幻想仮面闘争~二人の英雄の闘い   作:紋章

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前話の続き


第參拾漆.伍話

「さあ何処からでも掛かってきなさい」

 

 ミラーワールドに着くとゾルダはそう言いながら腰に装備されたマグナバイザーを抜き構えてそう言った。

 

「言われなくてもそのつもりだから・・・・」

 

 それに対してレイズはレイズバイザーを構えてそう言うと直ぐ様カードをレイズバイザーに読み込ませた。

 

『STRIKEVENT』

 

 レイズファングを右腕に装備すると左手に持ったレイズバイザーの刃を振るい深緑色の斬撃波を放った。

 

「それぐらいならカードを使うまでも無いですかね」

 

 それに対しゾルダは斬撃を回避しながらマグナバイザーを構えてレイズの手に装備されたレイズファングを撃ち装備を無理矢理外した。

 

「っ!!だったらこれでどう・・・・!!」

 

 落ちてしまったレイズファングは気にせずレイズバイザーを両手で持つと刃を一枚から三枚に増やすとそこから三つの斬撃を放った。

 

「まだまだ甘いですよ鎌華」

 

『GUARDVENT』

 

 ギガアーマーを装備するとそれで三つの内真ん中の斬撃を盾で防御するとマグナバイザーでレイズの左手の甲を撃った。

 

「くっ・・・・!」

 

 だが、ギリギリの所で左手をレイズバイザーから離して弾丸をかわすとバックステップで後ろに下がった。

 

「流華と戦ってからまだ少ししか経ってないはず・・・・。なのに、この強さは何・・・・?」

「別に私は特別特訓した訳では無いのですがね……強いて言うなら気持ちの問題ですよ」

「気持ち・・・・?」

「ええ。まあ、今の貴女には解らないでしょうけどね」

 

 そう言われた鎌華は殺気と怒気を纏いながら言う。

 

「馬鹿にするのも大概にしろ・・・・!!」

 

 そしてカードをバイザーに読み込ませながらゾルダに突進していく。

 

『STEALTHVENT』

 

「っ!消えた?」

 

 突進してくるレイズを迎撃しようとマグナバイザーを構えるがその瞬間レイズの姿が消えてしまった。

 

「……(背後がお留守だよ先生・・・・)」

 

 姿を消し高速で動くステルスベントを使ったレイズはゾルダの背後に移動してレイズバイザーでその背中を斬りつけた。

 

「くっ!?一体何処から攻撃が?」

 

 一瞬だけ苦悶の声をあげるがすぐに攻撃が来た方向を分析しようとした。

 

「……(場所の分析何て、許すと思う・・・・?)」

 

 そう心の中で言うとレイズは四方八方から高速で斬撃を飛ばして何処から攻撃が来てるのかを解らなくした。

 

「ぐっ、場所の特定をさせないつもりですか……それなら!」

 

『ADVENT』

 

 攻撃場所の特定が出来ないと判断するとゾルダは自らの背後にマグナギガを召喚してマグナギガの背中と思われる部分に背中を預けた。

 

「……(成る程・・・・、確かにそれならすぐに対処できない背後はお互いにカバーできるけど……だったら前の一番脆い部分を狙えばいい・・・・)」

 

 そう思うとレイズはゾルダの首を斬り落とそうと高速で接近して鎌を降り下ろした。

 

 

 

 

 

「……引っ掛かりましたね」

「……(なっ・・・・!?)」

 

 斬り落とせると何の疑いも持っていなかったレイズは攻撃をマグナバイザーで防御されたことに動揺した。

 

「はあっ!!」

「くっ・・・・!」

 

 防御に成功したゾルダはレイズバイザーを上に押し上げると即座にレイズがいると思う部分にマグナバイザーを撃った。

 流石に防御は間に合わずレイズは軽く後方に押された。

 

「何で防げた・・・・?」

「簡単ですよ。後ろが無理なら他の弱い所を狙うのは解ってましたからね、そして横はそれとなく警戒している感じに見せれば無意識の内に相手は正面を狙ってきます。

そして鎌華の場合は鎌を横よりも縦に振る傾向に在りましたからね、だったら上からの攻撃を防御すればいい、とこんな所ですね」

 

