転生してみませんか?   作:RyuRyu(元sonicover)

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こんにちは。

EXトライマスターまでまだまだ先が長いどうもRyuRyuです。

待っているのは最高の週末だ。

という事でついに始まりますね、Jリーグ。

何年か前のスカパーのCMでのセリフなんですけど、覚えてるんですよね。

今年も作者はちゃっかりと川崎を応援したいと思ってますよ。

それはさて置いて。予告通りの短編集です。

今回は四つ程、本編では語りきれなかった斗真と愉快な仲間たちのお話をお送りします。


9.5話 短編をいくつか書くと文字数がかさむ件について

 『戸山姉妹のはじめてのおつかい』

 

 

 夏休みもそろそろ終わりに近い今日。俺は母さんに頼まれて隣町のショッピングモールに珈琲豆の買い出しに出かけていた。

 

「あ、このシリーズ新刊出てる」

 

 豆も買い終え、お釣りは好きに使っていいと言われたから本屋の店頭で新書のチェックをしていた時。

 

「……何やってんだあれ」

 

 本棚の陰で女の人がどこかを見ながら隠れていた。

 

 つか、ぶっちゃけその女の人、俺の知り合い。

 

「……香織さん」

 

 声をかけるか帰るかで六:四で帰るつもりだったけれど、顔見知りの不審行為を見逃せずに声をかけてしまった。

 

「あら、斗真君?偶然ね、こんな所で」

 

「どもっす。ホントに偶然ですね」

 

「斗真君はお買い物?」

 

「ええ、まあ」

 

「偉いわねぇ。流石斗真君ね〜」

 

 こののほほんとした雰囲気はどこかモカに似ている。

 

「で、何やってんすか」

 

「ふふ、あそこ。ほら見て」

 

 香織さんの指さす先を見ると、香澄と明日香ちゃんが手を繋いで歩いていた。香澄の繋いでいない方の手にはトートバッグが握られている。

 

「もしかして、あれですか?」

 

「そうなの。香澄と明日香に初めてお使いを頼んだの」

 

「だけど心配だからついてきたと」

 

「てへ」

 いや香織さん、てへって……。でもそれが似合うくらいに若々しい。ぶっちゃけカワイイ。

 

 じゃなくて、ついてきちゃおつかいじゃないでしょ…。

 

「何を頼んだんですか?」

 とは言っても、香織さんの気持ちもわからないでもない俺。本棚に一緒になって隠れて聞いた。

 

「んーと、夕ご飯の材料ね。鶏肉とケチャップと…あと卵と牛乳。今日はオムライスにしようと思っているのよ」

 

「ふーん、そうなんですね」

 

「そうなのよ。あ、ほら見て、あのアクセサリーから目が離れない香澄。可愛いわぁ」

 

 まあ、確かに可愛い。動かない香澄をひっぱる明日香ちゃんも可愛い。

 

 けれど。

 

「あの、香織さん?」

 

「なぁに?」

 

「材料買う所って一階のスーパーですよね?」

 

「そうだけど……どうしたのかしら?」

 

「ここ四階っすけど。まだ何も買ってないっぽいですし、もうすぐ日も暮れますよ」

 

「…あら」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……てへっ」

 

 か、カワイイっ!

 

 その後ワタワタする香織さんが姉妹に見つかって、結局俺も含めた四人で買い物した。

 

 なし崩し的に食べる事になった香織さんのオムライスは絶品でした、まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『唐突に思いついた今後絶対使わないネタ』

 

 ある日の夕食後。

 

「なぁ斗真。お前この中で誰がタイプだ?」

 

 父さんがテレビを見て言ってきた。ちょうど各年代の人気女優の顔写真が映っている。

 

「…この人」

 

 俺は素直にタイプの女優を指さした。

 

「…お前、そんな年上がいいのか?俺の歳と大して変わんねぇぞ」

 

 ……。

 

 悪かったなぁ!!俺この人とタメなんだよォ!!

