Fang of No Face〜Sword Art・Online alternative〜   作:Mr.bot-8M6N

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あっっっっれぇぇぇええええ?!なんか筆が乗ってしまったゾ?これどうすんの?!どう収拾をつけるの?!うわぁーん、次回マジでどうしよぉ(半泣き)

【謝辞】
今回の序盤に原作キャラを全力でディスっている箇所がありますが、自分は原作を貶める意図はありません。
原作で主人公たちが森エルフの騎士を倒したという偉業を際立たせつつ、オリキャラのキャラを立たせるための物です。簡単に言うと「コイツ、バカだろ(褒め言葉)」みたいな物です。

…………あと「こうしたら、ウケるかなー」という取らぬ狸の皮算用もあります。


EP-elf③ この間、僅か1分(笑・仮)

 ーーあ、不味い。

 

 木の後ろで大声で叫んでしまったナナシは顔を青くする。何故ならーー

 

『『誰だッ!!』』

 

 あんなデカい声を木を一本隔てただけの所に居たエルフ二人が聞き逃さない訳がないのだから。

 先程まで鍔迫り合いを繰り広げていた二人のエルフがお互いを警戒しながらも此方を睨んでいる。

 

 クソがッ!?しくじった!……どうする、逃げるか?アイツらは敵対し合っている。ここで全速力で逃げたら追ってこないはず。

 しかし、それは正しいのだろうか?確かに、逃走は高確率で成功する。だが、その後は?今、俺がこの森から出るにはあの依頼者のどちらかに道案内をしてもらう必要がある。……なら逃走は却下。そうなると、無難に戦って依頼者を自爆攻撃で失う訳にもいかない。………おいおい、本当に倒すのかアレを……!?ネズミ女は倒せといってやがったが無理だろアレは……クソ、あんな化物を倒した奴は、相当な馬鹿か変態だな!

 

『さっさと出てこい!さもないと……』

 

 エルフの女が此方に剣を向ける。

 

 時間がねぇ!このまま無策で突っ込むか?いや、ありえねぇ。ンな事したらここで斬られて死ぬか、森で彷徨って死ぬかだ。……そもそも勝利条件が鬼……ちく………………。いや、待て。確かクエストのクリア条件は、あのエルフ二人が取り合っている《秘鍵》ってのを各陣営どちらかに届ければ良かった筈だ。どっちが持ってるかは知らんが……おそらく敵対した方のエルフの懐にでも自動生成されると見るべきか。なら、隙を見てかすめ取って逃げるってのも手か?確か、俺のHPが半分切ったら味方エルフが自爆するんだったよな。なら、その前に秘鍵を奪えたら、そのまま道案内役のエルフも確保できそうだ。

 

 そう考え、木の後ろから二人のエルフを見る。どちらのエルフ

もカーソルカラーがダーククリムゾンの化け物だ。

 

 ……かすめ取るの?アイツらから?……す、少なくとも「倒す」よりかは簡単な筈……。思い付きだが、これでいくしかねぇ!

 

 ナナシは背にした木から立ち上がり、二人のエルフに姿を見せる。ナナシの姿を確認したエルフ二人が叫ぶ。

 

『人族がここで何をしている!』

 

『邪魔立て無用!無関係な人族はここから立ち去れ!』

 

 ーーうるせぇ!こっちも帰り道が分かってたらとっとと回れ右しとるわ!!

 

 こう叫んでしまいたいが、それは目の前のエルフ型NPCには関係の無い話。

 ここはネズミ女の要望通りフォレストエルフこと森エルフ側に付くことにする。………しかし、どちらに付くにしても、プレイヤーにはこの戦闘に首を突っ込む理由が無い。こういう時、どういう口上で敵対あるいは協調の意図をあの2人……いや、最悪森エルフのデカ乳女だけにでも伝えるべきか……。

 

「……………………悪いな」

 

 何も思いつかなかったナナシは、小声の謝罪と共にダークエルフの白髪ロン毛に鞘から引き抜いた《アニールブレード+2》を向ける。

 

 数瞬の間があった後、白髪ロン毛はナナシの意図に気付いたのかみるみる顔を険しくさせる。

 

『愚かな……』

 

『人族にも物の道理という物が分かるということだろう』

 

 何かエルフ2人が喋っているが、ナナシはそんな事1つも聞いていない。彼の頭にあるのは……保身だ。物の通り?すいません、そんな物はありません。

 

「……取り敢えず、攻撃はあのデカ乳に全部押し付けて俺はサポートに徹するか。あのエルフ2人の実力は互角っぽさそうだし……そうすりゃ死ぬことは無いだろう」

 

 卑怯?姑息?……結構!全ては勝利と生存の為に!要は勝てばよかろうなのだぁぁぁあああ!!

