幻想仮面闘争~二人の英雄の闘い   作:紋章

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第肆話

霊夢が戦闘を終えてミラーワールドから出てくると魔理沙が待っていた。

 

「お?霊夢お帰り~」

「魔理沙……何で先に戻ってるのかしら?」

「いや、私の相手を倒したからに決まってるだろ」

 

 その発言を聞いた霊夢は魔理沙に近づき首元を掴む。

 

「それならすぐ私のところに来て私の代わりに戦いなさいよ!!」

「はぁ!?いや、何を言っているんだ?あれは霊夢の獲物だろ!!」

「そっちこそ何言ってるのよ!?私はその前に既に戦ってたのよ、そのすぐ後で連戦させるなんてアホなの!?」

「誰がアホだ!!探偵家業いつも手伝ってる私に少しは恩返ししようとは思わないのか!!」

「私はツルじゃないのよ!!」

「ツルじゃなくても恩返しぐらい誰でもするわっ!!」

「はぁはぁ、もういいわ。兎に角神社に帰るわよ」

「はぁはぁ、分かったのぜ」

 

 口論で上がった息を整えると二人は神社に向かって歩いて行った。

 

「そう言えば魔理沙。あんたの契約モンスターの名前って聞いたかしら?」

「名前なんてあるのかあいつら?」

「あるわよ。後で聞いておいた方が良いわね。意志疎通に不便でしょ?」

 

 霊夢のその発言を聞くと魔理沙は不思議そうにしながら聞く。

 

「意志疎通?」

「あー、意志疎通って言うのはね……」

 

 

 

 

 その頃ミラーワールドではドラグレッダーと闇の翼ダークウィングが話していた。

 

『お前も新しい主を持ったか……そいつもいい奴なのか?』

『いい奴かは知らんが俺と殴りありで互角だな。あいつとは最初の根性が違うようだな』

 

 レッダーの発言を聞くとウィングは面白く思ったのか内心で苦笑した。

 

『成る程な……今度の主は最後まで守ることだな』

『当たり前だ』

『男同士で盛り上がられると私、参加しにくいんですけど……』

 

 ドラグソニックスターことスターが会話に入ってきた。

 

『そういえばウィング。そっちのマスター泥棒って聞いたんですけどどう思います?』

『何故そんな奴がマスターなんだ……』

 

 そうため息混じりに言ったウィングに二匹は同情の眼を向けていた。

 

 

 場所は戻り二人は神社に戻ってきた。

 

「……てっわけよ。分かったかしら?」

 

 霊夢がさっきスターから聞いたことを魔理沙に伝えていた。

 

「まさかこのカードデッキにそんな能力あったなんてな……」

「というかあんた説明書詳しく見るタイプでしょ?何で知らないのよ」

「いや、それがな……」

 

 魔理沙が呆れた感じの雰囲気で話し出した。

 

「何よ?」

「この説明書にそんなこと書いてなかったんだけどな……」

 

 それを聞いた霊夢は少し呆けた後呟く。

 

「欠陥品ね」

「まったくもってその通り」

『霊夢終わったか?』

 

 二人の会話が終わると鏡からレッダーが顔だけを外に出して聞いてきた。

 

「あら、レッダー。ええ話は終わったわよ」

『そうか。それと必要だと思ってウィングの奴を連れてきたぞ』

「ウィング?それって誰よ」

『そこの小娘の契約モンスターだ』

 

 別の鏡からウイングが同じく顔だけを出して魔理沙に向かってそう言った。

 

「お、さっきの戦いの時はありがとな……てっ私は小娘じゃない!」

『我からしてみれば小娘だ。ダークウィングだ、今後とも宜しく頼むぞ小娘』

「私には霧雨魔理沙って名前があるんだよ!!」

『気が向いたら呼んでやろう』

 

 二人の漫才の様な話し合いを見ていた霊夢が呟く。

 

「あっちはあっちで仲がいいことで」

『そういえば霊夢明日は学校なる物があるんじゃないか?』

 

 レッダーが不意にそう聞いてきた。

 

「あー、確かにそうね。それがどうかした?」

『学校で例の神埼何とかの情報が手に入ったりはしないのか?』

「神埼克也ね……そう言えばうってつけの奴を一人知ってるわね。よし、それなら早速明日そいつがいるか調べてみましょう」

『む?いるか調べるとはどういうことだ?ミラーワールドから外を見てた時は基本学生というのは学校に行くのだろう?』

 

