「危ないねえ」
『SPUNVENT』
突如強襲してきた王蛇の凶刃をインペラーはガゼルスタッブを装備して防御すると無事だった高そうな机を王蛇に蹴り飛ばす。
「ふんっ」
王蛇が飛んできた机に左手から謎の液体を飛ばすと当たった所から溶けてしまった。
「何だいその腕?少なくとも人間の腕じゃないと思うんだけど」
「ああ。この腕は最早生物の腕とは言えないな……生物その物だ」
王蛇がそう言うとスーツの下で左腕がウネウネと動き始めた。
「……一体何をすればそんなことになるんだか」
「何、スネーカーの毒を体に1割入れただけだ。まあ、これ以上入れると俺の体が毒素と反発して溶けるそうだがな」
「一言だけ言わせて貰うよ……狂ってるねあんた」
「よく言われるさ。それに……この世界よりは狂ってないと思うが?」
その言葉を聞くとインペラーの雰囲気に動揺が見られた。
「何であんたがそれを知ってるんだい?」
「そうだな、教えてやってもいいが……その前に質問だお前は走馬灯という奴を信じるか?」
そう言うと王蛇はベノサーベルを逆手に持ち直しインペラーの手元を狙い斬りつけた。
「生憎と私はまだ見たことが無いから信じてないよ」
インペラーは冷静にベノサーベルをガゼルスタッブで防御すると同時に振り上げてベノサーベルを上空に吹き飛ばす……
「そうか。どうやら貴様は死にかけたことがまだ無いようだな」
「ぐっ!」
だが王蛇は最初から上に吹き飛ばすのを計算に入れていたのかベノサーベルが上に上がるとインペラーに軽い蹴りを叩き込んだ後、ジャンプしてベノサーベルを両手で掴むと全力でインペラー目掛けて降り下ろした。
「っ!今のは流石に危なかったね~」
「ふん。漸く調子が出てきたようだな」
「あんたに言われるのは癪だけどね。ま、でも戦いの時に無粋な事を考えるなんて私らしく無いって気づけたのはあんたのお陰だけどね~」
しかしインペラーは怯んだ体制からばく転をして王蛇の攻撃をかわすと口調がかつて王蛇が戦った時と同じ人をおちょくった話し方に変わっていた。
それを聞いた王蛇は仮面の内で獰猛な笑みを浮かべると牙召杖ベノバイザーを取り出してカードを読み込ませた。
『ADVENT』
アドベントで呼び出されたメタルゲラスがインペラーに突進をしていく。
「それは効かないってことを忘れたかい?」
インペラーが指を鳴らすと周囲の鏡からゼール軍団がやってきて突進してくるメタルゲラスの足を攻撃しようとするが……
「狙い通りだな」
『ADVENT』
ゼール軍団が出てきた鏡からベノスネーカーが出現しメタルゲラスに襲いかかろうとしていたゼール軍団を体を使って捕縛し締め上げた。
「なっ!?……一応ギガゼールは外しておいて正解だったみたいだね~」
呑気な口調で言い放つがその内心はそんな呑気では無かった。
「……(まさかこんな作戦を考えてくるとは……中坊だからって油断し過ぎたね)」
「しかし滑稽だな」
「何だって?」
唐突に王蛇がそう呟いた。
「まさかこの俺が……凶悪な殺『人』犯であるこの俺がそれほど人を殺していないんだ。これ程滑稽なことがあるか?」
人を強調しながら言うと王蛇はベノバイザーを取り出して最悪なカードを読み込ませた。
『UNITEVENT』
「さあスネーカー、ゲラス、エビル合体しろ」
王蛇が三体にそう言うと三体の姿が重なり一体のモンスターが誕生した。
そしてメタルゲラスの胴体、そこから伸びるベノスネーカーの尻尾、背中にはエビルダイバーが合体し×みたいな形に変形しメタルゲラスの頭が本来ある部分からベノスネーカーの首が生えベノスネーカーの顔の部分にはメタルゲラスを思わせる装備が追加されていた。
「獣帝『ジェノサイダー』、これが俺の切り札だ」
「獣帝……ジェノサイダー!?」
インペラーはジェノサイダーから溢れでる覇気と狂喜染みた雰囲気に警戒心をMAXにしてガゼルスタッブを構えた。
「くっ、散開して強襲or妨害工作!!」
「ハハハ!!!どうした、どうした!!この程度じゃないだろう!!!」
ジェノサイダーが現れた瞬間から戦局は王蛇に有利になった。それもその筈だ。いくらインペラーが誇るゼール軍団にも弱点はある。それは……
「オイオイ、たかが全体攻撃をしただけで死んでくれるなよォ」
「良く言うよ、全く……」
