これが今年最後です。
「それで何処に行くのよ?」
「市役所ですよ」
行く場所を聞いた霊夢は変な声をあげる。
「はあ!?何で市役所なんて行くのよ!?」
「何を言ってるんですか、あの神社のことに決まってるでしょ」
「へ?」
霊夢は詠姫が何を言ってるのか分からないのか疑問の声をあげた。
「あの神社は今は誰も所有してないことになっているのですよ?だから所有権を貴女の物にするんですよ。じゃないと法律違反です」
「それは分かったけど…いいの?」
理由を聞いた霊夢は詠姫に確認の為に聞いた。
「何がですか?」
「貴女ってお父さんから連れ帰ってこいって言われたんじゃないの?」
「まあ私もまだまだ甘いということですよ。それに……」
「それに?」
「私が弁護士なのは歩いてる時に言いましたよね?」
「ああ、言ってたわね」
歩いている途中で詠姫がそんな話をしていたのを思い出しながら答える。
「こんな仕事をしていると自然と人の欲望というのによく関わるのですよ。助かりたいという欲、助けてほしいという欲、復讐したい欲などね」
「復讐……(文もそんな感じだったのよね、きっと)」
霊夢が頭の中でそんな風に考えていると詠姫は続きを話し出す。
「そんな醜くても純粋で美しい、そんな欲望を私は愛しているんですよ」
「欲望が純粋で美しい?」
詠姫の発言に不思議そうな顔で霊夢は答えた。
「そうですよ。例えば人を愛するというのも欲望です。その欲望は純粋にその人を愛している、その姿は美しい。また何かを買いたい……そうですね車にしましょうか。これも同じ、買うためのお金を貯めるのは純粋に欲しいから。そのために頑張った行為は美しいのですよ」
「成る程ね……一つ聞いてもいいかしら?」
霊夢は詠姫のその発言を聞くとずっと思っていたことを聞こうとする。
「何ですか?」
「私の知り合いが最近復讐を果たしたのだけど……それを喜んでると思う?」
「そうですね……よほど感情が復讐に囚われているのなら喜んでいるでしょうね」
「そうでないなら?」
「恐らく……後悔しているのではないでしょうか」
それを聞いた霊夢は詠姫に続けて聞く。
「何でそう思うのよ?」
「確かに復讐を果たせば一時的にはスッキリしますよ。ですが……どんな最底辺の人間でも生きていて家族がいるのです。それは新たな復讐の連鎖を生む可能性もある。何より今までと同じ生活は送れないでしょうね」
「そう……ありがとね」
霊夢がそう言うと詠姫もどういたしましてと返し、二人はそのまま市役所まで向かう。
魔理沙、文、古町の三人が羽葉宅の前に立っていた。
「ここかい?その……」
「虫銭羽葉ですよ、古町さん」
「そうそう、その虫銭羽葉って奴の家は」
「そうですよー」
「まあとりあえず入ってみるか」
中に入るとすぐに男性が三人に声をかけてきた。
「いや、まさか女性が三人も来るとはな」
どこか笑顔が似合いそうな緑のジャケットを着た青年……虫銭羽葉が丁度虫籠を持ってやってきた。
「どうも記名丸文です。こちらの二人は古町さんと魔理沙さんと言います。それで例の緑色のクワガタというのは……」
「ああ、そうだったな。これだ」
羽葉は手にもった虫籠を三人に渡した。。
「おお!これは確かに緑色だぜ!!」
「こんなこともあるんだねー」
「・・・・・・」
二人が各々の感想を言う中、文だけは真剣な眼差しでそのクワガタを凝視していた。
「いや、俺が日課のジョギングをしていたらな。こいつが木にくっついてた物だからな……これは運命だと感じて捕まえたんだ」
「成る程。そうですか」
文がようやく言葉を話した。一方魔理沙は興奮しながら話し出す。
「もうこれは新聞とかに載っても可笑しくないのぜ!!」
「いや、あんまりそういうのはな……ブログには載せたが来たのはあんたらだけだ」
「何だって!?そいつら馬鹿だなー」
「まったくだ」
二人が微妙に意気投合していると文が神妙そうな顔で言う。
「貴重な物を見せて頂き、ありがとうございました。ほらお二人とも帰りますよ」
「え、何をそんなに急ぐんだよ?」
「そうだぞー」
魔理沙と古町の二人が抗議していくが、
「おいてきますよ?」
文の威圧のこもった台詞を聞くとすぐさま立ち上がる。
「それでは、お邪魔しました」
「あ、ああ」
三人は羽葉宅から出ていくと少し離れた川辺に向かった。そこで文は二人に先程思ったことを伝えた。
