「復讐を果たしてどんな気分ですかって?最高ですよ!!」
シザースはそう答えると龍騎に近づきシザースピンチを降り下ろしてきた。
「そう……そこまで堕ちたの文?」
龍騎は何と防御することもなく肩で攻撃を受け止めて文に語りかける。
「何ですって?」
「確かにあんたは普段から飄々としてるけど……自分なりの正義感があったはずよ。それすらも忘れちゃったの?」
「貴女に……何が分かるんですか」
「分からないわよ。両親が殺されたことのない私には、ね」
「両親が殺されたってどういうことだよ霊夢?」
ずっと見ていたナイトが今の発言がどういうことか聞いてくる。
「簡単なことよ文はね……」
いざ龍騎が話そうとすると、
「それは言うなぁ!!」
シザースが普段では出さないような言葉を言って龍騎を蹴り飛ばした。
「くっ、何で止めるのかしら?別に殺人をするぐらいなんだから知られてもいいでしょ?」
「それは……」
シザースが言い淀むのを見ると龍騎は確信を突くように言った。
「友達には知られたくなかったのかしら、文」
「勝手に……想像していてください」
そう言うとシザースは入ってきた鏡から出て行った。
「あれ、何で文の奴逃げたんだ?」
「はぁ、魔理沙。自分の体、見てみなさいよ」
ナイトの呟きに龍騎は呆れながら自分の体を見るように言った。
「うん?てっ何か出てきてるんだが……」
「忘れたのこの世界での制限時間?」
「あー、納得した」
それでナイトも理解したのか二人ともお互いの入ってきた鏡から外に出た。
その後、二人は合流をした。合流するとすぐに霊夢が話し出した。
「さっき文にしてた話の続きを話す前にまずは文の両親についてね」
「文の両親?」
そう聞かれると霊夢は頷いて文のお婆ちゃんから聞いた話を伝える。
「そう。まず文のお父さんは文武両道で様々な世界記録を残したスポーツ選手だったそうよ。記名丸剣って名前ぐらいは眼にしたことあるんじゃない?」
霊夢の発言に魔理沙は必死に自分の記憶を思い出していた。
「あー、確かに昔の新聞とかに載ってたなその名前」
「で、その妻で文のお母さんは記名丸玲子。今はもう無くなった文文。新聞社の設立者で日本で最も優秀だった新聞記者よ」
「その二人がどうしたのぜ?」
魔理沙の質問を聞くと霊夢は苦々しい顔で答えた。
「その二人は自殺したって世間では言われてるけど……事実は違うのよ」
「違うって?」
「その二人は金之宮商事、正確には金之宮伸之に嵌められたのよ」
霊夢がそう発言すると魔理沙も嫌な予感を感じ始めたのか神妙な顔になる。
「まず玲子さんが金之宮商事の悪事を暴こうと調査をし始めたのがそもそもの始まりよ。その過程で金之宮伸之に邪魔だと思われたのでしょうね……薬物を使って殺害されたそうよ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!それで何で世間では自殺になるんだよ!?」
納得出来ないのか魔理沙は大声で霊夢を問い質す。
「事実を揉み消されたのよ、金之宮伸之にね。金之宮商事は当時から権力もそれなりにあったそうよ」
「なら……父親は?」
魔理沙は最悪な想像をしながらも霊夢に聞いた。
「父親は首を吊ったそうよ……文の目の前でね 」
「はぁ!?何でだよ!?」
「落ち着いて聞きなさい」
怒りで興奮し始めた魔理沙をたしなめる霊夢だったが、霊夢自身も話しながら怒りを感じているのが見るからに分かった。
「わ、悪いのぜ」
「じゃあ続き、言うわよ。そうなった理由は剣さんが金之宮商事に玲子さんのことを問い質したからよ」
「問い質した?」
「玲子さんが、そんなことを自らするわけないって講義しに行ったそうよ……当然スルーされたそうだけどね」
霊夢は悲しそうにそう呟いた。
「それでどうなったんだ?」
「それは詳しく分からなかったけど……噂じゃ暴力団に狙われて、逃げれないと悟った剣さんが文を押し入れに隠して首を吊ったそうよ」
出来るだけ小声でそう言うと一呼吸置いて続きを話し出す。
「その暴力団は十中八九、金之宮商事の手の者だったんでしょうね。でも、殺せとまでは言われてなかったのか知らないけど、剣さんの死体を見てびびって逃げたそうよ」
「そうか……それで文の奴」
文の復讐がどういうことか理解したのか魔理沙は俯いた。
「それで文は逃げる暴力団が言ってた金之宮商事って名前と玲子さんの手帳から導きだしたそうよ犯人を自分なりに考えたのよ……一人でね」
「そうか……それっていつのことなんだ?」
「小学生のころだそうよ」
それを聞いた魔理沙は先程以上に悲痛な表情で呟く。
「私達も辛い思いをして転生してきたけど……文の奴も苦労してきたんだな」
「ええ……私はそろそろ神社に帰るわ」
