やはり俺が正義の味方になるのはまちがっている。 作:Seli
〈八幡 Side〉
ちょっと整理させてくれ。桜を寝かせアルと話していたら俺の部屋から急に膨大な魔力を感じ、そこに向かうと青と銀の鎧を着て、白い旗を持った金髪美人さんがいたってどんなファンタジー世界だよ…………
しかも、生前にめちゃくちゃ見覚えがある顔だし………。
ルーラーと言ったか? fate/staynight世界でのサーヴァントは、セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーの7クラスのはずだ。エクストラクラスのアヴェンジャーはいたが、ルーラーはいなかったはずだ。俺というイレギュラーが存在した影響か? 確実に本来の世界より変わってきている気がするが…………
アル「ハチマン! 危ないので下がっていてください! 貴様は何者だ? ハチマンのことが狙いか? もしそうなら容赦などしない」
アルは俺を庇うようにして立ち、ルーラー?と呼ばれるサーヴァントを警戒している。
ルーラー「えっと……………大丈夫でしょうか? それにそちらの方は…………なるほど。貴方もサーヴァントなのですね。かの有名なアーサー王に会えるとは思いませんでした。
貴方は聖杯を通して召喚されている訳では無いので、今回の私が召喚されたことに関しては関係なさそうですね。」
ルーラーは、アルに対して言った。
アル「なっ!? なぜ分かる? もう一度問う。貴様は何者だ? 答えなければ………」
ルーラー「私はルーラーとしか言いようがありません。私と闘うことは余りオススメしませんよ?」
アル「どうやら力ずくで聞く必要があるようだな…………」
アルはそう言い、槍を実体化させた。
ルーラー「もっと聡明な方だと思ったのですが、仕方ありません」
って俺が考えを纏めてる時にヒートアップしているんだ、あのバカ共は!
「このアホ! 家を破壊する気か! それに桜が寝てるんだぞ!」
俺は今にも闘いを始めようとしている2人の頭にゲンコツをかました。
アル「痛いですよ、ハチマン!」
ルーラー「痛いです! いったい何をするんですか!?」
「うるせぇ、この脳筋ども。ここで暴れるっていうなら容赦はしないぞ?」
俺は笑顔で2人に言った。アルの方は分かっている為、体を震えさせながら言った。ルーラーの方は、分からないのか首を傾げていた。
何なのそのしぐさ?美人がしたらダメだろ。可愛すぎでしょ」 ってそうじゃない。
とりあえず、コイツらを大人しくさせないと…………
ん? アルの奴が頬っぺたをプクっと膨らませていて、ルーラーの奴はめちゃくちゃ顔を赤くしていた。
アル「ハチマン? また、声に出てましたよ!」
ルーラー「美人で可愛いって初めて言われました…………」
「マジかよ。お願いですから通報するのだけはやめてください、ごめんなさい」
ルーラー「そ、そんなことしませんよ! お願いですから頭を上げてください」
「あ、ああ。それで、あ、あにゃた。ごほん、アンタのことを教えて欲しいんだが、どうして召喚されて実体化できている?」
ルーラー「それはここに落ちていた小さな宝石のおかげかと思います。この中に膨大な魔力が込められているから、常に持っておけと紙に書いて置いていましたよ?」
ルーラーはそう言い、俺に紙を見せてきた。
そこには、俺の師匠である人物の筆跡で文字が書かれていた。
何々? ルーラーと協力して聖杯戦争を探れだと? 場合によっては介入してどうにかしろって適当すぎるだろう、クソジジイが…………
アル「何て書いてあったのですか、ハチマン?」
「ルーラーと協力して聖杯戦争を探れだと。あくまで俺の予想だが、ゼルレッチのジジイがこの聖杯戦争がおかしいと気づきルーラーを召喚し、俺達に介入させようとしたってところだろう。ジジイが直接介入すると、更に別の世界まで事実にしてしまう可能性があるし何が起こるか分からないからな。まあ、ジジイが観測している時点で、この世界自体が事実になってしまっているけどな」
アル「なるほど。しかし、このサーヴァントは信頼できるのでしょうか? 真名だけでも聞いておいた方が良いのでは?」
「それは大丈夫だろう。真名を聞かなくてもコイツは信頼できる。敵対するような意思を感じられないし、もし敵対するようなら既に俺たちはやられているはずだからな。それに俺が感じたことだが、アルと本質が似ている気がするしな…………」
アル「そうですか。ハチマンのことを信じましょう。しかし裏切ると分かったなら、その時は容赦しません。」
ルーラー「私を信じていただきありがとうございます。ここに貴方達を裏切らないと誓います。お二人の名前を聞いても宜しいでしょうか?」
「比企谷 八幡だ。よろしくな」
アル「アルトリア・ペンドラゴンだ。クラスはランサーだ。よろしく頼む。ハチマンからはアルと呼ばれている」
ジャンヌ「ハチマンくんにアルさんですね。私の名はジャンヌ・ダルクです。よろしくお願いしますね、二人とも!」
俺達は、お互いに自己紹介をして今後に向けて作戦会議をしていくのだった。あっという間に時間がたち、いつの間にか外は明るくなり、次の日になっていた。
俺達は軽く睡眠をとるのだった…………。