幻想仮面闘争~二人の英雄の闘い   作:紋章

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 取り敢えず一言……王蛇どうしてこうなった?


第參拾伍話

「はあっ!」

 

 ナイトが静香にダークバイザーを振るう。

 

「単純、単純」

 

 それに対して静香はそう言いながら舞っているかのような動きでかわしてしまう。

 

「かわしてるだけじゃ勝てないぜ?」

「そうね。それじゃあそろそろ動こうかしら」

 

 そう言うと静香は地面に手をつき、そのままの体制で止まってしまった。

 

「……?何やってるんだぜ」

「ふふ、何をやってると思う?」

「ふざけてるのか?」

 

 そう言ってからナイトは静香に接近しようとした。

 

「そろそろ……ね」

 

 そう、静香が言った後に軽く地面を小突いた。するとその地面が崩れた

 

「は!?」

 

 唐突に地面が無くなったので驚いた声をあげたナイトだったがすぐに冷静になってカードを読み込ませた。

 

『GUARDVENT』

 

 背中に装備されたウィングウォールで飛行を行い崩れた地面に落ちていくのを回避した。

 

「……何なんだぜ今の?」

「そうね……貴方達が私に一太刀でも入れられたら教えてあげてもいいわよ」

「貴方……達?」

 

 ナイトがそう疑問に思っていると遠くの校舎から今居る校門前まで王蛇が全力疾走してやってきた。その手にはちゃっかりベノサーベルを握っていて。

 

「貴様か俺の邪魔をしたのはァァ!!」

「私が命じたけど直接やったのは違うわよ?」

 

 王蛇が降り下ろしてきたベノサーベルをあろうことか静香は素手で掴んだ。その手からは血が出るかに思われた……がその手にベノサーベルが触れるとベノサーベルが砂となって消えた。

 

「何?……ちっ!!」

「あらあら、逃げられちゃったわね」

 

 ベノサーベルを掴んだのと反対の手が自分に延びてきているのを見て本能的に危険と感じたのか王蛇は後ろに飛び退きナイトがいる位置まで下がってきた。

 

「おい、ナイト。あれは何だ?」

「一太刀入れれたら教えてくれるとさ。それと、私は霧雨魔理沙だ」

「……?名前を教えるとはなんのつもりだ」

「仮にも今から共闘するんだ、名前ぐらい教えるだろ普通」

「……知らぬまにお前も変わったようだな」

「何か文句あるか?」

「いや……前のお前よりも戦いがいがありそうだからなァ」

「お前はそればっかだな……ん?」

 

 ナイトが不意に視線を感じ、そっちの方を見るとサイコローグと呼ばれるモンスターがミラーワールドからサバイブのカードを投げてきた。

 

「おっと……そうかあいつの作業は終わったみたいだなっと」

 

 受け取ったサバイブ‐疾風のカードを即座にダークバイザーツヴァイに読み込ませる。

 

『SURVIVE』

 

「さあ、静香。仕切り直しと行かせてもらうぜ」

 

 ダークブレードを構えたナイトSが斬り込む。それを静香は横に避けるがナイトSに隠れて迫ってきていた王蛇の蹴りをもろに受けてしまった。

 

「っ!流石にサバイブのライダーとイカれたライダーを相手に生身はきついわね」

「だったら降参するか?」

「そんなことはしないわ。その代わり面白い物を見せてあげる」

 

 そう言うと懐から真ん中に渦がある真っ黒なデッキを取り出す。それを空中に翳すと渦の絵が真っ黒な蝶の絵に変わっていた。

 

「変身」

 

 そして腰に装備されたベルトにデッキを入れた。

 すると彼女の姿が変化した。全身は斑模様の蝶が大漁に重なったような姿になり背中からは黒色の巨大な蝶の羽が生えており顔の部分は蝶を模した様な形で頭部の先から二本の触覚のような物が伸びていた。

 そしてカードを入れる場所が三ヶ所ある扇……パピヨンバイザーを手に持ち言う。

 

「仮面ライダームラサキ。どう、面白いでしょう?」

「お前も参加者だったのか?」

 