 ゾルダは簡単に言っているが実際そんな簡単に出来ることでは無く、あくまで詠姫が弁護士で物事を見て分析できる能力に加え鎌華と一緒に仕事をしていたからこその賜物である。

 

「本当に面倒くさいよ今の先生は・・・・」

「それで貴女を助けれるなら安いもんですよ」

 

 そう言ってゾルダがマグナバイザーをレイズに向けようとした時だった不意にレイズの背後の方から声が聞こえてきた。

 

「帰りが遅いと思って来て見れば……まだ抵抗するような心が残ってたのですわね詠姫さん?」

「っ!?」

「流華、どうしてここが・・・・?」

 

 声が聞こえた方から流華が変身したシェルが歩いて来た。

 

「貴女のいる場所を当てるなど赤子の手を捻るのより簡単ですわ。そんなことよりも……」

 

 レイズにそう言うとゾルダの方を向き嘲るような雰囲気で見ながら話し出した。

 

「まだ戦えたとは流石に予想外でしたわね」

「生憎と私は諦めが悪いのでね、鎌華を取り返してこの馬鹿げた世界の神様をぶん殴る迄は戦い続けて見せますよ」

「そうですか。でも私にとってそんなことはどうでもいいですわ、状況解ってますわよね?」

 

 シェルがそう言うとレイズが再度レイズバイザーをゾルダに向けて構えた。

 

「ええ、解ってますよ(……とは言ったものの流華がやって来るのは想定外でしたね。とにかくこれでファイナルベントはまず使えませんね)」

 

 ゾルダは状況を分析しながら前回シェルにファイナルベントを反射されたことを思い出しつつどうするか考え始めた。

 

「ふふ、まあ精々足掻いてくださいな。そうすればするほど私の鎌華と一緒に戦える時間が増えますわ」

「流華の邪魔をする奴は排除だ・・・・」

 

『SWORDVENT』『COPYVENT』

 

 シェルは以前ゾルダを痛め付けたミズチセイバーを装備し、レイズはコピーベントでレイズバイザーを二本に増やすとそれらを構えた。

 

「近距離特化ならまだ楽だったのですが……鎌華がいる以上その期待に意味は無さそうですね」

 

『SHOOTVENT』

 

 ギガキャノンを装備すると開始の合図かの様に直ぐ様砲撃を放った。

 

「邪魔・・・・」

 

 飛んできた砲撃をレイズは二本のレイズバイザーから放った斬撃で相殺してしまった。

 しかし、それを見たゾルダは仮面の中で笑みを浮かべた。

 

「やはり相殺してきましたか」

「その言い方だとまるで解ってたかのように聞こえますわね」

「おや、そう言ったつもりだったのですが解りませんでしたか……ああ、人格破綻者に人間の言葉を言っても通じませんか」

「……?」

 

 ゾルダがシェルに色々と不味いことを言った。

 すると、普段そんなことを言われてこなかった(※言おうとすると流華によって死んだ方が良いと言われる程のことをされるため)シェルは一瞬何を言われたのか解らなかった。

 

「…………鎌華」

「……な、何だ?」

「今日の夕食はあの女の活け造りにしますわよ」

「は、はい・・・・(……流華、何時になく怒ってる)」

「只でさえ正しい私の行いを邪魔して否定し、更には一介の弁護士ごときがこの武藤流華に逆らうなんて万死……いえ、兆死に値しますわよ!!!」

 

 理解したシェルは鎌華に指示を出し自らは先行してゾルダに恐るべき速さで肉薄した。

 

「なっ、速い!?くっ!!」

「遅いですわよ!!」

 

 肉薄してきたシェルを迎撃しようとギガキャノンを向けるが既に近距離まで来ていたシェルのミズチセイバーの一撃でギガキャノンの片方の砲身が切れた。

 

「ちっ!!」

 

 砲身が切れると直ぐにギガキャノンを取り外しマグナバイザーを乱射するが

 

「これで終わりですわよ!」

 

『LIQUIDVENT』

 

 シェルがリキッドベントのカードを使うとシェルの体が液状化してマグナバイザーの攻撃をかわした。

 

「はあっ!?液状化は流石にずるくありませんか!!」

 

 一旦距離を取って作戦を練り直そうと考えたゾルダだったが

 

