「やっぱり平行世界とは言えそう簡単に私は変わらないわね」
別の博麗霊夢からいつもの巫女服を貰って幻想郷から帰ってきた霊夢はその着心地やらサイズやらを動いて確認するとそう呟き背を伸ばす。
『しかし一着だけで良かったの?』
「仕方ないわよ。いくら自分に対してとは言え何着も(無断で)貰うわけにはいかないでしょ?」
『でも霊夢さんなら他人に対しても傍若無人じゃないですか……ヒャッ!?』
スターがそう言ってる最中に霊夢は懐から封魔針を一本取り出してスターの顔の横を掠める感じに投げた。
「何か……言ったかしら?」
『な、何でもありません!!!』
『(霊夢の奴、帰ってきてから元気になってはいたが……これは方向性が違うのではないか?)』
その後霊夢は巫女服のサイズやらを図り終えると適当な服屋に仕立の依頼を頼んだ。
「さて、と。これで服の準備は終わったし仕事を始めましょうか」
『そうだな。まずは何から片付ける?』
「魔理沙……と言いたいけど最優先は静香よ」
『何でですか?』
霊夢は前に着ていた服をタンスに入れ、靴を履きながらスターの質問に答える。
「静香の奴はこの世界を破壊するって言ったのよ?それに対して魔理沙は少なくともライダーは殺す気でも世界を壊す気は無いわ。そう考えると静香をどうにかしないと駄目なのよ」
『成る程!確かにそうですね……それより霊夢さん』
「ん?何よ」
『何で眼鏡なんて掛けてるんですか?』
霊夢の服装を再確認するとスターはそう質問した。
「変装よ。流石にこの格好をこの世界の知り合いに見せるのはちょっと抵抗があるのよ」
『自覚は合ったんですね』
『何でもいいから早く行くぞそこの女達』
レッダーがため息交じりにそう呟いた。
何処かの茶屋にて神埼静香……改め西行寺静香が店員に注文をしている。
「それじゃあみたらし団子を三本」
「畏まりました」
注文を終えた静香は近くの椅子に座った。
「(少なくとも今のまま進んでくれたら私の計画も安心なんだけど……神埼士郎。あれの出方次第では計画に修正を入れないといけないわね。とは言えあれの手札だったデッキは私が奪ったし大丈夫よね?)」
静香がそんな思考をしていると自分のすぐ近くで小学校低学年位の女の子が転んだ。
「あら、大丈夫?」
それを見た静香は立ち上がって女の子に手を出しながら言った。
「だ、大丈夫です!」
静香の手を借りて起き上がった女の子は笑顔でそう答えた。
「そう?でもこれからは気を付けるのよ」
「はい!」
「雪!!」
二人がそう会話をしていると少し離れた所から中学生位の男性が走ってきて女の子の名前を呼んだ。
「あっ、お兄ちゃん!!」
「全く、勝手に行くなって言っただろ?」
「ご、ごめんなさい」
「もうするなよ?ところで貴女は?」
雪がしょんぼりしてそう言うとお兄ちゃんと呼ばれた男性は雪に軽く注意をすると静香に気づいたのか声を掛ける。
「彼女が転んだから助けてあげたのよ」
「ああ、そうでしたか。ありがとうございます。ほら、雪も」
「ありがとうお姉さん!!」
「ふふ、どういたしまして」
二人が去ると丁度良く店員がみたらし団子を持ってきた。
「(そう言えば昔は私もお兄ちゃんにあんな風に注意されたっけ。お兄ちゃん……か、今頃何処で何をしているんだろう)」
団子を食べながら前の口調でそう考えていると後ろから声を掛けられた。
「相席いいかしら?」
「ええ、どう……ぞ」
声が聞こえた方に向きながらそう答えようとしたが途中で言い淀んだ。
声を掛けた人物……霊夢はそれを聞くと手に持った桜餅の乗った皿を机に置いて椅子に座った。
「久しぶりね静香。と言っても1ヶ月もたってはいないわね」
「霊夢……もう立ち直ったんですか?薄情な人ですね」
「あら、もう前みたいにちゃんづけで呼ばないのね。後、友人を絶望させようとするあんたに薄情なんて言われたくないわね」
霊夢のその様子を見た静香は怪訝な顔になりみたらし団子を口に入れた。
「それもそうですね。で、何をしに来たんですか?」
「何ってこれに決まってるでしょう?」
そう言って懐からカードデッキを取り出して机の上に置いた。
「まさか霊夢から挑んでくるなんて主旨替えかしら?」
「そういう貴女こそ口調が丁寧になったりそうじゃなかったりぶれまくりよね?」
お互いに喧嘩腰で言い合うが不毛と感じたのか言い合いを止めて立ち上がる。
