幻想仮面闘争~二人の英雄の闘い   作:紋章

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 ふふふ、一万文字オーバーってどういうことなの?
 ※注意今回誤字は多いは見辛いわで駄目駄目だと自己評価したので読む際は覚悟して読んだ方が良いです。


第參拾陸.伍話

「っ!ここは……どこでしょうか?」

 

 光に包まれていたゾルダ(詠姫)だったが光が収まるとそこは先程までいた場所とは180度違う場所だった。

 まず、周囲は森に囲まれておりその近くには川がありその川は深い霧に覆われていた。

 

「……考えても仕方がありませんね。兎に角まずはここが何処かを確認しないと行けませんね……っ!!」

 

 ゾルダが変身を解いて車椅子を動かそうとした時だった、草陰から何かが飛びかかってきた。

 それに気づいた詠姫は車椅子を何とか動かしてその攻撃を回避しようとするが車椅子に慣れていないためか怪我をしている右腕に攻撃を掠めてしまった。

 

「くっ!何者ですか!!」

「さあ!新しいタイムプレイの始まりだ!!!」

 

 詠姫が知る筈もないが詠姫を襲ったのはライオンファンガイアと呼ばれる怪人だ。

 ライオンファンガイアがそう言うと凄い速さで詠姫に接近して爪を降り下ろそうとする。

 

「っ!!(まずい!この距離じゃ変身する暇が!?)」

 

 詠姫がせめて防御しようとするがその前に横から飛んできた白黒の弾幕がライオンファンガイアの体を横にぶっ飛ばした。

 

「ぐはっ!?」

「一体何が?」

 

 詠姫が弾幕の飛んできた方向を見ると緑色の髪をした自分と服装と背以外瓜二つの女性が立っていた。

 

「どういうことですか?」

「ふぅ、そこの人大丈夫ですか?危険ですので下がっていて下さい」

「あっ……わかりました」

「さてと……」

 

 女性……四季映姫・ヤマザナドゥはそう言うと懐からUSBメモリが挿せるようなスロットが一つついたベルト……ロストドライバーを取り出して腰に装備する。

そして同じく懐から骸骨でSと描かれたスカルメモリを取り出して鳴らした。

 

『SKULL!!』

 

「変身」

 

 そして、そのスカルメモリをロストドライバーのスロットに挿しスロットを倒した。

 

『SKULL!!』

 

 再度その音声が鳴ると映姫(東方)の姿は骸骨を彷彿とさせる姿に頭部に赤くSのようなラインが入った仮面ライダースカルに姿を変えた。

 それを見た詠姫(幻想)は驚愕の表情を浮かべて言った。

 

「なっ、仮面ライダー!?でも……デッキじゃない?」

「まったく死者は在るべき場所に還るべきです。そういう訳なので貴方の罪を数えなさい」

「ぐぉぉぉ!!!」

 

 スカルがそう言い終えると律儀に待っていたライオンファンガイアが痺れを切らしてスカルに襲いかかる。

 

「はあっ!」

「ぐっがっ!?」

 

 だが、スカルは冷静に襲ってきたライオンファンガイアの攻撃をかわし、スカルマグナムを腹に押し当てるとその引き金を引いた。

 ゼロ距離から銃弾をくらったライオンファンガイアは衝撃で後ろに飛ばされ、勝てないと思ったのかそのまま逃げてしまった。

 

「逃げられてしまいましたか。……小町か蓮子に追撃を頼んで起きましょうかね」

 

 ライオンファンガイアが逃げたのを確認すると変身を解いた映姫(東方)が懐からスタッグフォンと呼ばれる携帯にギジメモリを入れライブモードと呼ばれるクワガタに変化させ何処かに向かわせて行った。

 

「それでは行きましょうか北岡詠姫さん」

「……!?何故私の名前を?」

 

 名乗ってもいないのに名前を呼ばれたことに詠姫(幻想)は驚き問い掛けた。

 

「貴方達の戦いは断片的ですが私の知り合いが伝えて廻っているので、それを通して貴女のことも知ってますよ。他にも貴女の知らないことも教えましょうか?」

「そうですね、教えて欲しいのですがその前に一つ」

「何ですか?」

「何故私と貴女は背以外良く似ているのでしょうか?」

 

 そう聞かれた映姫(東方)は一度下の方を向いてから顔を上げて言った。

 

「それは気にするなですよ。……いいですね?」

 

 手に持ったスカルマグナムと閻魔が使う悔悟の棒を向けてそう言われた詠姫(幻想)はそれ以上追及するのを辞めて映姫(東方)について行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……ここは?)

