Fang of No Face〜Sword Art・Online alternative〜 作:Mr.bot-8M6N
投稿期間が空いたことにもだが、一つのエピソードが終わってないのに、別のエピソード始めてしまってマジですまぬー!
以前から投稿中のエピソードは投稿期間が空いている内にもうちょい作り直そうと思い至ってしまったのだ!だからすまぬー!
そっちと同時更新でやっていくつもりなのでご了承下さい。
まじすまぬー!
EP-elf① Favor of mouse
無限と夢幻の蒼穹に漂う空中の城《アインクラッド》。ここは世界初の仮想現実によるRPGの世界にして、アバターの死が現実での死に直結するデスゲームだ。
約一万という数の人が囚われてから
その一つ下の階層で一組の男女が揉めているところから始まる。
これは、彼が彼女と"出会い""別れ"、先人に何かを教わるまでの話だ。
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ーー触覚が赤い。
研ぎ澄まされた神経が未だ落ち着くことなく全ての感覚を伝えてくる。
ーー嗅覚が赤い。
鼻を突くような鉄錆の匂いがする。
ーー聴覚が赤い。
命乞い、悲鳴……色んな胸糞が悪くなる物を聞いた。
ーー味覚が赤い。
男の喉元を食いちぎったせいだろうか?
ーー視界が赤い。
ふと見た手は紅く染まっていた。
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いつからだっただろうか。俺は「寝る」事が出来なくなった。
「胸糞の悪い夢を見た」
例え眠ることが出来ても、ほんの短い間だけで直ぐに目がさめる。
「寝る」ことが出来ない。それ自体おかしな話だ。何故なら、今俺が囚われているVRMMORPG《ソードアート・オンライン》は世界初の《
今頃、本当の……ポリゴンの集合体ではない、血と肉と骨で出来た現実の身体は、二ヶ月もの間スヤスヤと病院のベッドの上で眠り続けているからだ。……まぁ、それを言ってしまえば、「食事」もこの世界では必要の無い行為だろう。
だが、実際にはそうはいかない。この《ソードアート・オンライン》の開発者にして、この命懸けのデスゲームを俺を含めた総勢約一万人のプレイヤーに敷いた男「茅場晶彦」は随分と凝り性だったようだ。
食事をしなければ「空腹感」があり、睡眠をしなければ「疲労感」を抱く。これらは全て、《ナーブギア》という仮想世界と現実世界を繋ぐヘルメット型の機器から発せられる電気信号による仮初めの「空腹感」や「疲労感」だ。
話が脱線しているようだ。ここで閑話休題といこう。
この仮想世界で眠れない。たとえ寝る事が出来ても、その眠りは浅く、直ぐに起きてしまう。勿論、「疲労感」はある。それも酷く重度の「疲労感」だ。、意識していなければ、重い瞼が落ちてしまいそうな程だ。だと言うのに、俺の神経は常に極限まで研ぎ澄まされ、寝ることを俺はこの
俺は一体いつから
……分からない。これらの出来事はたった数ヶ月の間に起こった事だ。多分、もっと多くの出来事があったような気がする。だというのに、その多くがとても遠い。過去の彼方に行ってしまったようだ。
たった数ヶ月で色んな物を失ったようだ。……いや、置いてきた、だろうか。
今は、1つの命を終わらせた"あの感覚"だけが手に残っていた。
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アインクラッド第三階層の主街区の路地裏で、一組の男女が話している。
「頼み事……ですか」
一人はフードを目深に被った少年。声変わり気味の声にも対面の女を見下ろす視線にも感情らしい感情が含まれておらずどこまで空虚で冷たい。
「あア、そうダ。ちょっとオネーサンの頼み事を聞いてくれないカ?」
もう一人は、身長の低いローブの女。冷たい声と視線に物ともせず独特なイントネーションの声音で返している。
「すいません。今忙しいのでお断りします」
少年は誰かと話す事さえ拒絶するように素気無く答えて足早に立ち去ろうとする。
ローブの下で何処かニヤついた笑みを浮かべていた彼女は、その笑みを引っ込めて慌てて少年の裾を掴んで引き止める。が、少年はそのまま路地裏を抜けようとする。
「チョっ、ちょっと待ってくれヨ。ナナ坊とオイラの仲じゃあないカ。ちょっとくらい話を聞いてくれヨ!」