 ナイトSがそう聞くとムラサキは首を横に振る。

 

「違うわよ。これは神埼士郎が使うつもりで隠していた21個目のデッキ」

「21個目だと?……あいつはライダーは20人と言っていたはずだ」

「さあ?大方最後に残ったライダーを自らが倒すためにじゃないかしら。まあ、私が奪わせて貰ったからそれも無駄になったけどね」

 

 ムラサキが話を終えるとずっと黙っていた王蛇が口を開く。

 

「一つ聞かせろ。あの屑が隠していたと言っていたな……どうやって奪い取った?」

「貴方もこの世界の真実に気づいたのかしら?」

 

 神埼を屑と言った王蛇にビックリした感じの声でムラサキが聞く。

 

「ああ。死にかけた時に走馬灯らしき物を見てな……俺の生まれかたを見て納得した」

「……走馬灯なんて不確かな物を信じるの?」

「当たり前だ。走馬灯だろうが何だろうがそれは俺が見たこと。この世で一番信用できるのは己の五感だ。つまり俺が見たことを信じないでどうする?」

 

 それを聞いていたムラサキは聞き終えると一瞬素に戻って吐き捨てる様に言った。

 

「そうやってちゃんとした認識が持てるなんて……やっぱり人間は良いご身分ですね。……質問の答えは簡単よ、奴の居ないときを狙って教会を襲って盗ませて貰ったわ」

「成る程な。それだけ聞ければ十分だ」

 

『STRIKEVENT』

 

 メタルホーンを装備した王蛇はその切っ先をムラサキに向ける。

 それをずっと見ていたナイトSもダークブレードを構えて言う。

 

「逆に私としてはありがたいぜ。流石に人間の姿をした奴を斬るのは罪悪感もあるからな」

「ふふ……私をお前たちみたいな愚かな生物と一緒にするな」

 

 ムラサキは一瞬笑うとその雰囲気を絶対零度のものとする。その雰囲気からは解り合うことはできないと言っている気がした。

 

 

 

 

 

 

 

「ふんっ!!」

「効かないわよ」

 

 王蛇が振るったメタルホーンをパピヨンバイザーを畳んだ状態にして防ぐと王蛇の胸に左手で掌底を叩き込む。

 

「ぐっ!」

「ふふ、やっぱりライダーの力は凄いわね」

「ならこれはどうだ?」

 

『TRICKVENT』

 

 ナイトSは五人に分身するとそれぞれの方向からムラサキに斬りかかる。

 

「これと、あれと、それは無意味ね」

 

 近くにいた三体の分身に右手で触れると分身たちが消滅してしまった。

 

「ちっ、これもやっぱり駄目か」

「うーん、ここまでワンパターンじゃ面白くないわね。というわけでカードを使わせて貰うわ」

 

 そう言うとムラサキはデッキから絵の右上の端に一と書かれたカードをパピヨンバイザーを広げて一番左の読み込み口に読み込ませた。

 

『FANVENT1』

 

 するとパピヨンバイザーが青白く輝き始めた。

 

「ねえ、二人とも戦闘に重要な三つのステータスって解るかしら?」

「アァ?」

「取り敢えずパワーはいるだろ」

 

 二人がそう答えると(一方は答えてないが)クスクスとムラサキは笑いながら言った。

 

「バワーと防御……それにスピードよ♪」

 

 ムラサキはパピヨンバイザーをその場で数回振るうと後ろに下がった。

 

「意味のわからんことをするな、貴様はァ!!」

 

 王蛇がその行動にイラつきムラサキに攻撃を加えようと走り出す……が

 

「ガッ!?」

「なっ、八雲!?」

 

 突然王蛇の全身が切り裂かれ、王蛇は思わずその場に立ち止まってしまった

 

「ファンベント1はスピードをこの扇に追加するのよ。……何かが触れないと振るったと世界が解らない程にね」

「だったら……お前にそれを振らせなければいいな」

 

『BRASTVENT』

 

「ふふ、そよ風かしらね?」

 

『FANVENT2』

 

