やはり俺が正義の味方になるのはまちがっている。   作:Seli

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2話

〈八幡 Side〉

 

あれから桜の機嫌は良くなり、今では楽しそうに鼻唄を歌っている。

 

 

桜「ふんふふーん~」

 

この楽しそうな光景を見ると、天使が歩いているように見えるが、俺はさっきから警察に通報されないかビクビクしている。

 

 

周りから見たら誘拐途中の犯罪者だよ……………

 

 

 

桜「どうしたの、お兄ちゃん?」

 

 

 

桜は首をかしげながら俺に訪ねてきた。

 

 

 

「いや、別に。それより見つからないな。桜の母ちゃんと姉ちゃん。いったいどこにいるんだろうな? んー、やっぱり家に連れていく方が早いか?」

 

 

俺の言葉を聞き、桜が家族が見つからないことに不安になり泣きそうになっていた。

 

 

桜「お母さん、お姉ちゃん………。ぐすっ。」

 

 

ってヤバイ。ここで泣かれたら、注目浴びて警察のお世話になってしまう!

 

 

俺は桜の頭を撫でて

 

 

「大丈夫だ、桜。俺が家まで連れて行ってやるから家まで案内してもらえるか?」

 

桜「分かった。付いてきて、お兄ちゃん!」

 

 

桜は俺の手を引き、家がある方向に向かい始めた。

この歳で、家の場所を覚えてるなんて偉いな~と思いながら、桜に付いていくのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

あれから20分ほど歩き、俺は大きな洋館の前に来ていた。

うわぁ、マジで遠坂邸じゃねーか。

別の遠坂さんであって欲しかったが、流石にそんな上手い話は無いですよね。

 

 

桜「着いたよ、お兄ちゃん!」

 

桜は迷子にならないで来れたことを誉めて欲しいのか、腰に手を当ててエッヘンと威張っている。本当何なの、この可愛い生き物は。ここに天国があったんだな!

 

 

桜の頭を撫でながら

 

 

「桜は自分の家をちゃんと覚えていて偉いな。」

 

 

桜「えへへ。」

 

 

俺はこの子の笑顔だけは何があっても守ろうと誓うのだった。

おっと、いつまでもこうしている訳にはいかないな。家に誰かいるか確認してみたいとな。俺は、家の門を開けて桜と共に敷地内に入った。

 

 

ほえー、広い庭だな。こんな金持ちなら働かなくても食っていけるんだろうな。ちくしょう、遠坂家は羨ましいな。俺も遠坂家の子供になって楽したいな…………。

ん? 何かこちらを見られている? って虫か?

この庭は虫がよく飛んでいるな。あの虫とかマジで気持ち悪いな。こっちに近づいて来てるんだけど。

どうしてこんなに虫が徘徊しているんだ? 普通の人なら駆除するだろうし、桜の父親が虫好きとかか?

もしそうだとしたら流石に趣味が悪いぞ。

俺は危ないからと言い、桜を玄関のドアの方へと向かわせた。

 

 

 

 

ああもう、さっきからブンブン五月蝿いぞ。

俺は手で払おうとして、虫に当たった瞬間弾けとんだ。

は? 何で虫が弾けたんだ? まさか………?

思い出した! この虫は、原作で視聴者を散々

気持ち悪がらさせた奴か!

いや、まだ確定ではないな。とりあえず、他の虫にも触れてみよう。

俺は近くにいる三匹の虫に触れた瞬間、最初の一匹と同様に弾けとんだ。

 

 

うん、やっぱり間違いない。この虫魔術で動いてやがる。俺は、自分に害が及ぶ魔術を関知した場合破壊する魔術を体に施してある。それが発動したから間違いないはずだ。

何でそんな魔術を施しているかって?

それは、あのクソ老人との修行で命を守るために身につけたものだ。それ以来外敵から身を守るために使うようにもなった。

 

って考え事してる場合じゃないな。

俺は急いで桜の元に向かい手をとった。

 

 

桜「お兄ちゃん、どうしたの?」

 

 

「良いか? 俺から離れるなよ。」

 

 

桜「う、うん…………」

 

 

俺はインターホンを押して中に人がいるか確かめてみた。

反応は無いな………………。

 

不法侵入になるかもしれないが仕方ないな。

桜の家族に何かあったら遅いしな。それに桜には家族がいない寂しさを味わって欲しくない。

 

俺はドアノブに手をかけると、ドアが吹き飛んだ。

それを見て桜は目をパチクリさせて固まっており、俺は滝のような冷や汗を流していた。

ヤバイ。まさかドアに魔術で結界をはっているとは思わなかった。今の感じだと、この家の魔術結界を完全に破壊しちゃったかな……………。

弁償代どのくらいするのかなー。

俺は、この歳で借金背負って一生社畜確定じゃないか。さらば夢の専業主婦ライフ。

そんなアホなことを考えていると、髭を生やした紳士という男性が急いで2階から降りてきて凄い剣幕で叫んでいた。

 

???「いったい何が起こったのだ!? 魔術師の襲撃か! ここを冬木の管理者遠坂の家だと知っていての狼藉か!」

 

 

 

桜「あ、お父さん!」

 

桜は俺から手を離し父親の足に抱きついた。

 

 

???「桜!? どうしてここに? お前は確か、葵と凛と共に出掛けたはずでは……………

貴様何者だ!? 葵と凛はどうした!」

 

 

桜の父親は、杖を俺の方へと向けてきた。

怖っ! いきなり殺気をぶつけないでもらえますかね!?

 

 

「ひゃ、ひゃい! 私は、結界を壊した以外何もしてましぇん!」

 

怖すぎて噛んじゃったよ………。

本当誰か助けてくれよ!

 

 

???「嘘をつけ! どこの刺客のものだ!?」

 

ひぇぇ、全然信じてくれないよこの人………。

 

俺はどうやって信じてもらおうかと考えていると、

 

 

桜「お父さん! 八幡お兄ちゃんを苛めたらダメだよ! お兄ちゃんは、私が迷子になってくれたのを助けてくれたの! だから、苛めたらダメ!」

 

 

 

桜が俺を庇うように両手を広げて、父親から守ってくれていた。俺は桜の言葉に救われるのだった…………。

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