかなる魔物を食い破る!」

 

「ワオーーーン!」

 

牙狼族の長がそう言うのと同時に走り出し、他の牙狼族達も遠吠えを上げたと同時に走り出し、ゴブリンの村に向かっていった。

 

「はっ......!」

 

ゴブリンの村に近づくと、柵ができていることに気づき、牙狼族達は、足を止めて、観察した。

 

「ふっ、あのような貧弱な柵、何の役に立つ。」

 

「親父殿。」

 

牙狼族の長が柵を見て鼻で笑っていると、牙狼族の長の息子が何か気づき、鼻で指した。そこには、リムルとリンネが柵の目の前で立っていた。

 

「スライム...?と、人間.....いや、違うな。人間ではないな......」

 

「このまま引き返すなら何もしない。さっさと立ち去るがいい!」

 

牙狼族の長がそう考えていると、リムルが忠告した。

 

「小賢しい!スライム如きが我ら牙狼族に命令するな!あの柵をなぎ倒せ!ゴブリンどもを血祭りにあげろ!」

 

「ワオーーーン!」

 

牙狼族の長は、リムルの言葉にかっとなり、牙狼族達に命令した。牙狼族達は、遠吠えを上げ柵を壊そうと走り出した。しかし、牙狼族達は柵に近づけず、血を流し倒れた。

 

「糸.......!?結界だと.....!?」

 

牙狼族の長が空中にある血のついた糸と、一瞬だが壁のようなものが見え、そう呟いた。

 

「スキル鋼糸だ。」

 

「それと、結晶壁という結界よ。」

 

リムルとリンネは、堂々とそう言った。実は柵を作った時、リンネがスキル結晶操作を使い、透明な結界を村と柵を覆うように張り、さらに、リムルが空中に糸を張った。そして、ゴブリン達は、その中から矢を放つということだ。こうしたことで、牙狼族達は糸でやられ、糸をかわしても結界に阻まれ、ゴブリン達に、矢で倒される。

 

「貴様らの仕業か。」

 

「そうだ!」

 

「そうです!」

 

それを見て、牙狼族の長は、リムルとリンネを睨みながら聞くと、リムルとリンネは、それに動じず堂々と答えた。

 

「小賢しい!踏み潰してやる‼︎」

 

その様子を見て、牙狼族の長は苛立ち、リムルとリンネに向かって走り出した。鋼糸を爪や牙で切り裂きながらリムルとリンネに近づき、飛びかかった。しかし、

 

「ぐっ......!」

 

飛びかかろうとした瞬間、牙狼族の長の動きが突然空中で止まった。

 

「粘糸さ。」

 

「これしき.......!」

 

牙狼族の長は粘糸にかかり、身動きを封じられたのだった。牙狼の長は粘糸から逃れようとしたが、糸を切ることはできなかった。

 

「スキル水刃!」

 

リムルは水刃で迷うことなく、牙狼族の長の首を刎ねた。首を失った牙狼族の長は、重力に任せて落下した。

 

「はっ........!」

 

牙狼族達がそれを見て驚いていた。

 

「聞け!牙狼族よ!お前達のボスは死んだ!選択をさせてやる!服従か死か!」

 

リムルは、牙狼族達を見てそう言い放った。

 

(兄様。服従か死かって......)

 

(すまん。ついノリでな。......だか、ヤバいな...。"服従するなら死を"的なノリで一斉に向かって来たらどうしよう。逃げてってくんないかなー。うーん.......あっ!捕食!)

