転生してみませんか? 作:RyuRyu(元sonicover)
どうも。RyuRyuです。
センター古文が百合展開だったとか。
センターの内容にネットが盛り上がるのも最早恒例となりつつあるような気がします。文科省お疲れ様です。
はい。どうでもいいですね。
本編どうぞ
4話 天使と書いてつぐみと読む。
人生何が起こるかマジでホントに分からないものである。
事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもので、俺は一度ショットガンで胴体に風穴を開けられた。
それで死んだと思ったら、閻魔大王と友だちになって別世界に転生した。
…どうだ?あまりにも非現実的だろ?ラノベ一冊書けるレベル。『通り魔に土手っ腹ぶち抜かれたら閻魔大王と友だちになって転生しました』とか。
……長ぇな。絶対売れないこのラノベ。
とまあ、そんなこんなで転生した俺であるが、なんと転生先がガルパの世界だったとは。
俺もそれに気づいた時には三歳ながら狂喜乱舞して両親に本気で心配された。
前世の俺はガチャの度に諭吉を溶かし、イベントはランキング四桁に乗る位にはやり込んでいた。
推し?そんなのある訳ないだろ!みんな推しだ!(キモい)
もちろんつぐみにも新規が出る度に課金してガチャを回し続けた。
……妹に課金するとか、俺ってば結構なクズ野郎じゃないのか。
…
……まあでもいいか!天使だし!(錯乱)
とはいえ、俺がつぐみの兄という事で生じた問題点もある。
俺、羽沢斗真という存在はガルパ本編には本来存在してない人物という事だ。
仮に、ここがアプリのガルパ世界だとしたら、俺は本来存在してはいけない
この事が今後にどう影響を及ぼすか分からないし、もし、俺がきっかけでつぐみがバンドを組まなかったりしたらシャレになんない。
その事を死神さん経由で技術開発部の人に聞いた所、確かにガルパの世界だがアプリのとは世界線が違うとの事。
技術開発部が開発した転生装置は開発仕立てでまだ試運転の状態だったらしく、正規の世界線に転生させることが出来なかったらしい。
だから俺のせいで未来が改変されるという事は無いと言われた。
つか、世界線が違うなら今後俺の行動がどこにどう影響を及ぼすか分からないじゃん。全然結果オーライじゃない。寧ろ悪化してる気さえしてる。
……まあ、そんな事を七歳のうちから考えてもなんかが変わる訳じゃないからその時になんとかする方針で。
とりあえず今は可愛い妹を愛でるとしよう。
「おにーちゃん!今日ね、ひまりちゃんたち来てるんだ!」
「おーそうかそうか。仲良く遊ぶんだぞ」
「うん!おにーちゃんもね!」
そう言って俺の手を引くつぐみ。なんかもう、何しても可愛い。
つぐみの部屋に入ると、すっかりお馴染みのメンバーがおままごとして遊んでいた。
「あ!とーまくんだ!」
「おー!とーま!」
「とーまくんだー」
つぐみと同じ保育園に通うひまり、巴、モカが俺を見るなりわらわらと寄ってきた。
「ようお前ら。元気してたか?」
「うん!とーまくんもいっしょにおままごとしよー!」
裾をぐいぐい引っ張るひまり。喫茶店にいる上原さんと宇田川さんはそれぞれひまりと巴の母親で、夕方になるまで今日はいないがモカの母親を交えてママ会をするのがお決まりになっている。
と、俺の周りで騒ぎ立てる三人とは少し離れた所で居心地が悪そうに人形を持っている女の子がじっと俺を見ている事に気づいた。
艶のある黒髪。初めて見た俺に怯えるような態度には見覚えがある。
騒がしい三人を押さえつけてその少女へと歩み寄る。
お兄ちゃんスキルを発動させて近寄ると、「ひっ」と途端に泣きそうになる。ここでへこたれないのがお兄ちゃんマスターへの道である。なんだそれ。
「こんにちは」
「こ、こんにちは…」
声をかけられた事にびっくりしながらも彼女は答える。
「俺は羽沢斗真。つぐみのお兄ちゃんだよ。君の名前は?」
声音を最大限に柔らかくして聞く。そのおかげか、彼女から警戒の色が薄れた感がする。
「…美竹…蘭」
後に『反骨の赤メッシュ』という二つ名を公式から賜わるようになる蘭は、数年後のあのトゲトゲした口調からは想像もつかない位の小さな声で呟くように言う。
「うん。斗真でいいよ。よろしくね」
「わ、わたしも、蘭でいい…。よろしく、とーま」
よくできましたと頭を一撫ですると、くすぐったそうに身をよじられながら微笑む蘭。控えめに言ってめちゃきゃわわ。
「あー!蘭ちゃんずるーい!わたしもとーまくんにいい子いい子されるー!」
どこまでも元気なひまりがずいと頭を差し出す。撫でてやると、「えへへ」とふにゃっと笑う。
もう、きゃわわすぎて語彙力の低下が著しい最近の俺です。なんかすいません。俺だけいい思いしちゃって。
その後は六人で仲良くおままごとをして遊んだ。
俺とひまりが夫婦役でつぐみと巴と蘭が子供役になって暫くは平和だったけれど、
「じゃーモカはー、きんじょのパン屋さんでとーまくんのあいじんー」
という衝撃の一言でシルバニアファミリーが修羅場ニアファミリーに様変わりして背筋に冷たいものが走った。
後でなんでモカがそんな言葉知っているのかと聞いたら、「おかーさんがねー、ひるどら?を見ててー、それで覚えたー」と答えたので他人事ながら胸を撫で下ろしたのも束の間、
「そーいえば、この前おかーさんがおとーさんのシャツから変なにおいがするって言ってたのー」
という爆弾を落としていった。モカのお母さん、それって加齢臭ですよね?そうですよね?