 

 

 

 

 

 

 

 『異空間』

 

 

「来たわね斗真!さあ、遊ぶわよ!」

 

 とある休日。俺は弦巻邸にいる。あれから行ける日は行くというスタンスでフラっとこころん家に行っては死神さんも巻き込んで遊んだりしている。

 

「その前にこころ。今日はコイツの親探しでもしないか?」

 

 こころの腕に抱えられている子猫を見て言う。

 この子を保護してから、迷い猫の貼り紙を貼ってはいるけれど、未だに連絡は来ていない。

 

 となると、残されたのは野良の子供で迷子になったか、可哀想だけれど捨てられたかの二つ。

 

「そうね、そうしましょう。この子もきっとお母さん猫に会いたがっているとおもうわ!」

 

 という事で、俺とこころは子猫の母親を探しに弦巻邸を後にした。

 

 テキトーにフラフラっと捜し回っていても多分見つからないから、とりあえず子猫を保護したあの公園に向かう事に。

 

 あの時とは打って変わって晴天な今日は子供やお年寄りで賑わっている。

 けれども見えるのは人間だけで、公園内探しても猫が一匹も見つからなかった。

 

 こころにベンチで待っていてもらい、茂みを探していた時の事だった。

 

「ねえ、あれって弦巻さんの所の子じゃない?」

 

「あら、本当ね。どうしたのかしら、こんな所に」

 

「やめた方がいいわよ。下手に関わったら何されるかわからないんだから」

 

「そうね。それにあの子もちょっとおかしい所もあるらしいし」

 

 聞こえてしまった。

 こころが、弦巻が世間からどんな風に見られているか大体の予想はついていたけれど、悲しいかなその通りだった。

 

 現に今、こころの周りには誰も近づいていない。

 そしてそういった他人からの悪感情に敏感なこころは……

 

 

 ……ああ、胸クソ悪い。

 

 

「おーい、こころー」

 

 わざとガサガサと音を立てて立ち上がると、さっきまで嫌な会話をしていたママ友たちが驚いた顔で一斉にこちらに振り返った。ははっ、ざまァ。

 

「どうだったかしら?」

 

「ここにはいないみたいだし、一旦帰るか」

 

「そうね…そうしましょう」

 

「……あ、そうだ」

 

「どうしたのかしら?」

 

「ちょっとここで待ってて」

 

「…?ええ、わかったわ」

 

 公園の入口の所でこころを待たせて俺は再度公園内に戻った。

 

「あの、すみません」

 

「な、何。どうしたの?」

 声をかけたのはさっきこころの陰口叩いていたお母様方。

 

「僕達、子猫の母親を僕とこころで探しているんですけど、どこか野良猫がよく集まるような所とか知りませんか?」

 

「さ、さあ。知らないわ」

 

「そうですか……あ、すみません邪魔しちゃって。けど困ったなぁ。こころが親猫に返したいって聞かなくて…」

 

「そ、そうなのね」

 

「あ、それなら僕知ってるよ!」

 

「あ、こらケンちゃん!」

 

「ケンちゃんって言うの?どこだか僕に教えてくれないかな?」

 

「えっとね、はしの下の草むらに猫さんたくさんいたよ!」

 

「そっかぁ、ありがとうケンちゃん。あ、そうだ。ケンちゃんっていくつ?」

 

「ろくさい!」

 

「弦巻こころちゃんって知ってる?」

 

「うん!おなじクラスだよ!」

 

「そっか。じゃあさ、お兄ちゃんと一つ約束して欲しいな」

 

「なあに?」

 

「こころと仲良くして欲しいんだ。朝に『おはよう』って言ったり、帰りに『またね』って言ってくれるだけでいいんだけど…ダメかな?」

 

「ううん!いいよ!僕お兄ちゃんと約束する!」

 

「よし、よく言ってくれたねケンちゃん!じゃあ指切りしようか」

 

「うん!ゆーびきーりげーんまーんうーそついたらはりせんぼんのーます!ゆーびきった!」

 

「よし!約束だよケンちゃん。何かあったら俺に言ってね。俺の名前は斗真。羽沢珈琲店っていう商店街のお店にいるからね」

 