『………………!!』

(……ん?魔理沙が叫んでる?)

『…………ザマァ見ろ博麗の巫女』

(あいつは……!?)

 

 霊夢は気づくと雨が降る場所に座っていてその近くでは魔理沙が叫んでいて更にそこから遠くには血塗れの男が倒れていて霊夢に対して嘲る言葉を言っていた。

 

(これは……あの異変の時の?)

 

 霊夢がそう思うと自分の口が勝手に動いていた。

 

『早苗?……早苗!!』

『霊夢……さん?良かった……私、間に合ったんですね』

 

 霊夢の側には既に息をしていない男の子と血塗れの早苗が倒れていて霊夢はそんな早苗を抱き抱えていた。

 

『良いから黙ってなさい!!今からでも永琳ならきっと!』

『霊夢さん……良いんです。私が助かりそうにないのは自分が一番良く解ってますよ。……こんな時こそ奇跡が起きて欲しかったですよね……』

(ああ……これはあの時の夢ね)

 

 喋ってるのとは違う意識の霊夢がそう思うとその意識は暗転した。その直前に霊夢はあることを思い出していた

 

(ああ、そうよ。私と魔理沙はこの後……死んだんだったわね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ。ここは……何処かしらね?」

 

 夢から醒めた霊夢が辺りを見渡すとそこはどうやら山の中らしく辺りには森があり、目の前には石造りの階段があった。

 

「この階段……何処かで見たような気がするわね」

 

 階段を上りながらそう霊夢が口にすると不意に空から呑気なこんな声が聞こえてきた。

 

「春ですよ~春ですよ~」

「ああリリーが騒いでるってことは春なのね。あれ、リリー?……はあっ!?」

 

 一瞬だけ呑気なことを考えた霊夢だったが冷静に考えてみると可笑しいことの気づいた。

 リリーホワイトは本来幻想郷にいるはずだ、そして霊夢は少なくとも幻想郷からは居なくなっていたはずだ。なのにリリーが居るのは何故かと考え出した霊夢に上から声が掛けられた。

 

「あれ?霊夢さんじゃないですか。今日はどうしたんですか?」

「……え?」

 

 それは霊夢には聞き覚えがあるが二度と聞こえるはずのない声だった。霊夢が幽霊でも見るような顔で聞こえた方に顔を向けるとそこには……

 

「さ、早苗?」

「はい、そうですけど……どうかしましたか?それに、その男装はどうしたんですか?」

「早苗ぇぇ!?」

「えっ!ちょっ、霊夢さん!?」

 

 早苗の顔を確認した霊夢は早苗の質問には答えず早苗に抱きついて熱を計るかの様におでこに手を置き、脈を計り、心臓に耳を当ててちゃんと動いてるのを確認した後も何回もそれを繰り返していたが

 

「ええーと、早苗?これってどういう状況?」

「あっ、諏訪子様!!説明しますから取り敢えず助けて下さい!?」

「あー、解ったよ」

 

 階段の上から降りてきた変な帽子を被った幼女……ゲフンゲフン少女諏訪子が早苗に聞くも早苗はそれどころじゃないのか取り敢えず助けて欲しいと懇願してきたので取り敢えず諏訪子は霊夢を引き剥がすことにした。

 

 

 

 

 

「ご免なさいね。取り乱したわ」

 

 落ち着いた霊夢がそう言うと疲れた様子の早苗がため息をつきながら言った。

 