 霊夢が制服を漁り始めるのを見ていたレッダーが当然の疑問を聞く。

 

「あー、うちの高校は特別でね、各学期の最後のテストが基準点満ちてれば進級できるのよ。だから学校に行く行かないはかなり自由なのよ。まあ、逆に毎日行っていてもテストが駄目なら問答無用で留年ね」

『成る程……だからそんなに制服が汚れてるのか』

 

 出てきた制服は色々と汚れていて見るに耐えない状態だった。

 

「これは……それとは関係ないわ」

 

 古い冷蔵庫からペットボトルに汲んできた水を取り出して木の桶の中に水を浸し制服を入れて洗いだす。

 

『大変だな霊夢も』

「同情は止めて。悲しくなるから……」

 

 

 それからは特に何かあるわけでもなく時が進み夜になっていた。

 

 

「霊夢、そろそろ私は帰るのぜ」

「あら、珍しいわね魔理沙が泊まっていかないなんて……」

「今日は新しい子供達の歓迎会するからな」

 

 魔理沙は孤児院で生活をしており一年に多いと二回ぐらい新しい子が来てその歓迎会をするのである。

 

「それなら早く行ってあげなさいよ」

「分かってるさ。そんじゃまた明日学校でな」

「はいはい」

 

 そう言って魔理沙は神社から出ていき孤児院まで歩いて行った。

 

 

「うわっ、もう8時かよ。確か歓迎会が9時からで、ここから孤児院までが約40分だったから……歓迎会間に合うか?」

 

 計算をすると微妙だと思って魔理沙が走ろうとしたその時だった。

 

「ん?今のって……モンスターの気配か?」

 

 一瞬だけモンスターの気配があり、その方向に行ってみると手持ち鞄が落ちていた。

 

「これは……あれ?これ私見たことなかったけ?」

 

 鞄についてたキーホルダーを見た魔理沙だったが今は思い出すことが出来なかったのか取り敢えず鞄を手に取った。

 

「取り敢えず今は孤児院に戻るか!」

 

 そう言って鞄を持ったまま走って孤児院に戻って行った。

 

 

 

 

 

 その次の日

 

 

「何とか乾いたわね」

 

 霊夢はその辺の木を利用して干していた制服を着ながら登校の準備をしていた。すると近くの鏡から恨めしそうにレッダーが顔を出しながら喋り出す。

 

『よく言うものだな。人に一晩中火炎を出させて乾かせたくせに……』

「知らないわね」

『まあいい。とにかく暫くはどうでもいい事で呼ぶな』

「分かったわ」

 

 そう言うとレッダーはミラーワールドに帰っていった。霊夢は鞄にカードデッキとお札、お金。それから学校道具を入れて手に持った。

 

「さて、行きますか」

 

 そう言うと霊夢はまだ朝日が出てきたばかり……具体的に言えば6時頃に神社を出て学校に向かった。

 学校につくと霊夢が探そうとしていた人物が校門の前に立っていた。

 

「あやや!霊夢さんじゃないですか、珍しいですねこんな朝早くに」

「ええ、久しぶりね文」

 

 その人物は射命丸文に良く似た容姿の人物で名前を記名丸文と言う。彼女は霊夢の数少ない学校内での知り合いで、新聞部の部長を二年生にして受け持っている。

 

「でも霊夢さん、何でこんなに今日は早いんですか?何時もなら来てももっと遅いと思うんですけど」

「そういうあんたも早いじゃない。何か用事でもあったの?」

「私は新聞を講読者分印刷しにきたんですよ」

 

 文が言った新聞と言うのは学校内で新聞部が独自に製作して無料で配ってる物である。学校だけでなく世間についても記載されていたりする。

 

「あー、あれね。あれって儲かってるの?」

「いや、霊夢さんあくまで部活の活動の一環ですからお金は取りませんよ。取ったら部活潰されますって」

「あ、そうなのね」

「そういう訳なんで霊夢さんも一つどうですか?」

 

 自らのメモとペンを取り出してそう聞いてきたが霊夢はその申し出を断る。

 

「遠慮するわ。ただほど高いものも無いらしいからね」

「そうですか……」

「でもこっちの頼みを聞いてくれるなら考えるわよ?」

「本当ですか!?」

 

 文が急接近してきた為、咄嗟に霊夢は文を蹴った。

 