 

 もう危機的状況過ぎて、脳内がヤケを起こし始めたナナシの耳に、冷水を流し込まれるようにダークエルフの声が届く。

 

『いいだろう。ならば人族、貴様からこの剣の露と消えろ!』

 

 白髪ロン毛の剣先がナナシに向く。

 

「……………………え?」

 

 どうやら、あの白髪ロン毛の敵対値(ヘイト)を今の今まで戦っていた女より稼いでしまったようだ。もしくは、ただ単に複数人を相手する時に取り巻きの『雑魚』から始末する常套手段を知っていただけかもしれない。

 

 ーーき、汚い!流石、人型モンスター!やり方が汚い!!

 

 先程の思考は何処に行ったのか、ナナシは目の前(・・・)の白髪ロン毛に頭の中で罵倒する。

 

 ーー………いや待て。今、俺は「目の前」と言ったか?さっきまであのダークエルフとそこそこの距離があった気が……………ッツ!?

 

 ナナシは、反射的にアニールブレードを両手を使って、正面をガードするように構える。

 

 その瞬間構えた剣に衝撃が走った。

 

 ダークエルフの神速の一撃がナナシを吹き飛ばす。ナナシのHPがそれだけで3割吹き飛んだ。

 今のダークエルフの放った一閃の狙いはナナシ首。何がHP半分で、だ!一撃で仕留めに来やがったッ!つーか、ブロックしたのにダメージが半端ねぇ!あんなのまともに食らったら一撃でHPが全部吹き飛ぶわッ!!

 

「畜生がッ……」

 

 ナナシは吹き飛ばされた衝撃にまかせて距離を取ろうとする。しかし、それをダークエルフは許さない。背中に担ぐような構えられた剣から青の燐光が放たれる。

 

 あれは……不味いッ!!

 

 ダークエルフのソードスキルは、片手剣・突進SS《ソニックリープ》。システムアシストという現実には無い力によって強化された脚力による突進とそこから放たれる袈裟懸けの斬撃で構成されたソードスキルだ。

 ダークエルフは、宙に浮き無防備なナナシを確実に仕留める気だ。

 

「……舐めんなぁ!!」

 

 殆どやけくそ気味に懐から投剣を抜き取り、投げる。

 

 ーー投剣・基本SS《シングルシュート》。

 

 無理な体勢からだった為、急所は当てる自信は無いが白髪ロン毛の何処かには当たる。それでも、相手は格上。避けられるかもしれないし、剣で弾かれるかもしれない。それでも構わない。狙いはソードスキルをキャンセルさせる事と距離を取る時間を稼ぐ事。それが出来たのなら当たったかどうかなぞ関係無い。

 だがーー

 

『……グッ』

 

「……なにぃ!?」

 

 ダークエルフの男は避けなかった。弾かなかった。その身に受けた。ナナシの投剣はダークエルフの左肩に深々と突き刺さる。

 それでもーー

 

「殺意が高過ぎだッ!クソがぁ!!」

 

 ーーそれでも、ソードスキルの構えは解かれる事は無かった。

 

 ナナシの身体がソードスキル発動の弊害で硬直し、致命的なまでに……動かない!?

 

 ダークエルフのソードスキルが発動する。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……ーーーーー!!」

 

 ダークエルフの男は、目の前の吹き飛ばした人族の少年を評価し直す。

 

(ただの人族と侮っていたが、それは私の間違いだった)

 

 目の前の少年は、どうしようもない状況で起死回生を狙って投剣を飛ばした。狙いも悪くない。しかもまともに構えの取れない空中でだ。あのような状況で私はこの少年のように反撃が出来るだろうか?……おそらく否だ。

 

(何処に当たる?……頭、違う。心臓、違う。目、違う)

 

 ならば、気にしない。この少年を倒した後にあのエルフの女との続きが待っている。戦闘に支障が出る場所ならば避けるなり弾くなりしたが、その問題は無い。ならばーー

 

(良いだろう、これは私がこの少年を見誤ったツケだ。この身で受けようッ)

 

 かくして、投剣は私の左肩に突き刺さった。

 

「……グッ」

 

「……ーーー!?」

 

(あの状況で私に当ててくることは見事。だが、人族の少年。お前の落ち度は急所に当てられなかった事だ。このツケを身を持って払ってもらおう!)