「霊夢さんほんとどうしたんですか?いつもと様子が違いすぎますよ?」

「ええ……その前に一つ諏訪子に聞いていいかしら?」

「何?」

「最近異変って合ったかしら?」

「……?何言ってるのさ、最近漸く希望の仮面だとかの異変が終わったばかりで昨日まで宴会したでしょ?」

「……ああ、それは私じゃないわよ。私は多分この世界の博麗霊夢とは別の存在よ」

 

そう言われた二人の顔は???と言った感じだったが早苗が切り出した。

「どういうことですか、霊夢さん?」

「解ったわ、一から話す……いいえ話させて貰うわ。その前に移動しましょ」

 

 霊夢はいざ話そうとしたが今居る場所のことを思い出して先に神社に行くことを提案し二人もそれに同意して歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ少し待ってて下さい」

「はあ、わかりました」

 

 映姫(東方)の案内で博麗神社にやって来た詠姫(幻想)がそう答えると映姫(東方)は中に入りしばらくすると映姫(東方)がボロボロの誰かを連れてきた。

 

「ちょっと映姫さん!幾らなんでも開幕からラストスペルは辞めてくれないか!?」

「神社の掃除を相棒に任せてる貴女にそんなことを言われる筋合いはありません」

「……ええーと?」

 

 二人は軽く言い合いをしてるが詠姫(幻想)の声を聞くと本題を思い出したのか服装を正してから話始める。

 

「それじゃ取り敢えず自己紹介から。私の名前は宇佐見蓮子、一応次代の博麗の巫女って呼ばれてる……んだけど先代から認められた訳じゃないからあんまり実感ないんだよな~」

 

 普通の巫女服に左手に紫色のブレスレット、そして何故か頭に中折れハット(解らない人は左翔太郎の帽子に置き換えて下さい)を被った蓮子が自己紹介を終えると次は映姫(東方)が自己紹介を始めた。

 

「それでは改めて初めまして。私は四季映姫・ヤマザナドゥです。名前は四季映姫でヤマザナドゥは役職名です。ヤマは閻魔でザナドゥは楽園と言う意味です」

 

 原作と同じ格好をした映姫(東方)が話終えると目線で詠姫(幻想)にもするように伝えると二人に習って自己紹介を始めた。

 

「私は北岡詠姫。仕事は弁護士をやっています。それで……私が知らない秘密とは?」

「そうですね……私が説明してもいいのですがここは蓮子に任せましょう」

「え、何故に?」

「私と彼女が一緒にいると大変でしょう?」

「まあ、それもそうか。了解、任されたけど全部私が説明するの?」

「ええ、お願いしますね」

「はいはい」

 

 そう言い終えると映姫(東方)は何処かに行ってしまった。

 

「それじゃあ説明しようか。まずは貴女達の世界のことから行こうか?」

「ええ、お願いします」

 

 

 

 

 

 数十分後

 

「そう……ですか。古町や私の両親は人ではない……と」

 

 あの世界の真実を知った詠姫だったがそこまでの動揺は見られなかった。それに不思議に思ったのか蓮子は不思議そうにしながら詠姫に聞いた。

 

「あれ?意外と平気そうだね」

「ええ。何となく気づいてましたからね。……まあ、でも私は神埼士郎の操り人形かと思っていたのですが……まさか人外でしかも運命レベルで未来を決められていたのは予想外ですが」

 

 そう言い終えた詠姫だったが少なくとも驚いてはいる態度だった。

 

「それじゃ次はこの場所と貴女の知り合いについて話そうかな」

「知り合い?……取り敢えずお願いします」

「ではでは……まずここは幻想郷。忘れられた物が集まる場所にして人と異形が共存している世界」

 

 何処から持ってきたのかいつの間にか蓮子の近くにホワイトボードが置いてありそこに忘れられた物=幻想になった物と書いた。

 

「異形とはミラーモンスターのことですか?」

「ミラーモンスター?ああ、確か貴女達の世界の怪人だったね。そういうのとは違うかな。異形ってのは妖怪+αのことだね」

 

 ホワイトボードに妖怪と書くとその下に何個かの枠を書いた。

 