「わかった!約束!とーまお兄ちゃん!!」

 

 ……よし、これで少し変わってくれればいいんだけれど。

 

 ケンちゃんの頭をぐしぐしと撫でてから立ち上がると、少しバツの悪そうなお母様方が目に入った。

 

「あ、そうだ」

 

 去り際、俺はお母様方を見て言う。

 

「……こころは、優しくて良い奴です。良く周りが見えている、見え過ぎているくらいに。だから、他人の感情に敏感になってしまう。確かに、好奇心が旺盛すぎて時々突拍子も無い行動をとる時もある。けど、アイツは人を笑顔にさせる天才だ。そんな天才には笑った顔が一番似合う。だから-」

 

 俺は一層強く、見て、言う。

 

「こころから、俺の友達から笑顔を奪うような奴は俺が絶対に許さねぇから」

 

 

 

 

「あーあ、結局親猫見つかんなかったな」

 

「そうね…」

 その後、ケンちゃんに教えてもらった所に行ったけれど、この子の母親らしき猫はついぞ見つからなかった。

 

「そういえば、どうして斗真はこの子になまえをつけようとしなかったのかしら?」

 

「それか、結構個人的な考えなんだけどな。もしさ、名前をつけて可愛がっていたのに親猫が見つかりましたとかで手放す時に少しだけ寂しい気持ちになるだろ」

 

「そうなのかしら?」

 

「俺がそうなだけだけどさ。まあ、今日探して見つからなかった訳だし。もしかしたらだけど、もうここら辺で切り上げた方がいいんじゃないか?」

 

「それって……どういうことなの?」

 

「あー、つまりだな。名前をつけてこころんとこの飼い猫にすればいいんじゃねーかってこと」

 

「……斗真は何を言っているのかしら?」

 

「…え?」

 

「もうこの子はうちの子よ!なまえはそうね…ニクス。そう、この子はニクスよ!」

 そう高らかに宣言するように言うこころ。俺の頭の上でそれを聞いたニクスは「なー」とひと鳴きしてこころの肩に飛び移った。

 

「ニクスか。いい名前だな」

 ニクスの顎を撫でてやると、気持ち良さそうに身を捩らせる。どうやら名前が気に入ってくれたみたいだ。

 

 

 

 数日後。

 

「斗真斗真!!今日学校でケンちゃんって子があたしに『おはよう』って言ってくれたの!あと学校おわったら『またね』って!」

 

「…そうか。よかったな。ケンちゃんと仲良くするんだぞ」

 

 ケンちゃんよ。今度コーヒー奢ってやるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

『死神はつらいよ』

 

 

 

 

 

 

 僕は、死神。

 

 死期が迫った人を冥界に送る、死を司る者。

 

 でも僕達は直接その人の命を刈り取るような事はしない。そう仕向けさせるのが僕達死神の仕事。

 

 

 先輩の死神はそれがとても自然にできる。唐突な心筋梗塞とかじゃなくて、様々な要因が複雑に重なった結果の交通事故とか。

 

 けれど、新人死神の僕はそう上手いこと人間を死に仕向けることができない。

 

 突発的な通り魔とか、不審火による火災事故とか。様々な要因が絡むとどこかで狂って失敗する事がある。

 

 以前、その失敗をした同僚が閻魔大王様に呼び出されたと思ったら、二度と帰って来なかった事があった。多分、消された。物理的に。

 

 

 そんなある日。

 

 今日も今日とて誰かを冥界に送るべく、閻魔城に出勤した僕に、早速仕事が舞い込んできた。

 

「……酒井、斗真」

 

 それが今回僕が命を刈り取る人。十九歳か…。まだ若いのに……。

 

 それでも、閻魔大王様の判子が押されてあるという事は残念だけど、彼の命を刈り取らなければならない。

 

 さて、仕事だ仕事だ。

 

 

 

 

 

 ……何故だ。どうやったら彼は死ぬんだ。

 

 頭上から鉄骨を落としても、車を突っ込ませても、彼は生きている。彼の所だけ鉄骨が落ちなかったり、電柱の陰になって車の直撃を免れたり。

 

