カランカラン
来客を知らせるベルが店内に鳴り響く。やってきた客の相手をするために厨房から商品を並べているショーケースの置いてある店内にやって来ると見えた客は彼女だった。
「いらっしゃい花音ちゃん」
「こんにちわ、隼人さん」
やって来たのは松原花音ちゃんだ。明るい青色の髪をサイドテールにまとめている女の子だ。そして俺の年の離れた彼女だったりする。
「今日もいつものでいいかい?」
「は、はい。それでお願いします」
花音ちゃんは俺が務めているケーキ屋によく遊びに来る。花音ちゃんがケーキやクッキーといったお菓子が好きなのも理由の一つだと思うが、俺に会いに来ているとならば嬉しい。まぁ、直接聞いたわけではないから推測だけど。
彼女には前から試作品を食べてもらっている。彼女の意見は何かと参考になるので助かっていたりする。
「今日はフルーツタルトを作ってみたよ」
「わぁ、おいしそうです」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。さ、どうぞ」
彼女にタルトの乗った皿を出すと俺も対面に座る。今日は彼女が来たら店を閉めようと思っていたので、もう休みのようなもんだ。
この店は俺の家族がやっている店だ。祖父が一人で立ち上げ、従業員たちと頑張ってきたものらしい。父は残念ながら受け継がないでサラリーマンをやっており、孫の俺が継ぐことになっている。
高校を卒業後、祖父の縁でイタリアに渡りそこで修業を積んでこっちに戻ってきた。その後祖父からお前に継がせる気だと言われ、暫くの間、俺と従業員たちだけでこの店を動かしている。
花音ちゃんと再会したのもこっちに戻ってきてからだ。
家が近いこともあり昔から遊んであげた相手だったのだが、凄く可愛くなっていて驚いた。
「それでどうだい?」
「美味しいです!このタルトならお店の紅茶に合う気がします」
「そうか……ちょっと待ってて紅茶入れてくるよ」
店の紅茶は祖父の知り合いから仕入れている。店内で食べる人向けにケーキセットとして紅茶とケーキを出している。
「はい、お待たせ。熱いから気を付けてね」
「ありがとうございます」
彼女が紅茶を飲むものを見ながら俺も持ってきたコーヒーを飲む。
むぅ、まだまだコーヒーの方の腕は上がらんな。俺が渋い顔をしていると花音ちゃんが不安そうに声を掛けてきた。
「あ、あの。何かありましたか?相談に乗りますよ」
「ん?ああ、大丈夫だよ。コーヒーの腕は上がらないなって思ってただけさ」
「そうなんですか?なら良かったです」
「心配してくれてありがとう。そうだ、今週末空いてる?」
「はい、その日は練習もないので大丈夫ですね」
「じゃあ、一緒にちょっと遠くのケーキバイキングに行こうか。花音ちゃんに意見貰って助かってるけど、他の店の味も参考にしたいからさ」
花音ちゃんはバンドを組んでいるらしい。彼女から聞いただけなので詳しくは知らない。いつか見に行きたいと思っているのだが、中々時間が出来ないのだ。
★★★★★
今日は花音ちゃんと試食に行くという建前のデートだ。
気温が暑くなく、かつ寒くないという丁度いい。空も雲が一つもないほどの快晴。
うん、気分が何時にまして良くなってきた。少し鼻歌を歌いながら彼女の家へと向かう。
花音ちゃんは良くある待ち合わせ場所で会うという方法を取りたかったらしいけど、彼女の方向音痴が原因でその案は取り消された。
なので俺はこうして彼女の家へ迎えに行くのだ、
「お、おはようございます」
「ああ、おはよう」
インターホンを鳴らし暫くすると花音ちゃんが外行きの格好をして迎えてくれた。
「準備は大丈夫?」
「うん。大丈夫」
「じゃあ行こうか」
彼女の手を自然にとり歩き出す。
時刻はそろそろ昼となる。ケーキバイキングに行くならお昼時の方が良いだろうという考えだったりする。
電車で切符をタイミングよくやって来た電車に乗り込む。
お昼時だからか、普段よりは車内はすいている。空いている席を見つけ二人で其処に座った。
「今日は空いてますね」
「そうだね。まぁ、お昼時だし出掛けるには丁度良いね」
「はい。あ、そうだ。隼人さんは」
BanG Dream!にハマってた時期に書いてたやつです。
去年の8月終わりに入院して、連続ログイン途切れてからと、通信料を抑える為入院中にやらなかったことを切っ掛けに離れてしまったアプリです。でも、確定ガチャとか回して金は入れてたんだよなぁ。最後の記憶はP5コラボの頃。