「はあっ!?あのクワガタが偽物だって!?」
「可能性は高いと思いますよ」
「何でそう思うんだい?」
古町がそう聞くと文は先程見た光景を二人に伝える。
「簡単ですよ。あの人の奥の扉の先に緑色のペンキがあったからです。普通、緑色のペンキなんていります?」
「いや、いらないだろ」
「いらないね~」
二人も流石に怪しいと思い始めたのか考え始める。特に先程興奮していた魔理沙は恥ずかしさからか顔が赤くなっていた。
「そういうことですよ。ただ証拠がないんですよねー」
「あ、それなら見張らないか?私達ならではの方法で」
「どういう……あーなるほど。そういうことなら行けるかもしれませんね」
「私達ならでは???」
魔理沙と文が意味深な会話をしているのを聞いて古町は頭がクエスチョンマークで一杯になっていた。
市役所から帰ってくる道で霊夢は詠姫に確認の為に質問をしていた。
「これで私があの神社の所有者なのね?」
「ええ。そうですよ」
「ありがとね詠姫」
「どういたしまして霊夢」
市役所に行く過程でそれなりに仲良くなった二人はそんな会話をしながら神社に戻ってきた。
「お、霊夢……と誰だ?」
神社には羽葉宅から帰ってきていた魔理沙たちが何故かおり、霊夢に話しかけてきた。
「ああ、この人は北岡詠姫。弁護士よ。言っとくけど私は何もしてないからね」
「まだ何も言ってないのぜ。私は霧雨魔理沙、霊夢の友人なんだぜ!」
魔理沙がそう詠姫に挨拶をすると詠姫も会釈をして挨拶した。
「これはどうも。北岡詠姫です、宜しくお願いしますね魔理沙さん」
「おう、宜しくだぜ!!」
二人の挨拶が終わると文が何故か気まずそうにしながら挨拶する。
「記名丸文です……どうぞ宜しくお願いします」
「ええ、宜しくお願いします……それより、何故古町がそこにいるのですか?」
詠姫も気まずそうにしながら文に挨拶すると、畳の上に座っている古町を見て言った。
「えーと、休暇です」
「そうですか。じゃあ今月の給料は減らしますね」
「そんな、殺生な!!」
詠姫にそう言われた古町はその場に項垂れた。
「それでは霊夢。私は用事ができたので、またいつか会いましょう」
「ええ」
詠姫が霊夢に別れの言葉を言っていると文も魔理沙に別れの言葉を言い始める。
「魔理沙さん、急用ができたのでここでさよならです!!」
「おう、了解」
霊夢意外の全員が神社から出ていき、魔理沙は一人孤児院に帰っていった。
「古町、先に帰っていてください」
「え、はい。分かりました」
残っていた詠姫は古町に先に事務所に帰るように言い、古町はそれに従って先に帰った。そして文と詠姫はお互いを睨み始めた。
「いつぶりですかねこうやって話すのは文さん……いやシザース」
「確か先週戦った時ぶりですよ。詠姫さん……いいえ面ライダーゾルダ」
二人の仮面ライダーは既にお互いを知っていたのか普通に会話を始める。
「どうします、戦いますか?」
「あやや、当然じゃないですか」
二人は神社前から人通りの少ない通りに移動し、文はシザースに詠姫はゾルダへと変身しミラーワールドに移動していた。
「まさかこんなに早く貴女と再戦することになるなんて、神様の悪戯ですかね?」
『STRIKEVENT』
シザースはシザースピンチを装備しながらそう言った。
「世の中に神なんていませんよ。いたとしても邪神ばかりですよ」
それに対しゾルダは自らの召喚機であるマグナバイザーを手に持ち構えた。
「やあっ!!」
先に動いたのはシザースだ。瞬時にゾルダに接近し、シザースピンチを降り下ろそうとするが、
「前回と何も変化が無いですね!」
ゾルダが放った銃弾の攻撃で怯んだところにゾルダの蹴りを当てられ攻撃は失敗した。
「くっ、やっぱりお強いですねっと!」
シザースは新しいカードを取り出すとシザースバイザーに読み込ませた。
『BUBBLEVENT』
ゾルダの背後にボルキャンサーが出現し、口から泡を吐き出した。
『くらえ!』
「危ないですねっと……本当に危なかったみたいですね」
ゾルダは自分が避けたあとの地面を見た。するとその場所は煙をあげて溶けていた。
「溶解液を吐けるのですか、そのモンスターは……」
「ええ、ベルデとそのモンスターを食べてから私のモンスターも成長しましてね」
