やはり俺が正義の味方になるのはまちがっている。 作:Seli
〈八幡Side〉
ご飯を食べ終わり、交代でお風呂に入り桜が眠そうだったので寝かしつけてリビングでアルとゆっくりしていたら膨大な魔力の流れを感じた。
「…………! ついに始まったか………」
アル「ハチマン、これは!? 」
「どうやら聖杯戦争が始まったみたいだな…………。 冬木の各地で、サーヴァント達が召喚されていってるな。初めの奴は、アルと魔力の感じが似てるな」
アル「ええ。恐らく別の慣れの果ての私でしょうね。私の予想では、聖剣を手にした未来の可能性が高いです。あくまで予想ですが………」
「なるほどな。まあ、こっちは気づいたとしても向こうは気づくことないだろう。お前が戦闘状態になり、魔力を解放しない限りな。
俺達に害が出そうな場合には動くぞ。それ以外は、極力干渉しないようにする」
アル「分かりました。英霊の位置を少し探りたいので結界を張ってもらえますか、ハチマン?」
「分かった。それと冬木の街のマップだ。場所を言ってくれたら、印をつけていく」
アル「分かりました」
俺は地図を準備してアルの言うとおりに結界を張った。
アルは目を瞑り、サーヴァントの位置を探っている。
30分ぐらいたちアルが目を開いて言った。
アル「どうやら7体のサーヴァントが揃ったみたいですね。場所は、こことここ…………
以上です。それともう一点気になることがあるのですが、この場所に微弱ですがサーヴァントの気配を感じました。私というイレギュラーは別にして、サーヴァントは本来、セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーの7クラスの英霊しか聖杯の補助で召喚できないはずです。
なのに、8体目を感知したということは、この聖杯戦争は…………」
「おかしなことが起こる可能性が高いってことだろう? おそらく、俺やアルがこの街にいる時点でイレギュラーが起こっている可能性が高い。あのゼルレッチの爺さんのおかげで、俺とアルは周りに影響を与えるはずだ………
不本意ながらな。そのせいでまだ何かイレギュラーが起こりそうだな」
アル「…………そうですね。ゼルレッチ卿とハチマンのおかげで私はこの場所に存在できていますし、それだけでこの世界に与える影響ははかり知れないでしょう。やはり私はいない方が………痛っ!」
俺は悲しそうな顔をしてアホなことを言うアルのおでこをデコピンした。
「何バカなこと言ってるんだ、お前は。変なとこでやたら気にするよな」
アルはおでこを押さえながら
アル「私のせいでたくさんハチマンに迷惑かけたのは事実じゃないですか。私などいなければ、ハチマンは、ゼルレッチ卿に弟子入りもせず普通の人として生きられたのに………
なにひゅるんですか?」
俺はアルの両頬を引っ張りながら言った。
「もう一度そんなことを言ってみろ。本気で怒るぞ? お前は気にする必要無いんだよ。俺が好きでやったことだから気にするな。それにアルと出会って、あの爺さんに弟子入りしたことを後悔したことは無いし、感謝してるんだよ、こう見えてな」
俺は気恥ずかしくなりアルの頬から手を離し他所を向いていると、アルが笑いながら
アル「ふふっ。そうですね。全く、ハチマンは捻デレですね! そんな貴方だからこそ、私は貴方の側に居たいと思ったんですよ」
ちょっとアルさん? 捻デレって造語なんなの? 誰が言い始めたか気になるな~
一番可能性が高いのはあの爺さんだな。よし、今度爺さんには痛い目にあってもらおう!
ってかアルさん、その笑顔は反則級に可愛すぎでしょ。あやうく勘違いして告白し、フラれるまであるぞ」
「捻デレってなんだよ。って、どうしたアル? 顔が赤いぞ?」
アル「あっ、その、声に出てましたよ、ハチマン。 私が可愛いなどあり得ませんし、そのような冗談は心臓に悪いのでやめていただけると助かるのですが…………」
…………マジですか?
やべーよ! 思ったことが声に出てたみたいでアルさんに聞こえてたよ!
恥ずかしすぎるぜちくしょう!
穴があったら入りたい…………ってか布団にくるまって記憶を消したい。
「わ、悪い。俺から急にそんなこと言われても気持ち悪いよな。すまなかった。忘れてもらえると助かる」
アルは頬をかきはにかみながら言った。
アル「いえ、その。ハチマンからそう言われ、嬉しかったので忘れることは難しいですね。嫌な気持ちでは無かったので、気にしないでください」
「そ、そうか」
お互いに恥ずかしがっていると、二階の俺の部屋から大きな魔力の流れを感じた。
「何!?」
アル「これは!? 急いで向かいましょう、ハチマン!」
「ああ!」
俺とアルは急いで二階に上がり俺の部屋に向かった。桜に危険が及ばないように、桜の部屋に防御魔術を施して、俺の部屋の扉を開けた。
部屋の中は、目が開けられないほどの光が発生した。
「何だこれは? アル! 最悪な状況を想定してすぐ武装できるようしておけ!」
アル「分かりました!」
俺とアルはいつでも戦闘出来るように態勢を整えた。
そのあと数分して光がおさまった。
「いったい何が?」
アル「ハチマン、気をつけてください!」
俺は警戒をしながら目を開けてみるとそこには
???「サーヴァント――ルーラーです。すぐ人にお会いできて、本当によかった! ここはどこか教えていただけますか?」
青と銀の鎧を着て、白い旗を持っている長髪の金髪美人がいたのだった……………。