「妖怪……ですか?」

「そう。吸血鬼に亡霊、幽霊、不老不死、見た目17~20の実年齢約1000歳は歳とってる魔法使い、それから神様に河童、天狗、毘沙門天の代理人、覚妖怪、橋姫、天人……と、まあこれぐらいで取り敢えず止めとくけど他にも色々といるかしらね」

「……何か幾つか妖怪じゃないのが居ませんでしたか?」

「そういうことは気にするな。それで知り合いは博麗霊夢と霧雨魔理沙のことね」

「あの二人がどうかした……てっ何故貴女達が彼女たちのことを知ってるんですか?それに私のことを知ってた理由も聞いてませんし」

 

 そう言われた蓮子はホワイトボードを少し退けてから話し出す。

 

「あー、まずあの二人は本来この世界の住人だから知ってるんだよね。私は会ったこと無いけど。それで、貴女のことを知ってるのは私の相棒の能力よ」

「能力……ですか?」

「そう。『全世界に存在するけど存在しない程度の能力』ね」

「……ええーと、はい?」

「うーん、簡単に説明すると全世界の様子がランダムに解って好きなタイミングでその場所に移動できるってとこかな?」

「な、何となく解りました。それで霊夢達について教えてくれませんか?」

 

 そう言われた蓮子は面倒そうにしながらも懐から数枚の書類を取り出してそれを見ながら話し出す。

 

「取り敢えず基本的なことだけにさせて貰うね。まず博麗霊夢。

彼女は私の先代の博麗の巫女で幻想郷内でも最強クラスの実力者で歴代で一番才能に恵まれていた巫女ね。

次に霧雨魔理沙。

彼女は自称普通の魔法使いで、努力家で……まあムードメイカーに近い性格だったらしい」

「らしいですか?」

「まあ、私が言ってるのはあくまでも書類の内容を言ってるだけだからね。……それで二人はある事件で命を亡くした」

「……成る程。それで私に教えた理由は?」

「そこから先は私じゃなくて映姫さんが教えるんだって。と言うわけでまた縁が会ったら会おうね」

 

 そう言って蓮子は神社の中に入っていってしまった。

 

「あの二人が一度死んでいたとは……いえ、そういう私も恐らく一度死んであの世界に行ったのでしょうね」

「ええ、その通りですよ」

 

 映姫(東方)がいつの間にか戻ってきていて詠姫(幻想)の想像を肯定した。

 

「やっぱりそうですか」

「さてと、あまり時間が在るかも解りませんし手っ取り早く行きますよ」

「え、ええ」

「教えた理由ですが前払い金みたいなものですよ」

「前払いですか?」

「はい。貴女にお願いが在るのです」

 

 そう言われた詠姫(幻想)は無言で頷いた。

 

「まず魔理沙に会ったら今まで死んだ人間は誰も死んでいないことを教えて挙げてください」

「え、どういうことですか?」

「そうですね……本来あらゆる生き物は死ねば魂が死後の世界に行きます…があの世界の住人で死んだものの魂は誰一人何処の地獄にも来てないそうなんですよ。恐らく神埼士郎に全て回収されているのでしょう

「じゃあ……全員生き返るのですか!?」

 

 それを知った詠姫(幻想)は驚きながら映姫(東方)に訪ねそれに映姫(東方)は頷いて返した。

 

「次に魔理沙にこれを渡して置いて下さい」

 

 そう言って映姫(東方)は白紙のカードを渡した。

 

「これは……白紙のカード?」

「それを魔理沙に渡して挙げてください。それが恐らく切り札の一つになってくれるでしょう」

「はあ、解りました。ちゃんと渡して起きましょう」

「お願いしますね。……では最後に」

 

 そう言って映姫(東方)は懐から二つのブレスレットがついてそれをチューブのような物でくっ付けている物が出てきた。

 

「それは?」

「いえ、私達には傍観するしか出来ない物でしてねせめてこれぐらいは手伝おうかと思いまして」

 

 そう言うとブレスレットを詠姫(幻想)に手につけて自分の手にもそれを付けるとブレスレットのスイッチを押す。

 