 

リンネがリムルに尋ねると、リムルは、反省しているような感じで言い、どうしようかと悩んだ。少し経ち、リムルは、何かを思いつき、死んだ牙狼族の長を捕食した。

 

『解析が終了しました。擬態"牙狼"を獲得しました。牙狼固有スキル『超臭覚』・『思念伝達」・『威圧』を獲得しました。』

 

『同調者の効果で、牙狼固有スキル『超臭覚』・『思念伝達』・『威圧』を獲得しました。』

 

大賢者と記憶者がそう言い、リンネがリムルから少し離れた後、リムルが牙狼に擬態した。

 

「くっくっく。聞け。今回だけは見逃してやろう。我に従えないというならば、この場より立ち去ることを許そう。ワオーーーーン!」

 

リムルはそう言い、牙狼族達を威圧した。牙狼族達は、それに反応した。

 

「アォーーーーン!」

 

(ほらほら早く逃げてくれ。)

 

リムルがそう思っているが、牙狼族達は逃げようとせず、リムルとリンネに近づいてきた。

 

「アォーーーーン!」

 

(ダメか?まだ戦うつもりか?)

 

(..........どうやら違うみたいです。)

 

(ん?それってどういう.......)

 

リムルがそう思っていると、リンネが苦笑いしながら伝え、リムルは、疑問に思って尋ねてみた。そのすぐ後、牙狼族達がクゥンと鳴き、平服した。

 

「我ら一同、あなた様達に従います!」

 

(え....?逃げてくれてよかったのにな..........。)

 

(はははは.....。)

 

牙狼族達の言葉に、リムルはそう思い、リンネは苦笑いした。

 

「あ、あの....。勝ったのですか...?」

 

「うーん、そうみたいだな。」

 

「まあ、争う必要がなくなったのはいいことだと思います。」

 

「そうだな。うんうん平和が一番。」

 

村長の声に、リムルとリンネは勝利の実感が湧かないがそう話し合い、リムルとリンネの話を聞き、ゴブリン達が喜び出した。こうして、ゴブリン村の戦いは実にあっさり終結したのだった。しかし.......

 

 

 

 

 

(どうすんだ?ゴブリンだけじゃなくて、こんなたくさんの犬どもの面倒、誰が見るんだよ.....。)

 

(言ったのは兄様なんだから、私達が見るのですよ。)

 

(分かっているよ!........どっちも同じくらいか。じゃあ......)

 

リムルとリンネは、集まっているゴブリンと牙狼族達を見て、これからのことを考えていた。

 

「はい、聞いてくださーい。」

 

「「「「「「「「ん?」」」」」」」」

 

リムルの声に、ゴブリンと牙狼族達が反応した。

 

「えっと、これから君達にはペアになって、一緒に過ごしてもらうことになります。」

 

「ペ?」

 

「ア?」

 

リムルの言葉に、ゴブリンと牙狼族達は疑問に思った。

 

「えっと、ペアの意味は分かりますか?」

 

「リムル様、リンネ様、ペ・アとは一体何ですか?」

 

「二人一組のことです。」

 

ゴブリンと牙狼族達の様子を見て察したリンネがそう聞くと、リンネの予想通り、ゴブリンと牙狼族達はペアの意味が分からなかったので、リンネが簡単に説明した。

 

「二人?」

 

「一組?」

 

ゴブリンと牙狼族達は意味を知った後、すぐにペアを組んだ。

 

「昨日の敵は今日の友。これからは互いに力を合わせて、仲良くするんだぞ。いいな?」

 

「「「「「「「「はい!」」」」」」」」

 

「互いに互いを助けて上手くやるように。」

 

リムルの声に、ゴブリンと牙狼族達は元気良く返事した。

 

(とりあえずはこれでよし。)

 

(次はこれからの生活方法ね。)

 

リムルとリンネは互いにアイコンタクトし、心の中で話し合った。

 

「それでえーと...これから大切なのは、衣・食・住です。食べ物を探したり、家を作ったり、村の守りを固めたりするためのチームを作ろうと思う。まずは.......」

 

(そういえば名前なんだっけ?っていうか名前あったっけ?)

