「はあっ!」
「ふんっ!!」
ナイトが先制攻撃でダークバイザーを王蛇に向かって突き出した。王蛇はベノバイザーでその攻撃を受け流すとその場を跳躍してナイトと距離を取った。
「貴様にしては珍しく気が立ってるなぁ」
「そう言うお前は最近口数が多くなってないか?」
ナイトと王蛇はそれぞれの得物を構えながら相手の隙を探し始める。
「ふんっ、刑務所にいる頃に比べれば今の生活は最高だからなぁ。自然と口数も増える物だ」
「そう言うものかね」
先に動いたのはナイトだった。素早く地面を踏み後方に跳びながらダークバイザーにカードを読み込ませる。
「隙が無いなら作るしかないよな!」
『NASTYVENT』
「そう簡単には行かんがなぁ!!」
『CONFINEVENT』『STRIKEVENT』
だが、王蛇はそれを読んでいたのか迷うことなくコンファインベントのカードの効果でナスティベントを無効にするとメタルホーンを召喚しナイトに突撃する。
「その言葉、そっくりそのまま返すぜ!!」
『SWORDVENT』
「何ッ!?」
突撃した王蛇が見たのはウィングランサーとダークバイザーの二本を持って構えているナイトの姿だった。
「チッ!!!」
王蛇は予想と違ったのか舌打ちを吐きメタルホーンを突き出す、と見せかけたフェイントをしかけ本命の蹴りをナイトのベルトに向かって放つ。
「おっと、危ないっての!!」
ナイトはメタルホーンの防御に回そうとしたウィングランサーでは無くダークバイザーの召喚機部分で防ぐとウィングランサーの刀身を掴み短く持ち直すと近くに居る王蛇に降り下ろす。
「……!!」
「ちっ、外したかー」
攻撃は王蛇に当たったが王蛇が直前に回避行動に移っていた為、鎧にかすっただけだった。
「……クク、ああこれだ。戦いってのはこうじゃないとなぁぁ!!」
王蛇はウィングランサーが当たった箇所を軽く撫でると低く笑いながらナイトに攻撃を仕掛ける。
「相変わらずお前は変な奴だな!!」
そう言ったナイトの声音はご機嫌そのものでこの戦いを楽しんでいる、そんな感じの声音だった。
『COPYVENT』
「さあ、俺をもっと楽しませろナイトォォォォ!!!!!!」
「はっ!いいぜ、勝手に楽しんで行きな!!」
王蛇の狂気に呼応するかの様にナイトのテンションもどんどん高くなっていた。
二人の戦いは熾烈を極めていた。
ナイトも王蛇もあれ以降新たなカードは使わずにお互いに武器で切り合っていた。ナイトが攻撃をすれば王蛇は片方のメタルホーンで弾きカウンターでもう片方のメタルホーンの一撃を入れようとするがナイトはそれを跳んで回避する。ナイトが回避すると今度は王蛇が両手のメタルホーンを降り下ろすがナイトはその攻撃をダークバイザーとウィングランサーで弾き再度攻撃を仕掛ける。
これを繰り返す度に二人ともテンションが高くなって行き今では最高潮にまで達していた。
「アハハハハハ!!!!…………あれ?」
が、突然ナイトがその場に膝をついてしまった。
「……!!」
「ぐっ!!」
その隙を王蛇は逃さず、両手のメタルホーンを振り上げナイトを吹き飛ばした。
「戦いの途中に膝を着くとはなぁ、鍛え方が足りないんじゃないか?」
「う、煩いわっ!!(ていうかさっきまでの私こそ何なんだよ。あんなテンション高く殺しあうなんて……まるで目の前のこいつや神埼と同じ狂人じゃないか)」
ナイトは先程までの勢いが無く、さっきまでの自分に困惑していた。
『FINALVENT』
「はあっ!」
