「はあ……」
「結局文の奴、見つからなかったな……」
文が居なくなってから3日後、霊夢と魔理沙の二人が神社にて文について話していた。
「静香の話じゃ家にも連絡がないそうよ」
「そうか……。そう言えば紅葉の奴はどうしてるんだぜ?」
「塞ぎ混んじゃったわよ。……やっぱり自分のせいで行方不明になったかもと思うと紅葉も辛いわよね」
「……そうだな」
二人は唐突に辛気くさい空気になってしまった。しかし魔理沙は無理に明るく振る舞いながら立ち上がった。
「わ、私、もう一回学校で聞き込んでくるぜ!」
「そう。……私も何かしようかしらね」
魔理沙がそう言うと霊夢もゆったりとした動きで立ち上がり外に出かけた。
「それにしても誰に聞くべきか……」
魔理沙は学校についてから、普段情報を聞いていたのが文だったことを思い出しどうするか考えていた。
「あっ……そういえばあいつにもよく聞いてたな」
魔理沙はそう言うと命がいつもいる部屋に向かった。
「能裂持~いるか?」
魔理沙はそう言いながら扉を開けて部屋の中に入った。
「ああ。お前が来るのは分かっていた」
「それも占いか?」
魔理沙がそう聞くと能裂持は首を横に振った。そして、立ち上がると魔理沙に近づいてきた。
「いや、俺の推理だ。それに……お前が来なくても俺から向かうつもりだった」
「何でだぜ?」
「これを見れば分かるんじゃないか?」
そう言うと命は懐からエイの様なマークのカードデッキを取り出して魔理沙に見せた。
「何でお前が!?」
魔理沙はそれを見ると咄嗟に自分のカードデッキを取り出して構えた。
「そう、警戒するな。俺は戦う気はない」
「……本当か?」
魔理沙は警戒しながら命にそう聞いた。
「ああ。そもそも戦う気ならもっと前に機会はあっただろ?」
「……それも、そうか」
魔理沙はカードデッキを仕舞うと命と向き合い、自分の用事を聞いた。
「それで私が聞きたいことについては分かってるのか?」
「ああ、記名丸……いやシザースの居場所のことだろう」
「そうだぜ」
そう言われた命は申し訳なさそうな顔で答えた。
「悪いな。俺もあいつの居場所については知らん」
「お得意の占いはどうなんだよ?」
「……闇……いや光か」
「はっ?」
命のよく分からない呟きに魔理沙が反応すると命はちゃんとした説明をした。
「簡単に言えば記名丸は生きてるが、こちらから向かえない場所にいるのだろうな」
「……生きてるんだな?」
魔理沙が確認の為そう聞くと命は頷き断言した。
「ああ。それは間違いない」
「よっしゃぁぁぁ!!!!」
「何だ!?」
突然魔理沙が叫びだし、それに命が珍しく驚いた声をあげた。この事を霊夢にも伝えようと思った魔理沙はウィングを呼び出して命じた。
「(というわけでウィングよろしくな!)」
『……はぁ、分かった』
嫌そうな顔で答えるとウィングは霊夢の所に向かった。
「そう言えばお前から来るってのはそれを伝えるためにか?」
「それもあったな。……だが、本命は違う」
「何なんだぜ?」
命は少し言いづらそうにしながら喋った。
「では、お前と博麗はいずれ戦うだろう。それも命懸けでな」
「はぁ!?ないない!!私と霊夢は親友なんだぜ?」
「いいから、心には留めておけ」
「へいへい」
魔理沙はこの時否定したが、近い将来本当に起きることをこの時の魔理沙は考えもしなかった。
「そう、ありがとうね」
『……ああ』
ウィングから文が生きてると聞いた霊夢はお礼を言うとウィングを送り返した。
そんな霊夢は喫茶店で詠姫を呼び出していた。理由は魔理沙から聞いた仮面ライダーについてのことを聞く為である。
「詠姫、待たせたわね」
「いえ、そんなに待ってませんよ」
喫茶店の1ヶ所に座って待っていた詠姫に遅れた事への謝罪をすると霊夢も席に座った。
「それで霊夢、私に何の用事ですか?」
「……仮面ライダー、ミラーモンスター、神埼士郎」
霊夢がそれらの単語を言うと詠姫の顔が見るからに険しいものになった。
「何故それを貴女が知ってるんですか?」
「私もライダーよ」
隠すことなく霊夢はそう言い、聞いた詠姫は呆れていた。
「あっさり言いますね」
「別に隠すことでもないし」
「そうですか。……霊夢、今すぐカードデッキを捨ててください」
まるで親が子供に言い聞かす様な声音で霊夢に言った。しかし、霊夢は詠姫のその言葉に首を横に振った。
「嫌よ。大体捨てる理由がないわよ」
「いいから捨てなさい!!」
人目も気にせず詠姫が叫んだ。それに霊夢も驚きながら言った。
「……何でよ?」
「貴女みたいな学生がこれ以上ライダーバトルなんて関わっちゃ駄目なんです」
落ち着いたのか諭すように霊夢に言った。それを聞いた霊夢は突っぱねる様に言い放った。
「そんなに捨てさせたいなら、戦って奪ってみなさいよ」
「……分かりました。その代わり、手加減はしませんよ」
「どうぞご自由に」
会計を詠姫が払うと二人は近くの人気がない路地裏に入った。
「「変身!!」」
そこに置いてあったガラスにデッキをかざしそれぞれのライダーへと変身するとミラーワールドに入って行った。
「霊夢覚悟しなさい……」
『SHOOTVENT』
「覚悟するのはどっちかしらね?」
『SWORDVENT』『GUARDVENT』