「私がズルをするわけがありませんわ。下らない妄想ですわね」

 

 気づくと既に足を液状化したシェルに捕らえられていてそのまま首の辺りまで液体がゾルダがの体を包んだ。

 

「くっ、流石にこれは厳しいですね」

「態々私に殺して貰えるのだから光栄に思うことですわね。このまま首を絞めて殺してあげますわ!」

 

 そう言うとシェルは上半身のみ液状化を解除して片手でゾルダの首を掴み絞め上げる。

 

「ぐっ!!」

 

 ゾルダは思わず苦悶の声を上げた。

 

「何秒で死ぬか楽しみですわ♪」

「くっ……(こうなったら使うしかありませんか)」

 

 ゾルダは気力を振り絞ってデッキから幻想郷から帰る間際に四季映姫から貰ったあるカード……サバイブを取り出して裏面から表面へとカードを反転させた。

 

「ん?……っ!!」

 

 ゾルダが死ぬまでの時間を数えていたシェルだったが地面に違和感を覚え、それと同時に地面から長く尖った岩が大量に生えてきた。

 それをシェルは急ぎゾルダの拘束を解除してその場所から離れた。

 

「……何、これは?」

「この現象……まさかサバイブですの?」

 

 その質問にゾルダは答えず代わりにマグナバイザーを構えた。すると、マグナバイザーのカードを読み込む部分が消え、1.5倍ほど大きくなり銃身の横にスコープの様な物が取り付けられたマグナバイザーツヴァイとなった。

 そして銃身の上の部分から出てきているカードが置ける場所にサバイブ―金剛のカードを置き押し込んだ。

 

『SURVIVE』

 

 その音声が鳴るとゾルダの体が変化していった。

 銀色の装甲や顔の部分はダイヤモンド色に変化し、各関節部分にも同色の装甲が装備された。

 更に右腰に普通のアドベントカードの裏と違う黒い裏面のアドベントカードが入ったケース(一番近いのはレンゲルやカリスの奴)を装備したゾルダサバイブへと変化した。

 

「……成る程、確かにこれなら切り札として使えますね」

 

 そう言うとゾルダSはマグナバイザーツヴァイのグリップの底にある取っ手のような部分を引っ張り読み込み口を取り出すとデッキから取り出したカードを読み込ませた。

 

『ADVENT』

 

「何だあれ・・・・?」

「こ、これは流石に面倒過ぎますわね」

 

 ゾルダSがアドベントのカードを使うと地面からマグナギガが全体的に二倍になり武器もそれに対応して巨大化したマグナテラが現れその装備を二人はあの流華でさえも冷や汗を流していた。

「それでは殲滅戦と行きましょうか?」

 

『SHOOTVENT』『MACHINEGUNVENT』

 

 デッキから一枚腰のケースから一枚ずつ取り出してマグナバイザーツヴァイに連続で二枚のカードを読み込ませた。

 すると、ゾルダSの左手にギガランチャーより一回り大きくなったテラランチャーが装備され右手のマグナバイザーツヴァイがグリップはそのままに銃身だけをマシンガンと同じ形に変化させた。

 

「っ!鎌華!!」

「ああ・・・・!!」

 

 シェルの言いたいことを理解したレイズが答えると二人は即座にカードを自らのバイザーに読み込ませた。

 

『STRIKEVENT』『ADVENT』

 

 シェルはミズチガーディアンの頭部と両腕を模したキャノン兼伸縮自在のクローのミズチブレイカーを装備しレイズはレイズマンティスをゾルダSの背後に召喚した。

 

「……私、言いませんでしたか?殲滅戦を始めると」

 

 ゾルダSは背後を見ずに右手のマグナバイザーツヴァイを後ろに向けて容赦なく引き金を引いた。

 その一撃は偶然か必然かレイズマンティスの目にヒットしレイズマンティスはその場に止まってしまった。

 

『ぐはっ!?』

「マンティス!?」

「余所見なんて余裕ですね」

 

 ゾルダSは続けて左手で持ったテラランチャーを放った。

 

「それは貴女の勝手な思い込みですわよ」

 

 が、シェルの放ったテラランチャーの一撃に対してシェルはミズチブレイカーから三連続で砲撃を放ち相殺させた。

 

