それでは
『どうぞ!!』
ダンテ達が来てから2週間、地獄のトレーニングを積みつつ仕事と学業をする八方塞がりな環境を過ごしついにこの日が来るとは
藍莉「んで?お前らマスターと交渉して教師席で見んの?」
ダンテ「俺達が交渉したってよりあっちから誘ってきたんだよ話したいこともあるって話だしな」
ネロ「絶対勝てよ、勝たなきゃ意味ねぇからな」
藍莉「分かってる、取るならてっぺんだ」
ニコ「そろそろ行くぞ!」
ニコに急かされ車に乗り込み会場へと向かった
控え室
『ふむ、体育祭は猛者が揃うのであろう?楽しみだな』
『兄者よ、誰もが強い訳では無い、主に勝る者がいるとは思えんが』
藍莉(買いかぶりすぎだ、だがやる気のねぇ奴は予選で落ちるのは間違いないな、決勝に行けば強い奴も出てくるだろうよ)
『足元をすくわれるような真似はするでないぞ、ダンテ達が何しでかすか分からんからな』
藍莉(想像したくねぇ…)
『まぁ私達は全力でバックアップするから安心して』
藍莉(頼りにしてるぞお前ら)
『『『『任せろ』』』』
轟「剣崎」
藍莉「あ?なんだ轟」
轟「お前が何者かそこを詮索するつもりはねぇし興味ねぇが…てめぇにも勝つぞ」
藍莉「緑谷にも言ってたなそれ、まぁいいさ、けどな轟ひとつ言わせてもらうぞ…今のお前じゃ俺に触れることも出来ねぇよ」
轟「なんだと…?」
藍莉を睨みつける轟
藍莉「お前が何見て、何考えてるのかなんざこっちは興味ねぇが俺に幻影を重ねてる時点でお前は負けてんだよ…ま、決勝までお前が残ってたら相手してやるよ」
轟の肩を叩き外に出る藍莉、轟の手は強く握られていた
プレゼントマイク「雄英体育祭!!ヒーローの卵達が我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!どうせテメーらアレだろコイツらだろ!!?敵の襲撃を受けたにも拘らず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!ヒーロー科!!1年!!!A組だろぉぉぉ!!?」
プレゼントマイクの呼び掛けにA組が入場し大きな声援が送られるその後も続々と選手達が入場し選手宣誓へと移る
ミッドナイト「選手宣誓!!」
藍莉(マスター元気だなぁ…)
『あの娘こういうの好きだものね』
藍莉(青臭いの好きなんだっけ、青春だとか言ってたなぁ)
昔ミッドナイトの家で青春系の映画やドラマを見させられたことを思い出しながら話す藍莉とネヴァン
ミッドナイト「選手宣誓!1-A剣崎藍莉!!」
藍莉「…は?」
『呼ばれているぞ』
ミッドナイトを見るとウィンクをしていた、どうやら敢えて伝えてなかったらしい
藍莉「上等だよ…」
それだけ言ってマイクの前に立つ藍莉
藍莉「好きにやらせてもらうぞ」
ミッドナイトにだけ聞こえる声でそう言うと大きな声で選手宣誓を始める
藍莉「…我々選手一同全力を持ってこの大会に挑みベストを託すことを誓います!」
それを聞き拍手が送られるが一息ついて続ける
藍莉「ここからは俺の言葉だ…嘗て俺は過ちを犯した、それも取り返しのつかないものを…そんな俺を救い今のこの場に立たせてくれるのは他でもない雄英の教師達であり親愛なる師匠達だ、俺はそんな彼らに応えるためあらゆる努力をし血反吐を吐くような特訓を重ねヒーローになることを誓った…だから」
1度俯きもう一度顔を上げるその時僅かにトリガーを発動する、その気迫は生徒だけでなく観客まで伝わる、その気迫にやる気のない生徒達は震え動けなくなる
藍莉『俺はここにいる誰よりも強い…闘志無きものはここを去れ!ここから先は身をも焦がす熱き闘志と強固な意志を持つものが歩みを進める場だ!!』
やる気のない生徒達からすれば喉元に刃物を押し付けられた気分だろう、藍莉はこの瞬間に振るいにかけたのだ、やる気のないものを蹴落とし、闘志あるものだけ残すために、トリガーを解除し後ろを向き堂々と歩き元の位置に戻る
「悪い気はしないね…面白い!」
「アイツ漢らしい事するじゃねぇか!女だけど!」
