「魔理沙、これはどういう状況?」
「霊夢これは……」
霊夢が魔理沙に事情を聞いていると遠くから足音が聞こえてきた。
「ちっ!兎に角ダークウィングを帰しなさい!」
「分かったのぜ」
魔理沙がウィングをミラーワールドに帰すと騒ぎに気づいた先生がやって来た。
「どうした!」
「先生。生徒が二人気絶しているので保健室にお願いします。私は友人を連れていきますので。どうやら少し混乱しているみたいなので」
「そうか……分かった。この倒れてる二人は任せておけ」
何とか窮地を乗りきった霊夢と魔理沙は保健室に行く途中で会話を始める。
「それで魔理沙。何があったの?」
「モンスターがあの二人に襲いかかろうとしてたからダークウィングに守らせたんだよ」
「まあ……そうでしょうね」
「それと多分だが隣のクラスの先生はあのモンスターにやられたと思う」
それを聞いた霊夢は悲しそうな顔になりながら呟く。
「成る程、ね。だからあんなにあんたは急いで行ったと」
「そうなのぜ」
「でも私が来た時には他のモンスターの気配なんて無かったわよ?」
霊夢の発言に魔理沙は少し考えた後で答える。
「私が昨日感知した時もすぐに気配が消えたから多分速度が速いんだと思うぜ」
「そういうことね……。でも問題はどうやってそのモンスターを見つけるかね」
「そうだな……ウィング。何かいい案ないか?」
廊下に備え付けられている鏡を二人は見た。そうしているとダークウィングが写り話し出す。
『恐らくそのモンスターは今もさっきの生徒を狙ってるだろうな』
「どうしてだぜ?」
『モンスターは基本的に狙ったら余程のことがない限りしつこく狙い続ける』
「まるでストーカーだな」
そんな感じに話しているといつの間にか保健室の前にまで来ていた。霊夢はそれを見ると魔理沙に言った。
「魔理沙、大人しく保健室にいなさいよ」
「霊夢はどうするんだよ?」
「取り敢えず他の生徒に襲われた生徒についての情報を聞いてくるわよ」
「そうか。まっ、頑張れよ。私はのんびりと休ませてもらうのぜ」
「ええ、ゆっくりと休んでなさい」
霊夢が教室に戻ると黒板には暫く自習との文字が書いてあり他の生徒達は全員座ってはいるが各々友達と話してばかりで自習をしているのは一部の生徒だけだった。
以下のは一部の例である。
「まったく自習とかマジかったるいわぁーー」
「だよなぁーー」
「ねえねえ!そういえばこんな話知ってる?」
「なになに?」
「実はね……」
「はぁ(流石、幻想学園。録な奴が居ないわね)」
そんな風に霊夢が嘆いていると朝は教室に居なかったクラスメイトの文が声を掛けてきた。
「おや霊夢さん。自習って何かあったんですか?」
「文か。あんたは私に聞かなくても知ってるでしょ?」
「もちろんですよ!私の情報網は完璧です!」
「なら襲われた生徒の情報も分かるわね?」
文がポケットからいつもの手帳を取り出して何ページか捲るとあるページを見て喋り出す。
「まあ分かりますけど……この学園の中でも録でもない奴ですよ」
「録でもない?」
「はい。何でも毎日タバコを吸ってるだの、麻薬所持をしてるだの、挙げ句には女子生徒の弱味を握って売春まがいの行為をさせてるとか」
「何ですって!?」
文の話した内容があまりに酷すぎて霊夢はつい大声を出してしまった。
「そのせいで実際に退学になった人までいるみたいですし」
「成る程ね」
「まぁそんな人ですから恨んでる人は沢山いるでしょうね……」
「それじゃあ犯人探しは大変そうね(まあ犯人はモンスターなんだけどね)」
霊夢がため息をしていると帰ってきてるのにようやく気づいたのか静香が話しかけてきた。
「えっ、霊夢ちゃん犯人探してるの?」
「まあ、ね。少しは息抜きになるでしょ」
「私にも何か手伝えることある?」
「今のところは無いけど……あ、そうだ今度昼飯おごってくれない?」
「てっ霊夢さん。それ犯人探しと何の関係もないですよね?」
霊夢が静香に昼飯を奢って貰おうとしてるのを見た文はそう注意をした。すると霊夢は明らかに嫌そうな顔で文に言った。
「いいのよ。私のお家事情知ってるでしょ?」
「ええ、もちろん」