 ナイトSは扇を振らせないためにブラストベントを発動するがそれを見たムラサキはパピヨンバイザーの真ん中に右下に2と書かれたカードを読み込ませる。

 そうして緑色の光を放っているパピヨンバイザーで風を防ぐと放ったダークレイダーの方に跳ね返ってきた。

 

『何ッ!?』

 

「ウィング!?ちっ今度のは何だぜ!」

「今度のは防御よ♪まあ防御と言うよりも相手に返したり受け流しやすくなったと言うのが正解かしらね?」

「……たく、何で六ボスかEXボスクラスの奴がこんな中盤で出てくるかね」

「さあ?恨むなら神様を恨みなさい」

「それもそうか」

 

 二人が会話をしながら間合いを図っていると王蛇が動いた。

 

『FAINALVENT』

 

「……イライラするんだよ貴様はぁ!!」

 

 ヘビープレッシャーを放ってくる王蛇を見たムラサキは慌てたりせずに冷静にパピヨンバイザーの一番右に左下に3と書かれたカードを読み込ませる。

 

『FANVENT3』

 

「そしてこれが……パワーの付与よ」

「ぐがっ!!?」

「はっ!?どういう怪力だよ!!」

 

 赤く輝きだしたパピヨンバイザーを閉じてそれを突っ込んできた王蛇とメタルゲラスに横凪ぎの一撃を叩き込んだ。そして、二体は派手に吹っ飛ばされて校門に激突した。

 

「さてと、次は魔理沙の番よ?」

「っ!!(やばい……こいつは確実に私よりも強い。勝ち目があるとしたら……)」

 

 そうナイトSが考えていると変身が解けている八雲が変な方向に曲がった右腕を庇いながら言ってきた。

 

「おい、一太刀入れたぞ?」

「……は?」

「え?……本当ね確かに一太刀だけ入ってるわね」

 

 王蛇に言われて自分の姿を確認したムラサキは自分のパピヨンバイザーに傷が入ってることに気づいた。

 

「八雲……いつつけたんだ?」

「さっき吹っ飛ばされる瞬間だ」

「へぇ」

 

 ナイトSが素直に感心しているとムラサキは変身を解除した。それを見てナイトSも取り敢えず変身は解いて手にデッキを持っておくことにした。

 

「それじゃあ約束通り私の能力を教えてあげるわ。私の能力はライダーの素質を確認する能力と、手で触れた物の寿命を貰える程度の能力よ」

「ライダーの素質って何なんだぜ?」

 

 魔理沙は一応一緒に戦った八雲の右腕の手当てをしながら言った。因みに八雲は困惑した感じな表情をしている。

 

「そのままの意味よ。ライダーになるのに適している人間が解るのよ」

「へー、それじゃあもう片方の説明をしてくれよ?」

「しても良いのだけどご免なさいね時間だわ」

 

 そう言うと静香は足早に去ってしまった。

 

「……あ、逃がして良かったのか?」

「ふん。癪だが今の俺では奴には勝てそうにないからな……それと馴れ馴れしいぞ貴様は」

「まあ別にいいだろ?お前も被害者みたいなもんなんだし」

「それを言うならライダー全員がだろうが」

「まあな。よっと取り敢えず応急手当ては終わったぞ」

 

 魔理沙がそう言うと八雲は立ち上がって一度倒れている霊夢を見てから魔理沙の方を向き言う。

 

「次会ったときこそは殺してやる」

「お前はそればっかだな。……ま、返り討ちに合わないようの気を付けな」

「……ふん」

 

 そう言って八雲は去っていった。

 

 

 

「あ、霊夢の奴どうするか……放置も何か後ろめたいし病院に預けるだけ預けてくるか」

 

 魔理沙は霊夢を背負うと近くの病院まで歩いていった。




 次回は各サイド(霊夢や詠姫みたいな個人から他の集団勢力)の状況をやる予定です。
 そしてそろそろ龍騎サバイブも出るんですが……霊夢バージョンに設定してたら原作の龍騎サバイブを遥かに凌ぐスペックになりました。

 まあ原因は他所の仮面ライダーになる霊夢達が強かったりしてそれとも渡り合える様にした結果だったり……
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