今の一瞬でさらに火のついたもの、震え上がり動けなくなったもの、それが完全に別れた、ミッドナイトは一瞬言葉を失うが直ぐに我に返り競技の発表をする
ミッドナイト「さ、さて!それじゃぁ第1種目始めるよ!運命の第1種目!それは…コレ!障害物競走!!」
モニターに競技が示される
ミッドナイト「計11クラスの総当りレース!コースはこのスタジアム外周約4キロ!!コースさえ守れば何をしたって構わないわ!!さぁさぁ位置につきまくりなさい!!」
全員がゲート前に並ぶ、そして3つのランプが次第に消えていく、そして遂に
ミッドナイト「スタート!!」
一斉に走り出す、しかしゲートは見た通りかなり狭くすし詰め状態となる、そして1番に抜け出た轟が足元を凍らせ生徒達を足止めする、その頃藍莉はと言うと
「おい!空飛ぶとかありが!?」
藍莉「なんでもありだ、文句あるか?」
羽根を生やし轟の上空を飛んでいた、轟のすぐ隣に着地すると轟と並走する
藍莉「よォ、轟、今のはいい考えだがもっと早くするべきだったな」
轟「…」
藍莉「黙りか、まぁいい、お先失礼するぜ!」
それだけ言い残しさらに速度を上げ轟を置いていく、藍莉が通ろうとすると第1関門『ロボ・インフェルノ』が立ち塞がる
藍莉「へぇ、まぁこの位は用意してないとつまらねぇよな」
轟「折角ならもっとすげぇの用意してもらいてぇもんだな…クソ親父が見てんだから」
そう言うと氷を発生させ0P敵を凍らせ、その隙を通る轟が通る、するとすぐ横を衝撃波が通り抜ける、後ろを見ると藍莉がリベリオンを逆手で振り上げていた『ドライヴ』と呼ばれる剣に魔力を込め飛ばす技で0P敵を吹き飛ばしたのだ、そしてノーモーションで轟の隣に並ぶ
藍莉「へぇ親父が見てるの?ならカメラに向かって手でも降ってやりな、喜ぶぜ?」
轟「うるせぇぞ…!」
怒りを抱いたのか藍莉の足場を凍らせようとするがそれを躱される
プレゼントマイク「A組轟&剣崎0P敵を難なく突破!剣崎は僅かな時間だったが他の選手にも道を作ってたぜ!それに気づけたヤツらもどんどん進め進めェ!!」
藍莉と轟が走り抜けると今度はワイヤーで繋がれたエリアに到着する
プレゼントマイク「さぁさぁ次の障害はコレ!落ちたらアウト!それが嫌なら這いずれ!ザ・フォール!!」
藍莉(ほんっとこういう事は全力だよなマスター達って!)
プレゼントマイク「さァ先頭の2人は…おっとあれはどういう原理だァ!?A組剣崎空中を全力疾走!」
上を見ると藍莉が空中を走っていた、これは空中に魔力の足場を形成する『エアハイク』の応用で連続でエアハイクを発動しその上を走り抜けているのだ、エアハイクは空中に足場を形成するが持続力がない為ダンテ達でもジャンプする為だけに使うのが殆どだが藍莉はひとつを消すのと同時にもう1つを形成しその上を蹴って進んでいるのだ、『エアランナー』これは2週間ダンテ達との地獄のトレーニングで身につけた技術でダンテ達の猛攻を避ける為に身に付けたものだ
藍莉(案外役に立ったなあの特訓)
『何度か死にかけたけどね』
藍莉(言うな思い出したくもない)
そう話しているとゴールに辿り着き着地して走り出す、その先には地雷原のような場所があった
プレゼントマイク「最後の関門!辺り一面地雷原!怒りのアフガン!!」
藍莉(ほんっとやる事大袈裟だな!俺には関係ないけど!)
藍莉は再び跳躍しエアランナーで走り出す、すると轟、爆豪が後方でお互いを邪魔し合っていた、さらに後方で大きな爆発が起きると緑谷が爆風と共に突っ込んでくる
藍莉「ハッハー!やるじゃねぇか緑谷!だが悪いな1位は俺のもんだぜ!!」
そうしてさらに速度を上げ遂にゴールする
プレゼントマイク「さぁ!1位が帰ってくるぜ!1位は常に独走し続けたこいつ!剣崎藍莉だ!!」
その後2位に緑谷、轟、爆豪と入ってくる、そして上位42名が第2種目へと進んだ
という訳で今回はここまで!!青山君ここで脱落、ゴメンねシワ寄せさせちゃって、次回は騎馬戦!藍莉ちゃんと魔具大暴走回となります!!
それではまた次回お会いしましょう!
『待て次回!!』