それを聞くとゾルダは空しそうな雰囲気になりながら話す。
「復讐を果たしてしまったのですか…」
「煩い!!保護者でもないのに偉そうに言うなっ!!」
シザースはジャンプをしてシザースピンチを降り下ろすが即座にゾルダはデッキから一枚のカードをマグナバイザーに読み込ませる。
『GUARDVENT』
召喚したギガアーマーでシザースの攻撃を防ぐと、ゾルダは銃で自分との距離を無理矢理取らせた。
「くっ!」
「これで頭でも冷やしなさい!!」
『SHOOTVENT』
そしてギガランチャーを構え、そのままシザースに砲撃した。
「まずいっ!!」
『GUARDVENT』
ギリギリのところでシザースはシェルディフェンスを呼び出し攻撃を防御するも、砲撃の威力が止まるわけもなくそのまま背後の壁にまで飛ばされ激突した。
「はぁはぁ、まったく前も思いましたけど、貴女は化け物ですか?」
「失礼ですよ。私は化け物じゃありません」
そうやって二人が会話をしていると二人の体に時間切れの合図がやってきた。
「今日はこれで失礼しますよ」
「ええ。ご自由にどうぞ」
それを見た二人はミラーワールドから出て行った。
場所は変わって言峰教会の一室
「ふむ、どうやらベルデは脱落したようだな」
言峰綺礼が二十個の紋章が刻まれた石板を見ながら呟いた。その石板に刻まれている緑のカメレオンの紋章が光輝いていた。
『ふん。あんな雑種など死んでも可笑しくはないがな』
「ゴルト、貴様の言い分も最もだがこれも仕事だ」
鏡に写った黄金の不死鳥を見ながら綺礼が言った。
『苦労することだな言峰。
「次は何を喰う気だ?」
綺礼は呆れながらそうゴルトと呼ばれた不死鳥に聞いた。
『そうだな……神崎士郎が言っていた平行世界に存在する怪人達も気になるが、今回は……龍でも食すか』
「そうか。気をつけることだな、貴様に死なれては私も困る」
それを聞くとゴルトは鼻で笑いながら答える。
『ふんっ!それをこの
「そうだったな。貴様にはいらない心配だったな」
『そういうことだ。ではな』
ゴルトが去ると綺礼は困った顔で呟く。
「ようやく一人か。ペースが遅いが……まあいいだろう」
言峰はそう言って教会の自室に戻って行った。
「ふふふ……これで後はブログに載せるだけだな」
朝早い時間から羽葉はこそこそと何かをやっていた。 すると突然窓からボルキャンが飛び出して来て羽葉の前に現れまた窓に戻っていった。
「うわぁ!?」
羽葉が驚いて尻餅をつくと、持っていた虫籠を落としてしまった。
「やれやれ、今度は緑色のカブトムシですか?羽葉さん」
「お、お前たちは!?」
入り口からやってきた文と魔理沙が落ちた虫籠に入っていた緑色のカブトムシと羽葉の持っていた緑色のペンキを見ながら言う。
「お前……何で私たちを騙したんだ!!」
「いや、騙されたの魔理沙さんだけですからね?古町さんは地味に気づいてたみたいですし」
文が冷静にツッコミを入れると魔理沙は慌てながら答える。
「う、煩いのぜ!そんな昨日のことは忘れた!!」
「えー」
二人がそんな会話をしていると羽葉がびくびくしながら話し出した。
「で、出来心だったんだ。俺は中学を中退してそれから両親も屑を見るような眼をしてきて……だから俺のことを褒め称えてほしくて……」
「全く……そういう話なら私らの高校に来るか?」
「ちょっと、魔理沙さん!?」
魔理沙の予想外の行動に文は驚きの声をあげた。それを魔理沙は適当にあしらってから羽葉に話し出す。
「いいから私に任してみろって文。それでどうだ羽葉?入るのなら私は全面的にサポートするけど……」
魔理沙がそうやって話していくと羽葉はまるで神を見るかの様な眼で魔理沙を見ながら呟く。
「か、カッコイイ……」
「はい?」
「魔理沙の姉さん!!」
羽葉はそう言うと魔理沙の手を握った。
「ふぁっ!?」
「俺、一生ついていきますよ!!」
「あー、そうかいそうかい。そいつは結構」
羽葉がキラキラした眼で言ってきた為、断りづらかったのか魔理沙はそれを了承してしまった。
「魔理沙さん。まあ、ドンマイです」
三人が茶番をしていると近くからモンスターの気配がしてきた。
「っ!!羽葉、お前はここにいろ!!」
「はっ、はい!!了解しました!!」
羽葉がそう答えるのを聞くと二人は羽葉宅の裏手に回り、そこにあった鏡にデッキをかざしベルトを腰に巻いた。