ゾルダが肩にギガキャノンを、龍騎がドラグソードとドラグシールドを手に装備し、構えた。
「はあっ!!」
ゾルダが先にギガキャノンから砲撃を放つそれを龍騎は手に持つドラグシールドで強引に防御しゾルダに接近する。
「貰った!!」
「まだ甘いですよ!!」
『STRIKEVENT』
ゾルダは即座にギガホーンを装備し、ドラグソードを受け止めて至近距離からギガキャノンの砲撃を放つ。
「がっ!!」
「くっ、やはり流石に今の距離は私にもダメージがきますか」
龍騎はドラグシールドでの防御が間に合わず攻撃が直撃し、その衝撃で吹っ飛ばされ、ドラグシールドを手放してしまった。一方のゾルダにもダメージがいき、装備していた武装がなくなっていた。
「それならこれよ!!」
『STRIKEVENT』
龍騎はドラグクローを装備しドラグクローファイヤーを放った。
「これだけ距離があれば……避けるのは簡単ですよ!」
ゾルダがこれを避けるが……それは龍騎の狙い通りだった。
「ええ。あんたなら避けてくれると思ったわよ」
『LIGHTNINGVENT』
そう言うとカードをドラグバイザーに読み込ませ、高速でゾルダに接近しドラグクローでゾルダの顔面を殴り飛ばした。
「ぐっ!?」
「これでどうよ?」
龍騎がそう言うもゾルダはまだ諦めておらずマグナバイザーにカードを読み込ませる。
「まだです!!」
『FINALVENT』
「ん?……おっと!」
龍騎の下からマグナギガが現れた。そしてゾルダはマグナバイザーを差し込もうとするが……冷静に考えてこれでは龍騎を殺してしまうと思ったのか差し込まずにいた。
「何よ、本気でやるんじゃないの?」
「……気が乗らなくなりました」
そう言うとゾルダは踵を返して帰って行った。
「……いきなりどうしたんだか」
『まあ良かったではないか霊夢。あのままでは最悪負けていたぞ』
ゾルダのファイナルベントを知っているのかレッダーがそう言うも龍騎は何気なしに答えた。
「そうなったらユナイトベントを使うわよ」
『あれは止めろ。次の日全身が地獄を見る』
そう言ってきたレッダーの言葉を龍騎は一蹴した。
「頑張りなさいよ」
そんな会話をしているとカミキリムシ型のモンスターゼノバイターが襲いかかってきた。
「モンスター……ちょっと位は空気を読め!!」
『SWORDVENT』
そう言ってドラグセイバーを召喚するも、ゼノバイターが投げてきたブーメランに弾かれ、遠くに行ってしまった。
「私にも時間がないんだからさっさとやられなさいよ!!」
『ADVENT』
スターがやってきてゼノバイターに体当たりをして遠くに飛ばした。
「行くわよスター!!」
『はい!』
『FINALVENT』
「たぁぁぁ!!!」
龍騎の手にドラグソードが装備されスターの背中に乗った。そのままゼノバイターに突進し切りつける、更にUターンしてもう一度切りつけてからスターの尻尾でゼノバイターを上空に打ち上げ下からゼノバイターまで飛んでいき最後にドラグソードで貫く、ドラゴンマッハクラッシュを放たれゼノバイターは爆発した。
「ふう、空気を読まないからそうなるのよ」
龍騎はそう言うと、ミラーワールドから出て家に帰った。
次の日、幻想学園の教室で静香が魔理沙に話しかけてきた。
「魔理沙ちゃん、魔理沙ちゃん!!」
「何だぜ?」
今日霊夢は休みで居ないため、二人だけで話していた。
「今日新しい先生が来るんだって!」
「この時期にか?」
魔理沙は不思議そうな顔でそう言った。
「うん。皆の話だとかなりのイケメンだって!」
「へえ~」
興味が無いのか適当な返事をした。その反応が面白く無かったのか静香が言った。
「むぅ、魔理沙ちゃん適当すぎるよ?」
「すまん、すまん」
それから数十分後、その先生がやってきて自己紹介をした。
「初めまして霍淳です。担当科目は公民と倫理をさせてもらうよ。皆みたいな優秀な生徒の先生になれて光栄だよ」
「……(何かホストみたいな奴だな。というか霍ってあの邪仙と同じ名字かー……不吉だ)」
「困った事があったら相談に乗るよ」
淳が笑顔を振り撒きながら挨拶をしていった。
その日の授業後
「さてと、帰りますか」
「ああ、魔理沙。ちょっと待ってくれないかな?」
帰ろうとしている魔理沙に淳が声をかけてきた。
「……何ですか?これから帰るんですが」
声を掛けられた魔理沙は胡散臭い者を見る目でそう言った。
「悩んでいるみたいだからいいことを教えてあげようと思ってね」
「……?何のことだぜ」
悩んでいる覚えが無いのか魔理沙は素直に聞いた。
「我慢はよくないよ」
「……はぁ?」
意味の分からない事を言い出した淳を見る目が変な者を見る目に変わった。
「少しは妬んでるでしょ?……努力もせずに成績がいい奴、努力もせずに運動ができる奴、そして努力もせずに強い奴をね」
「……それだけなら帰らせてもらいますよ」
魔理沙はそう言うと何処か早足になって孤児院に帰って行った。
「ふふ、やっぱり図星みたいだね。かなり焦っていたよ」
『淳さま』
「何だい、○○○○○○」
『すごく素敵です。貴方こそライダーバトルに勝って願いを叶えるべきです!』
「当たり前だよ。この僕がナンバーワンに決まってるんだからね」