「「っ!!」」

 

 二人に一瞬電撃が走るとブレスレットが外れた。

 

「今のは一体……んん?」

「どうやら成功みたいですね……よくこの怪我で動けてましたね」

 

 体の異変に気付いた詠姫(幻想)が車椅子から立ち上がって見ると先程まで痛かった筈の全身の怪我が治っていて代わりに映姫(東方)の全身に先程までの詠姫(幻想)と同じ怪我が出来ていた。

 

「なっ!?これはどういうことですか?」

「河童の発明品で限りなく似ている者同士で怪我の入れ換えが出来る機械だそうです」

「そう……ですか。でもどうしてこんなことを?」

「だから言ったでしょう。手伝いだと、それに此方には良い医者も居ないから気にしないで下さい」

「……解りました。有り難うございます」

「どういたしまして。ああ、お礼と言うわけでは在りませんが良いですか?」

 

 詠姫(幻想)が座っていた車椅子に座りながら映姫(東方)がそう聞いた。

 

「どうぞ」

「自らの信念に従って戦って下さい。誓えますか?」

 

 そう聞かれた詠姫(幻想)は真っ直ぐに映姫(東方)を見つめて言う。

 

「勿論です。私は……仮面ライダーです。もうあんな惨めな思いをするような戦いかたはしません」

「……ふふ、そうですか。では、これは私からの選別です」

 

 そう言って映姫(東方)はあるカードを詠姫(幻想)に渡した。

 

「これは……!」

「どう使うかは貴女が決めなさい」

「はい……有り難く使わせて貰います」

 

 丁度時間だったのか詠姫(幻想)の姿がその場から消えた。

 

「さて、あっちはちゃんとやることやれてるでしょうかね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分が別世界の博麗霊夢だと言うことを話し終えた霊夢と早苗達は守矢神社の一室に座っていた。

 

「別世界ですか……やっぱり幻想郷では常識に囚われてはいけませんね」

「いや、早苗ー?これは幻想郷関係ないと思うよ」

「あれ、そうですか?」

「諏訪子の言う通りよ早苗」

 

 霊夢が懐かしそうに話すのを見て気になったことを早苗が聞いた。

 

「あの、霊夢さん。気になったのですが何でさっき私と会った時、取り乱したんですか?」

「それは……」

「話しづらいことですか?」

「……そうね。でも、説明するわよ」

 

 そう言った霊夢の表情は懺悔をする罪人のような顔だった。

 

「落ち着いて聞いてね早苗。私達の世界の貴女は……私が死ぬことになった異変の時に死んだわ」

「……そう……何ですか?」

「ええ。……あの異変を簡単に説明すると、紫の奴が自分の知り合いの血を継いだ子孫を幻想郷に連れてきたことがそもそもの原因よ。

それから数日後だったかしらね、その子孫の血を狙って外の世界のある組織が幻想郷に侵入してきた。

それに気付いた私や魔理沙、他のメンバーがそいつらと戦い始めたのだけど……私が戦ったのはリーダー格の男でね。銃を武器にしてたわ。

本来なら勝てていたでしょうね。……でも、暫く異変も無くて私は鍛練もせずに毎日毎日神社の掃除をするだけの生活を送っていたわ。そんな私が勝てるはずも無く負けて、子孫の男の子も拐われてしまった……」

 

 そこまで言うと一度息を整えてから再度話し出す。

「その後は魔理沙と合流して一緒にそのリーダー格に挑んだのよ。ただ……その時に悲劇は起きたのよ」

「悲劇……ですか?」

「ええ。あの男は自分が死にかねないダメージを負ったら誘拐したその男の子が死ぬように爆弾がセットされてたのよ。

そして、あの子の体が急に爆発したから私達の注意はそちらに向きその隙をついてあの男が私に銃を撃ったのよ」

「それで霊夢さんはどうなったんですか!?」

 

 一瞬霊夢は辛そうな顔をした。

 

「私達の世界の早苗が守ってくれたのよ……そしてその後で結局私も死んだわ。……その時に私は誓ったのよ次の命では努力を怠らない全ての人々を守る人間になろうってね。これが私の全てかな」