「い、痛いですよ……」

「いきなり接近して来るからよ。それから答えは本当よ」

「それで頼みとは?」

 

 割りと本気で蹴られた筈なのに文はすぐに持ち直して霊夢に聞いてきた。

 

「神埼克也について何か知らないかしら?」

「神埼克也……ああ彼ですか。確か行方不明になる前に男にあったって噂を聞きましたよ」

「は?男……(まさか神埼士郎?)」

「念のために言っときますけどホモじゃないですからね」

 

 霊夢が何かを考えていたので文がそう言った。

 

「分かってるわよ。で、相手の容姿は?」

「確かよれよれなコートみたいな物を着てたそうですよ。そういえば彼、何か貰ってるように見えたそうですよ」

 

 文がメモとペンを仕舞って自分のカメラを調整しながらそう言った。

 

「成る程ね……(よれよれのコートって神埼士郎の服装に似てるわね。やっぱりさっきの予想は正解かしら?)」

 

 霊夢がそう考えていると遠くから老齢な女性の声が聞こえてきた。

 

「おや文ちゃんに……霊夢ちゃんだったかな?」

「あ、どうも用務員さん」

 

 文がやって来た用務員さんに挨拶をすると霊夢は不思議そうな顔で用務員さんに話しかける。

 

「そうですけど……あったことありましたっけ?」

「ははは、生徒のことは全員記憶していてね」

「それは……凄いですね」

「この学校で働くにはそれぐらいしないとね」

「ああ言えてますね」

 

 この学校……幻想学園では生徒は成績が悪くても入れるが先生は実績がなければ一切入れて貰えないのである。

 

「それでは霊夢さん、私はこれで」

「ええ、色々ありがとね文」

「いえいえ。その代わり新聞お願いしますよ?」

「わかってるわよ」

 

 文と別れると霊夢は学校の中に入り自分の教室まで歩いて行った。

 

「霊夢、おはようだぜ!」

「霊夢ちゃんおはよう」

「あら魔理沙に静香おはよう」

 

 魔理沙はいつもの帽子といろんな物が入ってる鞄を持って、静香は普通に鞄を持って教室に入ってきた。

 

「それで霊夢ちゃん、お兄ちゃんのこと何か進展あった?」

「そんなにせかさないでくれる?」

「ご、ごめんなさい」

「ちゃんと探してるから安心しなさい」

「あっ、そうだ。霊夢このキーホルダー見たことないか?」

 

 魔理沙がポケットからキーホルダーを取り出して霊夢に見せて来た。

 

「確か隣のクラスの先生が生徒から誕生日プレゼントで貰ってた物じゃない」

「ああ!そうだその人だ!!」

「でも何で霊夢ちゃんが知ってるの?」

「前見たからよ。それで何で魔理沙がそれ持ってるのよ?」

「それはだな……」

「おーい、お前たち席につけー」

 

 魔理沙がいざ喋ろうとすると運悪く先生がやって来て中断になってしまった。

 

「まず皆はこの学校じゃまだましな生徒だから知らせるぞ。昨晩から隣のクラスの先生と連絡が取れないもんでな、代わりに今から俺が隣のクラスでホームルームしてくるから大人しくしてろよ」

 

 そう言って先生が出ていくと教室の中に居た生徒は各々友達の所に行き霊夢はさっきの話の続きを聞くために魔理沙の所に行き話出した。

 

「魔理沙もしかしてそれって……」

「ああ。多分霊夢の想像であってるぜ」

「そう……」

 

 そうやって二人が話していると不意にモンスターの気配が現れた。

 

「学校にも出るのね」

「この気配は……っ!!」

「ちょっ魔理沙!?」

 

 魔理沙は勢いよく立ち上がるとその勢いのまま気配のした方に走って行った。霊夢も急いで追いかけようとしたが静香に声を掛けられた。

 

「えっ、霊夢ちゃん。魔理沙ちゃんどうかしたの?」

「静香ッ!先生はどうにか誤魔化しておいて!」

「えっ……ええ!?」

 

 静香にそう言うと霊夢は走って魔理沙の後を追いかけた。少しして曲がり角を曲がった先から魔理沙の声が聞こえてきた。

 

「止めろ!!」

 

 霊夢が声の元に急いで駆け付けるとそこには気絶している女の生徒二人と魔理沙。そして……

 

「ダークウィング?」

 

 ダークウィングだけで他のモンスターの気配は一切無かった。

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