「結構です。貴方と俺は、それ程親しかった覚えはありません」
「損はさせないからサ!」
「結構です。……というか、損か得かなら貴方と話してる時点で『損』でしょう。たしか『五分話せば100コル分のネタを抜かれる』でしたっけ」
「オ!ナナ坊も情報の重要性を分かってくれたみたいだネ。オネーサンは嬉し……ちょ、チョーっと、本気で待ってくれないカ!!今、ナナ坊以外に頼める相手が居ないんダ!」
「…………」
「む、無視はやめてくれないかナ!?………ほ、ほら!この間の借りを返すと思ってサ!」
「……………………」
そこでやっと少年はピタリと歩を止める。が、女性は説得に必死なのか気付いていない。
「この間、カーソルがオレンジになって《圏内》に入れなくなってたナナ坊を色々面倒見てあげただロ!カーソルの色を緑に戻したりとかサ!いやー、あの時は怖かったナー!なんせ、カーソルがオレンジってのは殺人をはじめとした何らかの犯罪行為した奴を表してルからナ!……犯罪者を相手に………ってアラ?」
そこで、やっと少年が足を止めて此方を見下ろしている事に気付いた。その視線には、生気が宿っているかさえ分からない濁った瞳だというのに『忌々しさ』だけがこれでもかと込められている。
「……確かに貴方には『恩』があります。しかし、それを『貸し』とするのなら早い内に返した方が良さそうだ」
「お、おー。分かってくれてオネーサン嬉しーー」
「しかしーー」
「しかシ?」
そこで、女性は少年の右手が背中に吊り下げた《アニール・ブレード+4》の柄に添えられていることに気付いた。
「ーーそれを傘に何度も頼み事……脅迫して来ようものなら容赦するつもりはありません」
ここは、モンスターが侵入せず、プレイヤー間でも任意の
それも仕方がないかもしれない。何故なら、彼女は目の前の少年が人を殺せる人間だという事を知っているからだ。
「さ、流石にオネーサンの事、目の敵にし過ぎじゃないカ?まぁ、
「それもあります。が、根本的に貴方は信用ならない。恩がありますし、感謝も勿論していますが、それとこれとは別だ」
「……………信用してナい……いヤ、出来ナいのは『オレっちだけ』じゃなくて、『
「……どちらでも構いません。それで……『貸し借りはこれで無し』で良いですよね?」
少年から剣呑な視線が女性の小柄な肢体を射抜き、直剣の刃と鞘がぶつかる小さな音が耳を叩く。
「りょ、リョーカイダ。あの時の『貸し』これでチャラにしヨウ」
少年の服の裾を掴んでいた両手を離し、一歩二歩と下がる。少年も右手を柄から離し、改めて彼女に向き直る。
「……それでは、一体何の依頼でしょう。『殺人』を含めた護衛でしょうか?そういう事なら、お断りしたいのですが……」
少年の口から、忌避はしているもののとても自然に人を殺すという言葉が紡がれる。
「い、いきなりブッソーだナ……。そんナ訳ないだロう」
「しかし、『俺にしか』頼めない……もしくは、頼み辛いこと、なのでしょう?」
「だから、ンなブッソーな事頼まネーよ!!……ちょいと厄介なクエストの調査の依頼ダ!!」
流石に小柄な女性も少年に声を荒げる。心外だ、と言わんばかりに。
「はぁ、クエストですか……。依頼を受けるの構いませんが、それってワザワザ俺がする必要のあるものなんですか?」
そんな彼女の叫びも何処吹く風と言わんばかりに半分無視する少年。どこまでもマイペースな少年に項垂れた女性は、もう一度奮起し、「チッチッチッ……」と右手の人差し指を左右に振り、
「ナナ坊はオレっちの依頼が『ただのクエストの調査』だとでモ?……違うンだナー、コレが。オイラが調査して欲しいのは通称《エルフクエ》って呼ばれてるーー」
ーーSAO初の大規模キャンペーンクエスト サ
路地裏で一匹の《鼠》のニヤついた笑みが零れた。現実と仮装が
今回の登場人物
・ナナシ……今回、もう一人のキャラがアレなもんで一緒に名前がふせられたが、この人です。当時の"寄らば切る"のツンツンナナシ君と若干丸くなったアフターナナシ君の相違点や類似点を探しながらお楽しみ下さい
・《?》の???……フーデッドローブに身を包んだ小柄な女性。情報屋としてSAO内で活動している。……まぁ、原作既読者ならなんとなく誰か分かると思います。ええ、その人です。原作のキャラなんであえて名前を伏せました。誰か分からず、気になる人は原作のプログレッシブを読んでね(販促)