 

 そう言い終えた霊夢の顔からは哀愁が漂っていた。

 

「霊夢さん……」

「まあ、でも結局私はそんなことを守ることも出来なかったんだけどね……こんな私はもう死んだ方がいいのかな?」

「……霊夢さん。一言言わせて貰いますよ」

「何よ?」

 

 何時になく真剣そうな早苗が霊夢の顔を見ながら言う。

 

「今の貴女には死ぬことも許されないと思います」

「……っ!?何でよ?」

 

 早苗にそう言われた霊夢は見るからに動揺していた。

 

「だって死んだ別世界の私が霊夢さんが約束を守れなかったからって死んでくれなんて言いますか?そう思ってるならあまり私を嘗めないでください。これでも現人神なんですから」

「そんなの……そんなのあんたには解らないでしょうが!!」

「当たり前じゃないですか?」

 

 霊夢が息を荒げて言うのに対して早苗は至って冷静だった。

 

「霊夢さん、死んだ人間の気持ちはその人にしか解りません、何よりそれを認めないならそれはその人への冒涜じゃありませんか?」

「そ、それは……」

「そしてもう一つ」

「……何」

「貴女が死んで悲しくなる人が居ないと思ってるんですか?」

「……あ」

「何が合ったのかは詳しくは知りませんが、それでも霊夢さんなら皆の思いを引き継いで戦えるんじゃないですか?霊夢さんは本当は優しいんですから」

「そうなこと……無いわよ」

 

 霊夢の表情は今にも泣き出しそうな子供に良く似ていた。

 

「そうですね……霊夢さんが誰かに許して欲しいって言うなら……」

 

 そんな霊夢を見た早苗は優しげな顔で言った。

 

「私が許しますよ」

「っ!!?さ、早苗ぇぇぇぇ!!!!!」

 

 霊夢は久しぶりに悲しさ以外の涙を出して早苗に抱きつきながら大泣きをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで霊夢さん落ち着きましたか?」

「……ええ」

 

 今更ながらに恥ずかしいのか早苗から顔を背けながら霊夢にお使いを頼まれた諏訪子の帰りを待っていた。

 

「持ってきたよ~」

「諏訪子様、お帰りなさい。霊夢さん何か文句言ってましたか?」

「いいんや、予備が沢山あるんだって。ほら、霊夢」

「ありがと、諏訪子」

 

 諏訪子が持ってきたのは何時もの霊夢が来ているあの紅白の巫女服だった。

 それを守矢神社に入って着替えた霊夢は着心地を確かめていた。

 

「うん、やっぱりこれを着ないと始まらないわね」

「そうだね~」

「はい!やっぱり霊夢さんはこの格好が合ってますよ!」

「ありがと早苗。それじゃあ……そろそろ行くわ」

 

 霊夢がそう言うと二人も見送りをする。

 

「それじゃあ霊夢さん頑張って下さいね!!」

「頑張りなよ~」

「ええ、任せなさい!それじゃあ縁が合ったらまたいつか」

 

 そう言って霊夢は守矢神社を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霊夢は少し歩いてこの世界に来た時と同じ場所に着くと周りに聞こえるように言う。

 

「……こっちに来てからずっと見てる奴出てきなさい」

「やっぱり気づかれてた?」

 

 声の主はあっさりと木の影から出てきた。

 声の主は顔立ちの整った黒髪ロングの女性で和風の白色の着物を着ていた。

 

「誰よあんた?」

「久しぶり……て言っても霊夢には解らないか。私は幻想郷の神様、龍神」

「……はあっ!?龍神って紫の奴が前話した幻想郷を見守ってるていうあの!?」

「そう。だから霊夢のことも魔理沙のことも知ってるよ。まず始めに謝罪をさせて貰うね」

「何のことよ?」

 

 龍神はその霊夢の言葉に悲しそうな顔をしながら話した。

 

「あなた達が死んだ異変【神血異変】の時に死んだ男の子は私の子孫なの」

「…………続けて」

「そしてあの男達は神の血を狙って来たの」

「神の血?」

 