 

リムルはそう話し、名前を言おうとしたが、名前を知らなかったことに気づいた。

 

「お前達、そういえば名前は?」

 

「普通魔物は名前を持ちません。名前が無くとも意思の疎通はできますからな。」

 

「そうなのか......でも、あった方が便利だから、お前達に名前をつけようと思うがいいか?」

 

「「「「「「「「「おぉ!」」」」」」」」」

 

リムルが聞くと、村長はそう答えた。リムルは少し考え、何気なく言うと、ゴブリンと牙狼族達全員が驚きのような声を上げた。

 

「名前⁉︎よろしいのですか⁉︎」

 

「あ、あぁ.....。」

 

「う、うん...。」

 

「「「「「「「やったー!」」」」」」」

 

「「「「「「「ふっふー!」」」」」」」

 

村長が聞き、リムルがゴブリンと牙狼族達全員の反応に戸惑いながらも頷いた。リンネもその反応に驚いているようだが、頷いていた。それを見て、ゴブリンと牙狼族達は今度は喜びの声を上げた。

 

(何で.........?名前付けるくらいでそんなに興奮しているんだ?)

 

(名持ちの魔物の仲間入りになるから.......なのかな?.......名前を持つことで何があるか分かりませんが......何故か村長が一番はしゃぎ過ぎです。)

 

ゴブリンと牙狼族達の反応を見て、リムルとリンネは頭に疑問符を浮かべながら話し合った。村長のはしゃぎっぷりが本当に目立って、そっちの方に目線が向いてしまう......。

 

「名前!名前!」

 

(兄様、私、ネーミングセンスがあまりないので、兄様にお願いしてもよろしいですか?)

 

(ああ、いいぞ。けど、リンネが思っているより悪くないんじゃないか?)

 

(たとえそうでも、やっぱり...。)

 

ゴブリンと牙狼族達は、嬉しそうに一列に並んだ。リンネが心の中でリムルに話しかけ、リムルがそう言うが、リンネは顔を下を向いて言うため、結局、リムルだけで名前をつけることになった。

 

「じゃあ、村長から。」

 

リムルが村長を呼ぶと、村長が前に出てきた。

 

「えっと、そうだな...。なくなった。戦士の息子は何て名前だったんだ?」

 

「リグルです。」

 

「リグルか...なら、リグルドだ。リグルド。」

 

リムルが名前の参考になくなった戦士の息子の名前を聞き、村長が答え、リムルは少し考え、リグルドと名づけた。

 

「はぁ....!ありがとうございます!リグルド!感激です!」

 

「そ、そうか.......。」

 

(語呂がよかっただけなんだが....。)

 

(まあ、いいじゃないですか。喜んでいるんだから。)

 

(.....そうだな。)

 

村長、リグルドはそれを聞き、感動の涙を流して言い、リムルは、顔を横に向けながらそう思い、リンネが苦笑いしながら心の中で言い、リムルもそれに納得することにした。

 

「お前は兄の名前を継げ。リグルだ。」

 

「はい!」

 

リムルは隣にいる息子の方にも名前を付け、リグルは、大きな声で返事した。

 

「息子にリグルの名を継がしていただき、感謝感激です!」

 

「「ありがとうございます!」」

 

リグルドがまた感激の涙を流し、親子共々平服した。

 

(なんなんだ?このリアクションは?)

 

(分かりませんが、喜んでくれてよかったということにしましょう...。)

 

リムルが頭に疑問符を浮かべ、リンネも困ったような笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

「お前はゴブタ。」

 

「は、はい!ありがとうございます!」

 

リムルは、次々とゴブリン達に名前をつけた。

 

「お前はゴブチ。」

 

「ヒヒっ!」

 

名前をつけられたゴブリン達は、全員嬉しそうだった。

 

「ゴブツ。」

 

「ゴブテ。」

 

「お前はゴブゾウな。」

 

だけど、だんだん適当になってきたと思う。

 

(だんだん適当になっていく.......喜んでくれているのに悪いな.......。)

 

