艦これ世界の艦娘化テイトク達   作:しが

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久しぶりの掲示板


【悲報】朝起きたら隣で提督が裸で寝ていた

1.名無し、抜錨します

 

 

やりました。やっちまいました。

 

 

 

2.名無し、抜錨します

 

 

卑しい女ずい…

 

 

3.名無し、抜錨します

 

 

じゃあまず状況を教えてくれるかな?

 

 

4.24歳、正規空母です

 

 

説明することと言えば目覚めて、服を着てなくて、隣に全裸でうちの提督が寝ていたことくらい。昨日の夜の記憶はない。

 

 

 

5.名無し、抜錨します

 

 

やべぇよ…やべぇよ…

 

 

6.名無し、抜錨します

 

 

やっちゃいました? やりました?

 

 

 

7.名無し、抜錨します

 

 

まあまて慌てるな。イッチもさぞ困惑していることだろう。まずは一つずつ状況を整理していこうじゃないか

 

 

 

8.24歳、正規空母です

 

 

了解、冷静な人がいて助かった

 

 

 

9.名無し、抜錨します

 

 

せやな…まずは提督の息の様子とか調べてみればいいと思うよ

 

 

10.名無し、抜錨します

 

 

うちの提督は加齢臭が…

 

 

11.名無し、抜錨します

 

 

うちからはミントの香りが…

 

 

12.名無し、抜錨します

 

 

我が提督からはイチゴのにおいが…

 

 

13.名無し、抜錨します

 

ミントはともかくイチゴは何したんだ…?

 

 

14.名無し、抜錨します

 

 

歯磨き粉でしょ

 

 

 

15.24歳、正規空母です

 

 

強烈なアルコール臭を感知。ついでに自分からもあった

 

 

16.名無し、抜錨します

 

 

原因究明したじゃねぇーか!

 

 

17.名無し、抜錨します

 

 

酒ってこわいなーとづまりしとこ

 

 

18.名無し、抜錨します

 

 

では今から途切れた記憶の糸を拾っていこうじゃないか

 

 

19.名無し、抜錨します

 

 

まるまる吹っ飛んでるとかうっそだろwwwwお前wwww

 

 

20.24歳、正規空母です

 

 

頭に来ました(二日酔い的な意味で)

 

 

 

21.名無し、抜錨します

 

 

 

まずは思い出せるところから思い出していこう。昨日最後に記憶があったのは?

 

 

22.24歳、正規空母です

 

 

そう…あれは今からあれは今から36万・・・いや、1万4000年前だったかまあいい私にとってはつい昨日の出来事だが、君たちにとってはたぶん明日の出来事だ

 

 

23.名無し、抜錨します

 

 

何時だよ(ピネガキ)

 

 

24.24歳、正規空母です

 

 

僚艦が提督と自分の所に誘いに来て…

 

 

 

 

 

 

「飲み会か?」

 

 

提督の声が執務室に響いた。彼の視線は目の前にいる少女、瑞鶴へと向けられた。

 

 

「うん。今から空母寮の皆で呑みに行くことになって隼鷹さんからどうせなら提督も一緒に誘おうっていう話が出て。」

 

 

「ほう…最近一杯も呑んでないからな引っ掛けに行くのは魅力的な誘いだが…」

 

 

ちらりと提督は横を見た。威圧的な視線を寄越す我が秘書艦殿がいた。

 

 

「…私は別に止めませんよ。」

 

 

「…いいのか?加賀。いつもならば艦載機を飛ばしてでも止めているというのに。」

 

「明日は非番ですし…私が提督の趣味を全て奪っているのではあまりにも酷でしょう。」

 

「そうか…なら今日は呑みに行くか。」

 

 

「ただし…条件があります。」

 

 

「条件…?」

 

 

「私も連れていくことです。」

 

 

 

「…へ?」

 

 

 

 

25.24歳、正規空母です

 

 

そう、提督が呑み過ぎるであろうことを予想して介抱するためその飲み会へ同行していったはず…記憶はここで途切れている

 

 

 