 そう霊夢は不思議そうに聞く。

 

「うん。神の血も神の体の一部、だからこそ人間はそれを欲しようとしていた。そこに下級神の争いがしたい馬鹿な奴があの子のことを教えた」

「成る程ね。だからこそあいつらは幻想郷にやってきたと。……でも、それなら謝る必要無くないかしら?」

 

 龍神は空を見上げながら言った。

 

「それだけならね。貴女達が神埼士郎って呼んでるのは私……の中で生まれた悪い心の部分が姿を得たもの」

「っ!?……どうしてそんなことになったのよ?」

「本来神はあんまり人間界に干渉しては駄目なの。……まあ最近は守らない最上級神も多いけど。まあ、それは置いとくとして、重要なのはここからなの。

私たちみたいに常に見守る神は怒りとかいったマイナス感情を別の器に移るように設定をしているの……で、私だって感情があるんだから子孫が殺されれば怒るし、殺意もわく。

今回はそれがあまりにも多くて神埼士郎を作り出してしまった」

 

 それを聞いていた霊夢が思ったことを提案してみる。

 

「それなら貴女の方で消せばいいんじゃないの?」

「前なら出来たんだけど……あれが生まれた時に私の力の殆どを取られてね無理なのよ」

「そう。……しょうがないわね、なら私に任せなさい」

「……え?」

 

 あまりにも以外だったのかキョトンとした顔になった龍神に言い放つ。

 

「神埼士郎も被害者なのかもしれないけど……やり過ぎよ。よって博麗の巫女としてそうね……取り敢えず100発殴る。その後は宴会でもして仲直りすれば良いのよ」

「え?……え?」

「え?じゃないわよ。いいから後は任せて置きなさい。それと……死んだ皆は生き返らせることは出来る?」

「い、一応。今回は本当にイレギュラーなんで神埼士郎さえ捕縛すれば一度だけあの世界で死んだ全ての生物を復活させてくれるみたいです」

 

 そう言われた霊夢はガッツポーズのようなものをした後で龍神に背を向ける。

 

「まあ、兎に角よ。今まで見守ってくれてありがと。もう私は大丈夫よ。それに、魔理沙の奴のことも任せなさい……親友位は救ってみせるわよ」

「そう……ですね。じゃあこれは餞別です」

 

 そう言って龍神は霊夢に二枚のカードを投げた。

 

「これはサバイブ!?それにもう一枚は……白紙?」

「サバイブのカードは私の体の一部で作ったので強力になってますので気をつけて下さいね。白紙のカードは……いつか必要な時に貴女の力に成ってくれますよ」

「そう。ありがと龍神」

「どういたしまして霊夢」

 

 その会話を終えると丁度霊夢の体が光出す。

 

「時間ですね」

「そうね。……じゃあまた今度(・・)

「……!!はい、また今度(・・)!」

 

 そう言い終えると霊夢の姿がその場から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、戻ってきたか」

 

 オーディンがそう言うと何故か龍騎とゾルダに変身した状態の二人が帰ってきた。

 

「ええ。言峰今回ばかりは礼を言うわ。有り難う」

「そうですね綺礼、有り難うございました」

 

 そう言われたオーディンは仮面の下で驚いた顔をした後に言う。

 

「構わんさ。但し貸し1だその内返してくれ」

 

 そう言ってオーディンもミラーワールドから割と早足で帰っていった。

 

「詠姫、次会うときまで死ぬんじゃないわよ」

「霊夢も前世のようにまた死ぬなんてことの無いように」

「……何であんたがそれ知ってるのよ?」

「ふふ、秘密です」

 

 その後二人は別々の方向に去っていった。




 因みに詠姫の行ったのは霊夢や魔理沙の幻想郷。
 霊夢が行ったのは原作に限りなく近い幻想郷です。

 因みにオーディンの奴こまめに外にでては中に戻って来たりしてました。……べ、別に30分もミラーワールドに入れないことを忘れてた訳じゃないですからね!?
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