「場所はあっちの方の公園で良いわね?」
「良いですよ。そう言えば何でそんな巫女服を着てるんですか?」
「私に……質問するな」
静香の質問をそう一蹴するとそそくさと歩いて行ってしまい静香もそれについて行った。
そしてミラーワールドの移動した龍騎とムラサキはお互いに向かい合っていた。但しムラサキの背後にはスカルゴーストとシアゴーストがそれぞれ5、6匹いた。
「一対一とは言ってないけど、普通呼ばないと思うのだけど?」
「生憎と私はそんな生易しい考えはしていないんですよ」
「あっそ」
『SWORDVENT』『SWORDVENT』
龍騎はドラグセイバーとドラグソードを装備しムラサキは畳んだ状態のパピヨンバイザーを構えた。
「それじゃあまずは小手調べといきましょうか。貴女に殺せるのか見物ですよ」
ムラサキが周囲にいたスカルゴースト5体を龍騎に襲いかからせる。
「供養は……後回しね」
そう言うと右手のドラグセイバーを逆向きに持ち襲いかかってきたスカルゴーストの内2体を斬り飛ばした。
続けざまに1体のスカルゴーストを回し蹴りで地面に叩きつけると残ったスカルゴースト2体をドラグソードで斬り裂いた。
「っ!?貴女それが一応人間と同じ心を持った生物にすることですか!?」
「現在進行形でそんな連中を操ってんのは誰よまったく。言っとくけど、今の私はミラーモンスターを殺すことに抵抗は無いわよ?覚悟を決めた博麗の巫女を嘗めない方が良いわよ?」
そう言って龍騎は地面に倒れていたスカルゴーストを蹴りあげて全力でムラサキに向かって蹴り飛ばした。
「どうやらそのようね」
『FANVENT3』
冷酷な雰囲気になったムラサキはパピヨンバイザーを開き右の読み込み口にカードを読み込ませ飛んで来たスカルゴーストを力任せに地面に叩きつけた。
「やっと本気になったわね(今の攻撃の威力……防御はするだけ無駄そうね)」
二人がにらみ合いながら硬直状態に入るが先に動いたのはムラサキだった。
パピヨンバイザーを畳直し龍騎に急接近するとそれを突き出した。
「吹き飛びなさい!!」
「断るわよ!」
その突きを霊夢は体を捻ってかわすと逆向きに持ったドラグセイバーを勢いに載せて振り上げた。
「その攻撃は無駄よ!」
「っ!?だったら!!」
振るったドラグセイバーをムラサキは空いている手で掴んだ。するとドラグセイバーが砂のように消えた。
それを見た龍騎は一度距離を取るとドラグソードを地面に突き刺して新しいカードをドラグバイザーに読み込ませる。
『STRIKEVENT』
ドラグレッダーの顔を模したドラグクローを装備するとすぐにドラグクロー・ファイヤー を放った。
「甘いわよ!!」
『FANVENT2』『ADVENT』
ムラサキはパピヨンバイザーを再度開き真ん中と左にカードを入れた。
そして防御力が上昇したパピヨンバイザーでドラグクロー・ファイヤーを防ぐと周囲から紫色の蝶達が集まりムラサキの契約モンスターである巨大な蝶の姿をしたライフバタフライとなり龍騎に向かって鱗粉の乗った風を飛ばした。
「風!?くっ!!」
『FLYVENT』
フライベントを使い空に逃げようとするが風の方が早くかすってしまった。
「っ!(左腕が!?)」
攻撃にかすった左腕が麻痺したかのように動かなくなってしまった。
「どう、ライの麻痺毒の鱗粉風の味は?」
「最悪よ!」
『ADVENT』
ドラグレッダーを召喚するとライに突撃させた。
『ふんっ!!』
『§%$*&!!!!』
レッダーに突撃されたライは良く聞き取れない言語の声を出すとレッダーに麻痺毒の風を放つがレッダーはそれを火炎球で全て凪ぎ払って行く。
「手負いの霊夢程度なら私が手を下すまでもなさそうね」
「言ってくれるわね。油断してると痛い目見るわよ?」
「怖いわね。でも大丈夫よ」
「何ですって?」
「そろそろ羽化の時間なのよ」
そう言うとムラサキは片手を空に挙げて指と指で音を鳴らした。
すると何処からともなくレイドラグーンと全身が骨でできた小型の飛竜のような姿をしたスカルワイバーンが飛んできた。
「それじゃあ楽しんで行ってね♪」
そう言ってムラサキは何処かの物陰に隠れてしまった。
「なっ静香!!」
『っ!霊夢後ろだ!!』
ムラサキが隠れると同時にライも同様に消えてしまい、それと戦っていたレッダーが後ろにいる敵のことを龍騎に伝えた。
「くっ!!」