そう笑顔で言ってきた文の足を踏んで満足した霊夢は二人に言う。
「さて、私はちょっくらその二人に会ってくるわ」
「なら私もついて行って良いですかね?」
「いいけど……役に立つのよね?」
「それはもちろんですよ!」
またすぐに復活していた文がそう発言すると霊夢は渋々と言った感じで答える。
「ならお願いするわ」
「あやや、極めて了解!」
文を引き連れた霊夢は倒れた生徒がいる筈の保健室に向かった。
「魔理沙ー、戻ったわよ」
保健室に入った霊夢は最初に魔理沙に声を掛けた後周りを見回したが他に人影は見受けれ無かった。
「おー、何か進展あったか?」
「一応ね……ところでここに運び込まれた二人の生徒は?」
「さあ?あっ、でもさっき誰かが出ていったような音は聞こえたな」
「そう、ありがとね。文、そいつらが行くところに心当たりは?」
後ろに居た文に質問をするとすぐに答えが帰ってきた。
「ありますよ。多分屋上ですね」
「じゃあ屋上に行くわよ。それじゃあ魔理沙また後で」
「ああ、また後でな」
保健室を出てきた霊夢は屋上に向かって階段を歩いていたが唐突に気になったことを文に聞いてみた。
「そういえば文。弱味を握られた生徒に共通点とかないの?」
「共通点ですか。そうですねーー、確か全員がその二人にちょっかいをかけてたそうですよ」
それを聞いた霊夢は少し考えた後、悪い顔で文に相談をした。
「成る程、ね。それなら文、貴女は屋上の前の見えない位置にスタンバってなさい」
「いいですけど何でですか?」
「なーに、大人しく話してくれないだろうからね。話すようにするための秘策よ。後はお仕置きも兼ねて」
霊夢の発言がよく分からない文だったが取り敢えず頷くことにした。
「はあ、まあ了解しました!」
文との会話を終えると霊夢は最近つけ変えられた屋上のドアを開けて屋上に出た。そこには文の予想通り気絶していたさっきの二人がタバコを吸っていた。
「あん?何だよお前は?」
殺風景な屋上にあるフェンスにもたれていた背の高い女の生徒が話しかけてきた、霊夢は素直に自分の名前を名乗った。
「博麗霊夢よ」
「あっ!!毒園さん、こいつですよ噂の貧乏巫女って!!」
霊夢が自己紹介すると一緒にいたパットしない女生徒が霊夢を指差しながら言った。
「あん?こいつが?あー……確かに貧乏人の匂いがするわなーー」
「(貧乏人の匂いとか始めて聞いたわね……)貴方達さっき気絶していたそうだけど、何があったのか教えてくれないかしら?」
霊夢がそうやって聞くと毒園と呼ばれたリーダー各の女生徒が見るからにうざそうな眼で睨み始めた。
「まーた、それかよ。いい加減にうざいし!!てっ、いうーかさー」
「何よ?」
毒園は獲物を見つけた獣の様な眼で霊夢を見ると言った。
「あんたって私達の後輩のはずよねー?」
「それがどうかしたかしら?」
「先輩への態度がなってないんじゃないかなぁ!!」
突然毒園は一般人にしては速い速度で霊夢に蹴りをしてきたがそれを霊夢はバックステップしてかわした。
「いきなり危ないわね」
バックステップした時に服についたのか、埃を払いながらそう言う霊夢を見た毒園の雰囲気は余計にイライラし始めた。
「先輩なんだからさー敬語使えよカス女」
「敬語てっのは敬うべき相手にするべきものなのよ。あんたと私なら私のほうがよっぽどましな女だと思うけど、カス先輩?」
「ちっ……ふん、まあいい私は寛大だから許してやるよ」
「それならさっきの時の事、話してくれるかしら?」
「ただじゃ無理だな。そうだな……ここで脱げよ」
そう言った毒園はゲスい顔をしていた。
「はぁ……分かったわよ」
霊夢はそう言うと制服のリボンを外してスカートのポケットにしまった。
「上着だけじゃなく下着も含めてだからな」
「本当の屑ねあんた」
霊夢が少しずつ上着を脱ぎながら毒園にそう言うと毒園は飄々とした態度で言う。
「それがどうした?」
「ああ、そう。なら……これから後悔することね」
霊夢が上着のボタンを全てはずし終わりいざ脱ごうとした時だった。
『カシャッ』
物陰からカメラのシャッター音がなった。それが聞こえた毒園は狼狽えながら周りを見回した。
「何!?」
