転生してみませんか? 作:RyuRyu(元sonicover)
閻魔大王から転生を提案された俺は生き返れるのならと頷いた。
大王様の説明によると、技術開発部が作り上げた転生装置は転生する際のオプションを三つ設定した後、備え付けのヘッドギアを被るだけで転生できるらしい。そして、転生先は完全にランダムで決められる。
なんだか順番が逆転している気がするがそこにツッコむのならさっきLINEのIDを交換した閻魔大王様からツッこまなきゃなんないから、もう受け入れるしかない。死んでんのに疲れるという矛盾。
とりあえず、『ケンカが強い』『お金持ち』『妹がいる』というどこに転生してもそれなりにやっていけそうなオプションを大王様から渡された契約書に書く。
む、「妹とか要らないだろw」とかいうそこのぼっち。これだけは覚えておけ。
妹こそ正義だ。
▽▲▽▲
転生装置が置かれてあるブースに移動してから契約書にサインを済ませて大王様に渡すと引き換えにヘッドギアを手渡された。
SAOのナーヴギアを彷彿とさせるそれを頭に被ると、技術開発部の連中が慌ただしくなった。そろそろかと思うとなんだかドキドキしてきた。オラわくわくすっぞ。
「もうすぐだね」
「大王様」
ジャージの上に白衣を来た大王様がにこやかに話しかけてくる。数十分前とはまるで別人だ。
「転生した後のバックアップはこっちでやっておくから、斗真君は思う存分に楽しんでくれていいからね」
ここで言うバックアップは簡潔に言えば俺の転生先での記憶について。
転生にもいろいろ種類があって、俺の場合は転生先の身体が二歳の時に目覚めるのだとか。
その時、俺の中に生まれてからの記憶が引き継がれる。
そうすることで両親や近所の人の識別、転生先の世界の法律だったり常識と前世のそれとの差異を無くす効果があるとかなんとか。詳しくは聞いてない。勉強は苦手でした。
「…でも、転生先が分からないっていうのは少し怖いですね」
「んー。それもそうだね。でもまあ、心配しないでいいよ。ウチの技術開発部は優秀だから。そこまで極端な世界には転送されないとは思うよ」
そうは言うが、やっぱり心配なのは心配な訳で。
まだ百歩譲ってチート能力持ちのファンタジーならいいけど、ロボットに乗って宇宙戦争とかなら即座に赤い彗星に宇宙の塵にされる自信がある。
「っと、準備が終わったようだね。まあ、いろいろあると思うけど、何かあったらLINEしてよ」
そう言ってスマホをひらひらと見せる大王様。因みに従者の死神さん達とも友だちになった。
ヤンキーに石油王に死神に閻魔大王がLINE友だちになってる人間ってひょっとしなくても俺しかいない。
「あ、はい。分かりました。…なんか、すんません。いろいろと」
「いやいや!謝るのはこっちだよ。こっちの不手際で斗真君の命を奪ってしまったんだから。償いとは言わないけど、せめて斗真君が転生先の世界でも幸せに生きていけるように見守っているからね」
「そうっすか…。ありがとうございます」
言うと、大王様はにっこりと笑って「こちらこそ。それじゃあ、良いセカンドライフを」と言ってブースを出ていく。
……なんだかんだいい人だった。
大王様が出てからすぐに装置が低く唸り出す。
ヘッドギアを通じて体内に何かが入り込む感覚がしたと思ったら、身体が淡く発光しだす。
いよいよかと思うと、ドキドキワクワクが緊張へと変わる。
襲ってきた眠気を伴って俺は目を閉じた。
ごめんなさい、短くて。
次話は明日あげます。ついでに言うと、明日も短いです。