幻想仮面闘争~二人の英雄の闘い   作:紋章

51 / 56
 いやー、一月終わってから新年初投稿ってどうなんでしょうね?
 取り合えず今回のは終章の序章の序章です(要約:これからどんどんライダーは減るという事です)


第肆拾漆話

「…………ん」

 

 霊夢達が住んでいる鏡面町、そこにある神社の自室で霊夢は眼を覚ました。

 

「ここは……」

「霊夢、ようやく起きましたか」

 

 霊夢は寝ぼけた眼で周りを見渡した。その時、タイミングよく部屋の襖が開きそこから詠姫が入って来た。

 

「詠姫……?」

「そうですよ。貴女の知ってる弁護士の北岡詠姫ですよ。因みに此処は貴女の神社ですよ」

 

 詠姫は外から聞いていたのか霊夢が次に聞こうとしていた疑問を質問される前に答えた。

 

「……あんたが私を此処まで連れてきてくれたのかしら?」

「途中からはそうですよ」

「途中から……?」

 

 それを聞くと霊夢は詳しく聞く為にか掛けられていた布団をどけて起き上がる。

 

「ええ。途中までは私や貴女、そして水華さんも背負って魔理沙さんが運んでくれたんですよ」

「魔理沙が?……それで、その後に魔理沙は何処に行ったのよ?」

「彼女の仲間の所だと思います。付いて行った訳ではないので憶測ではありますがね」

 

 詠姫は少し疲れた顔で言うと下の畳に座り込んだ。

 

「あんた随分と疲れてるようだけど何かあったの?」

「ええ、それはもう三日も貴女の世話をしていたんですから疲れますよ」

「へー、それは大変だったわね……ん?三日!!?」

 

 詠姫の話した言葉に霊夢は驚愕の声を上げて立ち上がった。

 

「私ってそんなに寝てたの!?」

「ええ、まあ。その間に居なくなった人々も戻って来て日常の風景を取り戻してますよ」

「それなら良かったけど……」

「所で霊夢。貴女に聞きたいことがあるのですが」

「手短にお願いするわ」

 

 霊夢は急に立ち上がった性で眩暈でもしたのか詠姫と同じで畳に座り込んだ。

 

「では単刀直入に言いましょう。貴女は何処まで覚えていますか?」

「……それは私が頂上で戦ってた時の事を言ってるのかしら?」

「ええ。その戦いの途中から貴女の様子が可笑しかったと魔理沙さんから聞いたので」

「…………」

 

 霊夢は難しそうな顔で思案し始め、少しするとため息を一つついてから話し出した。

 

「そうね、確かに炎凰と戦った際の記憶や脱出した際の記憶はぼんやりとしか思い出せないわ。ついでに言っとくとその時の私の姿が何だったのかは私にも分からないわよ」

「そうですか……体に異常は無いんですか?」

「無いと思うわよ」

 

 霊夢は自分の体を適当に調べてから詠姫の疑問に答えた。

 

「なら良いのですが……」

「そう言うあんたこそダメージの方は大丈夫なの?魔理沙に聞いた話じゃ足止めをしてたらしいけど」

「ええ。通常形態で戦う分には問題ありませんよ」

 

 詠姫は苦々しい顔でそう言った。

 

「なら良かったけど……その顔じゃ負けたのかしら?」

「……察してくれませんかね?」

「はいはい、その答えで分かったわよ」

 

 霊夢はそう言いながら着ている巫女服の皺などを伸ばしていた。

 

「……あ、そう言えば」

 

 突然霊夢は巫女服の内側に閉まっておいたカードデッキを取り出して中身のカードを確認し始めた。

 

「何をしてるんですか?」

「ほら、私の姿が変わったって話だけど一枚だけ心当たりのあるカードがあったのよね。と、これこれ」

 

 霊夢はカードの中から白紙になってるカードを取り出した。

 

「それですか、心当たりのあるカードと言うのは」

「え、ええ。そうなんだけど……可笑しいわね」

 

 霊夢は白紙のカードを調べながらそう呟いた。

 

