転生してみませんか?   作:RyuRyu(元sonicover)

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こんにちは。

バレンタイン復刻ガチャに課金したい勢のどうもRyuRyuです。

今回は斗真のとある一日をお送りしようと思います。
決してネタ切れとか、そういうのではありません。

……そういうのじゃないんだからねっ。

では、本編どうぞ。



9話 羽沢斗真の日常

 俺、羽沢斗真の朝は早い。

 

 朝六時。けたたましく鳴る目覚まし時計を鬱陶しく思いながら止め、起床する。

 

 リビングで朝食を作る母さんに挨拶をして、階下の店に向かう。

 

「おはよう、父さん」

 

「おお斗真か。おはよう。それじゃ、頼んだぞ」

 

「あいよ。頼まれました」

 

 朝の仕込みをする父さんとも挨拶を交わして、俺も店で出すモーニングセットの仕込みを始める。

 

 小学四年生になって、俺は店の手伝いをするようになった。

 

 でもまあ、仕込みと言ってもレタスを適当にちぎってまとめたり、ハムだったりトマトだったりを切っておいたりする程度だけれど。

 

 簡単な仕込みだから十分くらいで終わらせて、父さんと一緒に朝食を食べにリビングへ戻る。

 

 

「おはよぅ…お兄ちゃん…ふあぁ……」

 

 我がラブリーエンジェルシスターつぐみもこの位の時間に一人で起きてくる。一人でだ。もういい子すぎてお兄ちゃん毎朝頭なでなでしちゃう。

 

「いただきます」

 

 家族四人揃って朝食を食べる。羽沢家のなくてはならない大切な日課だ。

 和食好きな母さんが作る味噌汁と漬物は絶品で、店で出したら相当人気がでると思うけれど、流石にこの味は我が家でひとり占めしたいから絶対に口には出さない。

 

 

 朝食を食べ終えると、俺と父さんはまた店に戻る。

 

 店先に看板を出しに行くと、既に何人かが店の前で待っていた。

 

 駅にもさほど近くもない商店街の一角の喫茶店だけれど、これだけのお客さんが来るのは一重にモーニングセットの味とコスパだろう。特に父さんの作るブレンドコーヒーは絶品だ。

 

 常連さんにも朝の挨拶をして店内に招き入れる。

 一時間弱の短い間だけれど、注文を受け、父さんに伝え、できた料理をテーブルへ運ぶ。

 

 お客さんともちょっとした世間話をしながらも、会計をして、また注文を受け、料理をテーブルへ運ぶ。

 

 そうこうしているうちに、そろそろ学校に行く時間になろうとしていた。

 

 リビングに戻るとつぐみはもうランドセルを背負って準備万端といった感じだったから、俺も筆箱くらいしか入っていないランドセルを背負う。あ、ちなみに俺は置き勉派です。

 

「いってきまーす」

「いってきます!」

 

「はい、いってらっしゃい」

 

 

 外に出ると、すぐの交差点にはもうみんな揃っていた。

 

 夕弦、ひまり、蘭、モカ、巴、あこ、沙綾、はぐみ。イツメンである。

 

 十人というなかなかの大人数で騒がしく学校へ向かう。

 通学中も交わされる会話は様々で、今日算数の小テストがあるとか、今日から体育がバスケになるとか、兄と姉による妹自慢大会とか。一年経っても何も変わってませんね。昨年から巴から追加されただけ。

 

 学校に着いてからはそれぞれの教室へ。

 

「にしても、四年連続でお前と同じとはな」

 

「何、今更どしたの急に。もう一ヶ月経つのに」

 

「んや、ふと思っただけ。腐れ縁にも程があるだろって」

 

「それもそうだね。ほとんど年齢イコールの腐れ縁だもんね」

 

「どこまで続くかね」

 

「さあね。どっちかが死ぬまでじゃないの」

 

「んだそれ。それもう一生添い遂げてんじゃん」

 

「…そんくらいの腐れ縁だと思っただけ」

 

「さいで」

 

 

 

 

 

 ▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 さて、放課後である。

 

 ぶっちゃけ言って授業がつまらなすぎる。テストの点数調整するのホントにめんどくさい。

 

 ま、それはいいとして。よくないけれど。

 

「斗真君、つぐみちゃん来てるよー」

 

「おー、今行くー」

 クラスメイトから呼ばれて教室の外へ目を向けると、つぐみ達Aftergrowがひょっこりとこちらを覗いていた。あら、可愛い。

 

 つぐみが入学してからほぼ毎日のように放課後は俺達の教室にやってくる。この光景も馴染みのものになって、クラスメイトもいつもの事として彼女たちと話すようになっている。

 

「さ、帰るか」

 

「そうだね」

 

 ランドセルを背負って待っているつぐみ達の所へ向かう。

 

「お兄ちゃん!今日ねひまりちゃんが-」

 

 そうやってつぐみの話に相槌をうちながらみんなで帰る。

 

 今日は、俺はこの後店の手伝いが無くて、夕弦もバスケの練習が今日は無いという。

 

「うし、んじゃ今日は基地行くか」

 

「さーんせーい」

 

「それならはぐみと沙綾も誘おうよ!」

 

「あとあこもな!」

 

 モカを筆頭に全員から賛同の声があがった。ならば今日は他の三人と合流して基地で遊ぶ事としよう。

 

 

 裏山の雑木林の向こう側にあるコンクリート製の小屋。去年の冬にいろいろあって俺が見つけたそこが、今の俺達のたまり場みたいになっている。

 

 雨風も凌げるから、小屋の中にはトランプや人生ゲームなどなど俺達が持ち寄った遊び道具があって、小屋の前がちょっとした空き地になっているから、サッカーボールとかもあったりする。

 

 ……さて、ワイワイ遊ぶ前に。

 