リムルもそう思い始めた。

 

「あの...名前をつけていただくのは大変ありがたいのですが.......」

 

「ん?」

 

すると、リグルドが話しかけてきて、リムルもリンネもリグルド達の方を見た。

 

「リムル様の魔力が強大なのは存じておりますが、そのように一度に名を与えられるなど大丈夫なのですか?」

 

「まあ、問題ないだろう。」

 

「それならばまあ........。」

リグルドが心配するようにそう言い、リムルは、リグルドの言葉に疑問を持ちながらも頷いて言い、リグルドは、まだ心配している様子だったが頷き、それ以上何も言わなかった。

 

「お前はハルナ。」

 

「はい!」

 

リムルは、リグルドの様子を疑問に思いながらも名づけを再開した。そして......

 

(ゴブリン達は全員つけ終わったな。次は....)

 

ゴブリン達全員の名前がつけ終わり、リムルは、牙狼族達の方に目線を向けた。

 

(牙狼族のボスの息子だよな.....。俺のこと恨んだりしていないのか?っていうか...恨んではいないようだな。)

 

(そうですね......。)

 

リムルがそう思っていたが、牙狼族達全員がリムルに尻尾を振っていた。リンネはその様子を見て、また苦笑いしていた。

 

(ふむ.......狼、牙.......風....暴風...そうか、俺のファミリーネームをやるか。......テンペスト.....テンペストの牙...嵐の牙.......嵐牙...おお、嵐牙!いいね!)

 

「よし、お前は嵐牙!」

 

「嵐牙。」

 

リムルは、牙狼族のボスの息子を見ながら考え、嵐牙と思いつき、嵐牙と名づけた。嵐牙は、嬉しそうに尻尾を振っている。

 

(喜んでる喜んでる。)

 

「うっ......!」

 

リムルはそれを満足そうに見ていたが、突然眩暈が襲ってきた。

 

(なんだ?体が.......目の前が暗く....)

 

(兄様!大丈夫ですか?しっかりしてください!)

 

リムルの体が溶け始め、リンネが慌てて念話でそう言っているが、リムルの体は溶けていく一方だ。

 

「リムル様!」

 

「お気を確かに!」

 

リグルド達も慌てた様子でそう言って近づいてきた。

 

『告。体内の魔素残量が一定値を割り込みました。スリープモードに移行します。』

 

(魔素の使い過ぎ.....なんで.......?)

 

大賢者の話を聞き、リムルは、そう疑問に思いながら意識を失った。

 

 

...........................

 

 

突然兄様が倒れ(溶け)、大騒ぎになった。慌てて記憶者さんに聞くと、

 

『名づけによる魔素の使い過ぎで、スリープモードに移行されています。』

 

とのことでした。どうやら名前をつけたら魔素を消費するらしい。兄様に全部任せていたから、これは私も反省です。こうなった責任は私にもできることはないかと記憶者さんに聞くと、

 

『魔素を少し分けることが可能です。即目が覚めることはありませんが、目覚める時間を早めることは可能です。魔素を譲渡しますか?』

 

(お願いします!)

 

という答えをいただいたので、私は即答した。私は、兄様の体に触れ、その後のことは記憶者さんに任せた。

 

 

 

その夜、現在、兄様は二段重ねられた座布団の上に乗せられ、その前には食べ物のようなもの、両脇には花が入った瓶が置かれていた。

 

(なんかお神体みたい......。それに、何で私まで......。)

 

そう。私も兄様と同じように、兄様の隣で二段重ねられた座布団の上に座っていた。

 

「ああ...あんなにたくさん一度に名前を付けていただいたから......。」

 

「いえ、そこまで気にすることじゃないですよ。」

 

村長が申し訳なさそうにしていたので、そう言っておいた。

知らなかった私達が悪いからね....。

私がそう思っている間、牙狼族達が遠吠えを上げていた。

 

 

 

 

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