「何が可笑しいんですか?」

「私の記憶じゃこのカードに絵柄が浮かんでたと思うんだけど……絵柄なんて無いわね」

「霊夢の記憶違いなのでは?」

「うーん……」

 

 霊夢は納得のいかない顔をしていたが悩んでも仕方ないと考えカード達をデッキに戻して行った。その矢先

 

「っ。……ある意味空気読んでくれるわね」

「霊夢、気持ちは分かりますが不機嫌そうな顔は抑えて下さい」

 

 いつものモンスターの出現音に顔をしかめた霊夢を詠姫が諭していた。

 

「はあ、あんたも行くんでしょ?」

「ええ、勿論」

 

 霊夢はカードデッキを服の内側に仕舞い、詠姫と共に外に向かって駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いてて、もう少し丁寧にやってくれないか?」

「やって貰ってるだけ感謝しなよ」

 

 幻想学園大学部、そこにある研究室では魔理沙が勇儀に怪我の治療をして貰っていた。

 

「しっかしお互いこっぴどくやられたもんだねー」

「……私としてはもう元気に動けてるお前と一緒にされるのは心外なんだけどな」

 

 魔理沙は昼間から(ノンアルコール)ビールを飲んでいる水華を呆れた眼で見ていた。

 

「いや、こんな格好だけど私も暫くは戦えそうにないから」

「まあ、その分私が働いとくから二人は治療に専念しな」

「はいはいー」

 

 勇儀の言葉を軽く水華は流し、またビールを口に入れた。

 

「…………」

 

 しかし、魔理沙は返事をせずにただ黙ったままだった。

 

「ん?どうかしたのかい魔理沙?」

「……いや、何でもないさ。ちょっと散歩してくるとするかな」

 

 水華がそんな魔理沙に声を掛けるが魔理沙は心此処にあらずと言った感じで返事をして外に出て行ってしまった。

 

「何かあったのかい?」

「いや……私は心当たり無いね」

 

 魔理沙が去って行ったドアを見て二人はそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………(霊夢のあの姿……確かルナティックだったか?)」

 

 魔理沙は人通りの多い大通りを歩きながら先日の事を思い出していた。

 

「……(私にもあの力さえあれば……いや、それじゃ駄目だ!認めたくないけど私と霊夢が本気で戦ったとしても勝つのは霊夢だ。それなのに同じ進化をしたんじゃあいつには勝てない。あいつに勝つにはルナティックの先の強化か別のパワーアップを果たすしかない……よな)」

 

 魔理沙はふと空を見上げた。空は雲一つない青空だったがそれを見た魔理沙は清々しい気分にはならずにため息をもらした。

 

「はぁ(霊夢の奴が青空で私は其処に無様に挑もうとするただの人ってことかっての)」

『それなら、ただの人を卒業してみる?』

 

 魔理沙がありもしない被害妄想をしていた時だった、突然ノイズの混じった様な音声が何処からともなく聞こえてきた。

 

「っ!!誰だ!!」

『あんまり大声は出さない方がいいわよ?貴女だって周りの人から変な目で見られたくは無いでしょ』

「……………………」

 

 魔理沙は無言で近くの路地に入った。

 

「……ここなら、騒いだって誰も来ない。誰だか知らないが姿を見せろ!!」

『……うふふ、それは出来ない相談よ♪ほらほら、怒らない怒らない』

 

 声は無言で拳を握り締めてる魔理沙を大人が子供を宥める様な声音で宥めてきた。宥められな魔理沙は歯ぎしりしながら拳の握りを離した。

 

『うふふ、それじゃあもう一度聞くわ。ただの人を卒業する気、貴女にはある?』

「さっきも聞いたけど……それはどういう意味だ?」

『文字通りよ、』

 

 姿は見えないその声だがまるで透明な体が迫って来るような感覚と共に声もより鮮明な物となって聞こえてきた。

 

『人間を卒業して異形の存在になるってことよ♪』

 

 その言葉に魔理沙は少し呆けたがすぐに気持ちを戻して真剣に話始めた。

 