「「変身!!」」
魔理沙はナイトに文はシザースに変身した。
「まさか文と一緒に戦うことになるとはな」
「私も同じ気持ちですけどね。まあ、くれぐれも背後には注意することですね♪」
「へいへい」
そう言って二人はミラーワールドに入って行った。
「おっ、いたいた……てっ逃げるな!!」
「ヒヒーン!!」
ゼブラスカル・アイアンはナイト達に見つかると逃げようとした。
「魔理沙さん退いていください」
シザースはそう言うと走る体勢に入った。それを見たナイトは退きながら聞いた。
「いいけど……どうする気だ?」
「実は私、父に似て運動も得意なんですよね」
その言葉通りシザースが走り出すと軽くゼブラスカル・アイアン(今後はZアイアンと表記する)を追い越した。
「これでもくらいなさい!」
「ヒヒーン!?」
そのままZアイアンの顔面にラッシュをかました。
「ついでにこれもくらえ!!」
更に背後からナイトがダークバイザーでZアイアンを斬りつけた。
Zアイアンも辛いのか苦痛の声をあげた。
「うをっ!?」
するとどこからともなくゼブラスカル・ブロンズ、ゼブラスカル・シルバーがやってきてナイトを殴り飛ばした。
「魔理沙さん、大丈夫ですか!!」
シザースが助けに行こうとするが怒っているZアイアンが邪魔をしてきてナイトの方に行けずにいた。
「くっ!!」
シザースと別々になったナイトは二体を警戒しながらダークバイザーを構える。
「それならこのカードを試してやる!!」
ナイトはそう言うと新たなカードを読み込ませた。
『TRICKVENT』
「おお!これは増えるのか」
トリックベントの効果でナイトが五人に増え、Zシルバー攻撃しに行った。
「ぐほっ!?」
しかし、全員が同じ相手に行ったためにZシルバーにつく前に自分達同士でぶつかって倒れてしまった。。
「ヒヒーン!」
「ヒュルルル!」
本体が倒れている隙にZシルバーとZブロンズが分身を全部倒してしまった。
「こ、これは本格的にまずいか?」
ナイトが冷や汗を書いてる時だった、
「ヒ、ヒヒーン!?」
突然遠くの方から飛んできた銃弾をくらいZブロンズが怯んだ。
「・・・・・・」
「新しい仮面ライダー?」
ナイトがそちらを見るとゾルダが立っていて、そのままZブロンズのほうに向かい
「あいつのことは後だ。今は……こいつをやるのぜ!」
一対一でゼブラスカル達が勝てるわけもなく全員が瀕死になっていた。
「これで決めさせて頂きますよ!」
「終わりにしましょう」
「止めだ!!」
三人がカードを読み込ませるタイミングは偶然にも一緒だった。
『『FINALVENT』』『SHOOTVENT』
「ていやぁぁぁ!!!」
「はあっ!!」
「はぁぁぁぁ!!!!」
上から順にシザースアタック改、ギガランチャー、飛翔斬の一撃を受けてゼブラスカル達は体を分離させるが耐えきれず全て爆発した。
『頂きます』
『喰う』
『久しぶりの餌か!!』
各々のモンスター達が倒したモンスターを食べて行った。
その後にライダーバトルが起こることは無く、シザースとナイトは現実世界に戻ってきた。その後の話し合いで羽葉は来週から幻想学園に通うことが決まった。
魔理沙達がそんな事をしてた時、霊夢は道を歩きながらぼやいていた。
「そろそろ餌をあげないとね……どっかにモンスターいないかしらね?」
霊夢がそんなことを言っていると唐突にスターが慌てて話しかけてきた。
『れ、霊夢さん!!』
「何よ?」
『何か強い気配を感じます!!』
「そんなの感じないけど……っ!?」
ようやく霊夢も気配を感じたのか急ぎ龍騎に変身すると、ミラーワールドに向かった。
「あの気配は何処に……」
『ぐおっ!?』
龍騎がミラーワールドで気配を探っていると空からレッダーが墜落してきた。
「なっ!?あんたどうしたのよ!!」
『くっ、油断した』
そう二人が会話をしていると空から黄金色の不死鳥が舞い降りてきた。
「何よあいつは!?」
『分からん……だが、強敵だ』
「見れば分かるわよ。相手さんはやる気みたいだし……やるしかなさそうね」
『SWORDVENT』
そう言ってドラグセイバーを装備して構え、言った。
「来るなら来なさい!!」
龍騎vs不死鳥……ゴルトフェニックスとの戦いが始まった。
今度こそ皆さんよいお年を!!