話終えて疲れたのか霊夢は肩を揉みながら背を向けた。
「そうか。じゃあ私も帰るかな」
そう言って魔理沙も孤児院の方に体を向ける。
「魔理沙また明日」
「ああ、また明日」
二人は別れてそれぞれの家に帰った。
そして場所は変わって文の家では丁度文が家に帰ってきた所だった。
「お婆ちゃん、ただいま……」
「お帰りなさい文……何か嫌なことでもあったの?」
「え、何で?」
「顔が悲しそうよ?」
お婆ちゃんにそう言われた文は咄嗟に顔を隠して早口で話始める。
「っ!!な、何でもないよ!!」
そう言うと文は急いで自室に戻った。
「ふぅ……父さん、母さん。私は間違ってませんよね?」
文は自室に置いてある両親の写真を見ながら呟いた。すると鏡にボルキャンサーが写った。
「何ボルキャン?」
『後悔しているんじゃないか?あの二人の前で奴を殺したことを』
「そんな事あるわけない!!そんなわけ……あっちゃ駄目なのよ……」
ボルキャンにそう言われた文は始め大声だったが徐々に言いたくないかのように声が小さくなっていった。
『お前の願い……両親の敵討ちと両親の復活のうち片方は終わった。だが……本当に全てが終わったら自首するのか?』
「ええ。屑とは言え既に私は何人も人を殺しました。そしてこれからもライダーを倒すんですよ。願いを叶える為とは言え殺人は犯罪ですからね」
自分の手を見ながら文はそう呟いた。それを聞いたボルキャンも覚悟を決めたのか、しっかりとした声で告げる。
『分かった。ならばこのボルキャンサー、命を懸けてその願いを叶えてみせよう』
「ありがとねボルキャン」
そう言って文はベットに入って行き就寝した。それを確認するとボルキャンは何処かに行った。
その深夜のミラーワールド
『こうやって話すのは初めてだなボルキャンサー』
遅れてやって来たボルキャンに対して既に来ていたレッダーが挨拶をした。
『そうだなドラグレッダー』
『そもそもお前は前の世界ではすぐに殺られたからな』
そうウィングが横やりを入れるとボルキャンは自分のハサミを向けて注意した。
『ダークウィング、それは奴が屑だったからだ』
『私はこの世界で初めて生まれましたから、前の戦いってのは知りませんけど……大変だったのは聞きましたよ』
最後にスターが喋りこれまで出現した契約モンスター達が会合をしていた。
『そうだ。お前達全員、今回の主についてどう思う?』
ウィングが全員に聞くと始めにレッダーとスターが霊夢について答えた。
『霊夢の奴はいい主だな。俺と戦えるというのが気に入った』
『初めてのマスターですが素晴らしい方だと思いますよ、霊夢さんは』
次にウィングが魔理沙について思ったことを言う。
『魔理沙も泥棒らしいという点を抜きにすれば良いマスターだな』
最後にボルキャンも文について簡潔に言う。
『私の主の文も素晴らしいぞ』
ライダーの戦いとは圧倒的に違う温度差で話が進んで行き、会合は朝まで続いた。
朝、霊夢と魔理沙は一緒に学校に登校して来ていた。
「魔理沙……昨日は寝れたかしら?」
「微妙なのぜ……霊夢は?」
眠そうにしている魔理沙が霊夢にそう聞くと霊夢は手をヒラヒラさせながら答える。
「それなりに寝れたけど……学校が憂鬱過ぎるわ」
「まあ流石に今日は文も休んでるだろ」
二人が学校につき教室に入ると予想に反して文がおり、すぐに此方に近づいてきた。
「あやや、お二人ともおはようございます!!」
「はっ?いや……何でいるのよ文」
「そりゃここの生徒ですから!!(それにあれぐらいの事でいちいち休んでいてられせんよ」
小声で二人にそう言うと二人はそれに呆れの方が勝ったのか脱力してしまった。
「あのなぁ……」
魔理沙が昨日のことを話そうとすると文は懐から二枚の写真をこっそりと見せた。
そこにはこの前のゼール達との戦いの時に霊夢が龍騎に魔理沙がナイトになる瞬間の姿が写っていた。
「んなっ!?」
「これは……脅しのつもりかしら?」
「まあ、そうなりますかね。でも、あの事をはたてと紅葉に黙っていてくだされば口外しませんよ」
「そういうことね……分かったわ」
文の頼みを了承した霊夢に魔理沙は再度聞き直す。
「えっ、いいのかよ霊夢?」
「いいのよ。私も文にちょっと負い目があるからね」
「負い目?」
魔理沙がそう言うと霊夢は文に頭を下げて言う。
「文、この前殴って悪かったわね」
「いえいえ、気にしてませんよ。霊夢さん」
霊夢が文に謝り、一応の仲直りを果たした。
その夜ミラーワールドのある場所
「・・・・・・・・・」
『SHOOTVENT』
新たなライダーが動き出していた。
最後のライダーは多分分かる人は多いんじゃなかろうか
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