後ろから迫ってきていたレイドラグーンをしゃがんでかわすとレッダーの背中に移動した。
『どうする気だ霊夢?』
「そうね……私のこの手が治ったらどっかの屋上に行ってくれるかしら」
『治せるのか?』
「これぐらいならね。本格的なこととなると永琳レベルのことが必要になりそうだけどね」
『気のせいか、明らかに目標のレベルが可笑しくないか?』
「幻想郷クオリティよ」
それから10分程レッダーは時に火炎球でスカルワイバーンを牽制したりレイドラグーンの体当たりを回避し続けた。
「準備OKよ。レッダー!!」
『任せろ!!!』
龍騎にそう言われたレッダーは凄いスピードで近くのビルの屋上に行き、霊夢をそこで降ろしレイドラグーン達が来るのを待ち構えた。
「来たわね(応急手当+霊力で強引に動かしてるから持って5分行ければ十分かしらね)」
『それで霊夢、どうやってこいつらを倒す気だ』
やって来たスカルワイバーン&レイドラグーンを睨み付けながらレッダーが霊夢に聞いてきた。
「そんなのは簡単よ。これを使うまでのことよ」
そう言うと霊夢はカードデッキから龍神から貰ったサバイブ-烈火のカードを取り出し相手の方に絵が来るようにカードを反転させた。
すると周囲に火炎が発生し近くに居たレイドラグーン数体を吹き飛ばした。
そして左腕のドラグバイザーが変化したドラグバイザーツヴァイを手に持ち口の部分にサバイブのカードを置き口を閉じる。
『SURVIVE』
「悪いけどこっからは一方的に行かせて貰うわよ」
銀と黒色だった胸当てが赤色に変わり肩から尖った部分が出、デッキの色が赤くなった龍騎Sは軽くドラグバイザーツヴァイをクルクルとさせるとデッキから取り出したカードを読み込ませた。
『SHOTVENT』
そのカードを読み込むとドラグバイザーツヴァイの顔のような部分の目が赤く光出した。
「ふんっ!!」
『『『アギャッ!?』』』
『『『フガッ!?』』』
その状態のドラグバイザーツヴァイをスカルワイバーン2体に向けると躊躇なく引き金を引いた。
すると2体に向かって霊力と火炎が混じった球体が放たれ、狙ってなかった筈の周りの数体も巻き添えをくらい爆発した。
「り、龍神が作ったとは言え凄い威力ね。それに……」
仲間を殺られた怒りで数体のレイドラグーンが龍騎Sに襲いかかった……が
「左、上、右上斜め、正面……と」
全ての攻撃の方向を言い当てながら攻撃を全て回避すると続けざまにそのレイドラグーン達に球体を放った。
「後は、静香よねっと!!」
「なっ!?」
ムラサキが背後からパピヨンバイザーを降り下ろすがまるで気づいていたかのようにドンピシャのタイミングで攻撃を防御されてしまった。
「はあっ!」
「っ!!今のを防がれたのは流石にショックね。どうやったのかしら?」
「まあ教えてもいいかしらね。勘よ」
「勘……え?」
龍騎Sのその発言に完全に虚をつかれたのかムラサキは変な声を出してしまった。
「と言っても未来予知クラスの勘よ。どうやらこれが私のサバイブで得た能力みたいね」
「反則にも程がありますね」
「良く言われるわ。でも、そうね。これで終わりにしましょうか」
『SHOOTVENT』
龍騎Sがそのカードを使用するとドラグレッダーが変化した烈火龍ドラグランザーが龍騎Sの背後に現れた。
「言っておくけどそこのモンスター達じゃ防御の意味は無いし、かと言って避けれるとも思わない方が良いわよ?」
「くっ!(あれを使えば何とかなりますけど……それでは計画が!!)」
そうこうしていると龍騎Sはムラサキにドラグバイザーツヴァイを向けて言った。
「取り敢えず死なない程度では手加減してあるからそこは安心して良いわよ」
そしてドラグランザーが強力な火炎弾を放つメテオバレットが当たった……かに見えた。
「手加減してくれたのは素直に助かったな。でなきゃ流石に俺でもきつかったからな」
龍騎Sとムラサキに間に人影が立っていてそれがどうやらメテオバレットを防いだようだ。
「あんた……誰よ?」
「神埼克也。神埼静香の兄にしてお前が探していた男だよ」
「お兄……ちゃん?」
そう龍騎サバイブの赤い部分を蒼にして顔の部分に渋みを感じさせる蒼雷はそう言ってムラサキを庇うかのような立ち位置で龍騎Sと対峙した。
しかし……蒼雷に全部持ってかれていった気がしてならない。どうなんでしょう皆さん的には?