「それは……アリスやパチュリーみたいに種族としての魔法使い(異形)になるってことか?」

 

 魔理沙は脳裏に浮かんだ金髪と紫髪の少女達の事を思い出しつつ聞いた。

 

『それでも『私』的には良いけど「私」はそれは嫌いだったから結局幻想郷でも魔法使いには成らなかったでしょ?』

「……何でお前が幻想郷の事や私の事を知っているかはこの際どうでも良い。それを知ってるなら私を何にする気だ」

 

 魔理沙の質問に声の主は愉快そうに声を漏らすとはっきりとした声で告げた。

 

『貴女の身近にいたことがあり、それでいて今ではそれに限りなく似た力を貴女はもう振るってるじゃない』

「何?…………いや、ないだろ」

 

 魔理沙は一瞬何か思い浮かんだ様な顔をしたがすぐに否定の言葉を言った。

 

『あら、何を戸惑う必要があるの?願った所で誰も止めないわよ♪』

 

 しかし、声は魔理沙の否定を逆に否定し言葉を紡いで行く。

 

『貴女が望む力を持っていて』

「…………止めろ」

『博麗霊夢とは全く違う進化の形で』

「……止めろ」

『そして、貴女が容易に想像出来る最強クラスの存在達の一角』

「止めろ!!」

 

 魔理沙の制止の声が聞こえているのかクスクスと笑いながら声は朗らかに陽気に魔理沙の思いを告げる。

 

『その名は吸血鬼。幻想郷においても外の世界に置いても多くの存在が知っている名前。貴女が『霧雨魔理沙』になって初めて解決した大きな異変の犯人の種族、貴女の心に印象深く残った強者の姿……』

「止めろぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

 物語の語り部の様に話続ける声を魔理沙の叫びが遮った。声は不満足気に口を閉ざした後、再度話し出した。

 

『力が欲しかったら何時でも言いなさい。私は貴女の身近に居るからね♪それからこれはオマケよ♪』

「…………行った、のか?」

 

 声の気配が消えたのを確認すると魔理沙はその場に倒れ込んでしまった。

 

「……くそっ」

 

 魔理沙は今の声を否定できなかった自分に嫌気が差し口から言葉が漏れた。

 

「あ……?これって何だ?」

 

 魔理沙が立ち上がると左目の視界が可笑しかった。周囲の景色は普通なのだが地面の一部が赤かったり路地の奥まで赤い染みが続いていたりした。

 

「右は……?何も無いよな」

 

 魔理沙は試しに左目を隠して右目だけで今の場所を確認してみたが普通の地面と違う箇所は発見できなかった。

 

「……取り合えず行ってみるか」

 

 魔理沙は思考を切り替えて染みの続いてる路地の奥に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てっ、お前かよ」

「アァ?……お前か」

 

 魔理沙が向かった路地の奥に居た威が気だるそうに声を返した。

 

「おう、私だ。……で、何やってんだよお前は?」

「食い物を探していたんだがな……まあ、順番が変わっただけかぁ」

 

 威はそう言いながらカードデッキを取り出し、顎で近くのガードミラーを指した。

 

「お前はそればっかだな……まあ、私もむしゃくしゃしてたんで丁度良かったけどな」

 

 魔理沙も答えるようにカードデッキを取り出した。

 

「……所でだ。その眼はどうした?」

「は?何の事だぜ?」

「……気付いてならいい。さっさとするぞ」

「……?相変わらず変な奴だな」

 

 威は魔理沙の赤色になってる(・・・・・・・)左の瞳を指摘したが本人が知らないならいいかと気にしない事にした。そして二人は各々のカードデッキをガードミラーにかざし腰にVバックルを出現させ、

 

「「変身!!」」

 

 お決まりの言葉と共にデッキをVバックルに差込ナイトと王蛇に変身しミラーワールドに入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……そして、あんな事になることをこの時の二人が知るはずも無かった。

 




 今年は自分も受験生なので例年よりも遅い投稿になりますが気長に待ってくださると嬉しいです。
 では、今年もよろしくお願いします!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。