26.名無し、抜錨します

 

 

ここまでピースが来れば予想は出来るだろうけれど

 

 

27.24歳、正規空母です

 

 

それでも自分の記憶を取り戻したいのは定め

 

 

 

28.名無し、抜錨します

 

 

記憶が途切れるほど呑んでるなら自分で思い出すのは不可能でしょ

 

 

29.名無し、抜錨します

 

 

聞き込みあるのみだな

 

 

30.24歳、正規空母です

 

 

任務了解

 

 

 

 

 

 

 

「あ…えーと…ご、ごめんなさい!加賀さん!私あれは言えません!」

 

 

普段何かと突っかかってくる瑞鶴は逃げ出した。

 

 

「意外な側面を見れました。」

 

うふふと笑う翔鶴

 

 

「意外とあんたも独占欲ってあるんだねぇ。」

 

心底珍しいものを見たという隼鷹

 

 

「昨日のこと…?記憶にありませんね。」

 

 

そもそも記憶が残っていないという大鳳

 

 

「あはは…ま、まあ可愛かったと思いますよ。」

 

 

言うやいなや逃げ出した蒼龍

 

 

「加賀さん…本当に覚えてないんですか…?」

 

 

ありえないものを見るような飛龍。

 

 

 

…昨日いたはずの大方の面々の話を聞く限り相当強烈なことをしてたようらしいのだが肝心の加賀には一切合切身に覚えがなく困惑していた。

 

 

 

「…さすがに困りました。」

 

 

 

 

30.24歳、正規空母です

 

 

誰に聞いても教えてもらえませんでした。え、何それは(困惑)

 

 

31.名無し、抜錨します

 

 

イッチはそんなに嫌われてたのか…

 

 

32.名無し、抜錨します

 

 

哀しいなぁ…(諸行無常)

 

 

33.名無し、抜錨します

 

 

ただ単にはずかしいだけだと思うんですけど(名推理)

 

 

34.名無し、抜錨します

 

 

あい分かった!ならば最終手段!

 

 

 

35.24歳、正規空母です

 

 

ちょっと思い切り頭ぶつけてくる

 

 

 

36.名無し、抜錨します

 

 

えぇ…(困惑)

 

 

 

 

がっこーん と重圧的な金属音が鎮守府にへと響いた。その騒音を聞きつけた艦娘達がなんだなんだと音の出所を確かめに来た…彼女たちの視線の先には血を流し倒れている見知った人物がいた。

 

 

「か、加賀さん…!?」

 

 

瑞鶴が慌てて彼女を抱き起すと翔鶴がその容態を見始めた。

 

 

「頭部から激しい出血ね。皆協力して!医務室へと運ぶわ!」

 

 

隼鷹と飛鷹に抱えられた加賀はそのまま皆に誘導される形になり医務室へと運び込まれた。包帯で出血箇所は頑丈に固定されており、止血を終えた。加賀が倒れているという報を受けて提督は執務も放り出して医務室へと急行した。

 

 

 

「加賀…何故こんなことに…」

 

 

普段の彼女の戦いぶりはまさに鎧袖一触。一航戦としての実力を遺憾ないほど発揮しており彼女のけがを見ることなどなかった。

 

 

「提督…見る限り、加賀さんは自分から頭を打ち付けたらしいです。」

 

 

「なっ…それこそ何故そんなことを!?」

 

 

「…原因は不明です。本人に聞かない限り…」

 

 

 

翔鶴と提督が話しているとき、瑞鶴は落ちていた加賀のスマートフォンを拾っていた。そして直前まで開かれていたページを見て納得した。

 

 

 

「…なるほど、あなたも私と同じだったんだ…」

 

 

こんなにも近くにいたのになぜか気が付かないものなんだねと瑞鶴はため息を吐き、彼女の名誉のためスマートフォンの電源を切り彼女の傍に置いておいた。あとは提督に任せるしかないのだろう。

 

 

「提督さん、心配なのはわかるけれど仕事も放っておいたら駄目だよ。」

 

「…ああ、分かってる。けれどもまずは加賀さ。」

 