 

「ーーーーーーーッ!ーーーー!!」

 

 ダークエルフのソードスキル《ソニックリープ》が炸裂する。

 

「ーーーーーーーーーーーッッ!!!」

 

 その瞬間、目の前の少年が今までで一番大きく何かを叫んだ。だが、それはダークエルフの男は聞かない。この一撃を確実に当てる為に全神経を集中させる。

 

 ーーその瞬間、顎に強い衝撃が走った!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ダークエルフのソードスキルが随分とゆっくりと近付いてくる。絶対的な「死」に体が全力で拒絶しているのだろう。

 

 ーー「あ、これは死んだな」と思った。

 

 しかし、心がそれを受け入れようとしている。

 マジかー、と思う。俺の人生ってこんな呆気ないのか、とも思う。

 

 ーー……け…な。

 

 これは終わったなー、とか思った。まさか一ヶ月程度で後追いかー、なんて思った。

 

 ーーふざけんな、俺は何も出来ていないだろうがッ

 

 まぁ人生こんなもんか、なんて思った。頑張った、って思った。まだやるべき事、やりたい事があったのになぁ、とかも思った。

 

 ーーまだやるべき事があるだろうがッ……絶対に殺すって復讐(・・)してやるってあの()に誓っただろうがぁぁああ!!

 

「こんな所で死ねるかぁアッッ!!」

 

 その瞬間、心が全力で「死」を拒絶する体に追いついた。ナナシの心が、体が全力で「生」への執着に吠えた!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 エルフの女は、何が起こったのかと困惑した。

 

 ただ、目の前の状況は分かる。ダークエルフの男と人族の少年が二人揃ってカチ上げられている(・・・・・・・・・)のだ。

 ただし、ダークエルフの男は頭から、人族の少年は足からだが。何を見ているのか一瞬分からなかった。しかし、あれはーー

 

「…………蹴り……か?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「………グヘッ」

 

 ナナシは無様に頭から落ちた。ダークエルフは顎をかち上げられて空を見上げたようだが持ち直している。それに比べて、無様、不細工、カッコ悪い事この上無い。

 

 だがしかし、九死に一生を得た。

 

「持ってて良かった《体術スキル》……!」

 

 体術スキル・蹴技《弦月(ゲンゲツ)》。

 足に灯ったソードスキルの燐光の軌跡が月のような半円を描く蹴り……まぁ、プロレスで有名なサマーソルトキックだ。それが運良くかどうかは分からないが、あの白髪ロン毛の顎にクリーンヒットしたのだ。

 

 だが、それは普通は起こり得ない現象だ。何故なら、ソードスキルの発動前と発動後には数秒の硬直時間という物が存在するからだ。発動前の「溜め」はソードスキルの構えを無理矢理解くことでキャンセル可能だ。当然、ソードスキルは発動しないが。しかし、ソードスキル発動後の硬直時間は無視出来ない。

 故に、《シングルシュート》で敵のソードスキルをキャンセル出来なかった時点で何も出来ず、ダークエルフのソードスキルが直撃するの待つだけの筈だった。しかしーー

 

「まさか、《体術スキル》にソードスキル発動後の硬直を無視できる隠し要素が存在するとは……」

 

 ナナシはその隠し要素を知らなかった。理性的に考えればこの対処は不可能。しかし、全力で「死」を拒絶した本能が「正解」を「起死回生」を引き当てた。……駄目元が偶々上手くいったと言えば、それまでだが……。

 

 あー……本当に持ってて良かった!命を拾ったんだ。もうあのクソ辛い岩殴りクエストでの苦労分の元は取った!