そう全体攻撃。単体ならただ避けにくい攻撃が多いだけでそこまでの驚異では無い。だが、それが集団相手なら変わってくる。
例えばHP1000の勇者とHP10の村人100人が居たとする。これらのメンバーに一撃1000のダメージを与えても勇者は全滅するが村人は返しのターンに99人のリンチができる。
逆に威力が10の攻撃を放っても勇者にとっては痛くないが村人はそれだけでゲームオーバーだ。
つまりそう言うことである。
『DRILLWHIPAVENT』
「なら次はこいつを試してやるかぁ」
「……何だい、その危険な武器は?」
王蛇はメタルホーンの角の部分とエビルウィップの持つ部分が合体したジェノサイドDW(ドリルウィップ)を軽く地面に叩きつける。
するとジェノサイドDWの角部分が凄い速度で回転をして地面を約5㎝抉りとってしまっていた。
「……は?」
「こいつは良い武器だな」
そう言いながら王蛇はインペラーの首を狙ってDWを叩きつけようとするが直前でかわされてしまった。
「何て危ない武器作り出してくれてるのさ!?」
「……知るか」
王蛇自身もこの武器が色々と可笑しいのは理解しているのか濁しながら言葉を返した。
「……こうなったら全力で行かせて貰うとするよ」
『FINALVENT』『TRICKVENT』
インペラーはファイナルベントを使ってから五人に分身するとギガゼールを先頭にしたゼール集団をジャンプしながら先攻させる。そしてその後ろに待機すると何時でも飛び膝蹴りが出来る体制に入った。本来ならゼール軍団の攻撃の途中で飛び膝蹴りを叩き込むドライブディバイザーを放つのだが……相手が悪かった。
「……この程度か」
『FINALVENT』
王蛇がファイナルベントのカードを読み込ませるとジェノサイダーの腹部にブラックホールが発生し跳んできていたゼール達を吸い込み始めた。
「んなっ!?」
「さあ、まだ奴らはいるのか?それともいないのか」
先程までの歓喜に満ちていた話し方ではなく興が冷めたような口調で王蛇が聞いてきた。
「それは……くっ!」
「それならこれで終わりだ……」
王蛇がインペラーの頭部にジェノサイダーDWを叩きつけようとした瞬間のことだ、スカルゴーストが鏡から出てきて王蛇に体当たりをかまして一緒に何処かに行ってしまった。
「一応……助かったのかな?」
安心しきったインペラーは変身を解除するとその場に倒れて寝てしまった。
そして別の場所……ミラーワールドではシザースと優花が変身したアビスが対峙していた。
「こんな忙しい時に新しいライダー何て止めて欲しいんですけど……そうも言ってられませんか」
『STRIKEVENT』
シザースはそう言いながらシザースピンチを装備する。
「そう、それは悪かったわね」
「え?……いえ、まあ戦うのはライダーの宿命ですし」
「そうね……だったら」
『SWORDVENT』
装備されたアビスセイバーの片方を地面に突き刺すと残ったもう一本のアビスセイバーを片手で持ちながら構えて言った。
「死合いましょうか?」
「そうですねっと!!」
それを見たシザースは体を低くしてアビスに肉薄するとシザースピンチを振り上げようとするが右手に持っていたアビスセイバーに弾かれてしまった。
「全く、礼儀ぐらいちゃんとしなさい」
そう言うとアビスはアビスセイバーを水平に振るいシザースを斬ろうとするがシザースピンチで攻撃を弾いた。
「そんな単調な攻撃は私には効きませんよ!」
「そうみたいね……だったら少しペースを上げさせて貰うわ」
そう言うとアビスは先程と同じ風に剣を振るう
「またですかっと!!……へ?」
「ふふ、脆いのね」
シザースも同じようにシザースピンチで防御をするが今度は防御したシザースピンチが斬れた。それこそ水圧のレーザーで斬られたような斬り口だった。
「いやいや!有り得ないですって!?」
「有り得たじゃない?それでこれが……私からのプレゼント」
そう言うとアビスはさっきシザースがしたように肉薄し、まず最初に剣を振り上げる。
「くらいませんよっ!」
「そうだろうと思ってたわよ」
シザースが避けたのを見ると即座に右膝蹴りをシザースに叩き込み間髪入れずに右手の剣を三度連続で斬りつけるがその斬りつける速度は少なくとも常人では視認出来ない速さだった。
「くっ!!こうなったら出し惜しみ無しです!!」