 

「…お熱いこと。それじゃあ翔鶴姉行こうか。」

 

 

そして医務室から瑞鶴と翔鶴が立ち去ると加賀はタイミングを待っていたかのように目を開いた。

 

 

「…狸寝入りしていたのか?」

 

「あの子たちには聞かれたくないですから。」

 

 

そして体を起こす加賀。頭に巻いてある包帯に気が付いたようだ。

 

 

「…それで、何故こんなことになったのか理由を教えてくれるよな?」

 

 

「…漸く思い出せました。」

 

 

「…何を?」

 

 

疑問符を浮かべる提督に、目を瞑り感慨深げに言葉を反芻しているであろう加賀。

 

 

「提督も昨晩あったことを忘れたわけではありませんよね?」

 

「ま、まあそりゃあな…。」

 

居心地が悪そうに目を逸らす提督。ベッドの上で乱れてしまったことが彼にとって少々気恥ずかしい懸念だった。

 

 

「お酒の勢いもあるとは思いますが…。」

 

 

「す、すまん、本当に軽率だったと思う。俺もいくら酔っていたとはいえあんなことを言って!あんなことをしてしまって!」

 

 

土下座をしかねない提督に対して加賀は微笑んでいる。

 

 

「…私、これでもうれしいのですよ。」

 

「…えっ!?」

 

 

「先の先ほどまで記憶が飛んでいましたが漸く思い出せました。…てっきり私は提督に嫌われているものだと思っていました。」

 

 

「そ、そんなことはない!加賀はどんな女性よりも魅力的だ!俺自身お前にはとても感謝している。それに…いくら酒の勢いがあったとはいえあの時に叫んでいた言葉に嘘偽りはない。」

 

 

昨日の飲み会…加賀はずっと飛んでいた記憶を思い出した。

 

 

『俺はなー!物静かな加賀でも!手厳しい加賀でも全部の加賀が好きなんだよ!』

 

おそらく酔った勢い。提督は羽目を外していたのは目に見えている。

 

 

『そうですか、ならば私も提督が好きなので問題ありませんね』

 

 

そしてこちらも酔っていた。普段のクールな感じは変わらないが酔っていた。酔っ払い二人がその酒の勢いでベッドインを果たしてしまった。

 

 

 

「…これを幸せというのでしょうね。」

 

「…加賀…」

 

 

感極まったのか提督が加賀を思いきり抱きしめた。

 

 

「ありがとう、加賀!大好きだ!」

 

 

少し驚いたのか一瞬呆けたが、彼女は笑った。

 

 

「…ありがとうございます、提督。私も…一航戦の誇りに誓い、あなたが好きです。」

 

 

 

 

 

—————————————————

 

 

 

 

「加賀さん!」

 

 

「あら五航戦。何かしら。」

 

 

「あ、いえ…けがはもう大丈夫なんですか?」

 

 

「見ての通り。怪我の治りは早い方よ。」

 

 

「なら良かったです…あの…」

 

 

「?」

 

 

「加賀さんも…『テイトク』なんですか?」

 

 

瑞鶴の質問に加賀はただ疑問を持つだけだった。

 

 

「何を言ってるのかしら?私は加賀、栄光なる一航戦の艦娘、航空母艦『加賀』でしょう?提督ならばあの人がいるじゃない。」

 

 

「…そ、そうですね。あ、あはは…なんでこんなこと聞いたんだろう…そ、それじゃあ失礼します!」

 

 

 

「…おかしな子。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

100.名無し、抜錨します

 

 

イッチはあのまま行方不明?

 

 

101.名無し、抜錨します

 

 

本当に頭をぶつけたのか。

 

 

102.名無し、抜錨します

 

 

あいつは死んだ!もういない!

 

 

 

 

 

…瑞鶴はただそれだけ書き込んだ。…これでいい、これでいいのだ。

 

 

「…加賀さん…。」

 

寂しげに瑞鶴は呟いた。その呟きは冬の木枯らしに乗って空へと消えていった。

 

 

 


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