 

『おのれ……ッ』

 

 綺麗に顎にキメられた白髪ロン毛は、顔を怒りの色に染め再度突撃をかまそうとしている。

 

 ファックだ、ドチクショウ!あれだけ綺麗にキまったんだから頭くらい揺れて前後不覚にでもなれよ!……しかし、不味い。普通に持ち直して倒れる事の無かった白髪ロン毛と違って、此方は体勢が整えきれてない。というか、まだ尻を地面に付けている状況だ。

 

 ダークエルフが今度こそ確実にナナシを仕留めるべく突っ込んできた。

 

「九死に一生を得たばっかなのに、またかよッ!」

 

 もう不意打ちは効かないだろう。もう駄目元で剣で防ぐしか無い!なんとか防げたらHPは残るはず。ネズミ女の頼みとか知った事か!ンな物より我が身が可愛いわ!!この状況で生き残るくらいのリアルラックがあればこの森くらい余裕で抜けられるわ!!

 

 黒の弾丸と化して突っ込んでくるダークエルフとナナシの間に一人分の影が割り込んだ。

 

 金属同士がぶつかる派手な音がする。

 

『……なッ!?』

 

「……………あ?」

 

『……ふッ』

 

 その派手な音と共にダークエルフの脇腹に蹴りが炸裂し、空き地から森の中に吹き飛び、近くの巨木に激突する。ナナシのソードスキルでは倒れなかったダークエルフがだ。

 えー……ただの蹴りだぞ?俺の《弦月》よりも威力あんの?なんか理不尽……。

 

『私がいる事を忘れてもらっては困るよ、ダークエルフの騎士よ』

 

 ナナシの耳に、もう半分くらい存在を忘れていた森エルフの女の声が届いた。

 

『人族といい、フォレストエルフといいやってくれる……ッ』

 

 開けた空き地から森の中に吹っ飛んでいったダークエルフが恨み言を呟きながら立ち上がる。

 それに警戒しつつ森エルフの女がナナシに話しかける。

 

『大丈夫か、人族の。先程の攻防は見事だったが、随分と危なっかしかったぞ』

 

 それに対しナナシは、

 

「……………お……」

 

『お?』

 

「おっっっそいわッ、デカ乳女ァ!助けるならもっと早くしやがれッお願いします。何でもしますから!!」

 

 頭が混乱しまくって失礼なのか礼儀正しいのか意味分からない言動が森に響き渡った。




今回の登場人物

・ナナシ……「いつもは結構礼儀正しいが、それはただの猫被り。それもあまり綺麗に被りきれていない」ってキャラを想定してたが、被り物が剥がれたら思った以上にガラが悪くて作者も困惑w
それはそうと、今回後出しっぽく今まで使ってなかったスキルを連発していて読者様的に「なんじゃそりゃ!?」と思われた方もいらっしゃると思いますので、ここで自分が適当に考えているナナシ君のスキル構成を紹介します。

武器系スキル
・片手剣スキル
・投剣スキル
・体術スキル
※将来的には、ここに短剣スキルと作者捏造のエクストラスキルを取得予定。というか、短剣スキルは以前持っていたが、体術スキルを取る時にスキルスロットの数的な問題で削除した模様。その内、再取得予定。
補助系スキル
・隠蔽スキル
・索敵スキル?
※補助スキルは結構ガバガバ。原作の時系列的プレイヤーレベルにあわせてちょいちょい入れる予定。隠蔽だけは確定してます。索敵は原作読み込んでから入れるか判断ですね。まぁ、今んとこ活躍する予定の無いスキルだし、別にいっか!あと、地味に窃盗系……このすばのカズマよろしく「スティール」が欲しいねぇ。女性下着を奪う予定はありませんw

※実際の所、《体術スキル》にスキル使用後の硬直時間を無視できるというのは、原作には明確に述べられていません。しかし、原作のプログレッシブにて、明らかに片手剣スキルを発動したばかりのキリト君がシレッと体術スキルを使うコンボ技のような描写がありましたので、「そういう隠し要素がある」と捏造しました。

・ダークエルブン・ロイヤルガード……敵対した依頼者エルフって、原作だとセリフ4つ分しかなかった役回りなのにどうしてこうなった?寧ろ、ナナシが受注した方の依頼者よりキャラが先に立ってしまったw

・フォレストエルブン・ハロウドナイト……今回、デカい胸以外はほぼ空気。一応、ヒロイン(現地妻的な)を想定してたのにどうしてこうなった?
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