「っ!!」
困惑しているナイトを無視して王蛇はベノクラッシュの体制に入っていた。ギリギリで気づいたナイトは急いでダークバイザーにカードを読み込ませる。
『FINALVENT』
「くっ!!」
「ふんっ!!!」
迫ってくる王蛇にナイトは跳躍し、上に向かって飛翔斬を放った。
二人の攻撃が激突しその場に小規模な爆発が起きた。
「アァ、どうしたこの程度かぁ?」
「くっ……まだまだこれからだ!」
爆風の中から王蛇が着地し、ナイトは地面に叩きつけられたが即座に体制を立て直しデッキからサバイブのカードを取り出した。
『SURVIVE』
「ふんっ、そうこなくちゃなぁ!!」
『UNITEVENT』『DRILLWHIPVENT』
王蛇はそう言うとベノスネーカー、メタルゲラス、エビルダイバーの三体を融合させてジェノサイダーを呼び出しインペラーと戦ったときにも使ったジェノサイドDWで地面を軽く叩いた。
「何じゃそりゃ」
「気になるならくらってみるんだなぁ!!」
「こんなもん……!!」
ナイトSは放たれたジェノサイドDWをダークブレードで防御した。が、その刀身にジェノサイドDWが巻き付いた。
「ふんっ!!」
「がっ!!」
即座に王蛇は魚を釣るかの様にナイトSを引っ張りあげるとその胴体に蹴りを入れてジェノサイダーがいる方向の地面に投げ飛ばした。
「貴様とも長い付き合いだったなぁ。だが、その縁もここまでみたいだなぁ。惨めで無様に死んでいけ」
『FINALVENT』
「ッ!!?」
地面から立ち上がったナイトSが見たのは既に胴体にブラックホールを形成したジェノサイダーと蹴りをくらわそうと走ってくる王蛇の姿だった。
「(こんなとこで私は死ぬのか?霊夢との決着もつかず、幻想郷に帰る事も出来ずに志半ばで終わるのか?あの時みたいに…………あの時?)」
魔理沙は迫ってくる王蛇を見て走馬灯のように過去の記憶を思い出している中で記憶に無い場面が浮かんだ。其処には紫色の髪の巫女が緑色の長い髪の足が幽霊の様な女性と金髪に紫色の三角帽と服を着た二人を消そうとしている場面だった。
「何ッ?」
「………………ああ、そうか」
気付けばナイトSは王蛇の蹴りを普段とまるで違う速度で回避し、誰に言うでもなく呟いた。
「そりゃ、そうか。私が何でここまで霊夢に執着するのかも、幻想郷にどうしても帰りたいのも当たり前のことか。……ふふ、笑いが出てくるな」
「……何だ、死の恐怖で壊れたか?」
「…………は?」
ナイトSは呟きと共に王蛇に接近するとその体を蹴り上げて首を掴んだ。
「がっ!?」
王蛇は視認することも出来ずに攻撃を受けた事に驚愕の眼をナイトSに向けた。
「たかが中坊が恐怖を語るか?私は自分の死よりも怖いものを既に味わったぞ?そんな私が今更自分の死で壊れる?……なめた事言ってくれるな!!」
「ぐがっ!!?」
『ぐごっ!?』
ナイトSは冷たい声音で言うと王蛇を全力でジェノサイダー目掛けて蹴り飛ばした。
「なめた事言った代償はこいつで許してやるよ」
ナイトSは冷たい声のまま今の瞬間にデッキから奪ったエビルダイバーのカードを破り捨てた。
「なっ……ちっ!」
エビルとの契約が解除された為かジェノサイダーへの合体も解除され元の三体がその場に現れた。
「そらエビル私と再契約だ」
『え、魔理沙ちゃん?』
ナイトSは正気を取り戻した困惑しているエビルに命から貰っていた契約のカードで契約を結ぶとそのカードをデッキに戻した。
「随分とやってくれたなぁ!!」