 

「じゃー宿題だせー」

 

「はーい」

 

 遊ぶのは宿題を終わらせてから。俺がここを基地とした時に決めたちょっとしたルールだ。

 

「お兄ちゃん、ここってどうやってやるの?」

 

「あ、それあたしもわかんない」

 

「ん、ああ。ここなは-」

 

 夕弦も含めわからない所を俺が教える。これを始めてからつぐみもテストの点数が上がったらしい。

 

 数分後。全員宿題を終わらせて、みんなが待ちに待った時間。

 

 この空き地から出ないという約束で各々自由に遊びだす。

 

 夕弦とつぐみとひまりと沙綾でトランプして、モカがパンをむしゃつき、俺は巴と蘭とはぐみとあこでサッカー。木と木の間をゴールにして俺がキーパー。巴と蘭とはぐみとあこのバトルロワイヤル。

 

 

 …。

 

 

 ……平和だなぁ。

 

 

 最近ここで過ごす放課後が一番の楽しみだったりする。

 

 恐らく誰にも邪魔されない、俺達だけの世界。

 

 

 お、巴が抜け出した。俺と一対一だ。

 

「いくぞ斗真!」

 

「おー、かかってこーい」

 

 ま、小二だし適当に止めておこう……

 

「くらえ!邪王炎殺黒龍波ッッ!!」

 

「え、何それなんで知ってゔっ」

 

「ちょっと、大丈夫?」

 

「とーま兄ちゃん!?」

 

 巴の爪先から繰り出されたシュートは、ボールの中心を捉えたおかげで予想以上に球筋が伸びて、俺の股間へ一直線に飛んできた。

 

「斗真!?大丈夫か?」

 

「大変だよ!とーま兄ちゃんがとーま姉ちゃんになっちゃう!」

 

「いや、さすがにないから」

 

 ボールはゴールに入っていない。やったよ、若林くん。俺、やったよ……。

 

 

 いや、そうじゃなくて。

 

 

「なんで巴それ知ってんだよ!?」

 

「え?ああ。父さんが好きなんだよ。ゆーゆーはくしょ?だっけ。休みのたんびにみてるんだ!」

 

 巴のお父さんェ……。

 

 

 

 

 日が沈みかけ、辺りがオレンジ色に染まる。

 あまり長い時間いると、暗くなって危ないから基地にいる時は早めに切り上げるようにしている。

 

 ワイワイ喋りながら歩いていると、商店街が近づいてきた。今の時間がちょうど一番商店街が賑わう時間帯で、賑やかさの中にある地元感が心地いい。

 

 帰り道にある駄菓子屋のおばちゃんの長話に無理矢理付き合わされたり、はぐみの父さんからコロッケ貰ったり、やまぶきベーカリーから漂う香りにつられるモカに俺がつられたり。

 

 他愛の無いことにバカみたいに笑い合ったり。

 

 そんな日常がたまらなく大好きで。

 

 願わくばいつまでもこの日常が続いて欲しいと、夕焼けに染まる街を見て俺は思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 ▲▽▲▽▲

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした」

 

 食卓を囲んで団欒の一時。今日も相変わらず母さんのご飯は美味しいです。

 

「あ、そうだ」

 

「どったの父さん」

 

「お前ももう四年生だろ?週末あたりに携帯でも買いに行かないか?」

 

「え、いいの?」

 

「いいも何も、小四で携帯持っていたい方が今日日珍しいってテレビでやっててさ。お前も友達と連絡とる時に不便だろうと思ってな」

 

 何それ。知らなかった。父さんが言うには、幼稚園とか保育園の段階で既に携帯を買い与える家庭もあるようだ。そういう時代なのかしら。保育園児の携帯の使い道を知りたい所だ。

 

「で、どうだ?試しに行ってみるか?」

 

「うん。俺もそろそろねだろうかなって思ってたし」

 つぐみを写真に納めたいから。

 

「この際だしつぐみにも持たせておこうかな」

 

「いいんじゃない?防犯にもなるし」

 

「それもそうだな。んじゃ、週末はみんなで出掛けがてら携帯買いに行くか」

 

「おー」

 

 

 

 

 

 

 その夜。

 

「もしもし斗真君?どうしたの?」

 

「あ、もしもし死神さん。確か死神さんって幽白全巻持ってましたよね?」

 

「うん。持っているけど、それが?貸してほしかったり?」

 

「全巻貰えません?」

 

「……え。貸すんじゃないの?ていうか、わざわざ家電まで使ってする話かな?」

 

「仕方ないじゃないですか。なんか久しぶりに読みたくなったんですから。俺んとこまだ本棚の余裕あるし」

 

「え、やだよ。僕もたまに読んでるんだから。貸すくらいならいいけど」

 

「……はぁ。わかりました。じゃ明日借りに行きますね」

 

「ため息つかれる覚えは無いんだけどなぁ」

 

「それじゃ、そういう事で。おやすみなさい」

 

 

 ……俺も明日から邪王炎殺黒龍波の練習しよう。




9話でした。

こんな日常を作者も送ってみたかったです。ちなみに作者は幽白についてはあまりよく知らないので悪しからず。

さて、では作品に高評価をくださった読者様方に謝辞をば。

☆10:ひったり 様
☆9:孤独なヨーム 様
☆9:邪龍王 様
☆9:アテヌ 様
☆9:デュアルK 様

その他、この作品をお気に入り登録された読者様。
作品を見てくださり、評価をしてくださり、ありがとうございます。

ここでもうないであろう次回予告を。

次回は9.5話と題して今までの話の間あいだでの小話をいくつかの短編でお送りします。

話数が二桁に行く所で少しだけ振り返りも含めていろいろ書いていこうと思っています。

ではまた9.5話で。
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