シザースがサバイブのカードを抜こうとするがその前にアビスはもう片方の剣を抜きに行きながら言った。
「今日はこんな物で良いわよ。私以外のライダーのレベルが低いこともわかったし」
「低い……ですって?」
「ええ……私程度にも勝てないような奴しか居ないのなら願いを叶えるのも楽になりそうだし」
アビスには馬鹿にした気は無かったのだがシザースに取っては今までの行いを馬鹿にされたように思えてしまった。
『FINALVENT』
「そんな大口を叩くならこの一撃を防いで見てください!!」
そう言うとシザースはシザースアタック改を放った。
「感情的になったら勝てるのかしらね?」
そう言うとアビスは両手のアビスセイバーを構える。そして放たれたシザースアタック改に片方のアビスセイバーを当てるともう反対の剣でそのアビスセイバーを全力で叩きつけた。
「シャークフラワー」
そう言うと無防備になっているシザースの背中にアビスセイバーを突き刺しそれぞれ左と右に回転させながら抜き取った。
「ぐっ!!」
「弱いもの虐めは嫌いなのよ……だからとっとと出ていきなさい!!」
そして倒れているシザースがまだ戦おうとするのでアビスはシザースを蹴り飛ばしてミラーワールドから追い出した。
「さーてと、次の強そうな奴は何処かしらね」
そう言いながらその場を後にした。
「はあっ!!」
ナイトがダークバイザーとウィングランサー(ハッケロ装備済み)の二刀流を龍騎に振るう。
「っ!」
一方の龍騎はドラグブレードでダークバイザーを防ぎウィングランサーに対しては当たるギリギリの所で避ける。そしてウィングランサーを奪おうとする。
「ミニマスパ!!そっからの魔符『ミルキーウェイ』だ!!」
が、ナイトは塚のハッケロから小さめのマスパを発射龍騎から距離を取ると複数の星形弾幕を不規則な動きで発射する。
「しゃらくさいわっ!!」
『STRIKEVENT』『ADVENT』
ドラグクローファイヤーを放ちミルキーウェイを乗り切るとスターを呼び出して自分の周囲に待機させる。
「だったらもっと面倒な奴をくれてやるよ!」
『NASTYVENT』
ダークウィングが飛翔してきて超音波攻撃をしてきた。
「あんたのその攻撃は煩いのよ!!」
ドラグブレードをダークウィングに投げながら文句を言い、アイコンタクトでウィングをスターに任せるとナイトに向き合いカードを使用する。
『STRIKEVENT』
オハライボウを装備したのを見るとナイトもダークバイザーを腰にしまいウィングランサーを両手で持ち構える。
「全く、スペカが使えないとここまで不便とは思わなかったわ」
「だろうな。だが、私には他にもアリスやパチュリー達のスペカも使えるから手札は豊富だぜ?」
「ああ、例の能力だっけ?いつか魔法使い全員から刺されるわよ?」
「そん時はそん時だ」
軽い会話を終えると戦闘が再開された。
龍騎はオハライボウを振るって弾幕を出して飛ばすが全部ナイトのウィングランサーについているハッケロの攻撃で防がれてしまう。
「だったらこれでどうよ!!」
『SWORDVENT』『LIGHTNINGVENT』
龍騎は状況を打破しようとドラグソードを装備してライトニングベントを発動させた。
「そいつを待ってたんだぜ!!」
『LEARNINGVENT』
「がっ!?」
高速で動くつもりだった龍騎だったがナイトの使ったラーニングベントにより高速移動を盗られたせいで動きが止まり逆にナイトのマスパでさらに加速された刺突をくらい吹き飛ばされた。
「これで終わりだ……霊夢」
『FINALVENT』
ナイトが飛翔斬の構えに入った。それを見た龍騎はユナイトベントのカードを入れすぐにもう一枚のカードも入れた。
『UNITEVENT』『FINALVENT』
「カイザー……力を貸して」
『ああ、任せろ』
そして落ちてくる飛翔斬に対してドラゴンウェポンを全力で叩きつけた。
「ぐっ!!ウィング!?」
『す、すまん魔理沙。暫く動けそうに無い……』
そう言い終えるとウィングはその場に気絶した。
「良し、このまま一気に行くわ……よ?」
そのまま追撃をしようとした龍騎だがドラグカイザーの姿が元のスターとレッダーに戻っているのに気づいた。
「どうしたのよ!?」
『すまん……限界だ』
度重なる戦いでレッダー達も疲れていたようで倒れてしまった。
「……こうなったら」
「やることは一つだな……」