「いやー、我ながらこれは中々いい写真が撮れましたね~」
屋上のドアの影から文が出てきて今の現場の写真のできを見ながら出てきた。
「なっ、てめえは記名丸!?」
文の顔を見た瞬間毒園は敵を見るような眼で文を見始めた。
「どうも~毒園さん。以前はよくも私のとこの紅葉を売春なんかさせようとしてくれましたね」
「あれ文、この屑と知り合いなの?」
霊夢はその隙に着崩していた上着を着直してリボンをつけ直した。
「ええ。以前私のとこの部員にちょっかいかけてくれましてね。その時に色々と調べたんですよ~。それにしても霊夢さんって見た目よりは胸あるんでs……あいたっ!!」
「人の気にしていることを言う奴は私に蹴られて死ぬべきよ」
霊夢は落ちていた小石を文の頭に向かって全力で蹴り飛ばした。それは見事に文のおでこに命中した。
「分かってると思うけど、あの写真ばらまかれたくないなら素直に話なさい」
霊夢がそう言うと毒園は仕方ないと言った感じで話し出す。
「ちっ、分かったよ。あれは……」
しかし、その直後霊夢はモンスターの気配を感じ取った。
「ッ!!全員しゃがみなさい!!」
「あやや!了解です!!」
文はすぐに言うことを聞いたが残り二人はいきなりの事で動かずにいた。
「あんたらもしゃがめ!!」
「ちっ、一体いきなりなんだよ」
「毒園さんどうするんですかこれから!?」
「たまには自分で考えろ!!」
霊夢に再度言われても二人はしゃがむ処か喧嘩を始めてしまった。
「ちっ!!文、その二人連れて校舎に戻っておいて!!」
「りょ、了解しました!!」
霊夢の気迫からただ事ではないと分かったのか文は二人を強引に連れて校舎に戻った。それを確認すると近くの手頃な鏡を探し始めた。
「あったあった!」
霊夢は見つけた鏡にデッキをかざしベルトを腰に巻いた。そして
「変身!!」
龍騎に変身してミラーワールドに急いで向かった。
そして階段の踊り場で文は壁にもたれて屋上の方のドアを見ていた。
「(ふふ、霊夢さん。記者を信用しすぎると痛いしっぺ返しをくらいますよ?)」
踊り場では先程の二人が何かに襲われていた。
「う、うわぁ!?」
「ど、毒園さん!?ひっ!!こ、こっちにくるなぁぁ!!!」
暫くすると二人の悲鳴が聞こえることは無くなった。
「それにしても霊夢さんも馬鹿ですよね~。あれだけの屑を生かしておくなんて。あんなの害以外の何物でもないのに」
その頃魔理沙はと言えば、保健室のベッドで寝てボーとしてた。
「(霊夢の方は進展あったのかね~)」
そんな風に考えていると突然誰かの悲鳴が聞こえてきた。
「きゃぁぁぁ!!!」
その声は聞き覚えのある友人の文の声だった。
「今のは……文の声!?」
それが分かった魔理沙は急ぎベッドから飛び起きて廊下に出ると廊下の先の階段の下で文が足の力が抜けたのか座りこんでいた。
「文っ!!何があったんだ?」
「そ、それが変な蟹の怪物に襲われて……」
「怪物……!?そいつはどっちに行ったか分かるか?」
魔理沙が急かす風に言うと文は階段を指差して言う。
「お、屋上のほうに……」
「分かった。文はすぐに逃げるんだぜ!!」
「わ、分かりました」
魔理沙が走って屋上に行くのを確認すると文はすんなりと立ち上がってスカートの埃を払って喋り出す。
「ふぅ、これで魔理沙さんも霊夢さんの所に行ったでしょう。後は戦法を観察させて貰いましょうかね」
そう言って文もゆっくりと階段を上がって屋上に向かって行った。
「おっ、鏡発見!」
階段の途中に鏡を見つけた魔理沙はそこにデッキをかざした。
「変身!!」
そしてナイトに変身し、ミラーワールドに入って行った。
「ああ、もう!!ちょこまかうざいわね!!」
龍騎がミラーワールドに入るとレイヨウ型のモンスターギガゼールとメガゼールの二匹がおり、龍騎を見るとすぐに攻撃をしてきた。龍騎は攻撃を回避しようとするが常にジャンプをして攻撃してくるせいで攻撃がかわしづらい為攻撃をくらい続けていた。
『ギガゼールとメガゼールですか。このモンスター達は同一個体が多いんですよね』
スターがそんな呑気な感想を告げると龍騎は若干怒りながら言う。