 ……何ていう強運の持ち主なのか。

 

 どうしよう。これ以上やると彼以外の人にも危害が及ぶ。詰みの気配。

 

 こうなったら、一かバチか。通り魔を召喚しよう。

 

 

 

 

 ……ふぅ。

 

 やっと仕事が終わった。あと少しでサービス残業するハメになる所だった。

 

 早く帰って撮り溜めたアニメでも見よう。

 

「おい」

 

「え、僕ですか?」

 

「ああ、閻魔大王様が呼んでるぞ。お前なんかやらかしたんじゃねぇよな?」

 

「え、そんな。僕ちゃんと仕事しましたよ」

 

「知らんけど。ほら、行くぞ。俺も呼ばれてんだ」

 そう言う先輩と一緒に閻魔大王様のいる部屋に行くと、部屋の隅から隅を行ったりきたりする上下ジャージ姿の大王様が。

 

「大王様、只今参りました」

 

「ああ、悪いな。急に呼び出して。で、彼が例の彼かね」

 

「ふむ……」

 

 大王様は僕を三秒程見てから、僕に頭を下げた。

 

「すまない」

 もう一度言う。あの、あの閻魔大王様が僕に頭を垂れた。

 

「……え」

 

 えええ……。

 待って、理解が追いつかない。先輩も隣で目を丸くしている。

 

「実は、私の手違いで君には全く関係ない人を殺させてしまった」

 

「え、それってどういう…」

 

 閻魔大王様から知らされたのは、驚くべき事だった。

 

 まさか酒井がサカイじゃなくてシスイと読むとは。

 それに数万年の閻魔大王様の業務において初めてのミスがこれって。

 

 

 

 

 

 

「本っ当に申し訳ございませんでしたぁぁ!!」

 

 一緒に謝罪しに行くという事でやって来た閻魔城内のとある一室。

 現世では恐怖の対象として畏れられている閻魔大王様の華麗なるジャンピング土下座を見た後、なんやかんやで酒井(さかい)改め酒井(しすい)斗真君の転生で話がまとまった時。

 

「あ、君」

 

「え、僕ですか?」

 

「ああ。君に一つ頼み事があるのだが」

 

「はあ、何でしょう」

 

「単刀直入に言うと、君も彼と一緒に転生して欲しい」

 

「……へ?」

 

 閻魔大王様曰く、酒井斗真君の転生後のアフターケアとして僕にサポート役をやってほしい、つかやれとの事。

 

 という事で、僕は田中という名前を貰って斗真君のサポートをする事になりました。

 

 

 

 

 

 

「へぇ。そんな経緯が」

 

「まぁ、閻魔大王様のミスとはいえ、実行したのは僕だからね。斗真君には申し訳ないと思ってるし、仕方がない事とも思ってるよ」

 

「……その割には大王様側からほとんど援助が無いっすよね」

 

「う。それは…」

 

「もしかしたら大王様はそっちに連れ戻す気無かったり」

 

「やめて!僕もちょっとは考えたけど考えないようにしてたんだからぁ!」

 

「考えちゃったんすね…」

 

「それより!君は運が良すぎるんだよ!なんで!?」

 

「や、なんでって言われても。つか、鉄骨落としてきたの死神さんだったんですか。なかなかエグい事しますね」

 

「だってそこにちょうど工事現場があったから……」

 

「なんすかそれ」




9.5話、短編集でした。

短編じゃない気がする?気にしないでください。作者もそう思いました。

さてここで、恒例となりつつあるのが有り難い限りの感謝の言葉を。

☆10:ココアの魂 様
☆10:pepepe- 様
☆9:流儀 様

その他、お気に入り登録、感想を下さった読者様方に最大限の感謝を。ありがとうございます。

さて、次回でこの作品も遂に二桁に達します。

作者自身しては、アニメ二期の時間軸まで書いて行ければなと思っています。

小学生の斗真を大学生まで書いていかなければなのでまだまだだいぶ先は長いですが、引き続き作者の拙い文体にお付き合い頂ければ幸いです。

ではまた10話で。
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