『FINALVENT』『FINALVENT』
ナイトはウィングランサーからハッケロを外し構える。そこから蝙蝠の形をしたマスタースパークを放つ。
龍騎はオハライボウで円を描きその円上に竜がとぐろを巻いたような形の夢想封印を配置して放った。
「マスターウィングスパーク!!」「夢想封印・竜!!」
二人の放った大技は互いに相殺仕切れず両方に攻撃が飛んできた。
「ぐっ!!」
「くっ」
それにより二人の変身は解けてしまった。
そこで霊夢が魔理沙に聞く。
「どうしてこんなことをしたのよ魔理沙」
「それは……」
「答えなさい魔理沙!!」
魔理沙としては知って欲しくないのか言葉を濁していると……二人にとっては聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「二人とも喧嘩は駄目ですよ」
「静香!……何で着物何か着てるのよ」
「気分ですよ、気分♪」
「何か……感じが変わったわね」
霊夢がそう言っていると魔理沙は静香を警戒しながら言う。
「何のようだぜ?」
「嫌ですよ魔理沙ちゃん。幾ら私が人間じゃないからってそんなに警戒しないでくださいよ」
世界の時が止まった。そんな感覚に一瞬だが霊夢は落ち行った。
「人間じゃ……ない?何を言ってるのよ」
「言葉通りです。私は人間じゃなくて貴女達の言うところのミラーモンスターなんですよ」
静香はそう言いながらも雰囲気を変えずにのんびりとしていた。
「本当なの魔理沙?」
「……ああ」
霊夢はその言葉の言いづらさから真実だと認識した……がまだそれぐらいなら心は折れなかっただろう。
「どうせですから私がこの世界の真実を教えてあげますよ」
「この世界はそもそも世界じゃありません。ただの鏡の中……何処かの世界のミラーワールド何ですよ。ようは貴女達が今まで行ってた鏡の世界が本来の世界、ここはミラーワールドだというのが真実。
ついでに言えばこの世界は神埼士郎を名乗っている何処かの世界の神が作り出しました。表の世界の住民は皆消され、私達も決められたシナリオ通りに動く……所謂NPC何ですよ。
ようは貴女方の周りも全て虚像、ミラーモンスター。羽羽も紅葉もはたても古町も貴女達の両親も能裂持の愛したアリスも彼女の両親も、そして貴女達の友達もね」
静香の言葉に真実を知らなかった霊夢は唖然としていた。が、何とか意思を保ちながら聞く。
「決められたシナリオってどういうことよ?」
「簡単です。ベルデは会社内の友人が金銭関係で困っていたからバトルに参加した。でも、その友人はそういう運命だった。
ガイは両親が快楽主義者で周りの人間から差別されていたから。でも、差別することが周りの人間は定められていた。
ライアはアリスが能裂持を愛する運命だった。そして、アリスは死ぬ運命だった。両親は葛である運命だった。他の奴も皆そうなのよ。だからこそこの世界に救いは無い……だからこそこの世界は無くなるべきなのよ」
霊夢は以前英行が言っていたことを思い出して納得した。確かにこれを聞かされると壊した方が幸せなんだと思ってしまう。
「そ、そんなの……あんまりじゃない」
「何、傍観者の目線で言ってるんですか?貴女は当事者ですよ……この人殺し」
「人……殺し?」
「そうじゃないですか。貴女は一体何人、人を殺しましたか?」
「そ、それは……!!」
「知らなかったじゃすまないですから。……ああ、でも一つだけ彼らに代弁して言ってあげますよ」
その言葉は霊夢にとっては最も聞きたくない……友人の最後の言葉に良く似ていた。
「自分たちの分まで生きてください」
「……嫌ァァァァ!!!!」
そのまま霊夢は気を失ってしまった。
霊夢の奴……やっぱり無理だったか。そりゃそうだよなあの時から人を殺させないって誓ってきたのに自分が殺してたんだからな。でも、まあ霊夢の事よりもまずは……
「静香……お前だよなこの学校をこうしたのは?」
「そうだけど?」
「すぐ答えてくれるのは有り難いな」
そう言いながら私はダークバイザーを構える。
生憎と人を殺す覚悟は出来てるんでな……
「羽葉の仇を取らさせて貰うぜ」
「出来るもんならね♪」
因みに優花さんの技とか構えのモチーフは某ビーターさんです。
さて……静香さんに語って貰いましたが正直解りづらかったと思うので何かあれば気軽に聞いてくださいな