「(そんなことより攻略法はないの!?)」
ギガゼール達の攻撃を避けながらスターと会話をしたせいか龍騎は壁に頭をぶつけてしまった。
「痛いわね!!」
『いや霊夢さん、自爆ですよね?』
「黙ってなさいスター!!」
龍騎が攻略法を考えていると機械音声が聞こえてきた。
『ADVENT』
音声が聞こえると同時にウィングがメガゼールのほうに体当たりをしてもう一体との距離を離れさせた。
「霊夢、こっちの奴は私に任せてくれ!!」
遅れてやって来たナイトは龍騎にそう言ってきた。
「別にいいけど……何でよ?」
「多分昨日先生を拐ったのはこいつだ。昨日の借りを返しとかないと気がすまないんだよ」
それを聞いた龍騎は納得してギガゼール一体に集中してナイトに言った。
「ならしっかり借り、返してやりなさい!!」
「当たり前だぜ!!」
ギガゼールと向かい合った龍騎は一枚のカードを取り出して構える。
「さて、と。一体なら何とかなるカードがあるのよ」
そのカードはドラグレッダーのかくかくしたマークと違うドラゴンソニックスターの滑らかな龍のマークのカードでそれをドラグバイザーに読み込ませる。
『LIGHTNINGVENT』
「それからこれも入れとこうかかしら?」
『SWORDVENT』
さっきと同じスターのマークのソードベントを入れる。すると空からスターの尻尾の全体をもした長剣、ドラグソードが龍騎の手に降ってくる。
「はあっ!」
龍騎が軽く進むと普段じゃあり得ない速度で動きそのままギガゼールをドラグソードで切り裂く。
「おっと、逃がさないわよ?」
『ADVENT』
『私の出番ですね!』
アドベントのカードを使うとスターがやってきて光弾をギガゼールに放ち、更に尻尾を相手の体に叩きつけた。
それをくらったギガゼールは壁にまでぶっ飛んで行った。
「そろそろ終わらせて貰うわよ」
一方、ナイトの方ではナイトがメガゼールをウィングランサーとダークバイザーの二刀流で攻撃していた。
「おりゃ!」
しかし、メガゼールもただ攻撃をくらうだけでなく、反撃で拳をナイトの胸部に叩き込んできたがナイトはそれを物ともせずウィングランサーでメガゼールを切り上げた。
「おっと、そんなの効かないんだぜ!!」
そして落ちてきたメガゼールをウィングランサーの先に引っ掻けて遠くに放り投げた。
「てっ、放り投げちゃ駄目だ!!」
ナイトはメガゼールを投げ出した方に急いで向かった。
「あら?」
ナイトが戦ってたほうから満身創痍のメガゼールが投げ飛ばされてきたのを見た龍騎は不思議そうにメガゼールを見ていた。
「よし、追い付いた!」
「魔理沙、丁度いいわ。一緒に決めるわよ?」
そう言って龍騎はデッキからストライクベントのカードを取り出した。
「おう!!」
ナイトはファイナルベントのカードを取り出し二人は同じタイミングでカードを読み込ませた。
『STRIKEVENT』『FINALVENT』
龍騎の手にスターの頭を模したドラグホワイトクローが装着される。
「これで終りよっ!!」
「はぁぁぁ!!!」
龍騎はギガゼールにスターが光のレーザーを放つドラグクロー・シャインをナイトはメガゼールに飛翔斬を放ち二体は同時に爆発した。
「ふぅ、終わったな」
「ええ……疲れたわね」
「全くだ。霊夢、お疲れ様だぜ」
「あんたもね」
お互いにハイタッチをすると二人は急いでミラーワールドから出て教室に戻った。
その後は何事も無い普通の授業があるだけで終わり生徒は皆帰宅した。
その日の夜
「いやー、霊夢さんも魔理沙さんもお強いですね」
文が自分の家の自室で鏡を見ながら髪を手入れをしていた。その際に誰かと喋っていたが他に人の姿は見えなかった。
『・・・・・・』
文にだけ聞こえる声で何かが喋った。
「あー、大丈夫ですよ。あの二人は強いです。でもそれだけで覚悟はありませんよ」
『・・・・・・』
「そう。私達と違って覚悟ができてないんですよ……よしできた!」
髪の手入れを終えた文が立ち上がった。
『・・・・・・』
何かの言った言葉に文はキョトンとした顔で答えた。
「え、仕掛けるかって?まだ少し様子を見ますよ。舐めてかかって負けたら元も子もありませんし」