『FAINLVENT』
「ふんっ」
『FAINLVENT』
王蛇の放ったヘビープレッシャーとナイトSの放った疾風断が激突し爆発が起きた。
「ぐっ、相打ちか……何!?」
『魔理沙!!?』
爆発の衝撃で吹き飛ばされた王蛇に対してナイトSは爆発を強引に突破し、王蛇と同じく吹き飛ばされたゲラスに肉薄した。
「これで……後一体だ」
『FAINLVENT』
『…………淳様』
素早くカードを読み込ませると召還されたファンタジアハッケロからマスターウィングスパークをゲラスに放った。ゲラスは最後に元の主の名を呟き消滅した。
「貴様ァ!!俺の貴重な武器源をよくもやってくれたなぁ!!」
「ふんっ、ここまで弱体化したお前なんかに用はないっての」
戦闘を楽しむために重要な武器の提供源である契約モンスターを消された王蛇は怒りと共にナイトSに迫って来たがナイトSは軽くそれを殴り飛ばしてミラーワールドから追い出すと自らも外に出て行った。
『どうだった吸血鬼の力は?』
「何だお前か」
外に出た魔理沙が路地裏を歩いていると例の声が聞こえてきた。
『その様子だと私の正体にも気付いたのかしらね、うふふ』
「まあ、な。……平行世界の幻想郷に存在した『魔梨沙』の意識とこの体、『霧雨魔理沙』の意識の融合体が今の私。そんでもってお前さんが『魔梨沙』の混ざらなかった部分、悪意の集合体としての意識だろ?」
『うふふ、正解よ』
声は一通り楽しげに笑うと真面目な声で聞いてきた。
『それで吸血鬼の感想は?』
「ま、凄いもんだな。少なくともあの八雲を片手間で倒せる位には」
そう言いながら魔理沙は背中からレミリアの様な羽を出現させた。
『でも、絶妙なタイミングだったわよね?』
「ああ、正直後一歩遅れたら死んでいた。……まだ死ぬわけには行かない」
魔理沙がそう呟くと声は「そう」と悲しげに呟いた後で確認の為に聞いてきた。
『博麗霊夢を殺す。これが今の貴女の目的?』
「正確には全ての平行世界にいる博麗の巫女は皆殺しだ。……魅魔様を殺した博麗の巫女を私は許すつもりは無い」
魔理沙は背中の羽を消すと変わりに被っている三角帽の色を魔法で紫色に変えるとそれを被り闇に消えて行った。
「ぐっ……ここは?」
ミラーワールドから出された威が直後に気を失い今目覚めた。が、其処は先程の場所ではなく教会だった。
「久しぶりだな八雲威」
「あぁ?……貴様神埼か?」
威の背後の扉からやってきたのは黒髪の長い髪に黒い着物を着た女性だったが威はそれを神埼だと何となく感じた。
「ほう、初見で分かるとは流石だな」
「で、何のようだ」
威はやる気の無い声でそう聞いた。
「随分と元気がないな」
「……蝙蝠の性で気分が悪いんだほっとけ」
「そういうと思って君にプレゼントをあげよう」
「プレゼントだと?」
士郎はそう言うと何も空間に一枚のカードを取り出すと威の左腕に投げつけた。
「あぁ?……ぐがぁぁぁぁぁ!?」
カードを受け取ろうとした次の瞬間カードが一人でに威の左腕に侵入していった。
「ふ、それは私の憎悪から作ったサバイブのカードだ。狂っている貴様にはお似合いだと思うぞ」
「ぐ、ぐ、ぐぎゃぁぁぁ!!?」
「ま、聞こえてはいないだろうがね。……貴様は獣であればいい。ただ、ただ狂っていろ八雲威」
士郎はそう言うと扉に鍵をかけ出て行った。
「ぎゃ、ぎゃんざぎぃぃぃぃ!!!!!!」
八雲の怒号と悲鳴が部屋に響きだした。
自分は今年から受験生なので今後の更新は遅いと思います。