▲▽▲▽
陽も暮れ、幼女が「うわきだー」と叫び合うカオスなおままごとを半ば強制的に終わらせて、店にいる上原さんと宇田川さんに四人を預ける。
「またなー!つぐみー!」
「うん!またあした!」
一行を店の前で見送って、つぐみに家に戻るよう促すと、「うん」とどこか寂しがるような、そんな声色でとぼとぼと家に戻っていく。
……。
うーん。
……
「なあ、つぐみ」
ドアノブに手をかけるつぐみに声を掛ける。
「?」
「…ちょっと、散歩しないか」
▽▲▽▲▽
家から財布を持って出る。母さんには「遅くならない」とだけ言っておいた。何故か両親には「つぐみはお兄ちゃんに任せておけば大丈夫」とつぐみに関して全幅の信頼を置かれているから、多少帰宅が遅くなった所で怒られるような事は無い。
それでも小一と保育園児だ。そこまで遠くには行かずに近所の公園まで、手を繋いで歩く。
互いに無言のまま夕陽に染まる道をゆっくり歩く。
終始つぐみは俯いたまま。
公園に着いて、二人してベンチに腰かける。この時間帯は誰もおらず、遠くからカラスの鳴く声が聞こえる。
依然、暗いままでいるつぐみ。まあ、大体の予想はついているけど。
「なあ、つぐみ」
前を向いたままで話しかける。
「俺はつぐみの事好きだぞ。大好きだ」
「……!」
つぐみがこっちを向いた気がしたけれど、構わずに少し乱暴に頭をわしゃわしゃと撫でる。
「俺はつぐみのお兄ちゃんだし、俺がつぐみのお兄ちゃんである限り、どっかに離れたりしないよ」
瞬間、つぐみが抱きついてきた。鼻を啜る音が聞こえる。
…全く、世話のかかる可愛い妹だ。
要するに、つぐみはひまりに嫉妬していたのだ。
おままごとで夫婦役になった俺達を見て、俺がどっかに行ってしまうと考えたのを無意識のうちに自分の中に押し込んでしまったのだ。
嫉妬と言うよりかは可愛いヤキモチみたいなもので、つぐみには悪いが、俺は今、めっちゃ嬉しかったりする。
妹を持つ兄たるもの、「おにーちゃん」と駆け寄ってくるのが一番嬉しいし、「大好き」と言われた日には枕を嬉し涙で濡らす事もある。
「わたしも、大好きだよ!おにーちゃん!」
だから、泣き笑いの上目遣いでそう言われたら、身体の穢れが浄化されて危うく昇天しそうになる位には兄貴冥利に尽きるというものだ。
「……帰るか。母さんが夕飯作って待ってる」
「うん!」
街灯の灯る帰り道。
行きとは違って楽しそうに手を繋ぐつぐみを見て、こっちまで楽しくなってしまう。
薄暗い道を歩く俺達の纏う雰囲気は雨上がりの夕焼けに負けないくらい明るく、暖かかった。
4話でした。長かったですね、前話と比べたら。
最大限にガルパ本家のキャラ設定に近づけて書いていくつもりですので、まだ駆け出しですが温かく見守って頂けると幸いです。
最後に、こんな作者の妄想話に☆評価を付けてくださった読者様に謝辞をば。
☆10:通行する人 様
☆9:YASP 様
☆8:けりぃ 様
ペーペーの作者に評価を付けてくださった心優しい読者様に感謝を。ありがとうございます。
こうやって誰かに評価して貰えるのは嬉しいものですね。励みになります。