「防がれてしまいましたか……まあいいでしょう」

「一つ気になるのですが本当に貴女北岡詠姫ですの?私には些か冷静過ぎる様に見えますわよ」

「それですか。いえね、サバイブを使ってから頭がクリアーと言うのでしょうか?まあ、そんな感じにスッキリしていましてね思考がしやすいんですよ」

 

 そう言いながら詠姫はデッキからカードを取り出して読み込ませた。

 

『FINALVENT』

 

「ふふ、最後に焦りましたわね。鎌華、貴女は下がっていなさい」

「解ったけど……一応気をつけて・・・・」

「解ってますわよ」

 

 レイズが後ろに下がるのを律儀に待っていたゾルダSは元の形に戻ったマグナバイザーツヴァイをマグナテラの背中に接続させた。

 

「これでお別れですわね」

「ええ……貴女の死でお別れですけどね」

「ふふ……頭に乗らないで下さるかしら負け犬の弁護士さん♪」

 

『REFLECTVENT』

 

 シェルは自分の前にあらゆる攻撃も能力も反射する透明の膜を貼った。

 それを見たゾルダSは怯むこともなく引き金を引いた。

 するとマグナテラの全身の装甲の様な部分が全て開きそこからあらゆる武器が顔を覗かせた。

 両腕にはグレネードランチャーやロケットランチャー、頭からは軍用ミサイルの様な物があり前方の部分からは大量の弾丸が詰められていて足の部分にはレーザー兵器の様な物が取り付けられていた。

 それをシェル目掛けて全て放った。

 

「……その程度の質量で足りるとでも?」

 

 だが放たれた攻撃の全てはリフレクトベントの膜に当たった。衝撃は多少あったがそれらの攻撃は全て跳ね返りシェルは勝利を疑っていなかった。

 だからこそ、続けて来た衝撃に目を細めた。

 

「何が……っ!?」

 

 そこでシェルが見た光景は跳ね返した攻撃が次の瞬間には新しく来た攻撃にかき消される物だった。

 シェルの様子を見ていたゾルダSがクスリと笑った後に言う。

 

「この技の名前はノットオブワールド。名前の由来は……エンドオブワールドと違いターゲットがいる限り空気中の素粒子から弾丸などを自動生産して発射する所ですよ。

貴女のそのカードの能力は危険ですが物量を増やせば何とか成ります。そして今の貴女は衝撃のせいで動けない」

 

 それを言われたシェルは何気ない口調で言葉を返した。

 

「それは貴女もですわよ?」

「では問題私の左手には何が握られてますか?」

「は?……っ!?」

 

 言われたシェルが見た先にはテラランチャーが構えられていた。

 

「これで幕切れですね」

 

 ゾルダSがその引き金を引こうとするが

 

「させない・・・・!!」

 

 いつの間にか接近していたレイズがテラランチャーを弾き飛ばしてしまった。

 

「っ。鎌華ですか」

「流華は殺させないさ先生・・・・」

 

 ゾルダSの視線がレイズの方を向いた。

 その隙をシェルは見逃さずにファイナルベントの斜線上から横ステップして避けた。

 

「鎌華、帰りますわよ」

「いいのか・・・・?」

「ええ。北岡詠姫、この屈辱は確実に晴らしてあげますわよ」

 

 そう苛立った声で告げると二人はその場を離れて行った。

 

「……これなら鎌華を助けれそうですね」

 

 そう独り言を呟くと詠姫もミラーワールドを出た。

 

 

 

 

「……どうしましょうか」

 

 ミラーワールドから出た詠姫だったがいきなりのサバイブの付けが廻ったのか全身に激痛が走りそのまま地面に倒れてしまった。

 尚、この後通りかかった警察の人に助けられたのは詠姫だけが知る所である。




 解説コーナー

 流華の使ったリフレクトベントは基本的に無敵ですが長時間続く攻撃や時間差の攻撃に弱いです。それ以外は弱点がありませんが

 そして詠姫様のサバイブ……自分なりには良い出来だと思うのですがどうなんでしょうかね。
 因みにこの状態だと腰にマグナバイザーツヴァイの形状を変えるカードが腰に他の武装などはデッキに入っています。
 しかも防御力は金剛石ことダイヤモンドと同じです……あれどうやったら負けるのこいつ?
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